今日の産経ニュース(6/19分)(追記・訂正あり)

■【北海道が危ない 第5部(下)】中国大使の釧路訪問がきっかけか トマム、スイス牧場、豊糠…何かが一斉に動き出した(編集委員 宮本雅史*1
http://www.sankei.com/economy/news/170621/ecn1706210005-n1.html

 一昨年、中国の商業施設運営会社「上海豫園旅游商城」に買収された「星野リゾートトマム」(北海道占冠村)。名前はそのままだが、代表者は上海豫園旅游商城に変わり、星野リゾート(長野県軽井沢町)は運営管理だけだ。
 上海豫園旅游商城の大株主の中国民営投資会社「復星集団」(フォースン・グループ)は隣のリゾート地「サホロリゾートエリア」(北海道新得町)で宿泊施設を所有するフランスのリゾート施設運営会社「クラブメッド」も買収しており、星野リゾートトマムもサホロリゾートも完全に中国資本の傘下に入っている。

 でそれの何が「北海道が危ない」のか。産経はこじつけですら何ら危険性を指摘できません。

小野寺前道議は答えを探すようにこう言った。
 「昨年5月の中国大使の釧路訪問に引っ張られるように、全てのことが同時並行に動き始めたようだ。これから何が起きるのか。不安に思っていたことが、形となってくるのが怖い」

なんてのは具体性がなさ過ぎて「はあ?」ですね。
 なお、「復星集団」(フォースン・グループ)はどうやら大規模ファンド集団であり彼らが買収してる企業は産経が上げた

星野リゾートトマム
・フランスのリゾート施設運営会社「クラブメッド

だけではありません。
 日経記事に寄れば

http://www.nikkei.com/article/DGKDASDX26008_W4A320C1FFE000/
ギリシャの宝飾品ブランド「フォリフォリ
ポルトガル貯蓄銀行傘下の保険会社

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX29H1J_Z20C16A7FFE000/
・インドの製薬会社グランド・ファーマ

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO05303300W6A720C1FFE000/
・英国のサッカークラブ「ウルバーハンプトン

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX11H0J_R10C17A4FFE000/
・フランスの不動産会社パレフ

を買収しています。

 小野寺秀前道議は、「中国資本が買うという話は聞いていたが、これほど進んでいるとは思わなかった」とした上で、「中国資本がこれほど大規模に動いているとなると、1万人規模の大規模なチャイナタウンができる可能性がある」と驚きを隠さない。

 荒唐無稽ですね。何で中国企業がリゾート施設を買うと「チャイナタウン」になるのか。


■【北海道が危ない 第5部(上)】苫小牧駒沢大が中国化する 譲渡先法人理事「中国共産党員」系列高は田中将大投手ら卒業の名門(編集委員 宮本雅史
http://www.sankei.com/life/news/170619/lif1706190008-n1.html
 久しぶりに産経がトンデモ記事を投入してきました。

 学校法人駒澤大学須川法昭理事長)が今年1月、傘下の苫小牧駒澤大学(以下苫駒大)を中国と関係が深い京都市の学校法人に無償で移管譲渡することを決めた。

 要するに少子化&「にもかかわらず新規大学は増えてること」で定員割れしたり、あげく経営譲渡したり、閉学したりする大学が増えてる中、苫小牧駒澤もそうした「経営が苦しい大学の仲間入り」し、経営譲渡以外に道がなくなったと言うだけの話です。
 その経営譲渡先が中国に関係があるからといって騒ぐ必要が何処にあるのか。もちろんこういう学校法人の経営譲渡は企業の経営譲渡と違って学生保護の問題があるので、そう簡単にはできません。文科省の許可も要るわけです(現時点では文科省に経営譲渡申請しただけで許可は下りていません)。

 移管譲渡を受けるのは「学校法人京都育英館」(松尾英孝理事長)。平成25年4月に設立され、京都看護大学や苫小牧市に隣接する白老町北海道栄高校の運営を手がけている。同法人を設立した「学校法人育英館」(同理事長)は、京都ピアノ技術専門学校関西語言学院京都市)、四万十看護学院(高知県四万十市)を運営、中国・瀋陽*2では、東北育才外国語学校を設立、経営している。
 ホームページによると、関西語言学院は、中国の高校や大学を卒業した学生を日本の大学や大学院に進学させるための日本語学校。在籍する学生は昨年7月現在で540人で、全員が中国人だ。東北育才外国語学校は東北育才学校(瀋陽市)と共同で設立した中高一貫校で、日本語教育を展開。東北育才外国語学校から関西語言学院、そして日本国内の大学へというルートを構築してきた。

