■産経【主張】国連安保理 「石油禁輸」をためらうな
http://www.sankei.com/column/news/170831/clm1708310001-n1.html
「ためらうな」と叫んだところで中露は石油禁輸にはおそらく反対するでしょう。
でそうした状況についてただ産経は中露に悪口するだけです。話になりません。
■【北ミサイル発射】窓に目張り、風上に避難、ただちに原子炉停止 「武力攻撃」も想定し備え 九州・山口の自治体や
http://www.sankei.com/west/news/170830/wst1708300011-n1.html
29日の場合、ミサイル発射(午前5時58分)から、北海道襟裳岬上空の通過(同6時6分ごろ)まで、10分もなかった。自治体や企業として、できることは限られる。
できることなんかほとんどないでしょう。
■【産経抄】「先をとる」技を持たない日本の危機 8月30日
http://www.sankei.com/column/news/170830/clm1708300003-n1.html
■【主張】北朝鮮の脅威 首相は積極防衛に転換を
http://www.sankei.com/column/news/170830/clm1708300002-n1.html
いつもの「北朝鮮がミサイルを日本に向かって撃つ*1前に先に攻撃しよう」つう物騒な話です。
そんなことは米国や韓国だってできはしない。
なぜなら北朝鮮の反撃でどれほどの死人が出るか分からないからです。先制攻撃で北朝鮮の軍事能力を即座に壊滅できる保障はない。
また「北朝鮮からの先制攻撃」なら北朝鮮を見捨てるであろう中露も日米韓の先制攻撃なら「先制攻撃は国際法上違法」なので北朝鮮支援に乗り出すかも知れない。
大体、北朝鮮側から戦争する可能性はほぼ皆無でしょう。勝利する可能性がほとんどないからです。
北朝鮮としては「ウチに攻撃したら無傷では済まない」とアピールして米韓日の軍事攻撃意欲を喪失させるのがせいぜいです。
http://www.sankei.com/column/news/170830/clm1708300003-n1.html
外交努力によって北朝鮮の核開発を阻止する試みは、ことごとく失敗してきた。
という産経ですがその外交努力とは「カーター訪朝による米朝合意」を除けば「とにかく北朝鮮は無条件で核廃棄せよ」という北朝鮮に一方的に米国の都合を押しつけるモノでした。
合意に至ったイランとの交渉などとはかなり違う。
それは外交の名に値しないでしょう。
http://www.sankei.com/column/news/170830/clm1708300003-n1.html
あるコメンテーターが、米朝の対話をもっと進めるべきだ、と力説していた。
という主張こそ正論だろうと思います。
http://www.sankei.com/column/news/170830/clm1708300003-n1.html
北朝鮮が昨日の早朝に発射したミサイルは、北海道の上空を通過して、襟裳岬の東約1180キロの太平洋上に落下した。なぜ当初公表していた米領グアム周辺に着弾する軌道をとらなかったのか。米国を刺激するのを恐れたとしか考えられない。
というのは確かにそうでしょうがそこから「日本が軍拡すればいい」なんてのは愚の骨頂です。
北朝鮮もそれなりの計算をしているという理解からそれこそ外交交渉に打って出るべきです。
今回、北海道・東北地方などで全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動した。Jアラートといえば響きはやさしいが、空襲警報が鳴ったに等しい。先の大戦や朝鮮戦争以来の深刻な事態といえる。
本気で産経がそう思ってるのなら正気じゃない。実際に焼夷弾や原爆が落ちてきて多数の人間が死んだ「先の戦争」や「場合によっては韓国から難民を引き受けることになった」朝鮮戦争に比べればこんなん、脅威ではありません。
■リテラ『役立たず「Jアラート」を使ったのは北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!』
http://lite-ra.com/2017/08/post-3420.html
がいうように加計森友疑惑をごまかすために必要以上に脅威を煽ってると見るべきでしょう。
参考
■リテラ『役立たず「Jアラート」を使ったのは北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!』
http://lite-ra.com/2017/08/post-3420.html
そもそも北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、今回のことで脅威が高まったわけではない。日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。安倍首相の様子は明らかに芝居がかかった表現で危機を煽ろうという意図がみえみえだった。
さらにもうひとつ、違和感を覚えたのはJアラートだ。ホリエモンはじめ、早朝から警報音で起こされたことに不満の声をあげている国民も多いが、必要な情報なら叩き起こされてもやむを得ないだろう。しかし、本当にこんなものが必要だったのか。
何しろ、ミサイル発射時間は午前5時58分頃なのに、Jアラートによるアナウンスがあったのは6時2分。6時5〜7分頃には、ミサイルが北海道上空を通過していたのだ。わずか4分で、どうやって「頑丈な建物や地下に避難」しろというのか。
(中略)
そもそも、これまで北朝鮮ミサイル関連でJアラートを発動したのは、北朝鮮が事前にミサイル発射を通告していた2012年12月12日と2016年2月7日の2回だけ。今年の5月14日に中距離弾道ミサイルが発射され、日本海に落下したときにも、Jアラートは発動されなかった。
5月の発射の際、菅義偉官房長官は「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」などと述べていたが、しかし、ならば今回も同じだったはずだ。実際、小野寺五典防衛相はきょうの会見で、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで破壊措置を実施しなかったことについて、「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」とはっきり説明していた。
5月も今回も同じように「飛来する恐れはない」という認識を持ち、破壊措置を行わなかったのに、今回だけ、全く役に立たないのを承知で、Jアラートを発動したのだ。いったいなぜか。
考えられるのはただひとつ、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用のためだ。安倍政権はこの間、森友学園疑惑、加計学園疑惑に対する国民からの反発をかわすために、北朝鮮危機を必要以上に煽ってきた。今回も全く同じで、疑惑に蓋をし、支持率を回復させるために、この北朝鮮ミサイル発射を利用して、Jアラートで危機を煽ろうとしたのではないか。
