新刊紹介:「前衛」9月号

「前衛」9月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。
 http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
■新しい歴史を開く核兵器禁止条約、いまこそ完全廃絶へ(笠井亮*1
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
核兵器禁止条約が採択、ついに歴史動いた、核なき世界へ新たなスタート、国連会議に参加 志位和夫委員長に聞く
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2017/07/2017kakuheiki-kinshi-shii.html
■「国際署名」で完全廃絶へ前進を:日本共産党 緒方靖夫*2副委員長の発言(原水爆禁止世界大会議長団)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-05/2017080505_01_1.html


■安倍改憲 自衛隊明記の危険 改憲発議を許さない(中祖寅一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
■主張『「自衛隊明記」改憲:制約なき武力行使の道許すな』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-22/2017052201_05_1.html
■主張『自衛隊明記の改憲:「9条死文化」狙う危険な策略』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-28/2017052801_05_1.html
自衛隊明記で9条2項空文化、自民・石破氏*3が指摘、「読売」インタビュー
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-28/2017062801_03_1.html


■米国離脱でどうなるTPP、RCEP、日米・日欧FTA(鈴木宣弘*4
(内容紹介)
 筆者はTPP批判派ですが、その観点からRCEP、日米・日欧FTAについてもTPP同様の問題があるとし、批判的見解を述べています。

参考
赤旗
■“日米FTAに反対”、首脳会談前に 官邸前で抗議行動
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-10/2017021005_01_1.html
■日米FTA TPPより生活影響、北海道十勝 食と農のつどい、紙議員国会報告
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-12/2017021206_03_1.html
■日欧EPA「大枠合意」、チーズ多くで関税撤廃、日本車関税は7年で
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-07/2017070701_08_1.html

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-03-31/2017033108_01_1.html
赤旗『“TPPを標準”は危険、参院農水委 紙氏が政府姿勢批判』
日本共産党の紙智子議員は30日の参院農林水産委員会で、環太平洋連携協定(TPP)の合意を通商交渉の出発点とすることの危険を告発しました。
 TPP交渉に際し国会は農産物重要5品目を「聖域」として守ることを決議したものの、安倍政権は「例外を勝ち取った」などとして5品目でも大きく譲歩。トランプ米政権のTPP離脱表明後も、TPP合意を今後の通商交渉のスタンダード(標準)にするとしています。
 紙氏は、米通商代表部(USTR)のライトハイザー次期代表が日本の農業を「第一の標的」としてTPPを上回る合意を目指すと表明していることをあげ、政府が成果とする「例外」も守られなくなると指摘。国会決議のような“理屈だて”もないトランプ政権との経済協議で「米国の要求を拒否できるのか」とただしました。
 山本有二農水相は「日米対話の方針は決めていない」と答弁。ライトハイザー氏の発言についてもUSTRの代表就任前のものだとし、まともな対策もないまま日米対話に臨む姿勢が明らかになりました。
 紙氏は、欧州連合も日本にTPP以上の開放を求めていることを紹介。さらに、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉参加国と個別に結んだ経済連携協定で「除外規定」とされた農産品目が、RCEPでは交渉対象とされる恐れが高いことを指摘しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-21/2017042115_02_1.html
赤旗『薬の知財保護強化は矛盾、“途上国が入手困難に”、井上議員 参院委』
 日本共産党井上哲士議員は20日の参院外交防衛委員会で、日中韓など16カ国で交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が巨大な製薬企業に有利な医薬品の知的財産権の保護を強化する条項を求め、安価な薬を途上国が入手できなくなる恐れがあると告発しました。


■座談会「東京都議選 大激戦のなか、重要な前進をどうかちとったか」
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。
日本共産党『都議選の結果について』
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2017/07/post-754.html
赤旗
■都議選の結果と、当面の政治にのぞむ基本姿勢について:東京・新宿 志位委員長の訴え
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-04/2017070404_01_1.html
■歴史踏まえ激動の情勢切り開こう、『歴史的激動と日本共産党:都議選と国連会議について』志位委員長が講演、日本共産党創立95周年記念講演会 東京・なかのZEROホール
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-20/2017072001_01_1.html


銃剣道はスポーツといえるか、いまだ戦技からの解放過程にあり:中学校新学習指導要領での明示で考える(広畑成志*5
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
■中学の武道に「銃剣道」、「子どもに教えていいのか」「自衛隊がかかわるのでは」、不安・疑問の声
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-02/2017040201_07_1.html
■隊発足以来 銃剣道の訓練中自衛隊死者2人、宮本徹議員要求に防衛省回答、胸突く危険な技 中学で教えていいか
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-05/2017070515_01_1.html


特集『検定「道徳」教科書を読む』
■教育出版『道徳教科書』がねらう修身の復権戦後民主主義と道徳の教科化を考える(佐藤広美*6
(内容紹介)
 何で教育出版がやり玉にあがってるかと言えば以下のようなことです。しかし「教育出版の道徳教科書の執筆メンバーはつくる会系列です」て。
 育鵬社から出さない辺り「看板掛け替えないと採択されない」つう詐欺行為だわな。しかし「大日本印刷系列の大手教科書会社(教育出版)」がつくる会一味と野合とは何ともかんとも。 

