今日の産経ニュース(7/17分)(追記・訂正あり)

■そういえば「自民党参院のドン」「自民党五人組*1村上正邦*2が有罪になったKSD疑惑も大学がらみの疑惑だった
 KSD疑惑で問題になったのは埼玉県行田市に今あるものつくり大学ですね。
 で産経が言う「獣医学部の新設が必要なんだ!」つう言い訳は「ものつくり大学が必要なんだ!」という言い訳と大して変わりません。
 問題になってるのは勿論そう言うことじゃない。

参考
赤旗『村上元労相に実刑、KSD事件』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-21/15_01.html


■【加計学園問題】24、25日に衆参で安倍晋三首相出席の予算委集中審議を開催 「和泉、前川対決」も
http://www.sankei.com/politics/news/170720/plt1707200005-n1.html
 「それでも木曽元内閣官房参与(現千葉科学大学学長)は呼ばないのか」ですね。まあ事情はともかく和泉首相補佐官を呼ぶことはいいことです。
 安倍も「もう和泉を呼ばざるを得ない」「籠池喚問での昭恵FAXなみの何か爆弾が出たら恐ろしいことになるが、仕方がない」と腹をくくったのでしょう。
 野党の追及を期待したいですね。
 まあ、仮に野党の追及が不十分でも「和泉を呼んだけど疑惑の存在は証明できなかった→安倍さんは真っ白と信じよう→支持率V字回復」なんて「俺の願望込みですが」ないでしょうねえ。安倍も「これ以上の右肩下がりを避けたいだけ」でそれ以上のことは多分考えてないでしょう。


■【加計学園 行政は歪められたのか(上)】新設認めぬ*3「石破*44条件」は獣医師会の政界工作の「成果」だった! 
http://www.sankei.com/premium/news/170717/prm1707170008-n1.html
 産経ってもう論理も何もないんだなと心底呆れます。「石破4条件」は閣議決定であり、その時の内閣は安倍政権です。
 つまり「石破が勝手に決めたこと、安倍総理は関係ない」で済む話じゃないと言う事です。閣議決定すら「安倍首相の責任じゃない、石破だけが悪い」というなら「首相の安倍」の存在とは一体何なのか。「床の間の置物」みたいな有名無実な代物なのか。石破に限らず大臣が安倍に関係なく勝手に政策を決めていて安倍はそれを「君らに任せる」でノーチェックなのか。安倍政権において閣議決定とはそんなに軽いどうでもいいものなのか。
 なお、もちろん閣議決定ではなくても、石破の大臣決定でも安倍には責任が生じます。石破の方針に異論があるなら、最高責任者・総理として是正すればいいからです。最悪の場合、石破を更迭することだってできる。
 実際、「金銭疑惑が理由ですが」安倍は事実上「甘利*5経済財政担当相」「小渕*6経産相」「松島法相」を更迭していますし、次の内閣改造では稲田*7防衛相の更迭がほぼ確定的事実と成っています。
 つうかこんな馬鹿な事を産経が抜かしてもさすがに安倍も「石破4条件は間違ってる、石破は間違ってる」とは今さら言えないでしょう。
 何度も言いますが「閣議決定」について「首相は悪くない、石破だけが悪い」なんて、そんな馬鹿な話は世間に通用しない。かつそんなことを言えば完全に石破が安倍の敵になってしまう*8。今安倍は落ち目ですし、「石破が全て悪い」みたいな言いがかりをされて黙ってるほど石破もお人好しじゃないでしょう。
 結局何でこうなるかといえば、おそらく
1)安倍は閣議決定当時、石破4条件を否定しなくても加計学園獣医学部新設は可能と思っていた
2)しかし実際に話が動き出すと「石破4条件」が加計にとってネックとなった
3)本来「4条件」を正式に廃止すべきだが、「それをやることで加計学園に注目されたらかえってまずい、やぶ蛇だ」などの理由でそれをやる度胸が安倍になかったので「石破4条件を公然と無視すること」にした
4)いわゆる安倍一強体制の中、石破から「4条件を無視するな」などの批判はでなかった
5)しかし森友疑惑が発覚し、追及が始まる中で加計学園疑惑にも野党やマスコミが注目。「これ、石破4条件違反じゃないの?」との指摘が出る
6)「4条件に反してない!」という説明が思いつかず、ついに「石破4条件なんて獣医師会の不当な政界工作の成果だから無視していい!」と産経が言い出す
という話でしょう。
 しかし4条件が「政界工作の成果であろうとも」閣議決定である以上、廃止もしないで平然と無視できるわけがない。
 産経の言い分「石破4条件に正当性、合理性はない」を認めるにせよ「4条件を正式に廃止しないで無視していい」なんて話には全くなりません。産経は「不当な閣議決定なら廃止しないで無視していい」という主張がいかに暴論かもわからないのか。
 かつ閣議決定すら「不当な政治工作の成果」と言い出すのではそれこそ「加計学園の学部新設に不当な点はなかった」と産経がいっても何の説得力もないでしょう。まあ要するに「産経の知的能力が劣ってるのでうまい詭弁が思いつかない」つうのもありますが加計学園問題で安倍を擁護するのは相当レベルの低い詭弁とデマを持ち出さないと到底無理だと言う事です。