(中略)
「そもそも、Jアラートは、ミサイルへの警告で使用するのはかなり困難で、事前に察知していないと、発動するのは無理、という見方が強いんです。これまで事前通告のあった2回しか使っていないのもそのためではないか、といわれています。ところが、今回は韓国からの情報で、事前に発射を察知できた。それで、官邸はミサイルが発射されたら必ずJアラートを使うことに決めていたようです」(全国紙政治部記者)
たしかに、韓国の朝鮮日報(日本語版)の報道によれば、今朝のミサイル発射に先立って「北朝鮮のミサイル発射の兆候をとらえた」との報告を受けた文在寅大統領は、午前2時の段階ですでに軍を待機させ、対応態勢を指示していたという。事実ならば、日本政府も同じ頃には北朝鮮ミサイル発射の情報を、かなりの確度で得ていたはずだ。
「ただ、コースまでははっきり特定できなかったので、広範囲で警告を鳴らしたんでしょう。実際、今回は、ミサイルが上空を通過した北海道からおよそ千キロも離れている長野県でも警告が鳴ったわけですからね。こんなおおざっぱな警告じゃ、なんの対策にもならないと思いますが(笑)」(前出・全国紙政治部記者)
ようするに、あの何の役にも立たない警告音は、安倍政権のパフォーマンスでしかなかったわけだ。
(中略)
安倍首相自身も明らかに事前に発射を察知し、パフォーマンスを準備していたフシがある。
というのも、普段から公邸をあまり使わない安倍首相が、昨日27日から今朝にかけては官邸に隣接する公邸に泊まっているからだ。
しかも、昨日は午前10時に官邸に行くと、正午には北村滋*2・内閣情報官、午後4時15分に石川正一郎 *3・拉致問題対策本部事務局長、午後5時17分に兼原信克*4・国家安全保障局次長と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長、同30分に薗浦健太郎*5・首相補佐官(安保重要政策担当)など、諜報、外交、安保周りの要人と面会し、午後6時台には公邸に入って、そのまま永田町で朝を迎えた。
誰がどうみても、本日早朝を見越したような動き方だ。
(中略)
もし、安倍首相が北朝鮮のミサイル発射を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」ととらえ「国民の生命と安全を守る万全な態勢をとる」などというなら、事前に察知したミサイル発射情報をきちんと公開して、国民に冷静な対処を呼びかけるべきだろう。ところが、安倍首相は実際に発射されるまで情報を隠し、それを自らのために利用した。Jアラートを使って不必要な国民の不安を煽ると同時に、自らの「迅速な対応」や「毅然とした態度」をメディアで大げさに宣伝し、政権浮揚のきっかけにしようとしたのだ。
改めて繰り返しておくが、北朝鮮のミサイル発射自体は危険極まりなく、世界平和を求める国際社会の一員として、冷静に批判していかねばならない。しかし、一連の北朝鮮危機と生活者の不安を煽って、好戦的な世論形成と支持率上昇に利用しようとしている安倍政権の企みもまた、平和主義にとって危険きわまりない。
早朝から叩き起こされたことに腹を立てたホリエモンは、「クソ政府」とつぶやいて炎上しているが、それとはちがう意味で安倍政権はまさに「クソ政府」である。
■神戸新聞『拉致被害者救出を 活動支援バッジ着用 但陽信金』
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/201708/0010502937.shtml
おいおいです。信金がするようなことなのか。そもそも新潟や福井ならまだしも兵庫なんて拉致被害者はいないし。
巣くう会によると、(ボーガス注:社員数が)何百人という規模の民間事業所が全員着ける例は聞いたことがないという。
てそりゃ普通の企業はそんなことしないでしょう。
■産経【北朝鮮拉致】五嶋龍さんの啓発コンサートリハ 共演の学生「縁のない出来事じゃない」
http://www.sankei.com/world/news/170828/wor1708280004-n1.html
五嶋龍さんのプロジェクト参加への呼びかけに多くの学校が関心を示したが、拉致啓発と知ると「政治色が強い」「怖い」と懸念が出た。その後、はやぶさや大学との共演が決まり、公演が各地で開かれているが、関係者によると「拉致と関わるのは危険では」と不安の声が絶えなかった。
勿論こうなるのは救う会、家族会、拉致議連が完全に極右運動化してるからです。つまり「怖い」というのは「自分は極右ではないので、極右とつきあいたくない」「仲間だったはずの蓮池透氏を除名する変な組織とはつきあいたくない」と言う意味であって、「北朝鮮や朝鮮総連の反発が怖い」と言う意味ではない。
そして五嶋の運動が「救う会同様の極右運動かどうかはともかく」、五嶋にそうした救う会に対する、蓮池兄弟的*6な批判意識は何もないでしょう。
今さらこんなコンサートをやったところで何がどうなるもんでもないですが、そのことが分からないらしい「もしかしたら巣くう会と同レベルの極右かもしれない」五嶋及び五嶋と共演したという
はやぶさの実行委員長で日本歯科大の三村英旺(ひであき)さん(25)
ら学生たちには「言葉を選ばずに言えば」、「馬鹿な奴らだ」という軽蔑の念しかないです。
三村さんは「最初、なぜ拉致問題なのかピンとこなかった。既に終わった、自分と縁のない出来事だと思い込んでいた」と話す。
「思い込んでいた」ではなく全く無関係な事件です。もちろん「無関係だからノータッチでいい」つう話でもないですが「無関係だ」という事実認識はきちんとしておくべきです。
北朝鮮拉致は「私も病気や事故で障害者になるかも知れない」「私も失業や病気で貧困になるかも知れない」といった「自分にも関係があるかも知れない社会問題」とはまるで違う。少なくとも小泉訪朝後に北朝鮮拉致が起こりうると考えるのは馬鹿げています。
プロジェクトが走り出すと疑問は吹き飛ぶ。
どう見ても論理的に疑問が解消されたとは思えません。
「拉致問題は大事だ」という人間ばかりとつきあってる内に「みんなが大事だというから大事だ」という「情緒的な形で疑問が消えた」にすぎないでしょう。集団心理に個人が飲み込まれただけであり、ある意味危険な話です。そうした集団心理は最悪の場合、「関東大震災での朝鮮人虐殺」のような無法すら産んだわけですから。
■産経【iRONNA発】「8月危機」北朝鮮ICBM、技術流出の「黒幕」は中国だった? 鍛冶俊樹氏*7
http://www.sankei.com/premium/news/170816/prm1708160012-n1.html
ウクライナ流出説が最有力とされてるところ「ろくな根拠も上げずにいきなり中国流出説」とはさすが「中国を誹謗するためならデマ記事もためらわない」産経です。
あげく
中国は今でも世界大戦を志向している
だそうです。吹き出しました。
先ず第一にこの中国とは「1949年建国の中華人民共和国」のことでしょうが中国が一体いつ「世界大戦」なんか志向したのか?