 のっけからずっこけます。「おいおい、理事長は日本人ヤン。何処が中国と関係が深いんや?。関西語言学院や中国・瀋陽市の東北育才外国語学校でこじつける気か?。今時中国進出してる教育機関なんて珍しくないと違うか?」「京都看護大学、北海道栄高校、京都ピアノ技術専門学校関西語言学院京都市)、四万十看護学院(高知県四万十市)を運営て、巨大教育グループヤン。経営譲渡はむしろ当然やろ?」ですね。
 ちなみに産経も「京都看護大学」について簡単に触れていますが、ウィキペディアに寄れば「学校法人育英館」は

経営不振で2013年に廃止された京都市立看護短期大学を引き継ぎ、2014年から京都看護大学を運営

しています。「2014年設立でまだ今後どうなるか分かりませんが」既に育英館には「経営不振大学を再建した実績がある」わけです。この実績がおそらく今回の経営譲渡に影響してることは言うまでもないでしょう。
 つうかこの産経の理屈だと「京都看護大学、北海道栄高校、京都ピアノ技術専門学校関西語言学院京都市)、四万十看護学院(高知県四万十市)」といった育英館グループの教育機関は全て危ない教育機関と言う事になりかねません。
 正直「育英館グループ」に営業妨害と名誉毀損で刑事、民事で告訴されても文句言えないレベルの記事でしょう。

 民間調査機関によると、27年5月8日現在、「学校法人育英館」には、中国人2人が理事に名前を連ねている。
 この理事について、駒大関係者はこういう。
「調査した結果、1人は中国共産党員だった。東北育才外国語学校の終身校監で、東北育才学校の顧問をしている。過去に全国先進的従事者(全国模範労働者)として表彰されるなど有力な人物だと分かった」

 「東北育才外国語学校の終身校監で、東北育才学校の顧問が理事」ならむしろ当然の話で「何が問題なんだ?」と聞きたくなります。

 協定書案によると、移管日は30年4月1日で、「新たな学校名称に『駒澤』『駒沢』『KOMAZAWA』の文字は使用しない」「教職員の人事異動や給与、その他の変更等、管理運営については一切駒大は関与しない」などとなっており、全て京都育英館主導で運営されることになる。

 つまり完全に駒澤大学は手を引くわけです。

 京都育英館の進出で、苫駒大が中国化する懸念が十分に予想される。
 苫駒大関係者は「中国名の大学になる可能性もある」と前置きした上で、こう話した。
文科省の認可を受けてから生徒を募集しても集めるのは難しい。結局、中国の留学生を受け入れることになるでしょう。」
(中略)
 (ボーガス注:苫小牧駒澤大の)川島学長によると、(ボーガス注:京都育英館の)松尾理事長は「日本人が集まらない場合は、中国とのルートで留学生を受け入れることも一つの案としてあり得る」と話したといい、同理事長は地元紙のインタビューでも「学生全体の2割程度を外国人学生とし、積極的に受け入れる。東北育才外国語学校の生徒が苫小牧の大学に進学することもあり得る」と述べるなど、中国人留学生の受け入れには前向きだ。

 「中国の留学生を受け入れること(現時点ではその可能性にすぎませんが)」の是非はともかく、仮にそうなったとしてもそれは「そう言う大学経営でいいのか」という話にすぎず「北海道が危ない」なんて話じゃありません。

・岩倉博文苫小牧市長は「少子化の中で、苫駒大の現状を考えると、一定の定員を確保しながら存続していくのは難しい。廃校を避けたいという思いが強く、やむを得ない選択だった」と苦しい胸の内を明かす。
・地元メディアは、文部科学省への設置者変更の認可申請が認められるのを前提に、京都育英館と中国との深い関係を好意的に捉え、新大学設立に期待を寄せる。

 まあ大学がなくなったら苫小牧の経済が更に沈没しかねませんからね。対馬佐渡もそうですがこんな因縁をつけてる産経は対馬佐渡、苫小牧の経済のために何かしてくれるわけでは全くありません。
 なお、地元メディアの記事として以下の記事を紹介しておきます。
■苫小牧民報『京都育英館の実力−苫小牧駒沢大経営移管(上)京都看護大学』(報道部・高橋佑奈)
https://www.tomamin.co.jp/feature/ikuei/1163/