http://kyoukashoosaka.blog39.fc2.com/blog-entry-329.html
 育鵬社は、小学校道徳採択に参入していませんが、教育出版が育鵬社の代案となっていたのです。教育出版の危険性を訴えたいと思います。
■教育出版の道徳教科書の編著者3名の中に、貝塚茂樹氏(武蔵野大学教授)と柳沼良太氏(岐阜大学院准教授)が入っていることが分かりました。貝塚氏は日本会議系の教育学者で、文科省中央教育審議会委員を歴任した安倍政権の道徳教育政策ブレーンです。育鵬社が2012年に出した「13歳からの道徳教科書」(中学校道徳教科書のパイロット版として発行、安倍首相は「これぞ理想の道徳教科書」と絶賛)の編集者であり、日本教育再生機構の理事でもあります。柳沼氏は、育鵬社の「はじめての道徳
教科書」(小学校道徳教科書のパイロット版として発行)の編著者でした。
 小学校道徳教科書を作成していない育鵬社日本教育再生機構は、教育出版にパイロット版の編著者を送り込み、事実上の育鵬社道徳の代案として作成したことがはっきりとわかります。
■2人は日本教育再生機構の機関誌「教育再生」(2013年12月号)で、八木秀次氏(同機構理事長)と対談していました。その中で貝塚氏は「皇室を抜きにしては日本の伝統文化を語ることはできない、軍人や宗教家を無視して、公の精神などを理解するのは不可能ではないか」と主張し、柳沼氏は「『はじめての道徳教科書』には、『自分たちの生まれ育った国っていいなあ』とか、『こんな立派な日本人がいるんだったら、私たちも頑張っていこう』と子どもたちが奮い立つような話がたくさん載っているので有意義だ」と主張しています。日本会議の主張そのものです。
■さらには、教育出版の道徳教科書には、育鵬社道徳教科書に関わっている人物がもっと入っていることがわかりました。
(1)教育出版の執筆者・木原一彰氏(鳥取県鳥取市立世紀小学校教諭):
 『学校で学びたい日本の偉人』(貝塚茂樹・柳沼良太編、育鵬社出版)に自分が作成した教材の授業実践を載せています。「世界の医聖―野口英世」(当時は鳥取大学付属小学校教諭)

https://togetter.com/li/1121352
■教育出版の道徳教科書に安倍晋三首相がヒャッハーしている写真が掲載されている件の反響まとめ
■スノット @snothim 2017-06-13 19:31:44
 なんで首相がチャー研みたいなポーズでドヤ顔してるのが道徳の教育になるんだろうか?
■教科書大阪の会 @57c7bd52e5504f2 2017-06-17 18:51:12
 教育出版の5年生の道徳教科書には現職の政治家2名の写真が。「下町ボブスレー」には安倍首相、「一人はみんなのために」には野田東大阪市長の写真。いずれも本文と直接の関係はなく、政治家の宣伝のような印象を受けます。現職の政治家の写真を載せているのは教育出版だけです。
■トウモトH(脱原発に一票) @oozu1947 2017-06-17 19:02:09
 小学校の道徳の教科書、特に教育出版のを見てきてほしい。首相のお友達である「育鵬社」の中心メンバー6名が執筆していて、必要もないのに安倍首相の写真を掲載してたり、「日の丸・君が代」がやたら多い。日本中の小学校を森友学園にしないためにも、「採択するな!」との声を教育委員会に届けて!
■レンとハナ(7.30ワクワクする横浜に) @renhanamama 2017-06-18 10:49:52
 道徳の教科書なのにボブスレー安倍さんの画像や東大阪市長の写真が載ってる教育出版5年生。
 こういう教科書が選ばれないよう展示会でチェックと教育委員会や市長宛に意見を届けてね
■遠藤妙子 @TaekoEndo 2017-06-18 08:49:44
 安倍が嬉々としてる写真が載ってる道徳の教科書。何を子どもたちに教えたいんだ?それを良しとしていいわけがない。
高橋彩子 @pluiedete 2017-06-18 13:05:16
 これが教科書に? 何の意味がある写真なのか、さっぱりわからない。
■忠太郎 @J9Y6u 2017-06-18 13:14:19
 そのうち安倍マリオが出てくるな。
■教科書大阪の会 @57c7bd52e5504f2 2017-06-18 14:37:43
 教育出版の2年「大切な国旗と国歌」ではオリンピックで使用される旗を「国旗」と明記していますがこれは誤りです。オリンピックで使用されるのは「選手団の旗」であり、必ずしも「国旗」ではありません。国対国の争いではないというオリンピックの精神にのっとって正確に教えるべきです。


■道徳教科書は子ども世界に何を持ち込もうとしているのか(中西新太郎*7
■道徳「特別の教科」化の水準・再論:教科書検定と「道徳教育アーカイブ」(浪伊豆生)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-08/2017040802_02_1.html
赤旗『道徳での教育は不可、衆院文科委 教育勅語で大平議員』
 日本共産党の大平喜信議員は7日の衆院文部科学委員会で、軍国主義教育の支柱になった「教育勅語」を「憲法教育基本法等に反しないような形」であれば教材にしてよいとする政府の答弁書(3月31日閣議決定)について追及しました。
 大平氏は、1948年の衆院教育勅語排除決議で当時の森戸辰男*8文相の「法制上はもちろん、行政上にも、思想上にも効力を喪失している」との発言を紹介。勅語が将来乱用される危険も考慮して謄本を回収したとして「教育勅語は現行憲法にすべて反するというのが決議と発言の趣旨だ」と強調しました。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/253423.html
NHK「道徳の教科化② 懸念は何か」(視点・論点専修大学教授 嶺井正也
 教育政策の研究者として私は大きな懸念を抱いております。何といっても、国による教育統制や価値観統制が強まるという懸念です。
(中略)
 今の子どもたちが生きるのは、地域社会の中でグローバル化・情報化が進展し多文化共生の在り方が求められる一方で自然との共生が模索される新しい時代です。こうした時代に相応しい道徳的価値を創造していく主体になれるよう子どもたちが育つ上で「特別の教科 道徳」は果たして適切でしょうか。
 文部科学省はこれを機に「考える道徳へと転換させる」といっていますが、考えるべき道徳的価値があらかじめ決められていることの矛盾には触れていません。
 はじめに道徳的価値ありき、言い換えれば「徳目」ありき、では子どもたちの心や感性は動かないのです。学校の日常生活の中で、葛藤、対立、困惑、悩みなどが起きた時、あるいは普通の教科の授業で道徳や倫理にかかわる学習課題が出てきた時に、社会に生きる一人の人間としてどう考え、ふるまえばいいかを学ぶ機会があればいいのです。
 そうした機会が柔軟にあってこそ、子どもたちは道徳や倫理を自らの問題として、真剣に考え、受け止めることができるのです。