中国が戦後実施した戦争で「世界大戦化する危険があった」のは朝鮮戦争だけでしょう。
1950年代の台湾侵攻、1960年代のソ連やインドとの国境紛争、1970年代の中越戦争に世界大戦化する危険性なんかあったのか。
しかも朝鮮戦争は「ソ連、中国、北朝鮮の戦争」であり中国一国の戦争ではありません。
第二に「AIIB」や一帯一路を実施する中国が「それらに反する」世界大戦なんか志向するわけがない。
■産経【北ミサイル】佐藤正久*8外務副大臣「9・11警戒しなければ」 北朝鮮の挑発行動で認識
http://www.sankei.com/politics/news/170827/plt1708270017-n1.html
こういうバカが外務副大臣かと思うとげんなりします。過去に北朝鮮が911で何か動いたことがあったのか。おそらくないでしょう。
そもそも911テロを起こしたアルカイダは北朝鮮と関係があるわけでもないのに何でこういう発言が出るのか。
■日刊イオ『世界の人々は朝鮮をどう見ているか【平壌発16】』
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/e12494f044a4d3c38e9ea482a0d573b3
もちろんこの記事に出てくる人々は左派系の人士が多いのでしょう。
たとえばこの記事に名前が出てくる
朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会 日森文尋議長
は元社民党国対委員長(衆院議員)です。
いずれにせよ俺的に意外なのは
カンボジア民族統一戦線(FUNCINPEC) チャプ・ナリブト副委員長
ですね。
FUNCINPECとは「シアヌーク前国王の次男」「シハモニ現国王の弟」ラナリット(一時、第一首相)が党首の「あのフンシンペック」でしょう。
勿論小生も「ロンノルクーデターの時シアヌークが一時、北朝鮮に滞在していたこと」は知っていますが今もフンシンペックと北朝鮮には一定の友好関係があるようです。
ググったら
http://business-partners.asia/cambodia/seiji-20170410-king/
■カンボジア王族党 北朝鮮との良好な関係の維持を約束
4月6日、フンシンペック党のノロドム・ラナリット党首は朝鮮労働党の外交担当、馬哲洙(マ・チョルス)氏と会談し、カンボジアと北朝鮮派遣団との良好な関係維持を約束した。クメールタイムズ紙が報じた。
北朝鮮とカンボジアの国交は、1965年、金日成(キム・イルソン)元首相とノロドム党首の父シアヌーク前国王が友好を結んだときから始まっており、4月6日の会談は、7月にノロドム党首が北朝鮮を公式訪問するために行われた。
馬氏は、「両国と両政党の関係を強化したい」と述べ、ノロドム党首は、「君主主義の力は地方で大きな可能性を秘めており、フンシンペック党と朝鮮労働党間で良好な関係を継続したい」と語り、金正恩委員長によろしく伝えるよう述べたという。
なんて記事も見つかりました。
いずれにせよ「左うちわで万々歳」とは言いませんが北朝鮮が国際社会で孤立しているかのような物言いは明らかに正しくないでしょう。
■「米軍が金正恩を爆撃してくれれば」北朝鮮庶民の毒舌が止まらない
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170827-00074991/
高のデマでしょう。金正恩君だけピンポイントで攻撃なんて無理でしょう。当然ながら爆撃は「市民を巻き添えにすることがほぼ確実」なわけで、そう言う状況で「爆撃して欲しい」とは誰も言わない。
「たとえ俺が死んでも正恩さえ死ねば満足だ」なんて人間がごろごろいるとも思えない。
■大石規雄ブログ『なぜ北朝鮮と国交正常化をしても拉致被害者を奪還できないのか』
https://ameblo.jp/tyoo-o/entry-12304779078.html
「国交正常化したら拉致問題は確実に解決する」といってるお気楽な人間はいないと思います。
そんなお気楽発言できる根拠はないですから。
問題は「国交正常化する」のと「経済制裁だの軍事攻撃による打倒*9だので敵対する」のとどちらが「より解決の可能性が高いか」と言う話です(大石に至っては金正恩暗殺なんて与太飛ばしてますが)。
「食事のカロリー制限や運動でやせてるのと太ってるのとどちらが病気になりにくいか」「肉、魚、野菜をバランスよく食べるのと偏食があるのと(以下略)」「飲酒、喫煙してるのとしてないのと(以下略)」みたいな話です。
そこで「飲酒、喫煙しなくてもがんになる人はいる」「肥満してなくても病気になる人はいる」みたいな事言ってるのが大石です。そりゃいるでしょう。でもそれは「喫煙、飲酒、肥満が健康にいい」なんてことを意味しない。
国交正常化も話は同じです。
そこで「やっぱ外交交渉でしか取り戻せないし、そんだったら国交正常化して関係を良くすべきじゃねえの」つうのが「国交正常化が拉致解決より先でもいい」という論者の考えの訳です。小生もその一人です。
ポッドキャストでラジオを聞いていたら、三浦瑠麗さんまで国交正常化云々と話されていた
世間から「自民党御用文化人」と認められてる三浦ですら「国交正常化に一理ある」といったそうで動揺が隠せない大石です。
そんなん誰も可能だと思ってません。ただ、国交正常化すれば、「かの国に大使館を設置することになる」し、経済、文化など様々な交流も始まる。そうなれば「交流の中で隠しきれずに情報が出てくるんじゃないか」とか「交流の中である種の信頼関係ができて北朝鮮も情報を出すんじゃないか」という期待ができます。経済制裁だの政権転覆だのにはその種の希望は全くない。
②国交正常化から改革開放を促すことはできるのか。
改革開放が、中国やベトナムのような経済改革を意味するのであればすでに「開城工業団地」などのような形でやっています。
民主化というなら「促すこと」はできるでしょう。そして少なくとも国交樹立した方がそうした「促し」には効果があるでしょう。
ただ「日本や欧米が国交があっても民主化してない国」つうのは中国、ベトナムとか色々あります。だから、「国交正常化すれば民主化が進む」なんてことは無責任には言えませんけど。
■大石規雄ブログ『我道会とか全憂会議やらは、北朝鮮パシリのエセ右翼*10ですか』
https://ameblo.jp/tyoo-o/entry-12303483214.html
「我道会とか全憂会議(全日本憂国者連合会議)やら」つうのは大石のウヨ仲間であった山口祐二郎氏(ウィキペ曰く統一戦線義勇軍元メンバー)が設立したウヨ団体だそうです。
で大石曰く山口氏は「拉致問題を解決するには交渉しないといかん。大石がほざいてる金正恩暗殺とか論外だ」「交渉する場合、河野談話否定とか論外。慰安婦とか日本も認めるべき非は認めるべきだ」「交渉する場合、やっぱそれなりのお土産は必要だろ。」といってるそうです。
ちなみに朝鮮新報記事にも
http://chosonsinbo.com/jp/2017/05/yr0512-4/