 古都・京都市の中心部にある京都看護大学。学校法人京都育英館(松尾英孝理事長)が運営する同市唯一の4年制看護単科大学だ。同法人は、来年4月から苫小牧市で運営に乗り出す大学に看護学部を設ける構想を持っている。学部開設は2020年度以降になりそうだが、同法人の特色とも言える看護師養成の教育活動を取材するため、5月、同大を訪ねた。
(中略)
 京都育英館が同大の運営に乗り出したのは、3年前の14年度とまだ新しい。同大の前身は1954年に設立の京都市立看護短期大学京都市から経営を引き継ぎ、4年制大学に変えた。
 京都市行政改革の一環として、民間に同短大の経営を委ねる方針を決め、12年度に移管先を公募。学校法人育英館が名乗りを上げ、日本の大学進学を目指す中国人学生を受け入れる日本語学校関西語言学院(京都)など複数の学校を手掛ける実績から、育英館への経営移管が認められた。移管に合わせて育英館は、大学運営を手掛ける学校法人として京都育英館を設立した。
 同大の運営は順調だ。入学志願者は初年度の14年度に379人だったが、17年度入試では630人と増加傾向に。同年度の入試倍率は6倍を超え、各地から優秀な学生が集まる狭き門の私立大学へと成長を遂げている。同大への進学を目指す学生にとっては、大学が設ける貸与や給付型の充実した奨学金制度も魅力のようだ。
(中略)
 松尾理事長は、国外医療従事者が日本の先進医療技術を学ぶ際に奨学金を支給する国際医学教育財団(京都)の理事長も務める。国内外の医療人育成を重視した活動への評価は高まっている。苫小牧でも看護師養成の教育活動を検討している中、松尾理事長は「大学に看護学部を新設する場合、実習先の医療機関の確保が大きな課題になるだろう」と話した。
 来年4月、苫小牧駒沢大学の経営を引き継ぐ京都育英館。系列法人と共に学校運営を展開する本拠地・京都市を訪ね、その実力と教育への考え方を探った。


■苫小牧民報『京都育英館の実力−苫小牧駒沢大経営移管(中)関西語言学院
https://www.tomamin.co.jp/feature/ikuei/1164/

 松尾英孝理事長が率いる京都育英館育英館の両学校法人は、看護系の大学や専門学校、ピアノ調律の専門学校、日本語学校、高校など計6校を京都市内や市外で展開し、教育界での存在感は増している。白老町北海道栄高校も昨年春、京都育英館が前学校法人から経営を継ぎ運営している。各学校の中でとりわけ異彩を放つのが、京都市にある関西語言学院だ。
 1991年開学の同学院は、日本の大学への進学を目指す中国人学生のための日本語学校。中国遼寧省瀋陽市にある育英館系列の中高一貫校・東北育才外国語学校の卒業生を受け入れ、日本語や入試準備の教育に取り組んでいる。苫小牧駒沢大の経営を移管し、来春から苫小牧で運営する新しい大学について松尾理事長は「中国人学生などを積極的に受け入れたい」としており、教育理念と新大学の将来像を探るべく同学院を訪ねた。
(中略)
 同学院で1、2年学んだ学生らの進学実績は驚異的だ。17年度入試では東京大に12人、京都大に25人など国公立、私立の難関大学を中心に延べ700人余りが合格、進学を果たした。中国の大学を卒業後に同学院で学び、日本の大学院へ進む学生も少なくない。育英館の教育力の高さを物語っている。
 育英館と中国との関わりはそもそも、どこから来たのだろうか。松尾理事長によると、86年度から運営する京都ピアノ技術専門学校京都市)にピアノ調律師を志す中国人学生が入学を希望したことがきっかけになり、日本の学校で学びたい中国人学生の教育に力を入れるようになったという。
 中国に開設した東北育才外国語学校から関西語言学院、そして日本国内の大学へ―。そうしたルートを築き上げた。看護師養成の医療分野の教育も重視する学校法人として、日本の医療現場で働きたい中国人学生を同学院に受け入れ、医学部や歯学部、薬学部など医療系大学へ送り出すケースも増えている。「日本の高度な医療技術を取得し日本や母国で活躍する人材を育て、人手不足が深刻化する医療現場に貢献したい」と松尾理事長は強調する。
 苫小牧で運営に乗り出す新大学では、「総定員の2割程度は外国人学生としたい」と松尾理事長。北海道栄高を苫小牧の大学キャンパスに移設し、高校生らが外国人学生と触れ合える機会をつくる構想も抱いている。高卒後の進学年齢に当たる18歳人口の減少が進む中、「日本国内だけでなく中国、東南アジアなど国境を越えた学生の受け入れは大学の健全経営にとっても必要だ。国際色豊かな大学になれば、日本人学生にとっても良い刺激になるだろう」と語った。
 苫駒大の経営を学校法人駒沢大学(東京)から引き継ぐに当たり、京都育英館は3月末、文部科学省に大学設置法人変更を申請。今年秋までに承認される見通しで、京都育英館は新学部の設置や時期について検討を進めている。

