今日の産経ニュース(8/29分)(追記・訂正あり)

■「撤回で済まされぬ妄言」 ヒトラー発言の麻生太郎氏に社民党又市征治*1幹事長が議員辞職要求
http://www.sankei.com/politics/news/170830/plt1708300017-n1.html
 今の「低レベルな日本」だと安倍がかばって議員どころか大臣すら辞めないというとんでもない事になる可能性が強いわけですが全く又市氏の言う通りです。


麻生太郎*2「動機が正しくても何百万人殺したヒトラーは駄目だ」
http://www.sankei.com/politics/news/170829/plt1708290087-n1.html

 麻生太郎副総理兼財務相は29日、自民党麻生派の研修会での講演で「(政治家に)動機は問わない*3。結果が大事だ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱり駄目だ」と述べた。

 例の「ナチスのやり方」発言と言いどれほど馬鹿な男なんでしょうか。
 さすがに「動機が正しい」とは「ユダヤ人差別(殺さない限りユダヤ人は迫害していい)」「ヨーロッパ侵略」「独裁体制確立」ではないでしょう。たぶん「ヒトラー政権で景気が良くなった」程度の話でしょうがそこで「いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱり駄目だ」というのは非常識の極みですね。麻生派の議員でもある程度まともな人間は「何でこんなんが派閥ボスなんだかなあ」と頭を抱えてるでしょう。正直、「岸*4元首相の孫、安倍晋太郎*5元幹事長の息子」安倍と同じで「吉田*6元首相の孫」という看板無しで麻生が今の地位に就けたかは疑問です。
 「動機が正しくても結果がまずければ評価できない」つうなら、そこは例えば「浜口雄幸*7首相の金解禁*8」「チェンバレン*9英国首相の対ナチスドイツ宥和外交」でも持ち出すべきでしょうにねえ。
 しかしこういう時に「スターリン」「毛沢東」等と言わないのはやはり麻生が反共ウヨだからでしょうか。


■【衝撃事件の核心】泥棒アウトロー人生どっぷり 生活保護受給の83歳が信金強盗を強行したワケ
http://www.sankei.com/west/news/170829/wst1708290001-n1.html

 前科22犯。生活保護を受けての暮らしに行き詰まりを感じ、はさみを手に信用金庫に乗り込んだ。

というのはどう見ても本気の強盗ではなく、「刑務所志願」でしょう。正直、凶器に使うのならはさみなんかよりナイフや包丁の方が効果的ですから。
 泥棒では刑期が短いと見て強盗にしたわけでしょう。
 その結果、強盗であるにも拘わらず死者もけが人も出ず、

懲役1年を求刑

という強盗としては随分軽い求刑になるわけです。何とかならないもんかなとは思いますね。
 こういう人間はもう刑務所が「何の抑止力にもなってない」わけですから。
 刑務所に送っても喜ばれ、出所したらまた微罪で刑務所に戻りたがるというのでは当人も不幸ですが、社会的にも問題でしょう。


■「(ボーガス注:妻への暴行傷害で)京都府議を送検」事実確認なく放送 フジ「とくダネ!」が謝罪
http://www.sankei.com/entertainments/news/170829/ent1708290006-n1.html
 記事を読んでも何が何だかさっぱり分かりません。
 送検がないのは確かなんでしょうが、そもそも暴行自体がなかったのかどうなのか。いずれにせよ送検があるかないか程度の「簡単に裏が取れそうなこと」で何でこういうミスをするのか。やはりフジサンケイグループは産経だけでなくフジも何かが狂ってるのか。


都知事選惨敗*10鳥越俊太郎*11が開陳した野党必勝の秘策 返す刀で民進党を「バカ」呼ばわり
http://www.sankei.com/politics/news/170829/plt1708290063-n1.html
 まあ本文読めば分かりますが、鳥越氏にバカ呼ばわりされてるのは「野党共闘に否定的な前原*12とその盟友連中」であって別に「野党共闘に好意的な枝野*13とその盟友を含む」民進党全体がバカ呼ばわりされてるわけではありません(まあ民進党が前原を代表にしたあげく、野党共闘をぶっ壊せば「民進党全体がバカ呼ばわり」されるでしょうが)。そして野党共闘候補だった鳥越氏が「野党共闘に否定的な前原」に批判的なのも当然の話です。
 「野党必勝の秘策」というのも別に鳥越氏が秘策といってるわけではなく、単に「野党共闘が大事」と言う話を産経が「秘策」云々と茶化してるだけです。

 マイクを握った落語家の古今亭菊千代さん*14も「安倍さんは『圧力』『圧力』っておっしゃっていますけど、圧力をかけるからああいうこと*15になるのではないのか」と訴え、聴衆の喝采を浴びた。

 まあこれには小生も同感ですね。対話外交に打って出るべきだと強く思います。
 しかし下で紹介した「故・八代目林家正蔵林家彦六)」のような例外を除けば、落語家なんか「権力の犬ばかりか(例:自民党から出馬した故・立川談志*16、橋下にこびる桂ざこば、コメ欄で指摘のある桂春蝶)」と思っていたのでなんか嬉しいです。
 で、早速、ウィキペ「古今亭菊千代」を見てみましたが

2001年には朝鮮民主主義人民共和国を訪問して朝鮮語の落語を演じている。

だそうです。「落語家としての評価はともかく」、政治的には俺的に好感が持てそうな御仁です。一方、「反北朝鮮右翼活動家」id:noharraこと八木孝三先生などは彼女を敵視するのでしょうねえ。
 彼女のサイト(http://www.iz-design.sakura.ne.jp/blog/)も参考に紹介しておきます。