■誌上再現『鉄道のあり方を考えるシンポジウム』(上岡直見*9、本村伸子*10
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
■本村伸子サイト『環境経済研究所の上岡直見さんをお招きしての「鉄道のあり方を考えるシンポジウム」に参加』
http://motomura-nobuko.jp/2017/0628-114536.html
朝日新聞・書評『鉄道は誰のものか』(上岡直見)
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2016082100005.html


シリーズ 「格差と貧困」にどう向き合うか
■沖縄の夜の街の少女たちを追って(上間陽子*11
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

琉球新報スタイル
■「裸足で逃げる」著者・上間陽子さん(琉大教授)に聞く〈1〉子どもの悲しみ見過ごす社会
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-443747.html
■「裸足で逃げる」著者・上間陽子さん(琉大教授)に聞く〈2〉沖縄に堆積する「自己責任」
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-444331.html
■「裸足で逃げる」著者・上間陽子さん(琉大教授)に聞く〈3〉殴ることは「愛」じゃない 子どもの心に残る言葉探して

https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-444417.html
インタビュアー
 学校で熱心に面倒を見る先生たちに出会う少女もいました。でも「お前たちのことは見捨てない」と言いながら、その一方で先生たちは生徒たちを殴っていましたね。
上間氏
 ヤンキーの子たち、暴力に小さい頃からさらされている子って、たしかに暴力が効くんですよ。あるいは暴力しか効かない。
(中略)
 暴力は間違いなく、ある種の子たちには効きますが、次の暴力の種まきをしてしまっています。殴る男、殴る女になっていて、殴ることは愛だと勘違いするようになってしまっている。
 だから暴力を禁じ手にしないといけないと思います。

■「裸足で逃げる」著者・上間陽子さん(琉大教授)に聞く〈4〉相手の言葉引き出すための言葉磨く
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-444464.html
■「裸足で逃げる」著者・上間陽子さん(琉大教授)に聞く〈5〉他者に対する想像力を女性の中から

https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-444488.html
インタビュアー
 本では、出産を控え、生活保護の申請を相談した優歌さんを役所の女性職員が冷たくあしらった日のこと、見知らぬ男たちからレイプされ、後に恋人の子どもを中絶する亜矢さんを女性医師が見下すような態度を取る様子を書いています。
上間氏
 同族嫌悪だと思いますが、調査でお会いした生活保護課の30代、40代の女性、40代の女医に対して、(ボーガス注:彼女らの想像力の無さや人間としての冷たさに)私は強い怒りを感じ続けています。
 市役所に正規で勤める女性、医者は、沖縄ではまちがいなく特権層です。その人たちが、自分よりも年若い女性のことを、問題化し、裁こうとする。あなたの育った生活が安定していなくて、あるいは親がいなくて、あるいは安心できる場所がなければ、彼女たちはあなただったかもしれないのに。
 他者に対する想像力を、まずは女性たちの中からつくりたい。

ハフィントンポスト日本版
■キャバ嬢の優歌は「いつもくるされてた」:「裸足で逃げる」著者・上間陽子さんに聞く(前篇):殴られる沖縄の少女たち
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/01/hadashidenigeru1_n_16376174.html
■なぜ沖縄では小学生が飲酒するのか? :「裸足で逃げる」著者・上間陽子さんに聞く(後篇):暴力と虐待の連鎖
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/02/hadashidenigeru2_n_16380234.html

朝日新聞・書評『裸足で逃げる―沖縄の夜の街の少女たち』[著]上間陽子
http://book.asahi.com/reviews/column/2017071600001.html
讀賣新聞・書評『裸足で逃げる』 上間陽子著
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20170307-OYT8T50031.html
毎日新聞・今週の本棚・本と人『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』 著者・上間陽子さん
https://mainichi.jp/articles/20170402/ddm/015/070/040000c
東京新聞『<包容社会 分断を超えて>(下) 暴力に苦しむ貧困女性:沖縄で風俗業界の女性を調査・上間陽子さん(44)』

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017010402000113.html
 沖縄には、地域のきずなを大事にするイメージがあると思いますが、それは中間層の人々のもの。最底辺層は日常のリズムを破壊する危険な存在としてはじかれてきました。
(中略)
 他人にも同じように「自己責任」を求めるので、生活保護たたきや差別発言にも抵抗がない。将来や社会を考えて正義を語る場もないから、辺野古や高江の米軍基地建設なども「長いものに巻かれた方がいい」と簡単に受け入れます。
 最底辺層の放置は価値観の分断を深め、社会を不安定にする。転換のかぎは、社会が子どもを支え、貧困や困難の連鎖を止めることです。沖縄は子どもの貧困率が全国平均の二倍と深刻で、県も取り組みを始めましたが、支える意味が浸透していない。ある貧困地区で、病院が子どもたちへ毎朝ご飯を百食分無料で提供すると申し出ましたが、小学校長に止められました。「親を甘やかすな」と。「自己責任」だと切り捨てては、何も変わらない。
 多くの子どもが通う保育所と学校こそ、支えの基盤になるべきです。専門職である保育士や教師らが子どもに向き合い、話を聞く。何を言っても排除されない、ばかにされないと子どもたちが安心できる、豊かな環境にしてほしい。そのためにこの国がきちんと予算を割き、質を高められるか。そこにかかっています。(聞き手・柏崎智子)