 (ボーガス注:獣医師会出身の元自民党代議士で、現在、日本獣医師会顧問、日本獣医師政治連盟委員長の)北村*9と石破は昭和61年の初当選同期。しかも政治改革などで行動をともにした旧知の間柄だ。
 日本獣医師政治連盟自民党が政権奪還した直後の平成24年12月27日、幹事長に就任した石破の「自民党鳥取県第一選挙区支部」に100万円を献金している。

 石破と獣医師会が親密だと言い出す産経ですが、「それ言ったら安倍首相(疑惑発覚前の安倍発言「加計さんは腹心の友」)や萩生田官房副長官加計学園系列の千葉科学大学名誉客員教授、疑惑発覚前は自らのホームページに加計や安倍とのバーべキュー風景を掲載(疑惑発覚後に削除))、下村元文科相(文春が報じたヤミ献金疑惑)だって加計学園と親密ジャン」と言い返されるだけでしょう。

 (ボーガス注:日本獣医師会会長の)蔵内も、長く福岡県議を務め、副総理兼財務相自民党獣医師問題議連会長の麻生太郎*10や、元自民党幹事長の古賀誠*11ら政界に太いパイプを有する。
 北村ら*12は石破らの説得工作を続けた結果、4条件の盛り込みに成功した。

 産経らしい薄汚い印象操作狙いの書き方で絶句します。
 産経の言う「石破らの説得工作」の「ら」とは誰のことなのか。
 普通に考えれば産経曰く「蔵内獣医師会会長が太いパイプをもつという副総理兼財務相自民党獣医師問題議連会長の麻生太郎や、元自民党幹事長の古賀誠」でしょう。
 しかし、そうはっきり書かない辺り、「書いたときの麻生や古賀の反発」を産経も恐れているのでしょう(とはいえどう見てもそう書いているのも同然の書き方ですが)。
 大体安倍をかばうためとは言え「4条件は不当な政治工作の結果で、中心人物は石破。麻生や古賀も関与した可能性がある(オレの要約)」と書かれても安倍もありがた迷惑じゃないか。
 麻生や古賀、石破を今の落ち目の安倍が下手に敵に回すと政権が崩壊しかねないし、世間からすれば「それが仮に事実で、かつ安倍は無実*13だとしても、石破らが有罪になるよね。しかも石破は元幹事長・元地方創生相、麻生は現役副総理・財務相という安倍自民幹部ジャン。安倍自民党が汚いことには変わりないジャン」でしょう。

