今日の産経ニュース(7/4分)ほか(追記・訂正あり)

■ハフィントンポスト日本版『「自民党執行部はおかしくなってる」後藤田正純氏が痛烈批判 都議選の歴史的惨敗受け』
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/03/ldp-gotouda_n_17379728.html

 投稿の冒頭、後藤田氏は江戸後期の大名・松浦静山*1の言葉「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし*2」を引用し、「民心から離れた自由民主党に対して、都民は見事に反応しました」(中略)と指摘した。
(中略)
 後藤田氏は、「自由民主党執行部はおかしくなってると感じた」「密告、引き締め、礼賛、おかしな管理をしている、今の自民党執行部をみると、結果は仕方ないと思わざるをえません」と、党執行部を痛烈に批判した。
(中略)
 後藤田正純*3は徳島1区選出の衆院議員(当選6回)で、妻は女優の水野真紀警察庁長官内閣官房長官法務大臣を歴任し、「カミソリ後藤田」などの異名で知られた故・後藤田正晴*4は大叔父にあたる。

 「都議選前に言えよ」「そのおかしな政党に所属してるのがあんただろ」感が否定できませんが、「民心から離れた自由民主党」「密告、引き締め、礼賛、おかしな管理をしている(後藤田氏)」とは、安倍政権の「終わりの始まり」を象徴する記事でしょう。
 都議選惨敗で安倍が後藤田氏を処分できない、あるいは処分しても「いずれ安倍退陣で勲章になる」という判断での後藤田氏の発言でしょう。もちろん「おじさんのつくった堅い選挙地盤」というのもこの発言の背景にはあるでしょう。
 そのうち、後藤田氏は小池*5「国政ファースト」(仮称)にでも移籍するつもりでしょうか?


【ここから産経です】
■【憲法改正野中広務*6・元自民党幹事長「反対。再び戦争になる歴史を歩むべきではない」
http://www.sankei.com/politics/news/170704/plt1707040073-n1.html
 上で紹介した後藤田発言同様、早速の都議選惨敗効果と言えるでしょう。


■中央省庁幹部人事 宗像直子首相秘書官が初の女性特許庁長官
http://www.sankei.com/politics/news/170704/plt1707040066-n1.html
 安倍のお気に入りなのでしょうが「安倍の終わり」が始まった今果たして幸せなのかどうか。

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題の担当局長として国会答弁した財務省の佐川宣寿*7理財局長は、5日付で国税庁長官に就任する。

 詭弁で安倍をかばった論功行賞でしょう。


文科省が異例の幹部人事 天下り処分者の昇任を凍結 前のポストに戻すケースも
http://www.sankei.com/life/news/170704/lif1707040014-n1.html

 文部科学省は4日、藤原誠初等中等教育局長(59)を以前就いていた官房長に戻すなど、組織的天下り問題で処分を受けた複数の幹部を同格ポストに横滑りさせる人事を発表した。

 「一体何だろう」「前川告発と関係があるのか?」感は否めません。


■【加計学園問題】10日に前川喜平*8・前文科次官の参考人招致 自民と民進、閉会中審査で合意
http://www.sankei.com/politics/news/170704/plt1707040055-n1.html
 やっとか、という感じですね。これも都議選惨敗効果でしょう。


■【政界徒然草】都議選惨敗後の「ポスト安倍」 岸田文雄外相は名乗りを上げるのか 内閣改造で留任?それとも閣外?
http://www.sankei.com/premium/news/170704/prm1707040003-n1.html

岸田氏は麻生派と合流する「大宏池会」構想に慎重な姿勢を崩していない

 そりゃ宏池会出身とは言え、麻生*9は岸田氏と比べたらゴリゴリのウヨだし「岸田氏をポスト安倍として支える、自分が首相として復権することはあきらめた」なんてことは麻生は考えてないでしょうからね。
 「維新の会共同代表」のように「岸田、麻生共同代表でどうか」というのでは岸田氏にどれほどのメリットがあるのか。

 岸田派のある若手議員は、昨年8月の内閣改造ポスト安倍をうかがう石破茂*10前地方創生担当相(60)が閣内残留を固辞したことを引き合いに「安倍首相に引き続き頼むといわれてもきっぱり断れるかどうかだ」と語った。

 予想される内閣改造がどうなるかが注目されます。


■【平成29年路線価】ミナミがキタ猛追 路線価アップ、訪日客増で魅力再発見
http://www.sankei.com/west/news/170704/wst1707040008-n1.html
 路線価アップの大きな理由は「訪日外国人客相手の商業」でその訪日観光客のかなりの部分が中国人です。いかに産経のようなウヨの中国敵視が馬鹿げているかと改めて思います。


■【主張】安倍政権 課題実現へ信頼取り戻せ
http://www.sankei.com/column/news/170704/clm1707040002-n1.html
 「森友や加計で失われた信頼を取り戻せ」「そのために森友や加計で適切な対応を」としながら「何が適切な対応なのか?」、「野党の要求する臨時国会開催と、臨時国会での証人喚問に賛成するのか?」まともに説明すらできない産経です。
 そして課題として産経が一番に上げるのは改憲です。もう何というか笑うしかありません。


■【産経抄】閑古鳥が鳴く自民党 7月4日
http://www.sankei.com/column/news/170704/clm1707040003-n1.html

 自民党本部は重苦しい雰囲気に包まれていた。午後10時近くになるまで、候補者の名前が書かれたボードには、一つのバラも飾られていない。

 一方、大勝した小池党は勿論、公明、共産はこの時点でもちろんバラが飾られていました。

 「森友、加計学園」問題に加えて、国会議員の暴言、失言が次々に発覚した。

といいながら「森友・加計での証人喚問」「失言者である稲田防衛相の更迭」は絶対に主張しない産経です。

 飲食店の勘定や会計の意味で使われる「お愛想」は、「愛想尽かし」を略したものらしい。客に勘定を請求する際、愛想尽かしなことですが、と店側がへりくだったのが始まりである。逆に客が「お愛想して」などと言えば、「こんな店には愛想が尽きた。二度と来ない」という意味になってしまう。

とはいえ言葉は生きものです。「お愛想」のそうした経緯を知らなければ「客側が言ってもおかしくない」し、今や普通に客側が言っています。

安倍首相は昨日の朝、自民党の惨敗について、改めて「深く反省しなければならない」と述べた。

 口先だけなら何とでも言えます。
 「反省するとのことですが何をどう反省するのですか?」「野党の安倍批判の中に正論もあると言う事ですか?」「都議選投開票前に失言した稲田大臣を更迭しておけば良かったと言う事ですか?」などと聞かれても安倍にはまともに答えられないでしょう。安倍としても党内の反発を考えれば「都連の責任だ、私には関係ない」とは言えないだけの話です。

*1:平戸藩主。著作として随筆集『甲子夜話』、剣術書『剣談』

*2:南海、ヤクルト、阪神楽天監督を歴任した野村克也の愛用する言葉として知られる。

*3:小泉内閣内閣府大臣政務官、第二次安倍内閣内閣府副大臣など歴任

*4:大平内閣自治相・国家公安委員長、中曽根内閣官房長官、宮沢内閣法相など歴任

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*6:園部町議、園部町長、京都府議、京都府副知事を経て中央政界入り。村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)など歴任

*7:大阪国税局長、国税庁次長、財務省関税局長、理財局長などを経て国税庁長官(予定)

*8:官房長、初等中等教育局長などを経て事務次官

*9:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在第二次、第三次安倍内閣副総理・財務相

*10:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任