「(ボーガス注:朝鮮*11の)外務省、日本研究所の関係者との面会を通じて、朝鮮政府の原則的立場を知ることができた。日朝関係については日本政府が対朝鮮敵視政策を転換するなら、両国間の懸案解決に取り組む意思があり、対米関係については強い自主性を持って対応しているということだ。米国に追従する日本政府は情けないと感じた。朝鮮革命博物館では、朝鮮が植民地支配に抗って独立を成し遂げたことに感動した一方で、日本の加害に対して申し訳なく思い、涙があふれた。日本は朝鮮に対し明確に謝罪し、友好的な態度を示すべきだ。今回の訪朝の経験を、政治家をはじめとするいろんな人に伝えて、日朝の友好促進のため、微力ながらも貢献したいと思う」(山口祐二郎さん、31)
と書かれており、大石の主張を裏付けています(ただし朝鮮新報での山口氏の肩書きは「フリーライター」であって「右翼活動家」どころか「政治活動家」ですら何故かありませんが)。
山口氏について良く知らんので「あくまでも北朝鮮限定」「あくまでも朝鮮新報と大石の記事だけ」で感想を書きますがむしろ山口氏の主張は正論です。そう言うと大石のような輩に俺はめでたく「北朝鮮パシリ」扱いされるんでしょうけど。
■【特別対談】「韓国」「北朝鮮」との「向き合い方」(2)(小此木政夫*12、平井久志*13)「なぜそこまで北朝鮮の体制が強靭なのか」
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/korea-northkorea_a_23159493/
(1)は残念ながら有料記事なので読めません*14が(2)は「未だ無料記事」なので全文読めます。
小此木政夫:
なぜ(中略)北朝鮮の体制が強靭なのか。その1つの理由は、北朝鮮という国家は、東ドイツや南ベトナムとは違うからだと、私は思いますよ。
なぜ南ベトナムは敗れたのか。フランスやアメリカは一所懸命に支えたが、南ベトナムには国家的な正統性が薄弱だったからです。北ベトナムは抗仏戦争の歴史や「ホー・チ・ミン*15」という独立の父を持っていた。
言い換えれば、ある種の正統性原理を持った国家であった。それに対して、南ベトナムはフランスが旧皇帝バオダイを引っ張り出した国ですからね。その後を継いだのが、カトリック教徒のゴ・ジン・ジェム*16政権でした。これではダメですね。
東ドイツの場合は、ウルブリヒト*17やホーネッカー*18が政権を担いました。彼らはモスクワで養成された共産主義者たちです。ドイツ人にとってみれば、どう見ても傀儡政権ですよ。正統性がありませんでした。
ところが、北朝鮮は日本人が考えているよりも、彼らなりの「正統性原理」を持っている。
(中略)
その最も重要な部分が、1930年代後半に満州で展開された抗日武装闘争、とくに金日成(キム・イルソン)によるパルチザン闘争です。
平井久志:
(前略)
小此木さんが今言われた、建国神話に似た金日成神話というものがあって、日本の天皇制と似たような、一種の精神的な結合性みたいなものを国民に作っている。
たとえば(ボーガス注:北朝鮮の今を説明するにおいて)日本人にとって一番理解しやすいと思うのは、日本がもしアメリカと戦争していなかったら、当時の天皇制は崩壊しただろうか、というイフです。
(中略)
天皇制を転覆するような力量が、日本社会の中にあったのかというと、きわめて否定的に考えざるを得ないんです。
そうすると北朝鮮という国が、内部的に崩壊していくというのは、そうしたイデオロギー的な、日本の天皇制に近いような支配構造(中略)を非常に長年にわたって構築してきた社会が、そんなに簡単に壊れるとはちょっと思えない。
それが本当に一番わかるのは、日本人じゃないのかなと思うんですけど。
小此木:
日本人は嫌がるだろうけど、彼らのモデルの1つは、戦前の天皇制でしょうね。だから、金正日*19(キム・ジョンイル)は(ボーガス注:昭和天皇をまねして?)ちゃんと白馬にまたがっていた。
(中略)
日本人は金日成*20について過小評価しています。それは間違いです。少なくとも建国神話の当時、彼は革命家であり、愛国者でした。しかも、優秀な指揮官でした。
(中略)
もちろん、(ボーガス注:米国や英国、中国と違い)日本の敗戦の原因を作ったわけではありません。
それでも、これほど勇敢に、銃を持って日本軍と戦った指導者はいませんでした。建国神話の材料としてはこれで充分でした。彼に匹敵するのは(ボーガス注:元韓国統監)伊藤博文を暗殺した安重根(アン・ジュングン)くらいでしょう。しかし、安重根には「その後」がなかった。
(中略)
だから朴槿恵(パク・クネ)前大統領は安重根を大事にし、ハルビンに記念碑を建てようとした。英雄の取り合いをして、「安重根は韓国の英雄だ」、と言ったのです。
ところが日本人はその「愛国競争」に関心がないから、あれは反日運動*21だろう、中韓の「反日共闘」だろうと見る。そうではなく、実は南北の「愛国競争」だった。
平井:
朝鮮戦争が休戦して、休戦協定に書いてある通りに、中国軍は撤収するわけです。
(中略)
そういう経緯の中で、事大主義にならず、自身の権力のコアな部分を維持し続けて、影響力を作り上げていくというシステムが強まったのではないか、と思います。
(中略)
小此木:
朝鮮半島問題には、できればそれだけは認めたくないという「不都合な真実」がいくつかあります。
「戦争という手段に訴えない限り、もはや北朝鮮に核兵器やミサイルを放棄させることはできない」というのも、そのうちの1つです。
もちろん、その背後には、「戦争になれば、韓国だけでなく日本も大きな犠牲を被る」という「不都合」があります。
戦争できないのであれば、交渉するしかありません。しかし、トランプ大統領は「戦争ができない」ことを認めていません。
北朝鮮が非核化に向けた措置を取ることを、交渉のための前提条件にしています。しかし、北朝鮮の指導者がただちに核兵器やミサイルを放棄することは考えられません。それは「生き残り」のための手段です。
(中略)
核兵器やミサイル開発を放棄すれば、(ボーガス注:核廃棄の数年後、欧米が軍事支援する反体制派によって政権転覆された)リビアのカダフィ*22政権のように、政権が転覆され、命を失うかもしれません。
だから、自らの安全が確保されると確信するまで、金正恩*23は絶対に核兵器やミサイルを放棄しません。生存のための条件が整ったときに、はじめて非核化があり得るのです。それが「リビアの教訓」です。
平井:
そうだと思います。今ほとんどの人が、北朝鮮が自分から核を放棄することはありえないと思っているわけですよね。そうすると、戦争以外の方法では阻止できない。
しかし北朝鮮への軍事行動は、全面戦争に発展する危険性が極めて高いし、おそらく韓国はすさまじい被害を受けるわけで、現在の状況だと、とばっちりは日本にまで来るということを覚悟しなければいけない。
本当に軍事オプションを主張する人たちが、そういうことに対してちゃんと責任を負える立場で主張しているかどうか、きわめて疑問なわけですよ。
(中略)
北朝鮮という国は、朝鮮戦争が休戦した1953年以降ずっと(ボーガス注:ある種の)制裁下にあり、だからある意味で制裁慣れしている。
その中で、どうやって生き延びていくかをずっとやってきた国家ですから、ちょっと制裁が強まったくらいで倒れるというふうには思えない。