 「石破4条件」と言われ始めると「私が勝手に作ったものじゃない。内閣として閣議決定した」と内閣に責任をなすりつけるようになった。

 閣議決定なのに石破一人に責任をなすりつけてるのは産経の方でしょう。「河野談話河野洋平*14官房長官が悪い」とかいつもの産経の手口ですが。
 「石破が案を作ったにせよ」閣議決定なのに「安倍総理は悪くない」では石破が怒るのは当たり前です。大体4条件に問題があるなら閣議決定で安倍が廃止すればいいだけの話です。
 そうすれば「4条件廃止は不当だ」という安倍批判はあり得ても「閣議決定である4条件を、内閣が公然と無視するなんておかしい」という安倍批判はでませんでした。
 何で「廃止しなくても閣議決定を無視していい」なんて無茶苦茶な話になるのか。

 石破は産経新聞の取材に文書で回答し、新潟市獣医学部新設申請について「全く存じ上げない」、獣医師会からの4条件盛り込み要請について「そのような要請はなかった」、平成27年9月9日の(ボーガス注:日本獣医師会関係者に4条件を盛り込んだことを伝えたという)発言についても「そのような事実はなかった」といずれも全面否定した。

 で今のところ、こうした石破の反論の真偽は不明です。前川前文科事務次官のような「正体を自ら明かした」内部告発者は今のところいない。
 いずれにせよ、「前川氏発言などと食い違う」安倍の反論は「そうだ、その通りだ」「前川らが嘘をついてるんだ」で支持する産経が、石破についてはそうでないのはデタラメとしか言いようがない。
 また、石破への不当な政界工作があったとしても
1)石破4条件は閣議決定で「安倍首相も了解している」
2)閣議決定を廃止もしないで無視していいなんて話はない
3)正式に廃止できなかったこと自体、「廃止して加計への注目が集まっても困る(安倍)」ということであり、「加計学園への不当な便宜供与」の傍証ではないのか
ということでそんなことで加計学園疑惑をごまかし安倍を救うことは到底無理でしょう。
 そもそも石破が獣医師会の手先で汚いこと*15は安倍が「加計学園に不当な便宜などしておらず」きれいなことを意味しません。


■【加計学園 行政は歪められたのか(中)】日大総長「加計にろくな教育できっこない」 愛媛知事「じゃあ、あなた作ってくれるか?」
http://www.sankei.com/premium/news/170719/prm1707190003-n1.html
 タイトルからして「はあ?」ですね。加戸愛媛県知事の言動なんて「安倍が加計に不当な便宜をしたかどうか」に全く関係がない。

 知事の加戸守行は県内の公務員獣医師の不足に頭を悩ませていた。
(中略)
 そんな中、本宮がもたらした加計学園による獣医学部新設の話は願ってもない朗報だった。加戸は「地域活性化と公務員獣医師確保ができ、一石二鳥じゃないか」と小躍りした。

 加計疑惑とは関係ない話ですが「加計がらみでのマスコミ報道」に寄れば「公務員獣医不足」は「獣医不足ではない」というのが通説的見解のようです。つまり「公務員獣医になっても労働がきついだけで大して金にならない」から「公務員獣医のなり手が少ない」んだと。
 「公務員教師のなり手は少ないが有名私立校教師のなり手は多い」「産婦人科医のなり手は少ないが美容整形医師のなり手は多い」みたいな話だと。
 当然ながら獣医学部をつくってもおそらく事態は全く変わりません。
むしろ
1)「獣医資格持ってるけど、公務員獣医目指すくらいなら民間獣医目指す」
2)「民間獣医になれないなら獣医になるのあきらめる」
3)「そもそも獣医じゃ食えないから獣医目指さない」
になるだけでしょう。公務員獣医を増やしたかったら待遇を良くするしかない。

北村は22年春、獣医師会の権威で日大総長の酒井健*16と連れだって愛媛県庁の知事室に乗り込んだ。
 「獣医学部を作るのなんかやめた方がいい。公務員獣医師の待遇をよくしたり、愛媛県出身の学生に奨学金を出したりした方が安上がりですよ」

