今日の産経ニュース(9/4分)(追記・訂正あり)

武井咲、突然の結婚発表で関係各所におわび行脚 違約金数億円の可能性も
http://www.sankei.com/entertainments/news/170904/ent1709040003-n1.html
 妊娠したので母体の健康上、「決定していたドラマ出演」がキャンセルになったという場合は「お詫びと違約金」は仕方ないでしょうがそれ以外はどうも納得がいきません。

 エスエス製薬「アレジオン*1」は妊娠や授乳中の服用を避けるよう注意書きがされており、出演の継続は難しいとみられる。

 いやいくら武井が妊婦だからといって「CMでの武井」と「実際の武井」を混同する方が悪いんじゃないですかねえ。
 とはいえ「繰り返しますが」妊娠したので母体の健康上、「決定していたドラマ出演」がキャンセルになったという場合は「お詫びと違約金」は仕方ないでしょう(まあただその場合、武井の所属事務所は一定の金額を武井の交際相手が所属する芸能事務所に負担請求するでしょうが)。
 つまりは
1)武井が交際相手の存在を事務所に告げ
2)少しずつ仕事を減らしていけば
こんなことも起きなかったんでしょうが、まあ「武井に善意に理解すれば」、事務所が結婚を認めそうにないから、急いで既成事実をつくったと言う事でしょうか。であるなら事務所にも一定の問題があるわけで、「俺が彼女のファンだと言う事もありますが」あまり武井を責める気にもなりません。


自民党岸田文雄*2政調会長、SDGsテーマに「ポスト安倍」に意欲示すも具体性乏しく…存在感は持続可能!?(小沢慶太)
http://www.sankei.com/politics/news/170904/plt1709040044-n2.html
 実に産経らしい駄記事です。
 SDGs(持続可能な開発目標*3)とは「岸田氏のスローガン」というよりは「国連のスローガン(岸田氏が国連重視外交の立場から重視してるに過ぎない)」なので

 岸田氏は「内閣支持率が厳しい中、政府の後追いの議論だけでは駄目だ」と周囲に漏らし、独自路線の打ち出しに腐心する。ただ、SDGsの浸透度は低く、アベノミクスに匹敵する看板には至っていない。

などという「岸田氏の存在感云々」というくだらない話では全くありません。正直、岸田氏もSDGsについては産経の言うような意味「ポスト安倍の看板」よりも「外相経験者としての外交への思い入れ」が大きいんじゃないか。
 まあこの記事で産経が安倍以外の政治家は特に「ポスト安倍の有力候補」といわれる政治家は、石破*4元幹事長であれ、野田*5総務相でアレ、岸田政調会長でアレけなしたいことだけはよく分かりました。
 SDGsの浸透度が低いつうのは敢えて極論すれば「SDGsについて知らないなんて、日本人は国際政治や環境問題に関心がないんだ、金儲けしか興味のないエコノミックアニマルなんだ」と誤解(?)されてもおかしくない恥ずかしいことです。
 つうか安倍だって
安倍晋三首相、「SDGs」で「先頭に立って努力する」 シュタイナー国連開発計画総裁と面会
http://www.sankei.com/politics/news/170810/plt1708100027-n1.html
つうことでSDGsへの賛同の意を表明してるわけです(ちなみに政府のSDGs推進本部長は安倍だそうです)。
 つうかSDGsについては産経は別の所では
■企業に広がる国連の開発目標「SDGs」、経団連は行動指針改訂へ(平尾孝)
http://www.sankei.com/economy/news/170828/ecn1708280023-n1.html
というそれなりにまともな記事を書いてるんですけどね。 


■【正論】プーチン氏は二重尺度を恥じない猛獣、安倍晋三首相はくれぐれも注意を 北海道大学名誉教授・木村汎*6
http://www.sankei.com/column/news/170904/clm1709040006-n1.html
 提示してる例がどれ一つとして「プーチンの主張は間違ってる」とは言えても「二重尺度(二重基準)でもなんでもない」あたり産経文化人って本当にアホだなあと思います。
 たとえば

自国がクリミアを併合する際にはクリミアがロシアの「固有の領土」であるとの理屈を述べ、日本がロシアに同一の言葉で返還を求めることに対しては、聞く耳を持たない。これは明らかに二重尺度の採用だろう。