(中略)
制裁でほんとうに北朝鮮を圧迫しようとするなら、(ボーガス注:制裁逃れで北朝鮮が築き上げてきた)そういうルートを1つ1つ潰していかねばならず、実に長い時間がかかる。
そう考えると、経済制裁による圧力は一種の漢方療法的なやり方で、非常に時間がかかります。しかもいたちごっこのように、1つを潰せば、また新しいルートが作られるということが起きます。
だから、制裁をかければ北朝鮮が頭を下げて交渉に出てくるというパターンは考えにくいんです。
小此木:
北朝鮮が崩壊しないいま1つの理由は、中国が、緩衝国家としての北朝鮮の存在を必要としているからです。北朝鮮がなくなれば、米韓同盟が鴨緑江まで前進して、中国は米国の軍事力と直接的に対峙しなければなりません。
北朝鮮がどんな国であっても、(ボーガス注:南北統一後、米軍が韓国から撤退する確実な保障がない限り)とにかく北朝鮮が(ボーガス注:緩衝地帯として)そこにあってくれないと困るのです。
(中略)
平井:
習近平*24国家主席が文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドイツで最初の首脳会談をしたときに、習主席は「北朝鮮とは血盟関係でやってきた」と発言した。
(中略)
米朝間の緊張が高まっているこの状況下で、しかも7月4日に北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を撃った直後の首脳会談で、習近平がそんなことを言ってるわけですから、中国がそんなに強い対応に出てくるとはちょっと思えない。
小此木:
アメリカが中国に対して、過剰に対北制裁を要求すると、米中関係が悪化して、中国はむしろ北朝鮮との関係を再強化するかもしれません。
(中略)
在韓米軍に(ボーガス注:中国の考えでは中国が主たるターゲットである)高高度ミサイル防衛システム(THAAD)が(ボーガス注:中国の反対を無視して)配備されるのに、なぜ北朝鮮を捨てて韓国を助けなければならないのか、ということになってきますよ。(つづく)
「北朝鮮の個人崇拝は戦前日本天皇制に似ている。戦前天皇制が内部崩壊しなかったように北朝鮮の内部崩壊は可能性が低い」
「核廃棄したリビアが政権転覆されたので北朝鮮はそう簡単には核廃棄しない」
「統一韓国からの米軍撤退の確約がない限り、中国は北朝鮮が緩衝地帯としてあることを望み続ける」
「中露の支援があるので、制裁で北朝鮮が屈服することは考えがたいし、北朝鮮の反撃による被害を考えたら戦争などできない。核問題を解決したいなら北朝鮮体制を保障した上での交渉をするしかない。」
など大分、俺的に共感するところが多いです。
■中央日報『文大統領「北朝鮮の幼児の28%が栄養失調…人道的支援は政治と別」』
http://japanese.joins.com/article/036/231036.html
文大統領は8日にドイツ・ハンブルクで開催された主要20カ国(G20)首脳会議の4セッションに参加し、「保健医療分野に対する人道的支援は政治的状況と連係してはならない。北朝鮮の幼児の栄養失調問題に注目している」と話した。
文大統領は続けて「北朝鮮の場合、2017年の国連報告によると全人口の41%、特に5歳未満の児童の28%が栄養失調状態。国際社会の対北朝鮮制裁の枠組みの中で体系的で厳密なモニタリングとともに支援がなされるよう国際機関と民間団体と協力したいと思う。G20加盟国の大きな関心を頼みたい」と述べた。
こうした文大統領の言動を俺は評価しますが、一方で「それでも対話の呼びかけは条件付なんだね」という残念な思いもあります。
■金正恩氏、中学生にも「軍入隊を強制」か…兵力不足が深刻
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170822-00074782/
一般住民の反応を見ると、「戦争が起こるのではないか」と不安がる人は少数で、多くの人は「もし戦争が起きたとしても、国民の暮らしに何の関心も示さないこんな国がなくなったところで、大したことではない」と冷めた反応を示している。
さすがにこれは高のデマでしょう。別に北朝鮮体制の存続を望んでなくても戦争になれば死ぬ危険性があるわけです。自分が死んでもいいなんて人は普通いない。
もし冷めた反応だとしてもそれは「米国、韓国、北朝鮮三国にとって戦争は最悪だから回避の方向で動くに決まってる。トランプや金正恩の『戦争の覚悟がある』はフカシだ」ということでしょう。
■金正恩氏の「絶望」がアメリカとの対立を激化させる
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170817-00074608/
果たして、金正恩氏は対話を望んでいるのだろうか。
そりゃ望んでるでしょう。
ただ「対話はしたけど成果がない」のでは対話する意味がないわけです。その辺りよく考えた上で「対話するのかしないのか」考えて何かやってくるでしょう。
「今、対話しても意味がない、アメリカは口先だけで、対話の結果、土産を出す意志はない」という判断のもと、対話をしないこともあるでしょう。
ただそれは「米国に舐められないためにも安易に対話などしない。ある程度メリットがありそうな対話でないとしない」と言う意味に過ぎず、「対話全面拒否」とは意味が違います。
2009年7月、オバマ前政権のクリントン国務長官(当時)は北朝鮮に対し次のような提案を行った。
「完全かつ後戻りできない非核化に同意すれば、米国と関係国は北朝鮮に対してインセンティブ・パッケージを与えるつもりだ。これには(米朝)国交正常化が含まれるだろう」
インセンティブ・パッケージとは、米国が国交正常化、体制保障、経済・エネルギー支援などを、北朝鮮は核開発プログラム、核関連施設はもちろん、ミサイルなどすべての交渉材料をテーブルに載せ、大規模な合意を目指すことを念頭に置いていたものとみられる。
素直に受け止めるなら、北朝鮮にとって悪い提案ではないように思える。
いや何処がいい提案なんでしょうか?。北朝鮮からすれば「まず土産出せよ」つう話です。「今は土産は出せないけどとにかく交渉しましょう、交渉していくウチに色々と固まっていくと思う」では全然魅力はないでしょう。
■産経【主張】北のグアム攻撃 「存立危機事態」に備えよhttp://www.sankei.com/column/news/170812/clm1708120003-n1.html
小野寺五典防衛相が国会で、北朝鮮が米軍基地のあるグアム島を弾道ミサイルで攻撃した場合、集団的自衛権の行使が許される「存立危機事態」に該当する可能性があるとの見解を示した。
北朝鮮のグアム攻撃などないでしょうし、仮にあったとしても「存立危機事態」認定で集団的自衛権行使など政治的に安倍政権には無理でしょうがそれはさておき。
こういう事を放言する小野寺とそれを支持する産経に全く困り者です。
■米国と戦争危機でも金正恩体制がつぶれない、本当の仕組み
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170815-00074511/