駒大の理事の一人はこう言って眉をひそめた。
 「日本の有名大学を卒業した中国人エリート*3に聞くと『間違いなく乗っ取りだ。それに駒大が協力したということ』という答えが返ってきた」

「この理事はバカか?」ですね。まあ譲渡反対派なんでしょうが、結局、駒澤大の理事の大多数は譲渡賛成派だったわけです。乗っ取りも何も「駒澤は完全に手を引く」のだからむしろ駒澤大理事の大多数にとっては「再建の見通しもない不良資産が経営譲渡で平和的に処分できて良かった。いつまでも駒澤グループなら駒澤本体の経営も圧迫されるし、とはいえ学生や苫小牧市のことを考えれば閉学もそう簡単にはできない。日本の学校法人なのに、中国人理事が数人いる程度で中国の脅威ってアホか、あいつ(譲渡反対派理事)は。あいつは駒澤の力で経営再建できるとか、育英館以外に有力な譲渡先があるとか思ってるんか?。それが無理やから育英館に譲渡したんやないか」という考えでしょうね。

 苫駒大関係者からは「情報が錯綜していて、実際にはどうなるのか分からない」(元職員)と不安の声が。

 そりゃ不安はあるでしょうがそれは「中国と関係があるから」ではなく「育英館に経営能力があるか不安」とか「経営再建のために首切りとか大幅給与カットとかされないか不安」とか言う話でしかない。
 「シャープが台湾企業の子会社になって不安」「日産自動車ルノーの子会社になって不安」とか言う話と変わらない。

 北海道栄高校の移転の有無も不安材料の一つだ。京都育英館は、栄高校を苫駒大の敷地内に移転、新しい大学の付属高校化を検討しているとされるからだ。
 駒大は記者会見などで、付属苫小牧高校は駒大が運営を続けるとしているが、松尾理事長は産経新聞の取材でも「栄高校は、連携すれば面白いことができる」と移転をにおわせており、苫駒大関係者からは「栄高校が移転してくると、付属苫小牧高校と競合し、経営は圧迫される」と、存続を危ぶむ声が聞かれる。

 これまた少なくとも「北海道が危ない」「中国の脅威」という話ではありません。

 移管譲渡については、曹洞宗関係者は強硬に反対している。

 駒澤は曹洞宗系列とは言え「曹洞宗の下部組織」ではないから曹洞宗関係者が反対しても何もどうにもならないでしょう。既に文科省に譲渡申請が出され、地元自治体も歓迎してる中、今さら白紙撤回なんかできるわけがない。

 京都育英館への移管譲渡が公にされたのは、今年1月26日の(ボーガス注:駒澤大学の)法人諸学校管理運営検討委員会と理事会、評議員会だった。
 出席した理事の一人はこう振り返る。
 「事前に配布された案内状では『苫小牧駒澤大学の経営方針について』が議題となっていた。ところが、須川法昭(ボーガス注:駒澤大学)理事長が突然、京都育英館へ移管するという声明文を読み上げ、移管協定書案や記者会見などのスケジュールがまとめられた分厚い資料が配られた。全員、寝耳に水の話*4で、こんなに準備がそろっているのか、と唖然とした」
 この理事はさらに、「本来、駒澤大学の寄付行為については、重要な案件に関しては資料を1週間前に配布することになっている。緊急の場合はこの限りではないが、今回のケースは緊急でも何でもない。苫駒大の再生の道はある」と不満を募らせた。
 全てが極秘裏に進められたようだ。
 川島学長も「理事会の翌日、急遽、招集がかかり、理事会の決定を聞いた。どうしてこのタイミングなのか? どうして(ボーガス注:譲渡先が)京都(ボーガス注:の学校法人)なのか? なぜ、こんなに急ぐのか? と教職員全員が驚いた」という。