 北村氏の思惑は「日大獣医学部のライバル潰し」かもしれませんが、言ってること自体は正論でしょう。
 「大学新設による地域活性化」はともかく獣医不足解消には獣医学部新設は繋がりません。
 「待遇を良くする金がない」と言いだしそうですが、加計の誘致に「税の免除」など相当の便宜を図ってるんだからその程度の金が出せないとは思いませんね。

加戸は「こっちは手当たり次第、獣医師を採用しても足りないんだ」と説明したが、2人は納得しない。

 加戸の言ってる意味がわからないですね。
 「待遇を良くした方が獣医不足解消に繋がる」つう批判と全くかみ合ってない。
 結局、加戸の「獣医不足解消」は口から出任せなんでしょう。
 「大学新設による地域活性化」か、「元リクルート疑惑官僚」らしく「加計と癒着してる」のか知りませんが、「獣医不足解消」は加戸の本音ではない。

酒井は「加計学園獣医学部を作っても、どうせろくな教育はできっこないですよ」と言い放った。これにカチンときた加戸は怒りを隠さずこう迫った。
 「こっちは別に加計学園でなくてもいいんだ。じゃあ、あなたのところで愛媛に第2獣医学部を作ってくれるか?」

 そんなもん何でつくらないといけないのか。つくっても学生が来るか怪しいから加計ぐらいしか手をださない訳です(つうか良く加計もこんなリスキーな話に手を出すと思いますが)。
 加計ぐらいしか手をださないと思ってるから、加戸もこういう放言をする。
 「分かりました、つくりましょう」なんて言われたら困るのは「加計とタッグを組んできた」加戸の方でしょう。
 そもそも加戸は「大学をつくれば学生が来る」と勘違いしてるようですが、この少子化時代、そんなに話がうまくいく保障はありません。ましてや愛媛という田舎に、しかも「新設獣医学部の加計」に喜んで行く学生が果たしているのかどうか。
 俺だったら「日大獣医学部」とか大都市圏の老舗獣医学部を目指しますね。それとも「将来的に大学が定員割れで潰れてもいい」というのが加戸の考えなのか。

獣医学部新設にからみ、あたかも不正があったかのように報じられるのは我慢できない。

 「我慢できない」も何も加戸には「安倍が加計に不当な便宜をしたかどうか」はわかる立場にはないはずです。
 加戸のこうした発言動機として考えられることは
1)不正があろうがとにかく獣医学部が新設したい
2)安倍にこびることが加戸にとってメリット
3)実は加戸も「何らかのルートで加計の不正行為を知っており」だからこそ、かえってむきになって不正を否定する
のどれか、あるいは全てでしょう。
 どっちにしろくだらない。加戸がまともな政治家なら「前川告発」などを見て疑念を感じないわけがないし、疑念を感じれば「獣医学部新設を強く望むが、疑惑が事実なら新設はあきらめざるを得ないと思う。なお疑惑については私は知る立場にないので、何とも言えない。とにかく疑惑が一日も早く解明され、真っ白であることが証明されることを強く望む」程度の事しか言わないし言えないでしょう。
 ムキになって不正を否定するなんて実に変な話です。

 文科省から流出したとされる「首相の意向」などと記された文書に関しても加戸は「安倍さんと加計学園理事長が友達だと知っていたら、直訴してでも10年前に獣医学部を作ってもらっていたよ」と一笑に付す。

 10年前の安倍にそんな政治力はなかったでしょう。そもそも加戸がこんなことを言ったところで「総理の意向文書」の信用性は全く否定されない。
 大体冗談とは言え「安倍の不正」が取りざたされる中、「加計と安倍が親密なら10年前に安倍に働きかけてた」と「不正を容認するかのような言動」をするとは加戸も呆れたバカです。