もちろん戦争危機などない、米国には到底戦争できないから潰れないわけです。
先ず第一に北朝鮮の反撃で、韓国側で市民や兵士に、合計で万単位で死者が出る危険性がある。
第二に、シリアやイラクのような内戦状態になったら目も当てられない。
第三に中露は「北朝鮮が先制攻撃したら見捨てるが、米国が先制攻撃したら介入する」旨、常日頃アピールしています。米国が戦端を開いたら中露と激突する危険性がある。
一方で北朝鮮も中露から「北朝鮮の先制攻撃など認めない、もしやっても支援しない」と引導を渡されてる中、国力的に自分から開戦などできません。
北朝鮮の核の脅威を除去するためには、北朝鮮の民主化が必要なのだ。これなくしては、日本人拉致問題だって最終的に解決することはできない。
与太もいい加減にしろ、ですね。
「独裁的な」リビアのカダフィが核廃棄したことで、あるいは「民主国家」米英仏インド、イスラエルが核保有してることでわかるように「民主的か独裁的か」と「核保有」とは何の関係もありません。
拉致問題だって小泉訪朝で一定の解決を見ている。拉致や核問題の解決は民主化とは全く関係ない。
しかも高の言う「民主化」は漸進的民主化ならまだしも「金正恩暗殺や大規模軍事攻撃による政権転覆」も含む野蛮な代物です。そんなもん公言したら北朝鮮の反発でかえって拉致や核問題の解決は遠のくでしょう。高がやりたいことは「打倒北朝鮮」だからそうなるのでしょうが。
■日本はこうして北朝鮮を「先制攻撃」することになる
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170810-00074382/
高はバカかとしか言いようがない(なお、高の発言の背景については■産経【主張】北のグアム攻撃、「存立危機事態」に備えよ(http://www.sankei.com/column/news/170812/clm1708120003-n1.html))。
「北朝鮮の日本攻撃*25に対する反撃」ならまだしも北朝鮮が威嚇行為をしてる程度では到底軍事攻撃などできるもんではありません。
それは到底、「自衛行為」と主張できるものではなく侵略だし、そんなことをすれば北朝鮮を支援する中露も黙って傍観はしてないでしょう。
それ以前にそんなことをされて北朝鮮が反撃しないほどお人好しでも無能でもないでしょうが。
また「まずない」でしょうが仮に「北朝鮮のグアム攻撃」を契機に小野寺防衛相のような口実(「存立危機事態」認定で集団的自衛権行使)で北朝鮮攻撃することも無茶というもんでしょう。
北朝鮮問題ですべきことはあくまでも「外交による平和的解決」です。もちろん「北朝鮮側から戦端を開いたら*26」、平和外交は現実的には難しいかもしれません。しかし、北朝鮮がただの威嚇にとどめているのに、日米韓の側から先制軍事攻撃をするなど道徳的、法的に問題がある(違法不道徳の疑い濃厚)し、「それによって起こるであろう悲劇的結末」を考えたらやるべき行為ではありません。つうかトランプや文在寅氏、安倍に常識があればそんな事はしないでしょうが。
安倍やトランプですらそんな暴挙はしないでしょう。高も本気で「日米韓の先制攻撃があり得る」と思ってるかは疑問ですが。
■北朝鮮の高速道路で「金正恩氏の愛車」に道を譲らない*27とどうなるか
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170809-00074277/
韓国の全国紙、東亜日報の記者で、脱北者であるチュ・ソンハ記者によれば、平壌と元山(ウォンサン)をつなぐ高速道路の「ムジゲ(虹)トンネル」で、こんな出来事があったという。
このトンネルは全長が4キロもあるのに、道幅が狭く換気設備も整っていないため、エンジンの性能が悪かったり整備状態が悪かったりする車両が通るたび、ばい煙で充満する。
ある日、このトンネルで金正恩党委員長が愛車を走らせていた。その前方では、軍のトラックが真っ黒な煙を吐き出しながら、ノロノロと走っていた。
しかも、正恩氏がいくらクラクションを鳴らしても、軍の運転手は気にする風もない。
(中略)
その当時、北朝鮮はすべてに軍事が優先する「先軍政治」の真っただ中で、保安員(警察官)も軍の車両を取り締まることはできなかった。クラクションを鳴らされた運転手も、「軍を何だと思っていやがる」ぐらいに考えたのかもしれない。
これに、正恩氏が切れた。
2010年5月5日、軍に「青年大将同志の方針」なるものが下された。軍の車両といえども、交通ルールに違反すれば取り締まりの対象とするとの内容である。
この日から、保安員は軍幹部の車両も容赦なく取り締まった。
いやこれは取締命令を出した正恩君ではなく「軍なら何でも許される」的な舐めた態度をとった軍人の方が悪いでしょう。
このエピソードは些細な話に思えるが、実は見逃せない要素をはらんでいる。祖父や父にも増して軍事力に権力の基盤を置いているように見える正恩氏が、実は軍に対し、若い時から冷淡とも言える態度を貫いているということだ。
「はあ?」ですね。正恩君自身は「政府、党、軍」の三権(?)の長なのだから軍など「ある意味怖くない」でしょう。しかもこの件なんか悪いのは明らかに軍の方ですからね。
・毛沢東中国共産党主席が軍幹部である彭徳懐・国防相を「大躍進を彼が批判したこと」に激怒。国防相を更迭したあげく、文革では真っ先につるし上げた
・スターリンの赤軍大粛清(あまりにも無茶な粛清をやったために独ソ戦で苦戦する羽目になる)
とは全然意味が違います。
つうか、スターリンや毛はかなり特殊な例ですが「党より軍の方が力が上」なんてのは歴史上の共産党国家において全く珍しくないと思うんですが。
スターリンや毛のような無茶苦茶なコト(大粛清や文革)はやってないとは言え、ベトナムで一番偉い扱いをされてるのは「党主席のホー・チ・ミン」であって「国防相のボー・グエン・ザップ」ではないわけです。
■「喜び組」部門の人材しか信じられなくなった金正恩氏
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170804-00074130/
タイトルだけで大笑いです。そんなわけがない。それでは政治が回っていかない。
高がまともならこういうあほなこと書かないんですけどまともじゃないですから。
■北朝鮮のミサイル開発と「国民虐待」は表裏一体の関係にある
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170730-00073925/
もちろん表裏一体の関係にはありません。
なぜ北朝鮮がミサイル開発するのか。
それは「米国の北朝鮮侵攻を防ぐため」でしょう。であるなら米国が北朝鮮侵攻を正式に放棄し、それを北朝鮮が信用すればミサイル開発はやめるでしょう。つまりは朝鮮戦争正式終戦と米朝国交樹立ですが。
そこには「国民虐待と表裏一体」なんてもんは何もない。もちろん核開発も話は同じです。
独裁的なリビア・カダフィ政権が核開発を放棄したように、民主化と核開発は別に関係はない。
一方で民主国家の米国、英国、フランス、イスラエル、インドが核を開発しているわけです。