論点
■事業者に過大な負担 マイナンバー制度の廃止を(原陽一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■主張『マイナンバー運用:なし崩し拡大はあまりに危険』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-18/2017011801_05_1.html
マイナンバー記載強制やめよ:田村智議員 住民税などの通知書
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-19/2017041907_03_1.html
マイナンバー廃止を:梅村氏 情報連携でリスク増大
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-09/2017050904_02_1.html
■主張『マイナンバー運用:危険と矛盾がますます明白』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-13/2017051301_05_1.html
■警察に顔写真を提供、マイナンバー 山下氏が追及
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-19/2017051904_02_1.html


暮らしの焦点
アスベスト工場周辺住民のアスベスト疾患と、さいたま市による石綿検診(牛島聡美)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://mainichi.jp/articles/20170805/ddl/k11/040/184000c
毎日新聞アスベストさいたま市に調査地域拡大を要請』
 さいたま市が、現在の中央区にあった「日本エタニットパイプ」(現・リソルホールディングス*12)大宮工場の周辺住民らを対象に9月から始めるアスベスト石綿)吸引の健康被害調査について、市民団体が3日、対象地域の拡大などを求める要請書を市に提出した。
 要請書を提出したのは「中皮腫アスベスト疾患・患者と家族の会」関東支部と「エタニットによるアスベスト被害を考える会」。
 市は環境省の委託を受け、先着100人を対象に調査する方針を示しているが、対象地域を市全域に拡大し対象者を増やすことや、両団体との連携などを求めている。
 アスベスト被害を考える会の斎藤宏代表は「対象地域を限るなど合理性がない部分がある。よりよい調査にするためにも定期的に協議したい」と話した。市は「環境省と情報共有しながら検討する」としている。

赤旗
■主張『住宅の石綿被害:国は実態の把握と対策を急げ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-21/2017072101_05_1.html


■スポーツ最前線「日本柔道 山下新会長に期待する暴力の根絶」(木村秀和)
(内容紹介)
 まあ「ロス五輪柔道無差別級金メダル」「国民栄誉賞」という柔道家としての実績では山下は偉大です。
 ただ「女子柔道パワハラ事件」告発を支援していたと言われる溝口紀子*13のような異端児では彼はないわけです。ずっと全柔連他、柔道界の幹部としてやってきた彼にしがらみを排除して「暴力根絶ができるかどうか」は誰しも不安を感じるところでしょう。
 まあ、安易に頭ごなしに山下を否定するのもおかしいので当面は「お手並み拝見」でしょうが。


■文化の話題
【美術:東南アジアの息吹に触れる「サンシャワー」展】(武居利史)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

国立新美術館『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』
http://www.nact.jp/exhibition_special/2017/sunshower/
森美術館ASEAN設立50周年記念「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」』
http://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/sunshower2017/index.html
朝日新聞『東南アジアの現代美術が一堂に サンシャワー展開幕』
http://www.asahi.com/articles/ASK7533SVK75UKJH003.html
■ハフィントンポスト日本版『「サンシャワー」、顔で笑って心で泣いてる。東南アジアの熱気と葛藤が、私たち日本人をハッとさせる』
http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/10/sunshower-mori_n_17714800.html


【映画:被爆者の声をうけつぐ映画祭】(伴毅)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
【2017年の映画祭】

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201706/CK2017062002000157.html
東京新聞核廃絶を映画で訴え 練馬で来月10作上映、シンポも』(石原真樹)
 原水爆原発を取り上げた映画を特集する「被爆者の声をうけつぐ映画祭」が七月十五、十六日、武蔵大江古田キャンパス(練馬区豊玉上)で開かれる。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局次長の藤森俊希さんを招いたシンポジウムもある。
 映画祭は被団協が二〇〇六年に五十周年を迎えたのを記念し、〇七年に始まった。映像や映画を通して被爆の実態を伝え、核兵器廃絶につなげることを目指して毎年開いている。
 今回は十作品を上映する。原水爆が題材の映画は、サンフランシスコ講和条約で米国への賠償請求権を放棄した日本政府に、被爆者らが損害賠償を求めた訴訟「原爆裁判」を下敷きにした「人間であるために」(高木一臣監督、一九七四年)や、核実験に関わった米軍の女性科学者と広島で被爆した女性を追ったドキュメンタリー「アトミック・マム」(M.T.シルビア監督、二〇一〇年)など。
 原発関連の作品は、福島第一原発事故のドキュメンタリー「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」(古居みずえ監督、二〇一六年)、「被ばく牛と生きる」(松原保監督、同)など。
 シンポは十六日午後四時半からの「アトミック・マム」上映後に開かれる。藤森さんは、三月に米ニューヨークの国連本部であった核兵器禁止条約の制定交渉で演説した。
 鑑賞券は監督らのトークショー付きで各作品とも大人前売り千円、当日千二百円、大学生−中学生前売り五百円、当日七百円など。


【2016年の映画祭】

https://mainichi.jp/articles/20160716/ddl/k13/040/206000c
毎日新聞被爆者の声をうけつぐ映画祭:原爆惨禍伝える 江古田で18日まで/東京』【明珍美紀】
 広島、長崎の原爆投下の惨禍を映像で伝える「第10回被爆者の声をうけつぐ映画祭2016」が16〜18日、練馬区豊玉上1の武蔵大学江古田キャンパス1号館で開催される。
 死の恐怖と生活苦にあえぐ被爆者らの姿を描いた「ヒロシマの証人」(1968年、斎村和彦監督)や、広島を巡演中に被爆し、犠牲になった女優の仲みどりさんら移動演劇隊「桜隊」の足跡をたどる「さくら隊散る」(88年、新藤兼人*14監督)など計8作品を上映。米国が実施した水爆実験で被ばくしたものの一時帰島し、その後、島外に避難したロンゲラップ島の旧島民らの受難に視点を当てた「ニュークリア・サべージ 極秘プロジェクト4・1の島々」(2011年、アダム・ジョナス・ホロビッツ監督)などもプログラムに加えた。18日は午後6時からシンポジウムがある。
 各プログラムの鑑賞券は前売り1000円(当日1200円)。3日間フリーパス券5000円。