 反対派の巻き返しを恐れて「既成事実つくって反撃の余地をなくす」という世の中に良くある話です。まあ、違法ではないにせよ、「民主主義という手続き的な意味」でも「裁判闘争に持ち込まれ敗訴する危険性や文科省への譲渡申請認可に影響を与え不許可になる危険性」を考えたらあまりよろしいやり方ではないでしょう。とはいえ一方で「恐らく駒澤による再建の可能性がないこと」「育英館への譲渡以外に現実的解決法がないこと」「譲渡反対派がそう言う事実を故意に無視しいたずらに見込みのない再建論(譲渡反対論)を唱えてること」もまた事実なのでしょう。
 「このままでは苫小牧駒澤が駒澤の経営を圧迫したあげく、閉学せざるを得なくなり、駒澤が世間の非難を浴びる最悪の事態になりかねない。もはや非常の措置をとるしかない」という恐怖が須川理事長にはあったのでしょう。安倍のアベノミクス宣伝「景気回復、この道しかない」ではないですが「育英館への経営譲渡、この道しかない」というわけです。

 どういう経緯で移管譲渡が決まったのか? 須川理事長は、記者会見で、入学者減による財政状況の悪化を挙げたが、その後は沈黙を守り、産経新聞の個別取材にも「現在、認可申請中のため、取材をお受けすることをご遠慮いただいております」(駒大広報課)としている。

 まあうかつなこというと、育英館苫小牧市の反発を買いかねないから、文科省の認可に影響を与えかねないからということでしょう。

宗門関係者はいう。
 「疑問が膨らむばかりだ。中国は京都育英館を通して、駒大本校にも進出してくるのでは…という不安もある」

 駒澤が苫小牧駒澤の経営から完全に手を引くのになんでそう言う話になるのか。駒沢に進出したくても進出しようがないでしょう。つうか中国が駒澤と関係持ちたかったら、そんな回りくどいコトしなくても「孔子学院を駒澤大内部につくる」とかもっとストレートな方法がありますし。

曹洞宗寺院の最高議決機関、宗議会は、移管譲渡の白紙撤回を求めている。

 駒澤大学執行部から事前にろくに説明がなかったことに怒ってるのでしょうが、「曹洞宗って馬鹿の集まり?」と言いたくなります。既に文科省に譲渡申請が出され、地元自治体も歓迎してる中、今さら白紙撤回なんかできるわけがない。
 今後、あり得るとしたら、「文科省の不許可処分→譲渡できず駒澤が経営」でしょうが、まあ、よほどのこと(育英館の経営に不安がある、譲渡手続きに法律違反があるなど)がない限り許可するんでしょうね。文科省育英館への譲渡を潰したら苫小牧駒澤の経営が本当にやばいことは理解してるでしょうし。


参考
■苫小牧民報『昨年、駒大が苫小牧市苫駒大の公立化を打診』
https://www.tomamin.co.jp/news/main/10515/

 学校法人駒沢大学(東京、須川法昭理事長)が、学校法人京都育英館京都市、松尾英孝理事長)への苫小牧駒沢大学苫小牧市錦岡=の経営移管を正式に決める前に、苫小牧市の岩倉博文市長に対し苫駒大を市が運営する”公立化”を打診していたことが分かった。岩倉市長は、財政負担の大きさなどから「公立化は難しい」と返答。このため、駒大は、大学存続へのもう一つの選択肢として、京都育英館への経営移管にかじを切ったとみられる。


■【ビジネス解読】中国の偏愛? トヨタがVWに勝てないワケ どうなる世界首位奪還
http://www.sankei.com/premium/news/170619/prm1706190006-n1.html