つうのは全然二重基準じゃないですよねえ。「わがロシアのクリミアについての主張は正しいが、日本の北方領土についての主張は間違ってる」で一応筋は通る(それが正しいと言ってるわけではありません)。
 大体この木村の物言いなら

 日本が北方領土返還をロシアに求めるときは「固有の領土である」との理屈を述べるのに、ロシアの「クリミア固有領土論」には日本は聞く耳は持たない。日本の態度は明らかに二重尺度の採用だろう。

ということになるのではないか。
 つうか産経辺りの「北朝鮮は核を持つな、でも日本は持ちたい」のほうがよほど二重基準じゃないのか。


■「パラレルキャリア」広がる 自分らしい生き方模索、複数の仕事や社会活動
http://www.sankei.com/life/news/170904/lif1709040018-n1.html
 パラレルキャリアというと「ああ、軍医で作家だった森鴎外のことか」「ああ、銀行員で作詞家だった小椋佳のことか」「ああ、電通社員でマンガ原作者の雁屋哲のことか(後で電通は退社しますが)」と思う俺は多分「古い人間」なんだと思います。若者だともっと新しい例が思い浮かぶでしょうがいかんせんオッサンなので思い浮かびません。
 まあそれはともかく、森や小椋、雁屋の存在で分かるように「パラレルキャリア」と言う言葉は最近でしょうが、そう言う生き方自体は別に新しくありません。
 単に「森や小椋、雁屋のような才能の持ち主でない限り」そんなことはできるものではないし、だからやらないつうだけの話です。


■【民進党役員人事】“ニセ維新”の松野頼久*7国対委員長内定… “本家維新”の反応は?
http://www.sankei.com/politics/news/170904/plt1709040029-n1.html
 別に松野が好きなわけではないですが「偽維新」というのは酷いですね。あの件(松野派と橋下・松井派の分裂)は「本家と元祖のくだらない争い」であって、どっちが偽とか本当とか言うもんではないでしょう。橋下・松井支持の立場でない限り偽維新なんて言葉は出てこない。
 まあそれはともかく、松野なんぞを国対委員長にしたことにより、反共右派・前原により野党共闘路線がぶち壊される危険性がますます高まってるとは言えるでしょう。俺のような安倍批判派にとっては全く困ったもんです。


■【高橋昌之のとっておき】代表選ではっきり 民進党内の分裂 前原誠司*8新代表は解党・分党を決断すべきだ それが歴史的使命
http://www.sankei.com/premium/news/170904/prm1709040004-n1.html
 安倍に批判的な朝日、毎日ならまだしも、安倍応援団の産経がこんな事書いても誰も相手にしないでしょう。
 「そうすると安倍政権が有利になるんですね!」と産経がバカにされるだけです。よくもまあこんなアホ記事が書けるもんです。


■【茨城女子大生殺害】「容疑者のフィリピン人は短気」勤務先の元同僚勤務先工場ではトラブル頻繁
http://www.sankei.com/affairs/news/170904/afr1709040002-n1.html
 「短気で勤務先でトラブルを起こしたから殺害犯人だ」なんて事はないのではっきりいってくだらない記事です。容疑者を最初から犯人扱いしてなければ書けない記事だと言っていいでしょう。産経には「推定無罪」という言葉はないようです。
 むしろ「DNAが一致した」以外、まともな情報が出ないこととあわせ考えると「陰謀論になってしまいます」が
1)実は確実な証拠はなく
2)それをごまかすために警察の要請の元、こうした報道に産経がいそしんでるのかとすら思います。

*1:花粉症などの薬

*2:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)

*3:「持続可能な開発」とはつまりは「環境に配慮した開発」つうことでしょう。

*4:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*5:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣食品安全等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第三次安倍内閣総務相

*6:著書『新版 日露国境交渉史:北方領土返還への道』(2005年、角川選書)、『現代ロシア国家論:プーチン型外交とは何か』(2009年、中公叢書)など

*7:鳩山内閣官房副長官、維新の党幹事長、代表など歴任

*8:鳩山、菅内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相などを経て民進党代表