【写真:「笹本恒子*15写真賞」受賞者決まる】(関次男)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

【笹本恒子写真賞】

http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1020289.html
日本写真家協会、笹本恒子写真賞を創設:若手写真家の助成が目的
 公益社団法人日本写真家協会は9月14日、「笹本恒子写真賞」の創設を発表した。若手写真家が対象。
 同協会の名誉会員笹本恒子さんの102歳を記念し、若い写真家の写真活動を助成するために設けたという。
 笹本恒子さんは日本最初の女性報道写真家といわれ、東京日日新聞(現毎日新聞)での日独伊三国同盟の婦人祝賀会をはじめ、戦時中の様々な国際会議を撮影した。戦後はフリーに転身、安保闘争の写真などで知られている。

http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1063961.html
■初の「笹本恒子写真賞」に宇井真紀子さん*16アイヌの人たちの今を写真に
 公益社団法人日本写真家協会は、フォトジャーナリストとして活躍し、3年以上の実績のある写真家を対象にした笹本恒子写真賞を制定し、第1回の受賞者に宇井真紀子さんを選んだ。東京都写真美術館で公開する映画「笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ*17」の初日に合わせ、6月3日、同美術館会議室で記者発表会を開いた。
 笹本恒子さんは1914年生まれで、今年103歳を迎える。日本で最初の女性報道写真家であり、1950年、約70名の会員で設立した日本写真家協会の創立メンバーの1人でもある。初代会長は木村伊兵衛
 この賞は、笹本さんから私費の寄付とともに女性写真家の活動に寄与する賞ができないかと協会に打診があり、立ち上げられた。写真関係者から推薦された16名の候補から、椎名誠大石芳野*18、熊切圭介の3名で審査を行なった。受賞者には賞金30万円が贈られる。
 宇井さんは1992年、アイヌの聖地だった北海道の二風谷地区を訪れ、以来、各地に住むアイヌの人たちを取材してきた。今年5月にはアイヌをテーマにしたものでは4冊目の写真集「アイヌ、100人のいま」(冬青社刊)を出版した。
 同じ日本人の中で、差別され続けている民族がいることを知り、調べ始めた。写真家として活動を始めた時、幼い女児を抱えるシングルマザーでもあった。
「取材はいつも子連れでした。訪ねた家で、子どもが水をこぼした時、主である人は『そこに水を飲みたい人がいたんだね』と優しく言った」
 同じ言葉、考え方はその後、出会ったアイヌの人からも聞くことになった。そうした生きる姿勢への敬意、共感が今も活動を続ける原動力なのかもしれないと宇井さんは話す。
 取材を続ける中で、苦労した点を問われると、宇井さんは「自分がアイヌを侵略した和人であること」がずっと引け目になっていたという。
 アイヌの人たちは一方的に研究対象にされてきたことで、撮られることに対して嫌悪感を持つ人がたくさんいる。最初から撮ることはせず、自分を理解してもらった上で撮影をしてきた。
 「実際は温かく受け入れてくれる人が多かったのですが、自分の中で彼らとどう関われば良いか、答えが出ないままずっとやってきました」
 アイヌ民族で、国会議員も務めた萱野茂さん*19という方がいた。笹本さんも北海道にアイヌの村を訪ね、彼に取材しようとしたことがあった。彼が海外から帰国する日に、笹本さんは帰京せざるを得ず、会うことはかなわなかった。
 この日、宇井さんは笹本さんに写真集「アイヌ、100人のいま」を贈った。そこで写された1人には故萱野茂さんの夫人、れい子さんがいるそうだ。
 宇井さんはこれまで写真集、写真展などでアイヌの今を発信してきた。が、まだまだアイヌのことを知る人が少ないことを痛感し、この写真集を発案している。
 アイヌの人たちは日本全国で暮らしている。この写真集は被写体となったアイヌの人から、次に撮影する人を紹介してもらってつないでいった。当たり前にあるアイヌの今を形にしたかったからだ。
 モデルとなる人に撮影場所、服装なども委ねた。会ってすぐに撮影が住むこともあれば、数日、滞在したこともある。訪ねた場所は17都道府県。
 制作費は当然、自前。途中で貯金が底をついき、クラウドファンディングで資金を調達した経緯もある。
アイヌの取材はこれからも継続します。できればこの手法で1,000人を撮りたいと思っています」


【笹本恒子氏】

http://www.sankei.com/life/news/161003/lif1610030006-n1.html
■産経『笹本恒子さん、米「ルーシー賞」受賞 「後に続く人への励みに」』
 日本の女性報道写真家の草分けで、102歳の今も現役で活躍する笹本恒子さん。写真界の世界的な賞である米国の「ルーシー賞」の受賞と、日本写真家協会による「笹本恒子写真賞」の創設が決まり、「山あり谷ありでしたが、ありがたいこと。後に続く人にとって励みになれば」と、都内で喜びを語った。

https://mainichi.jp/articles/20170721/ddm/008/070/126000c
毎日新聞『笹本恒子さん=「反戦平和」を訴える報道写真家』
 女性報道写真家の草分け。もとは画家志望で東京日日新聞(現在の毎日新聞)でコラムのカットを描くアルバイトをしたのが縁で1940年、国策機関だった写真協会に入り、報道の世界に。同年の日独伊三国同盟の婦人祝賀会や60年安保闘争など戦中から戦後にかけて激動の時代を記録した。
 反骨のジャーナリスト、むのたけじさんと共に出演した映画「笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ」(河邑厚徳*20監督)では、2人の対談の様子やそれぞれの歩んできた道をたどる。むのさんは昨年8月に他界したが、「反戦の意思を持つ意味では同志の存在。きっと空の上から叱咤(しった)激励しているでしょう」。
 102歳の記念として自身の寄付をもとに創設された笹本恒子写真賞(日本写真家協会主催)の発表が先月の映画公開初日に東京であり、アイヌ民族を撮り続ける写真家の宇井眞紀子さん(57)が初の受賞者に決まった。