「民生を無視して、ミサイルや核兵器の開発に好きなだけ予算をつぎ込めるのは国民を弾圧してるから。だから表裏一体だby高英起」なんてのはくだらない詭弁でしかない。
にもかかわらず高がこういう馬鹿なことを言うのは「北朝鮮を民主化しないとミサイルや核兵器の開発問題は解決しない」と強弁したいからです。それでも「平和的な方法で民主化を目指す」と高が言うならまだいい。
高は「民主化のためなら政権転覆してもいい」だの「斬首作戦も選択肢」だの言うから話になりません。本気なら馬鹿だし、本気ではなく「本心ではない嘘を垂れ流してる場合」も別の意味でバカです。
■「北朝鮮で『NARUTO-ナルト-』*28が流行っている」金正恩体制が骨抜きに
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170730-00073882/
「ナルト」は別に政治的アニメではない。また「北朝鮮以上に日本アニメが普及してる中国」でも「民主化が進み中国共産党下野の流れが生まれてる」というわけでもない。従って、その程度では北朝鮮体制は骨抜きにはならないでしょう。
むしろ「改革開放が進んでる→体制の強化」もありうるんじゃないか。
しかし「どういうルートで日本アニメが北朝鮮に入ってるのか」気になるところではあります。
■北朝鮮の新型潜水艦は、いずれ海上自衛隊が沈めることになる
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170724-00073657/
タイトルだけで唖然です。あほすぎて本文読む気もなくなる。
当然ながら「海上自衛隊が北朝鮮の潜水艦を沈める」には「北朝鮮と日本が交戦しない」といけない。
「北朝鮮の潜水艦が事故で座礁した。沈めることが一番適切であるという判断から、自衛隊が北朝鮮の同意を得て沈めました」なんて平和的(?)な話を高はしているわけでは勿論ない。
しかし日朝交戦なんてほとんどあり得ない想定でしょう。北朝鮮側から日本に攻撃を仕掛けることは「北朝鮮が軍事小国であること」を考えればおよそ考えられない。日本や在日米軍の反撃で国が滅びかねません。
一方で日本の北朝鮮攻撃も考えがたい。「米韓が北朝鮮攻撃に否定的なのに」日本単独で軍事攻撃はまずないでしょう。
ならば「日米韓連合軍の攻撃」ならありうるのか。これもまずないでしょう。中露がそんなモンを手をこまねいて傍観するわけもないし、安倍レベルの極右でもなければそんな「北朝鮮の反撃でどれほど死人が出るがわからない」「北朝鮮からどれほど難民が出るか分からない」「中露が軍事介入して中露VS日米韓の代理戦争化しかねない」リスキーなことは「日米韓」何処の政治家もやろうとは思わないでしょう。
■銃殺・絞首刑に「火あぶり」まで…ITで暴かれる北朝鮮「公開処刑」の実態
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170721-00073553/
なお同グループは、人権侵害が行われた具体的な場所は公表しておらず、今後もその予定はないとしている。現状では、客観的な現地調査が不可能であり、そのような状況で具体的場所を公表すると、北朝鮮当局が証拠隠滅を行う可能性が高いからだ。
「具体的場所を公表してない」ということはおそらく「俺達はマップをつくった、具体的内容は言えないけどな」と言う話であり
1)第三者には裏が取れないと言う事であり、かつ
2)「具体的場所が公表されてないがために」北朝鮮に対するインパクトも小さい
んじゃないか。「意味あるのかよ」て話です。
つうかそもそも具体的場所を公表しなくても、こういうことを言うだけで「証拠隠滅を助長する」と思いますけどね(実際にそうした公開処刑場所があれば、の話ですが)。「デタラメ三昧だから裏が取れないようにしてるだけじゃねえのか」と思います。
■金正恩氏が「のぞき見」にハマっている…「変態的」との批判も
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170717-00073346/
「のぞき見」とは何のことかと言えば
金正恩氏が、幹部を使って一般庶民が利用する市場をのぞき見していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
(中略)
RFAの情報筋は、「金正恩氏が7月1日に下した方針を伝達する会議が5日、会寧(フェリョン)市の党委員会会議室で行われた。この日、伝達された方針の内容は、工場や企業所で国内用と輸出用の商品の質と包装を、まったく同じにせよというものだった」と述べた。
注目すべきは、金正恩氏の方針が伝達される際、「(金正恩氏が)該当職員が撮影した平壌東大門(トンデムン)市場、平城(ピョンソン)駅、南浦(ナムポ)市江西(カンソ)市場の映像を見られて下されたお言葉」から始まったという点だ。情報筋は、金正恩氏は「市場に出された商品などの質と包装を、盗撮映像を通じて確認したものと推測される」と情報筋は述べた。
というのだから「のぞき見にはまる」という表現は相当に問題がある。ましてやそれに対し「変態的」と表現するのは更に問題があるでしょう。タイトルからは性的な意味での「のぞき見」が連想されるでしょうから。
本文読めば意味はわかりますが「タイトルしか読まないような人間」に対し、故意に正恩君をネガキャンしてるとしか思えません。高も全くせこい男です。
つうか是非はともかく「盗撮映像で指示を下す」なんてのは独裁者としては「ごく当たり前のこと」だと思いますね。
■金正恩氏、文政権の対話路線にICBMでひじ鉄
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170709-00073077/
そもそも文氏は対話路線といったところで、北朝鮮どころか中露の反対もあっても、サード配備はやめないわけです。今のところ「対話したい」つうだけで「北朝鮮と交渉しなくても文政権単独でもできる対話路線的なこと(例えばサード配備中止の明言)」はほとんどありません。民間人権団体(北朝鮮の貧困者支援団体)の訪朝許可はありましたので「全くないわけではない」ですけど。
金正恩が「あいつ口先だけジャン」と文氏の事を思っても無理はない。そこで「口先だけの奴なんか無視してミサイル開発に励む」つうのが「道義的是非ははひとまず置くとしても」政治的判断として合理的かは疑問ですが、「対話路線に肘鉄」として一方的に金正恩を非難出来る話でもありません。
「サード白紙撤回」を文氏が明言しその方向に動いたら状況も変わっていたでしょう。
金正恩氏の頭にあるのは一日も早く米国東海岸へ届く核ミサイルを開発して、完全なる核武装国家となることであり、南北対話の優先順位は年々低くなっているようだ。
いや南北対話の順位はそれなりに高いでしょう。ただ彼が父正日氏の死で政権についた頃は対話に否定的な李明博、朴クネ政権でした。彼の政権が金大中、盧武鉉政権時代に誕生したのならともかく、これでは対話のしようがない。
対話の見込みが乏しいのなら「軍事的方面に力を入れる」というのはある意味合理的な判断です。
そして「条件つき対話」では「自由韓国党もそれなりの政治力持ってるし、文はどれだけやる気があるのか」と北朝鮮が対話に消極的なのも理解できる話です。