 トヨタにとって悩ましいのは、世界最大の自動車市場を牛耳る中国政府とVWの蜜月関係が一段と色濃くなり始めたことだ。
 トランプ米大統領地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を宣言した6月1日、トランプ氏に当てつけるようにドイツのメルケル*5首相と中国の李克強*6首相が満面の笑みで握手を交わしていたのをご存じだろうか。
 両首相は温暖化対策や貿易取引などで協力を確認。「中国はより重要かつ戦略的なパートナーになった」と李首相を持ち上げたメルケル首相は、その言葉を象徴する、あるイベントに李首相を伴って出席した。VWと中国の自動車メーカー、江淮汽車との電気自動車(EV)合弁生産契約の調印式だ。
(中略)
 江淮汽車は李首相の出身地、安徽省のメーカーというからVWに肩入れする中国政府の偏愛ぶりが際立つ。
(中略)
 VWが、トヨタを押しのけて2016年に世界販売トップに立った原動力は、前年比19.4%増の約2340万台と、拡大が続く巨大な中国自動車市場でシェアトップを獲得していることにある。
(中略)
 VWと江淮汽車の合弁契約とちょうど同じタイミングで、独ダイムラーも、高級車「メルセデス・ベンツ」の生産提携先の中国メーカー、北京汽車のEV子会社への出資を決めており、メルケル首相と李首相の握手の裏には、中国市場でドイツ勢を利する何らかの取引があったとみられる。
(中略)
 そもそも、中国でのVWとトヨタの関係には因縁がある。1970年代後半にトウ(=登におおざと)小平氏*7の改革開放政策で外資の自動車メーカーの中国進出を促した際、トヨタは断り、VWは真っ先に誘いに応じたという。以来、VWブランドは中国政府の公用車やタクシーなどに採用され、中国自動車市場拡大の恩恵を受ける一方、トヨタは政府の冷遇によって中国への進出に出遅れたとされる。EVをめぐる最近の動きは、トヨタにとってこの悪夢の再現となる恐れがあるわけだ。

 中国市場の重要性が改めてよく分かります。


■【森友学園捜索】籠池前理事長の自宅にも
http://www.sankei.com/west/news/170619/wst1706190102-n1.html
 もちろん籠池は捜査されて当然です。
 しかし捜査理由が「補助金不正受給」だけであり「国有地の安値払い下げに絡む背任疑惑」では現時点ではないことは「いわゆる国策捜査(籠池は捜査して国民のガス抜きを目指すが財務官僚や政界には手をつけない)」ではないのかという疑念*8を払拭できません。
 検察には「背任疑惑捜査」を強く望みます。


■【安倍晋三首相記者会見】「国民に大変申し訳ない」 加計学園の国会論戦、政府対応の二転三転を反省
http://www.sankei.com/politics/news/170619/plt1706190026-n1.html

「政策とは関係ない議論ばかりに多くの審議時間が割かれてしまった。国民の皆さまに大変申し訳なく感じている」と謝罪

 いや、それ謝罪なんでしょうか。「野党が政策と関係ない事ばかり聞いた」と居直ってるように見えますが。大体問題は「審議時間ではなく疑惑が解明されないこと」なんですが。何処までも感覚がずれてる安倍です。そもそも安倍が

・妻・昭恵や昭恵付きの公務員秘書・谷女史(籠池が暴露したFAXに寄れば財務省に問い合わせした御仁)、谷女史に対応したり、土地払い下げに関与したりした当時の財務官僚(以上、森友疑惑)
・前川前文科事務次官や前川氏が『首相の意向』を伝えてきたと告発した和泉首相補佐官や木曽元内閣官房参与(現在、千葉科学大学学長、加計学園理事)(以上、加計疑惑)

などの証人喚問に応じないことが疑惑を深めたんですが反省して国会に彼らを呼んでくれるんでしょうか。といったら当然呼ばないわけですが。


■【安倍晋三首相会見詳報(上)】「ドリルの刃となって岩盤規制を打ち破っていく」
http://www.sankei.com/politics/news/170619/plt1706190036-n1.html
 世論調査での支持率急落に慌ててということでしょうが、安倍にとって良くて「効果ゼロ」、悪くて「逆効果」でしょう。
 なぜなら記者会見する理由が「支持率急落に慌てて」以外にないからです。毎回、国会終了後にこんな記者会見してるわけでは全くない。新たな政策が発表されたわけでもない。
 そんなある意味どうでもいい理由「支持率急落対応」で記者会見したあげく、中身もしたがって大してない。
 NHKなどは生中継したようですが確かほとんどの民放*9は生中継なんかしませんでした。無内容なんだからある意味当然です。
 しかし、いかに支持率が急落したとは言え、「まだ40%台で高い」ので俺個人は「30%に突入するまでは内心はともかく外見は余裕ぶる」かと思っていたので意外です。安倍もやはり弱い性格なのか、はたまた都議選への影響を気にしてるのか。
 それにしてもこの手回しの良さは「例の強行採決も、この世論調査結果を事前に知っていたからではないか」という気がしますね。
 もちろん読売、産経など御用マスコミが調査結果を発表前に自民に流したという可能性もありますが、別に世論調査それ自体は、自民党がそう言う調査会社に依頼することもできるわけです(もちろん野党だって調査依頼はできます)。その調査結果を見て愕然として、あの強行採決ではないかという気がしますね。「委員会採決を省略」というのは明らかに異常ですからね。