アイヌ問題】
 過大評価は禁物でしょうがこうしてアイヌ問題に一定の注目がされることは悪い事ではないでしょう。で、それはともかく「チベットガー」「ウイグルガー」言ってる三浦小太郎のような腐れウヨがアイヌには無関心なことで連中の「ただの反中国」つう醜い本性もモロバレになるわけです。

https://mainichi.jp/articles/20170119/ddm/004/070/012000c
毎日新聞『そこが聞きたい:先住民族アイヌの今』北海道アイヌ協会理事長・加藤忠氏
 先住民族アイヌに関する国立の複合施設「民族共生象徴空間」=1=の開設や新法制定の検討など、政府のアイヌ政策が動き出している。アイヌの人たちはどのように受け止め、何を期待するのか。最大の民族組織で、創立70年を迎えた北海道アイヌ協会の加藤忠理事長(77)に札幌市の本部事務所で聞いた。【聞き手・田中洋之、写真・竹内幹】
インタビュアー
 アイヌの人たちが置かれている現状は。
加藤氏
 アイヌ民族は江戸時代後期から同化政策を強いられ、近現代にいたるまで段階的に独自の文化や言葉を捨てさせられました。来年で明治維新150年になります。近代化として北海道の開拓政策が推進されましたが、アイヌにとっては土地と資源を失い、それによる生活や困窮などの根本問題が残された150年だったのです。
 第二次世界大戦後は、このような歴史的、社会的な背景から生じるアイヌの苦しみ、悲しみをどのように取り除いていくかという課題がありました。2008年の国会決議=2=でアイヌ先住民族と認められ、ようやく名目上の復活を得たばかりです。残念ながら貧困や差別といった問題は今も続いています。ただ、北海道の命名150年(18年)に向けた有識者らの検討会議が先日あり、その中で「開拓以前のアイヌの歴史は北海道の財産だ」という意見が出て、多くの賛同を得ました。大変ありがたく、これからいい方向に進んでいくな、と思いました。
インタビュアー
 20年の東京オリンピックパラリンピックに合わせて民族共生象徴空間が北海道に新設されることになりました。
加藤氏
 これまでアイヌに関する国立の施設はありませんでした。日本国民にアイヌへの理解を深めてもらい、多文化、共生社会を実現するための拠点となるよう期待しています。歴史に翻弄(ほんろう)されてきたアイヌにも追い風が吹いてきたと感じています。
 多文化共生を掲げる東京五輪が同じ年に開かれることも意義があります。できれば東京五輪の開会式でアイヌの踊りを披露したいと考えており、大会組織委員会などに働きかけています。世界から多様な人種や民族が集まる五輪にアイヌが参加すれば、人権国家のアピールにもなります。
 あまり知られていませんが、1904年の米セントルイス五輪で、世界の先住民族による特別競技があり、アイヌの4人が参加しました。日本が五輪に初出場したストックホルム大会*21の8年前のことです。セントルイス五輪は万国博覧会といっしょに開かれ、今から見ると先住民族の扱いには多くの問題を含んでいましたが、東京五輪では正当な位置づけでアイヌ民族を紹介できると思います。
インタビュアー
 アイヌの遺骨が国内の研究機関だけでなく、ドイツなど海外でも保管されている実態が毎日新聞の報道で明らかとなりました。
加藤氏
 ほとんどの遺骨が当事者の同意を得なかったり、盗掘されたりしたものです。「人」としての尊厳を欠いたままアイヌの人骨や副葬品が収集され、「研究される対象」として扱われてきました。30年代には国家的なプロジェクトの一環として遺骨収集が促進され、それに対する疑念が解けないままの状況が続いてきました。
 これまでの調査によると、アイヌの遺骨が国内の12大学で1636体、博物館などで少なくとも73体が保管されていることが確認されました。海外の数カ国にも遺骨が散在しています。しかし、全体像はまだよく分かっていません。収集時の記録がなく、保管状態が悪い遺骨も多くあります。国や大学、関係者が責任を持ち、遺骨返還を含め禍根を残さないように対応してほしい。
 遺骨を返せば終わりではありません。遺骨を収集した経緯や、遺骨を使ってどのような研究をしたのかを明らかにし、今後の研究のあり方を含めて、アイヌにきちんと還元してもらいたい。我々は過去の事実を謙虚に見つめ、悲しい教訓から学ぶ必要があります。
 象徴空間には、各地に保管されているアイヌの遺骨や副葬品を集約する慰霊施設が整備されます。場所は太平洋を望む湖畔の高台で、2500体の遺骨を収納できる墓所やモニュメントがつくられます。アイヌ民族の伝統にのっとり、尊厳ある形で慰霊をしていきたい。大学など遺骨を返還する側もできれば定期的に参拝してほしい。慰霊施設は象徴空間の精神的な柱になると考えます。
インタビュアー
 政府のアイヌ政策推進会議(座長・菅義偉官房長官)は昨年7月、アイヌの生活向上を図る新法制定の検討を確認しました。
加藤氏
 アイヌの生活は何も変わっていません。貧困が差別を生み、差別が貧困を生む繰り返しが続いています。97年にアイヌ文化振興法が制定され、国民への理解のための事業が推進されるなど一定の効果が見られるようになりました。一方で同法は文化面が中心で、総合的な先住民政策にはいたっていません。アイヌの大学進学率は約17%で、全国平均の3分の1にとどまっています。
 私たちはアイヌの生活や教育、子育ての支援につながる新たな立法措置を訴えてきました。「アイヌに寄り添った考えでやっていく」という今の政府の姿勢を評価しています。象徴空間ができる20年より早く新法が実現するよう求めていきたい。
インタビュアー
 日本とロシアが領有権を主張する北方領土には、かつてアイヌの人たちが暮らしていました。日露間の交渉をどのようにみていますか。
加藤氏