参考

http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/20010901000084
四国新聞平壌で落語を初披露/菊千代さん、朝鮮語で』
 女性の真打ち落語家、古今亭菊千代さん(44)が31日夜、朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)を訪れた日本のツアー客と平壌市民との交流会で、朝鮮語に訳した古典落語「松山鏡」を演じた。朝鮮半島での落語は(ボーガス注:日本と国交がある韓国も含めて?)戦後初めてとみられる。

http://josei-kyodo.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14
■古今亭菊千代さんの、勇気が出て心温まるお話 [福岡女九条の会]
 去る10月5日、福岡女九条の会の第11回集会として、落語家の古今亭菊千代さんをお招きして、落語とお話の会を開催しましたが、おかげさまで、今年も盛況に終えることができました!
(中略)
 菊千代さんは、手話落語や朝鮮語の落語にも取り組んでおられます。
 朝鮮語の落語を始めたきっかけは、ピースボートとの出会いから。
 北朝鮮を訪問する縁があり、そこで暮らす、私達と変わらない、人情に厚い人たちに触れ、落語を披露して交流したいけど、その面白さは通訳では伝わらない、と、朝鮮語での披露を約束し、翌年には約束を果たしました。
 国と国には国交がなくても、人と人の付き合いを深めますが、日本で、北朝鮮について報道される時は、対立が深まった時だけ、暗いイメージで語られることに胸を痛め、当たり前だけど忘れられがちな、そこに住む人達が、「国家」とイコールでないことを伝えるよう心掛けておられます。
 国交のない国の人達とはいつ会えるか分からないと、別れる時の切なさや、交流のバスの中で、北朝鮮の人達が「翼を下さい」の歌を気に入って何度も合唱したこと、そしてそのことの意味の重みを実感させられたこと、などに触れ、そうした経験を重ねる中で、それまで、「芸人は政治に首を突っ込むな」との戒めや無言の空気もあり、政治に関心をもってこなかったけれど、「政治って、自分の生活そのものだ。とても大事なものだ」と気づいて行動するようになった、といいます。
(中略)
 押しも押されぬ師匠、怖いものがないからできる…というのでは、決して、なくて、むしろ、落語界・芸の世界は、伝統や人の評判が大きく左右する世界。
(中略)
 実際、北朝鮮との交流がバッシングされた時期もあったといいます。


■【主張】学力テスト10年 競争が向上につながった
http://www.sankei.com/column/news/170829/clm1708290001-n1.html
 産経的にはそうなるのでしょうが「AしたらBになった」というには因果関係が証明されないといけない。
 そうでないと「いわゆる縁起担ぎ、ジンクス」すら「縁起担ぎが勝利に繋がった(まあ本気でそういう事言う人はいませんが)」となってしまいます。そしていつものことですが産経は何の因果関係も証明できないわけです。
 

■【産経抄】政務活動費の廃止しかない 8月29日
http://www.sankei.com/column/news/170829/clm1708290003-n1.html
 不正が起こってるから廃止すべきだ、というその理屈ならまず廃止すべきは「つかみ金となってる政党助成金」の方でしょう。
 政務活動費は「政務活動に使う」という枠があるのだから、別に問題はない。問題があるとしたら「額が多すぎないか」&「政務活動のほかに不正流用できないような仕組みがあるか」と言う話です。
 なお、カネに清廉な落語家としてここで産経が名前を出す八代目林家正蔵林家彦六)は「カネの疑惑がないきれいな政党だから」という理由で共産支持だったことは有名な話です。

*1:社民党幹事長、副党首など歴任

*2:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二次、第三次安倍内閣副総理・財務相

*3:ろくでもない動機だとたいてい結果も酷くなるので動機も大事です。

*4:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長、石橋内閣外相を経て首相

*5:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、幹事長(竹下総裁時代)を歴任

*6:東久邇、幣原内閣外相を経て首相

*7:加藤高明、若槻内閣蔵相、若槻内閣内務相などを経て首相

*8:濱口は勿論、景気悪化を目指してそうしたわけではないが景気が悪化。後継の犬養毅首相によって金解禁が撤回された。

*9:彼の宥和外交は「第二次大戦の発生」により失敗と評価され、後任首相に彼を批判していたチャーチルが就任する。

*10:こんな事は何一つ書く必要はないし、田母神や西村眞悟などについては「都議選惨敗」「衆院選惨敗」等とは書かないのだから、まあ、ふざけた話です。

*11:著書『ニュースの職人:「真実」をどう伝えるか』(2001年、PHP新書)など

*12:鳩山、菅内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相など歴任

*13:鳩山、菅内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)を歴任

*14:2代目古今亭圓菊門下。1993年、三遊亭歌る多(三代目三遊亭圓歌門下)とともに落語協会初の女性真打ちに昇進。

*15:北朝鮮のミサイル発射のこと

*16:まあ小生から言わせれば談志の「自称毒舌」なんてくだらないですね。全然危険じゃないわけですから。むしろ菊千代氏のように訪朝なんかすると「極左だ、北朝鮮の手先だ」などといわれる危険があるわけです。で、そう言う本当に危険なことは談志ごときにはできないわけです。まあ「落語家としての評価」はともかく俺的には人間性では「菊千代氏>絶対に越えられない壁>談志」ですね。つうか「談志以下の人間性の落語家」てのはほとんどいないと思いますが。