■【安倍晋三首相記者会見】人づくり改革相を設置へ 7月に「みんなにチャンス! 構想会議」を立ち上げ
http://www.sankei.com/politics/news/170619/plt1706190025-n1.html
 内容的には一億総活躍とかなりかぶりますし、たぶん加藤一億総活躍担当相の兼務でしょう。大してインパクトはありません。


■【守旧派官僚の闇】「加計再調査」で問われる文科省の暗部 学校法人の許認可権握りやり放題 八幡和郎*10
http://www.sankei.com/politics/news/170619/plt1706190009-n1.html
 誰がどう考えても明らかになったのは「安倍政権の暗部」でしょう。少なくとも加計学園問題で分かったことは「文科官僚が学校法人の許認可権握りやり放題」なんて疑惑ではなく安倍が「加計学園への便宜やり放題」の疑惑ですが、まあ良くこんなデマカセ記事が書けるモンです。


■【正論】「抗がん剤効果少ない」との発表 高齢者がん治療方針を転換せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫*11
http://www.sankei.com/column/news/170619/clm1706190004-n1.html
 小生も医学専門家でないので何とも言えませんが呆れるのは「何でこんな文章を医事評論家でもない素人の渡辺が書くのか」ということです。恐らく渡辺について知らない人間は「ガンの専門家(拓殖大学医学部*12教授?)なんだろう」と勘違いするでしょう。


■【単刀直言】鈴木宗男・貴子父娘が登場(上)貴子氏「鈴木宗男の恐ろしいところ」「共産党と組むことは北方領土問題解決を諦めるのと同じ」
http://www.sankei.com/politics/news/170619/plt1706190004-n1.html
 おいおいですね。確かに日本共産党は千島全島返還論を唱えてますが、野党共闘においては「党によって意見が違う部分については、安保法廃止、共謀罪廃止など絶対に譲れないもの以外は、大同小異の立場(他党には押しつけない)。千島の見解については他党には押しつけない」との立場をとっています。
 一方、安倍も含め歴代自民党政権が公式に宗男親子の主張する「二島先行返還論」を支持したこともない(ずっと、自民党は四島返還論ですし野党も、共産党を除けば皆四島返還論です)。
 ロシア側(プーチン政権)も「二島先行返還論なら応じる」と確約したわけでもない。ぶっちゃけた話、二島返還論ですら帰ってくるかわからないのが現状です。まあ、二島で決着したかったら鳩山一郎政権の日ソ国交回復のときが最大のチャンスでしょうが自民党内や米国の反対でそれはできなかったわけです。
 単に「自民党に戻れそうだし、戻った方が美味しい思いができそうだ」というだけの話で宗男親子は詭弁吐かないで欲しいですね。

 総理とは声をかけられた6日後の12月28日、官邸でこのときは約1時間話しました。

 この鈴木発言が事実なら安倍はそれなりに鈴木氏を重用してるのでしょう。

 サンフランシスコ平和条約も認めない共産党

 「サンフランシスコ平和条約の存在も認めない」というより「条約内容のうち、千島放棄については正当な理由があるとは思えないし、ロシアに千島をやるともいってない」つう話ですね。まあ俺個人はこの部分では「千島返還要求はちょっと現実的ではないと思う」つうことで共産党を支持しないのですがそれはさておき。
 「認めない共産党は非常識」云々つうならそれこそ「東京裁判で認定された南京事件を認めないウヨ連中と交際してる安倍」はどうなんだ、つう話です。あるいは産経が千島返還どころか「南樺太返還」を過去主張したのはどうなんだ、つう話です。
 非常識という意味では明らかに安倍や産経の方が共産党を遙かに上回っています。

 逮捕され、有罪になったことはどう有権者に説明するのか? 世の中には冤罪ということがあります。だから私は今も再審請求している。

 まあ、再審請求のポーズだけなら簡単にできますからねえ。鈴木支持者なんか「あんな請求はインチキだ」といっても「インチキじゃないと強弁」だの「インチキで何が悪いと居直る」だのでしょうからねえ。


■【ロンドン火災】ハモンド*13財務相「外壁材は英国で禁止」 安価で耐火性の低いものを使用
http://www.sankei.com/world/news/170619/wor1706190003-n1.html
 もはや人災と言っていいのでしょうね。被害者の支援や責任者の処罰が求められます。