 領土問題の解決は国と国が行うものです。ただ、1875年の樺太千島交換条約で樺太(サハリン)のアイヌ強制移住させられるなど、国境をめぐる過去の交渉では国家を背景とした多数派の考えが優先されてきました。私は05年、プーチン露大統領と小泉純一郎首相(当時)に書簡を送りました。その中で、北方四島だけでなく北海道やサハリン、千島列島の先住民族アイヌであることを明確にし、アイヌの人権や地位を確認しながら交渉するよう要望しました。アイヌが日露をつなぐ「平和の種」になることを望んでいます。
■聞いて一言
 アイヌ民族の少女が活躍する漫画「ゴールデンカムイ」(野田サトルさん作、週刊ヤングジャンプで連載中)が人気だ。明治後期の北海道を舞台に、日露戦争の帰還兵とコンビを組んで金塊を探し求める物語。書店員らが選ぶ昨年の「マンガ大賞」に輝き、最新9巻までの単行本の累計発行部数は270万部を超えた。アイヌの料理や狩猟など風習・文化がリアルに表現され、加藤理事長も「よく描かれている」と太鼓判を押す。奇想天外な冒険活劇が、アイヌへの関心を高めるきっかけになれば。特に若い世代への広がりを期待したい。
■ことば
1 民族共生象徴空間
 アイヌの文化を学び伝えるナショナルセンターとして北海道白老町のポロト湖畔に設置される。関東以北で初の国立博物館となるアイヌ民族博物館や、アイヌ文化を体験できる民族共生公園などで構成する。2014年6月に閣議決定され、オープン予定は20年4月。年間100万人超の来場者を目指している。
2 2008年の国会決議
 衆参両院は同年6月6日、「アイヌ民族先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択した。07年に「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されたことを踏まえ、アイヌを「独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族」として認め、有識者の意見を聞きながら総合的なアイヌ政策を推進するよう政府に求めた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22H1K_S7A420C1000000/
日経新聞『「アイヌの本音聞いて」 遺骨返還問題テーマに映画 』
 札幌市の映像ディレクター、藤島保志さん(58)が、北海道各地から持ち出されたアイヌ民族の遺骨問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「聞こえない声」を製作し、上映会と意見交換会を開いている。「差別の歴史や現状を知ってほしい」と約3年かけて1人でカメラを回し、遺骨を取り戻したいと願うアイヌの声を拾った。
 アイヌ遺骨は、昭和初期などに人類学の研究目的で道内各地の墓地から持ち出され、全国12大学が1600体以上を保管していた。子孫らは2012年以降、北海道大に返還を求めて提訴。和解が成立して一部が返されたが、頭蓋骨と手足がそろわないといった保管のずさんさが明らかになった。
 作品は約1時間で、アイヌの人々が墓参りをしながら信仰や遺骨の大切さを語る様子を記録。「表情や言葉をそのまま受け止めてほしい」と、ナレーションやBGMは一切入れなかった。
 アイヌの伝承では、死者は死後の世界で現世と同様にコタン(集落)をつくって暮らすとされ、「(先祖が)神の国で歩けもしない」「骨が欠けていたら気の毒だ」と語るアイヌたちの表情には悔しさがにじむ。
 北大から遺骨の返還を受けた子孫らが昨年7月、北海道浦河町の共同墓地でアイヌの慣習にならって再埋葬し、「うれしいよ」と声を振り絞る姿も映像に収めた。
 藤島さんは「彼らの本音が聞けた。アイヌのことを知らない人にも見てもらいたい」と話している。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170731/k10011082491000.html
NHK『盗掘されたアイヌ民族の遺骨 ドイツから日本側に返還』
 北海道で盗掘され、ドイツの学術団体が保管していたアイヌ民族の遺骨が31日、日本側に返還されました。
 アイヌ民族の遺骨はかつて研究目的で海外に持ち出されていますが、日本側に返還されたのは、これが初めてです。返還されたのは、1879年に札幌市内の墓で盗掘されて持ち出され、ドイツ・ベルリンの学術団体が保管していたアイヌ民族の遺骨です。
 ベルリンの日本大使公邸で31日、式典が行われ、学術団体のアレクサンダー・パショス会長が遺骨の入った箱を北海道アイヌ協会の加藤忠理事長らに、手渡しました。
 この中でパショス会長は「盗掘は遠い昔に起きたことで、歴史的な背景もあるが、倫理的には問題がある」と述べました。
 アイヌ民族の遺骨は、先住民族の研究が各国で盛んになる中、19世紀半ばから戦後にかけて北海道で盗掘され一部は海外にも持ち出されほかにもオーストラリアやアメリカ、それにイギリスなどでも保管されていることがわかっています。
 海外から日本側に遺骨が返還されたのは、これが初めてで、今後、北海道大学の構内に納骨される予定です。
 北海道アイヌ協会の加藤理事長は、「本当にうれしいのひと言です。尊厳と名誉を回復し、北海道の地に戻して供養したい」と話していました。

https://mainichi.jp/articles/20170802/dyo/00m/200/026000c
毎日新聞ゴールデンカムイマンガ大賞受賞作がテレビアニメ化』
 「マンガ大賞2016」で大賞を受賞したことも話題になった野田サトルさんのマンガ「ゴールデンカムイ」が、テレビアニメ化されることが3日、明らかになった。3日発売のマンガ誌「週刊ヤングジャンプ」(集英社)36・37合併号で発表された。
 「ゴールデンカムイ」は、2014年から「週刊ヤングジャンプ」で連載中のマンガ。かつて日露戦争で活躍した“不死身の杉元”が、北海道で死刑囚が隠した埋蔵金の手掛かりをつかみ、アイヌの少女アシリパらと共に冒険を繰り広げる姿を描いている。アイヌの文化や歴史、食事の描写なども評価され、「マンガ大賞2016」で大賞を受賞した。
(中略)
 アニメの詳細は今後、発表される。 