■【加計学園 行政は歪められたのか(下)】文科省サボタージュで抵抗しただけ…挙証責任果たせず「白旗」 「ご意向」文書の真意とは?
http://www.sankei.com/politics/news/170720/plt1707200008-n1.html
 まあいつもながら詭弁とデマのオンパレードです。
 先ず第一に「文科省の反対理由が適切かどうか」と「安倍が加計に不当な便宜をしたかどうか」は全く関係がない。
 「反対理由が不当なら便宜をしてない」とか「反対理由が正当なら便宜をした」という論理関係にないからです。まあ反対理由が正当なら「その正当な理由を無視するなんて安倍は怪しい」つうことにはなりますけどね。 
 第二にいわゆる「ご意向」文書について今頃に成って「本物でも何の問題もない、総理は岩盤規制を破壊しようとしただけだ」と言い出すのが酷い。
 当初あの文書を菅官房長官が「出所が分からない怪文書」とまで言って、それを産経も支持していたのは何だったのか。
 本当に「何の問題もない」なら菅がそんな事言うのは不自然なわけです。
 結局「怪文書として否定しようとしたが否定しきれなくなって」詭弁が出ているだけです。

 国家戦略特区WG座長でアジア成長研究所所長の八田達夫*17は「4条件により制限は加えられたが、達成可能だ」と踏んだ。

 何故八田はそう考えたのか。それは産経記事にも書いてありますが、詭弁、屁理屈であろうとも「4条件を加計は達成している」と言えると彼は考えたからです。
 そこで「いや達成されてない」という文科省に対し「総理の意向だから達成されてると認めろ」と圧力がかかったというのが前川告発です。一方産経は「4条件は満たされてるのに文科省が詭弁をはいてるだけ、不当な圧力なんか加えてない」と強弁するわけです。
 さて、八田が言うように「4条件を加計が充たしてる」のなら産経が
■【加計学園 行政は歪められたのか(上)】新設認めぬ「石破4条件」は獣医師会の政界工作の「成果」だった! 
http://www.sankei.com/premium/news/170717/prm1707170008-n1.htm
という記事を書いて「4条件を無視して何が悪い」と書いたのは一体何だったのかと言う事になります。
 八田が主張し安倍が支持したという「加計が4条件を満たすと思う理由」を広く世間に説明すればいい。産経も「4条件を充たしてる!」といえばいい。
 しかしそうはならないのは、安倍、八田、産経らが内心では「4条件なんか充たしてない」と思ってるからでしょう。「4条件を満たしてる!」と文科省相手には言えても世間には言えないわけです。

 前文科事務次官前川喜平は「『広域的』という条件により京都産業大京都市)が排除され、加計学園に絞られた」「行政が歪(ゆが)められた」と批判している。
 だが、京産大副学長の黒坂光は今月14日の記者会見で「広域ということで対象外となったとは思っていない」と明言した。京産大とともに獣医学部誘致を目指した京都府知事の山田啓二*18も同日、こう語った。
 「愛媛県は10年間訴え続けたのに、こちらは1年。努力が足りなかった」

 「劉暁波氏の兄は『政府の対応に満足している』と言ったから中国政府の劉暁波氏への対応に問題ない。妻が何を言おうが関係ない(中国)」レベルの産経の詭弁です。
 現状「広域的云々という条件がなければ獣医学部新設ができたのではないかと思う」と主張することは安倍に「京都産業大と山田知事は俺を潰す気か?」と恨まれ報復される恐れがあるわけです。
 「単に『広域的云々がネックになったと思う』という意見を表明しただけで、『広域的云々』が加計に対する不当な便宜だなんて言ってない」という言い訳が通用する相手では安倍はない。
 山田知事らの言ってることが本心だと思うのはあまりにもナイーブです。産経ですら本心ではそんな事思ってないでしょう。
 また、仮に彼らが本心そう思っていたとしてもそれは「安倍が『広域的』云々と付けたのはライバルになりそうな京産大を潰すためで加計への不当な便宜」という疑惑を否定する物では全くない。


■【正論】「植民地は放棄せよ」「外交は損得勘定で」…ポピュリズムに抗した石橋湛山*19 大阪大学名誉教授・猪木武徳*20
http://www.sankei.com/column/news/170717/clm1707170005-n1.html

