今日の産経ニュース(8/15分)(追記・訂正あり)

■日経『「人づくり革命」 霞が関が狙うアイドルの発信力 』
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO19883610Q7A810C1000000/

「タレントの芦田愛菜さん*1の名前も挙がっていた」。関係者が明かすのは、9月上旬にも初会合を開く有識者会議「人生100年時代構想会議」の人選だ。

 悪い冗談としか思えませんがそれはさておき。頭痛がするのは日経がこれを批判記事ではなく、「面白記事」として書いている疑いが濃厚なことです。

 2015年10月に立ち上げた一億総活躍国民会議には、タレントの菊池桃子さんを招いた。同会議の後身として16年9月に立ち上げた「働き方改革実現会議」では、アイドルグループ「おニャン子クラブ」出身の女優の生稲晃子さんを起用した。

というのもどうかと思いますが、それ以上に芦田云々なんて変でしょう。


【ここから産経です】
■【風を読む】「革命」は血塗られた歴史を纏う言葉 政権の使用に違和感 論説副委員長・榊原智
http://www.sankei.com/column/news/170815/clm1708150003-n2.html
 安倍の「人づくり革命」に「ロシア革命ガー(スターリン粛清)」「文化大革命ガー(劉少奇らが不幸な死を遂げる)」といういつもの産経です。まあそれは分からないでもない。
 しかし

 日本は、天皇陛下を戴(いただ)く立憲君主国であるという点だ。
 革命は、帝政、王政の倒壊も意味する。易姓革命なら王朝の交代を指す。125代の今上天皇まで一系でつないできた日本にとって、革命は決して好ましい言葉ではない。

というのはあまりに非常識でしょう。万世一系なんて明らかにウソですから。


香港民主党員を逮捕、中国当局者に監禁されたと主張 香港警察「虚偽」と判断、「自作自演」か
http://www.sankei.com/world/news/170815/wor1708150072-n1.html

 香港警察が林容疑者の説明に基づき、車に無理やり押し込まれたとする九竜地区の繁華街の監視カメラを調べたところ、監禁の事実はなかったと判断した。

 まあ現時点では何とも言えませんね。「香港警察=中国当局みたいなもん」ですのでこの逮捕を鵜呑みにはできませんが、一方で「中国のやることだからウソだ」とも決めつけられないでしょう。「中国叩きのために捏造する」ということも充分考えられます。
 それは民主党側が

 民主党の胡志偉主席(党首)は15日、記者団に対し、「傷跡と証言からみて林氏の身の安全を図る必要があると考え、公表に踏み切ったが、今後は捜査当局や司法の判断を待って党として判断する」と述べて慎重な姿勢を示した。

としていることでも明白かと思います。「逮捕は不当だ」と断言できる根拠があればこういう事は言わないんじゃないか。
 なお、小生は「吉田証言の虚偽性だけで慰安婦の違法性を全否定する日本ウヨ」ではないので,仮にこれが自作自演でももちろん「だから中国が100パー正しい、香港の中国批判派は100パー間違ってるデマ屋だ」なんてことは言いません(皮肉のつもり)。まあ、今後、民主党の主張は相当堅い根拠がないと皆眉唾で見るようになるかも知れませんが。


■台湾、モンゴル・チベット委を廃止へ 中国反発の可能性も
http://www.sankei.com/world/news/170815/wor1708150002-n1.html
 フィクションに過ぎないのでなくすことはある意味当然ですが、なるほど、蔡英文では、確かに「台湾独立の動き」という可能性はあるかも知れません。


■【正論・戦後72年に思う】「平和」の中に滅びた日本人の徳 「戦争」と同様に「平和」も危険なのだ 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司
http://www.sankei.com/column/news/170815/clm1708150005-n1.html

 戦没者は、世界史の必然の中で国家の運命に殉じたのであって、決して犠牲者などではない。

・避ければ避けられた戦争による死者を「必然」だの「運命」だのふざけるにもほどがありますね。
 しかもこういうことを言う一方で「ソ連北方領土侵略が許せない」だの言い出すのだから全くデタラメです。
地震や水害のような天災、脳梗塞やがん、心臓病のような病気*2ならともかく人災、それも一個人でも実行できる「通り魔事件」のような防ぐことが難しいものとは違う「国家による行為=戦争」による死が必然だの宿命だのの訳がないでしょう。

茨木のり子の詩「内部からくさる桃」の中に「内部からいつもくさってくる桃、平和」という一行がある

 茨木の詩はおそらく「平和を守るためには日々の努力が必要だ。そうでなければ平和は戦争屋によって腐らせられ、戦争の日々になるだろう」と言う意味でしょうが「平和それ自体が無価値であるかのように強弁する」産経と新保です。茨木に対して失礼でしょう。
 つうか「今の日本において」腐敗と言えば誰しも連想するのは「森友・加計疑惑」でしょうがそうした重大な腐敗疑惑を「疑惑でない」と強弁する産経新聞とその類友・新保がよくもまあ道徳なんか口にできるモンです。道徳云々と偉そうな事を抜かすなら森友・加計疑惑で安倍をきちんと批判したらどうなのか。
 なお、あの戦争において

インパール作戦失敗の責任をとらなかった牟田口廉也・第15軍司令官」
「同僚(河村参郎・シンガポール警備隊長、大石正幸・シンガポール憲兵隊長)がシンガポール華僑虐殺事件*3で裁かれ死刑判決が下される中、自分一人だけ逃亡した辻政信*4
「『俺も後から特攻する』などと放言しながら特攻するどころか、フィリピン戦線から無断で撤退した富永恭次・第4航空軍司令官」

など不道徳きわまりない連中がいる事で分かるように戦争だろうと平和だろうとクズはクズな生き方をします。
 産経や新保が言うほど現実の戦場はきれいではない。


■【主張】終戦の日 「名誉」は守られているか 真の歴史知り危機に備えたい
http://www.sankei.com/column/news/170815/clm1708150001-n1.html
 タイトルだけで内容は予想がつくでしょう。
 「あの戦争がアジア解放の戦争だった」「南京事件慰安婦は捏造」という「真の歴史」を知り、名誉を守ろうと。
 まあ不戦の誓いというモノが何処にも出てこないのは予想の範囲内とは言え酷すぎます。

*1:2012年(平成24年)に、映画『うさぎドロップ』、『阪急電車 片道15分の奇跡』で「ブルーリボン賞新人賞」を史上最年少で受賞。2013年(平成25年)には、映画『パシフィック・リム』でハリウッドデビューした(ウィキペ「芦田愛菜」参照)

*2:まあ天災や病気の被害は「免震建築や堤防」「飲酒や喫煙をしないこと&適度な運動&バランスのとれた食事」などである程度軽減できますが人力の及ばない範囲は当然あります。

*3:なお、シンガポール華僑虐殺事件の中心人物の一人である山下奉文(虐殺事件当時、第25軍司令官)は第14方面軍時代のマニラ虐殺事件により別途死刑になっている。

*4:辻(当時、作戦参謀)は虐殺事件の中心人物の一人であり、逃亡しなければ確実に死刑判決が出たと見られる。