■メディア時評
【テレビ:加計疑惑報道と現場の努力】(沢木啓三)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

【メディアの加計疑惑報道】
毎日新聞『JCJ大賞に朝日新聞 森友・加計学園巡る疑惑報道で』
https://mainichi.jp/articles/20170720/k00/00m/040/057000c
■リテラ『NHK「クロ現」が加計問題で総理圧力の決定的証拠を報道! 萩生田副長官が「総理は30年4月開学とおしりを切っている」』
http://lite-ra.com/2017/06/post-3259.html
週刊朝日『加計疑惑 官邸で今治市と密会した“真犯人”は安倍首相の懐刀 特区申請前になぜ?』
https://dot.asahi.com/wa/2017072300011.html
週刊文春加計学園 安倍氏選挙応援で公選法違反の疑い』
http://bunshun.jp/articles/-/3564

*1:著書『政治は温暖化に何をすべきか:日本共産党、ヨーロッパを訪ねて』(2008年、新日本出版社

*2:日本共産党副委員長(国際局長兼務)。著書『日本共産党の野党外交』(2002年、新日本出版社)、『イスラム世界を行く:中東・湾岸六カ国の旅』(2003年、新日本出版社)など

*3:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*4:著書『食の戦争:米国の罠に落ちる日本』(2013年、文春新書)、『TPPで暮らしはどうなる?』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*5:著書『アテネからアテネへ:オリンピックの軌跡』(2004年、本の泉社)、『終戦ラストゲーム:戦時下のプロ野球を追って』(2005年、本の泉社)など

*6:著書『総力戦体制と教育科学:戦前教育科学研究会における「教育改革」論の研究』(1997年、大月書店)

*7:著書『若者たちに何が起こっているのか』(2004年、花伝社)、『ノンエリート青年の社会空間』(編著、2009年、大月書店)、『「問題」としての青少年』(2012年、大月書店)、『人が人のなかで生きてゆくこと』(2015年、はるか書房)、『保育現場に日の丸・君が代は必要か?』(2017年、ひとなる書房)など

*8:片山、芦田内閣文相、広島大学学長など歴任

*9:著書『鉄道は誰のものか』(2016年、緑風書房)、『JRに未来はあるか』(2017年、緑風書房)

*10:日本共産党衆院議員

*11:著書『裸足で逃げる:沖縄の夜の街の少女たち』(2017年、太田出版at叢書)

*12:1931年の設立時は石綿セメント管製造を専業とする「日本エタニットパイプ株式会社」であったが、1985年の石綿セメント管製造事業撤退後はリゾート開発に主力を移し、1988年10月に「ミサワリゾート株式会社」に商号を変更。その後、ミサワホームグループを脱退したため、2005年11月1日付けでミサワリゾート株式会社から「リゾートソリューション株式会社」に商号を変更。2016年10月1日付けで現商号に変更した(ウィキペ『リソルホールディングス』参照)。

*13:バルセロナ五輪柔道52キロ級銀メダル。著書『性と柔:女子柔道史から問う』(2013年、河出書房新社)、『日本の柔道・フランスのJUDO』(2015年、高文研)

*14:著書『ある映画監督:溝口健二と日本映画』(1976年、岩波新書)、『映画つくりの実際』(1979年、岩波ジュニア新書)、『小説 田中絹代』(1986年、文春文庫)、『さくら隊8月6日:広島で被爆した若き新劇人たち』(1988年、岩波ブックレット)、『追放者たち:映画のレッドパージ』(1996年、岩波同時代ライブラリー)、『三文役者の死:正伝殿山泰司』(2000年、岩波現代文庫)、『ふくろう 90歳の挑戦』(2003年、岩波アクティブ新書)、『シナリオ人生』(2004年、岩波新書)、『「断腸亭日乗」を読む』(2009年、岩波現代文庫)など

*15:1914年生まれ。日本の女性報道写真家の草分けとされる人物。2001年にダイヤモンドレディー賞、2011年に吉川英治文化賞を受賞。著書『100歳の幸福論。 ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣』(2014年、講談社プラスアルファ文庫)、『ライカでショット!:私が歩んだ道と時代』(2014年、新潮文庫)、『好奇心ガール、いま101歳:しあわせな長生きのヒント』(2015年、小学館文庫)など

*16:著書『アイヌときどき日本人(増補改訂版)』(2009年、社会評論社)、『アイヌ、風の肖像』(2011年、新泉社)、『アイヌ、100人のいま』(2017年、冬青社

*17:著書『たいまつ十六年』(2010年、岩波現代文庫)など

*18:著書『女の国になったカンボジアポルポト派は何をしたか』(1984年、講談社文庫)、『ベトナムは、いま:十年後のベトナム戦争』(1985年、講談社文庫)、『沖縄 若夏の記憶』(2016年、岩波現代文庫)など

*19:著書『アイヌの碑』(1990年、朝日文庫)、『アイヌの昔話:ひとつぶのサッチポロ』(1993年、平凡社ライブラリー)、『アイヌ歳時記:二風谷のくらしと心』(2000年、平凡社新書→2017年、ちくま学芸文庫)など

*20:NHKプロデューサー。著書『エンデの遺言:根源からお金を問うこと』(2011年、講談社プラスアルファ文庫)、『むのたけじ 笑う101歳』(2017年、平凡社新書)など

*21:三島弥彦(陸上100m、200m、400m)と金栗四三(マラソン)が参加