 独ソ不可侵条約(39年8月)を「複雑怪奇」と考えた「世間知らず」の日本外交を批判し、外交は商売であるから嘘や無礼のない限り、損得勘定でなされるべきだと論じた。(「ドイツの背反は何を訓えるか」)

という文章を掲載しながらなぜか外交を損得勘定で考えず別の場所では「英国やフランス、ドイツ、イタリア、カナダはなぜAIIBに入るんだ」と言い出す奇妙な産経です。


■【主張】韓国の女性家族相 「反日宣伝」が仕事なのか
http://www.sankei.com/column/news/170717/clm1707170002-n1.html
 「女性家族相は女性問題の一つである慰安婦問題を担当しています」「文政権は朴クネ政権の日韓慰安婦合意の見直しを主張しています」「産経はそうした文政権を敵視しています」つう予備知識さえあれば「読まなくてもおおよその内容が分かる」記事です。
 「お前ら産経の方こそ『韓国への誹謗』『元慰安婦へのセカンドレイプ』が仕事なのか」といいたい。

 韓国の鄭鉉栢女性家族相が、政府として慰安婦関連資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産登録を支援する考えを明らかにした。耳を疑うばかりだ。

 何で耳を疑うんだかさっぱりわかりません。日本は河野談話慰安婦の違法性を認めていますが。
 こちらこそ産経の主張について「正気なのか」と「いつものことですが」産経の脳みそを疑います。

 政府予算を拠出し、慰安婦関連資料の記憶遺産登録を支援するという。国立の慰安婦博物館の計画も明らかにした。
 どこまで日本をおとしめれば気がすむのか。

 正直、日本人として愉快ではありませんが、「慰安婦戦争犯罪」は事実だから仕方がない。
 事実を指摘することは「おとしめること」ではありません。

今回の発言は「国連など国際社会において、互いに非難・批判することは控える」との合意をほごにする、明らかな違反である。

 記憶遺産申請や慰安婦博物館のどこが「安倍政権批判」なんでしょうか。いやまあ本音を言えばそう言う要素はあるとは思いますが、少なくとも建前においては「慰安婦の資料を広く世間に公開すること」それ自体は「戦前日本批判」ではあっても、安倍批判でも何でもありません。
 「安倍政権の慰安婦対応は間違ってる」といえば安倍批判になるでしょうが。つうか日本大使館銅像でさんざん韓国を非難してる癖に産経も良くもこんな事が書けたモンです。


■【野口裕之の軍事情勢】中国の宇宙制覇に手を貸すドイツ 独の悪癖「チャイナ愛」で自衛隊保有の米軍最新鋭戦闘機の技術が流出か
http://www.sankei.com/politics/news/170717/plt1707170001-n1.html

 中国はアルゼンチン西部のチリに近い奥地ネウケン州に最近、海外初となる、怪しさ満載の宇宙基地《中国宇宙探査研究センター》を建設し、稼働にこぎつけた。

 何の根拠も上げずに「怪しさ満点」と書く産経の方がよほど怪しい。

 中国衛星発射・コントロール局(CTLC)はアルゼンチン宇宙開発委員会(CONAE)に「民間目的であり、人民解放軍の運営ではない」と伝えているが、米軍関係者は筆者に「100%軍事目的。米国の宇宙システムの監視や破壊の牙城となる」と言い切った。

 正体不明の米軍関係者の根拠レスの発言を信じろとはさすが産経です。そういうのを怪文書というのではないのか。

 中国家電大手・美的集団(ミデア・グループ)によるドイツのロボット大手・クーカの買収。
 クーカの技術は米軍の最新鋭ステルス戦闘機F−35の機体製造に使われているのだ。ドイツ政府は2016年、「買収は安全保障に危険は及ぼさない」として不介入を表明した時にはあきれた。もっとも、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)と国務省・国防貿易管理局(DDTC)が4カ月半後、美的の子会社を通じたクーカ買収を承認してもいて、またまた仰天した。
 ドイツの悪癖「中国愛」の腐臭は耐え難いが、米国の承認で、わが航空自衛隊で今年度中に配備が始まるF−35の機密も漏れ出す懸念がある。