核・ミサイル問題で進展があればという前提条件がつくものの、対話の呼びかけは継続するという。
こうした文氏に対して、北朝鮮の非難は日増しに強くなりつつある。
そりゃそうでしょう。朴クネよりはマシだと思いますが、俺もhttp://roodevil.blog.shinobi.jp/が批判するように「文は駄目だ」という評価になりつつあります。
何故、無条件の対話に応じないのか。北朝鮮が「条件付の対話では応じる気がない」ということはもう嫌と言うほどわかってる。わかってなかったらただのバカです。
大体「進展があれば」なんてのはオバマ政権や李明博、朴クネ政権も建前では言ってきたことです。
これで「文は対話路線で信用できる」と北朝鮮に評価してもらえると思ったのなら単に文という人物が馬鹿なだけです。向こうは疑心暗鬼、猜疑心が強いでしょうからこんなんで信用されるわけがない。
北朝鮮から対話路線を否定されているにもかかわらず、文氏が今後も対話の呼びかけに固執しつづけていくなら、韓国世論からの反発も招きかねない。
そもそも「条件付の呼びかけ」なんて「対話する気が文にはあるのか」て話です。
結局
1)大統領選で「対話の呼びかけをする」といった以上、支持者の手前、しないわけにいかない
2)でも国内外の保守派(自由韓国党や米国トランプ政権)の反発が怖いから「条件つき対話」を呼びかける
3)したがって「対話の呼びかけ」で支持者相手のアリバイづくりができればいい、北朝鮮が「条件付なら応じない」といっても知った事じゃない。
つう話じゃないのかと疑います。
何度も言うように北朝鮮が否定してるのは「条件つき対話」であって対話それ自体は否定していません。北朝鮮は「条件付じゃ俺が不利すぎるから無条件にしてくれ」としてるわけです。
北朝鮮にとっては面子の面でも、実利(米韓のやらずぼったくりは困る)の面でも「自分から譲歩して交渉すること」は飲める話ではないでしょう。そもそも核・ミサイルは北朝鮮にとって重要な交渉ツールです。
文らの条件付対話路線は俺に言わせれば「豊臣・徳川和平交渉での大阪城堀埋め立て」みたいなもんです。実際の堀埋め立てがどうだったかはともかく、時代劇ではよく「既成事実をつくって居直ればいい」として「和議内容にない部分まで埋め立てる*29」ことを徳川がし、豊臣が不利になる話が出てくる。
下手に譲歩するとそう言うだまし討ちを食らう恐れがあるし、米国は北朝鮮打倒を公式に廃棄したわけでもありません。米朝、南北朝鮮間には国交もないし、朝鮮戦争も正式には終戦してない。
経済、政治、軍事面では圧倒的に米韓の方が上だし、中露は長いつきあいもあって好意的とは言え「冷戦終了で、その好意も冷戦時代ほどのモノではない」わけです。これで立場の強い韓国が一方的に譲歩を求めて北朝鮮に受け入れられると思うのは常識外れだと俺は思います。まず韓国や米国が譲歩すべきではないのか。それが「国内の反北朝鮮世論のために」米韓とも現実的に困難なことは分かりますが、北朝鮮問題の解決は「米韓が一定の譲歩をし、北朝鮮の信頼を得てから交渉する(交渉は無条件)」以外にないでしょう。
*1:もちろん今回のようなパフォーマンスとしてではなく戦争としてです
*2:警察庁警備局外事情報部長、警察庁長官官房総括審議官など歴任。野田内閣で内閣情報官に就任。
*3:警視庁公安部長、神奈川県警本部長など歴任
*5:第二次安倍内閣外務大臣政務官、第三次安倍内閣外務副大臣などを歴任
*6:あるいは「和田春樹氏的」「田中均氏的」と言ってもいい。
*7:著書『エシュロンと情報戦争』(2002年、文春新書)、『戦争の常識』(2005年、文春新書)、『国防の常識』(2012年、角川oneテーマ21)、『領土の常識』(2013年、角川oneテーマ21) など
*8:第二次安倍内閣防衛大臣政務官、第三次安倍内閣外務副大臣を歴任
*9:日本政府は少なくともそんな立場じゃないですが。
*10:「日朝交渉路線を唱えただけでエセ右翼扱いされるいわれはない!」という批判がその後来たようで『我道会批判、その後』(https://ameblo.jp/tyoo-o/entry-12304151981.html)では「日朝交渉路線に派反対だが、エセ右翼という言葉は今後使わない」と大石は事実上わびています。
*11:ここで言う朝鮮とは「朝鮮民主主義人民共和国」のことです。
*12:慶應義塾大学名誉教授、九州大学特任教授。著書『朝鮮戦争:米国の介入過程』(1986年、中央公論社)、『朝鮮半島の秩序再編』(編著、2013年、慶應義塾大学出版会)など
*13:共同通信客員論説委員。著書『なぜ北朝鮮は孤立するのか』(2010年、新潮選書)、『北朝鮮の指導体制と後継:金正日から金正恩へ』(2011年、岩波現代文庫)など
*14:有料で読む気はないです。
*16:ジエム大統領の実弟のゴ・ディン・ヌー大統領顧問の妻であるマダム・ヌーが僧侶の焼身抗議自殺を「あんなものは単なる人間バーベキューよ」とテレビで語り、反政府運動が激化したことで米国ケネディ政権はジェムにヌー顧問の更迭を求めたがジェムが拒否したため関係が悪化。1963年、米国の支援を受けたズオン・バン・ミンによるクーデターでジェムとヌーが暗殺され、ミンが大統領に就任した。
*17:ドイツ社会主義統一党第一書記、国家評議会議長を歴任
*18:ウルブリヒトの後継者。ドイツ社会主義統一党第一書記、国家評議会議長を歴任。1989年の東欧革命で失脚。ソ連崩壊後の1992年にドイツへ移送されたが、1993年の裁判では肝臓がんを理由に上訴追免除され、娘の居るチリへ事実上亡命した(ピノチェト政権時、ホーネッカーはチリからの亡命者を受け入れており、一方当時のチリは反ピノチェトの左派政権だった)。翌年1994年5月29日に肝臓癌により81歳で没した。
*21:反日つうか安倍批判でしょう。ここでは小生は小此木氏には賛成できませんね。安倍が総理でなかったらああいう事にはならないかと思います。谷垣総理ならああいう事はなかったんじゃないか。
*22:首相、革命指導評議会議長、全国人民会議書記長など歴任
*24:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席
*26:何度も繰り返しますがそんなことをやるほど北朝鮮も無謀ではないでしょう
*27:「譲らないと」というより「高速道路なのに遅すぎると」でしょうね。高速で一般道と同じスピードなら普通怒るでしょう。
*28:『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1999年43号から2014年50号まで連載。またテレビ東京で2002年10月3日から2007年2月8日までアニメ『NARUTO-ナルト-』が、2007年2月15日から2017年3月23日までアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』が放送された。
*29:ウィキペ「大阪の陣」によればこの和議違反は後世の資料にしか出てこず、当時の資料で確認できないため、後世の創作の疑いが強いそうです。