中居正広のジャニーズ残留、スポーツ界の大物が説得「立場をあえて崩す必要ない」
http://www.sankei.com/entertainments/news/170619/ent1706190006-n1.html
 「スポーツ界の大物」とは誰か分かりませんが、「ジャニーズに干される危険性」を犯してまで、その大物の顔を中居もつぶせなかったのでしょう。これでは今後「中居の独立」の可能性も否定できないのでしょう。


■元SMAPの稲垣さん、草なぎさん、香取さんの3人、ジャニーズ事務所の契約終了へ
http://www.sankei.com/entertainments/news/170619/ent1706190001-n1.html
 まーたマスコミ(特にテレビ)が「政治・経済報道(特に安倍批判)」そっちのけで大騒ぎしそうなネタがやってきました(ただし絶対にマスコミが権力者・ジャニーズを批判しないのはもはやお約束)。
 キムタクと中居の契約は続くそうです。続く2人と続かない3人の違いは「3人については事務所、タレント双方の不信感がすさまじい」「例の独立論に乗り気だったのがこの3人で、乗り気でなかったのが2人」ということなのでしょうね。稲垣らから契約解除を言い出したのか、ジャニーズ側から言い出したのかはともかく。
 まあ、稲垣らも人気タレントなので今後「個人事務所を新たに作るにせよ、既存の事務所に新たに所属するにせよ」干されて消えてなくなることはないと思いたいところですが「例の能年玲奈の件」がありますのでねえ。
 特に香取は人気番組『SmaSTATION!!』(テレビ朝日)のMC、草なぎは人気番組『ブラタモリ』(NHK)のナレーションなので気になるところです。既に芸能マスコミではジャニーズとの関係を重視したテレ朝による「SmaSTATION!!打ち切り説」「番組は残るが香取降板、タイトル変更説」、NHKによる「ブラタモリナレーション変更説」も出ているようですがそう言う無法は勘弁して欲しいところです。


■【元SMAP3人契約終了】草なぎ剛さんの「ブラタモリ」ナレーション「これまで通りお願いする」 NHK局長
http://www.sankei.com/entertainments/news/170621/ent1706210007-n1.html
 ブラタモリのナレーションは変わらないようで何よりです。

*1:著書『「電池が切れるまで」の仲間たち:子ども病院物語』(2003年、角川書店)、『「特攻」と遺族の戦後』(2008年、角川ソフィア文庫)、『対馬が危ない:対馬を席巻する韓国資本』(2009年、産経新聞出版)、『海の特攻「回天」』(2011年、角川ソフィア文庫)、『報道されない沖縄:沈黙する「国防の島」』(2012年、角川学芸出版)、『歪んだ正義:特捜検察の語られざる真相』(2014年、角川文庫)、『少年兵はなぜ故郷に火を放ったのか:沖縄護郷隊の戦い』(2015年、KADOKAWA)、『爆買いされる日本の領土』(2017年、角川新書)など

*2:遼寧省省都

*3:誰だか名前を出して欲しいモンです。

*4:「全員」ではないでしょうね。恐らく反対派理事には「寝耳に水」でも理事の中に賛成派をつくる多数派工作は秘密裏にされていたことでしょう。三越・岡田社長解任(岡田の知らない間に多数派工作)での「何故だ!(解任直後の岡田発言)」と同じ話です。

*5:コール内閣婦人・青年担当相、自然保護・原子力安全担当相、キリスト教民主同盟 (CDU) 幹事長などを経て首相

*6:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相

*7:党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*8:むろん国有地安値払い下げに比べれば補助金不正受給の方が捜査しやすいのは事実でしょうが。

*9:安倍に近い日テレとフジは中継していたかも知れません

*10:皇位継承万世一系に謎はない』(2011年、扶桑社新書)、『日本を超一流国にする長州変革のDNA』(2015年、双葉新書)、『本当は分裂は避けられない!? 中国の歴史』(2015年、SB新書)、『誤解だらけの韓国史の真実』(2015年、イースト新書)、『蓮舫二重国籍」のデタラメ』(2016年、飛鳥新社)などトンデモ著書多数。

*11:著書『社会主義市場経済の中国』(1994年、講談社現代新書)、『韓国経済入門』(1996年、ちくま学芸文庫)、『新脱亜論』(2008年、文春新書)、『アジアを救った近代日本史講義』(2013年、PHP新書)など

*12:なお、拓殖に医学部はありません。

*13:キャメロン内閣運輸相、国防相、外相を経てメイ内閣財務相