 産経が根拠レスで「クーカ→美的集団」のルートでF35の軍事技術が漏れるかも知れないと放言してるだけです。ドイツ政府がクーカ買収を容認し、それに米国政府が何ら異を唱えなかったことから考えれば「産経の主張は杞憂」と見るべきでしょう。

軍近代化を迫られた中国・国民党は満州事変(1931〜33年)後、独ワイマール共和国や続くナチス政権に接近。軍事用鉱物資源獲得の下心もあり、ドイツは1927〜38年まで軍事顧問団を送り続けた。

 単に「軍事強国になりたいので西欧の技術を導入したい*21(中国)」「中国で金儲けしたい(ドイツ)」という両国の意向が合致しただけです。「ドイツは反日」でも何でもない。当時から中国の巨大市場は魅力的だったわけです。
 そもそもドイツが中国進出を始めた1927年といえば未だ満州事変も起こっておらず、日本の中国全面侵略など誰も予想してない時期です。

 軍事資源を産む鉱山・工業地帯と沿岸を結ぶ鉄道敷設でも中独は利害が一致。ドイツ技術を投じた貴陽*22〜南昌*23杭州*24や漢口(現在の武漢*25)〜広州*26路線は、軍用としても日本軍を悩ませる。

 単に「鉄道技術に西欧の技術を導入したい*27(中国)」「中国で金儲けしたい(ドイツ)」という両国の意向が合致しただけです。「ドイツは反日」でも何でもない。
 大体「日中戦争勃発」で「中国での金儲け」と「日独同盟(1936年締結の日独防共協定)」に矛盾が発生したのでドイツは「トラウトマン和平工作(1937年11月〜1938年1月)」による日中和平で解決しようとし、それが失敗に終わると「日独伊三国軍事同盟締結(1940年)」で結局日本を選び、中国を捨てたのだから、「中独の醜い野合」なんて言いがかりです。

 第2次上海事変の前年=1936年に(対ソ)日独防共協定を結びながら、日本と交戦中の国民(党)政府への武器密輸を継続したのである。
 けれども、背信行為は報いを受ける。国民(党)政府は1937年、ドイツの仮想敵・ソ連と中ソ不可侵条約を締結してしまう。これで態度を硬化させたアドルフ・ヒトラー総統(1889〜1945年)がやっとのこと、新たな兵器輸出を禁じた。

 まあ小生もこの話の素人ですが普通に考えて「当時のドイツの財界や経済官僚」が「日独同盟を理由に中国ビジネスを捨てるなんて惜しい」という考えから抜け穴つくって商売しようとしたのをヒトラーが潰したつう話でしょう。
 正直「軍事面を無視して」商売のことだけ考えれば日本市場より中国市場の方が「消費者が多いので」昔も今もずっと魅力的でしょう。
 「ドイツは汚い」といえば汚いかも知れませんが、それは「ドイツ政府の国家方針」つうのとはおそらく違うでしょう。軍事面を重視し日本と結びたいヒトラーと、「中国ビジネスを捨てたくないドイツの財界や経済官僚」との間に意見の違いがあったと言う事でしょう。
 もちろん「反日」というのとも違う。
 いずれにせよ「ワイマール共和国時代やナチ時代」と今のドイツは違うのに、今のドイツを論じるときにそんなモン持ち出しても意味はないでしょう。


■イラン・ロウハニ大統領の弟を拘束 金銭問題で複数の疑惑 政権に打撃も
http://www.sankei.com/world/news/170717/wor1707170005-n1.html
 ロウハニは穏健派なのでもちろん「彼の失脚を狙った保守派の謀略(疑惑は事実無根)」の可能性もありますが、大統領周辺が利権あさりに励むことは当然あり得ますので現時点では何とも評価できませんね。
 ただし保守派の思惑が何でアレ、疑惑が事実なら身柄拘束は仕方ないでしょう。


■古希を迎えて大活躍の高田純次さん “テキトー男”の秘密とは?
http://www.sankei.com/entertainments/news/170717/ent1707170005-n1.html

「高田さんは大手事務所に所属せず、自ら事務所の社長も務めています。一時期は麻木久仁子さんや高嶋ちさ子さんも所属していました」
「現場にはまず遅刻しないし、台本もしっかりと読み込んでくる。スタッフへの対応も礼儀正しいし、ジョークを飛ばす時もけっして他人を不快にさせない。番組の収録終わりには若い俳優や芸人を飲みに連れて行くなど面倒見も良く、高田さんの悪口は聞いたことがないですね」

 つまりは最初は俳優業よりもむしろ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の適当キャラで注目されたが故にバラエティーではそうした路線をやり続けているが実際にはそんなことはないつうことです。まあ普通に考えてそうだろうとは思いますが。
 実際バラエティではお笑いキャラの高田氏ですが、芝居では「寅さんの渥美清」「釣りバカの西田敏行」などと違い、「コメディアン的な役」は少ないように思います。


■【神戸5人殺傷】毎日放送が別人の写真を「容疑者」として放送 本人指摘で判明、謝罪し訂正
http://www.sankei.com/west/news/170717/wst1707170055-n1.html
 個人的には「そもそも写真なんかいらねえよ」と思います。


■「海兵隊の皆様に敬意」 在日米軍司令部のツイッターに感謝の書き込み多数 富士山での女性救助
http://www.sankei.com/politics/news/170717/plt1707170014-n1.html
 感謝するのは結構ですがこれは「私的な活動」であり海兵隊員としての公務ではないし、当然ながらこの件は海兵隊それ自体の評価とは関係ない事は指摘しておきたいと思います。

*1:村上以外は森喜朗幹事長、青木幹雄内閣官房長官野中広務幹事長代理、亀井静香政調会長

*2:宮沢内閣で労働相

*3:簡単に新設できない内容であることは事実ですが、4条件は一応新設自体は認めています。

*4:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*5:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*6:麻生内閣少子化等担当相、第二次安倍内閣経産相を歴任

*7:第二次安倍内閣行革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て第三次安倍内閣防衛相

*8:まあ産経は「石破はポスト安倍を狙ってる」との判断の下、こうした記事で石破を潰したいのでしょうが。

*9:小泉内閣で農水副大臣

*10:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二次、第三次安倍内閣副総理兼財務相

*11:橋本内閣運輸相、自民党幹事長(森総裁時代)、選対委員長(福田、麻生総裁時代)など歴任

*12:「ら」のうち一人は蔵内獣医師会会長でしょう(他にもいるかも知れませんが)。

*13:ただし「獣医師会の石破らへの不当な政治工作」と「加計の安倍らへの不当な政治工作」は充分両立しますので「石破の問題点」をいくらあげつらっても安倍の無実の証明には成りません。

*14:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*15:もちろん石破が「汚いかどうか」自体議論の余地がありますが。

*16:日本大学獣医学部(現生物資源科学部)卒。日本大学獣医学部教授。日本獣医師会理事、私立獣医科大学協会会長、日本家畜衛生学会常任理事、獣医疫学会理事などの要職を歴任(ウィキペ「酒井健夫」参照)

*17:政策研究大学院大学学長。大阪大学名誉教授。著書『電力システム改革をどう進めるか』(2012年、日本経済新聞出版社)など

*18:自治省官僚。京都府副知事を経て知事。全国知事会会長。

*19:戦前、東洋経済新報主幹。戦後、政界入り。吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*20:著書『戦後世界経済史』(2009年、中公新書)、『経済学に何ができるか』(2012年、中公新書)、『自由の思想史』(2016年、新潮選書)など

*21:なぜそこで米英仏伊など他の国でなくドイツが選ばれたのかは知りませんが。

*22:貴州省省都

*23:江西省省都

*24:浙江省省都

*25:湖北省省都

*26:広東省省都

*27:なぜそこで米英仏伊など他の国でなくドイツが選ばれたのかは知りませんが。