今日の産経ニュース(10/2分)(追記・訂正あり)

■スポーツ報知『こちらの小池は無料です…共産党候補が小池晃*1とのツーショットネタ』
http://www.hochi.co.jp/topics/20171002-OHT1T50170.html
 まあ、党首との選挙用写真撮影で1人3万円撮るとか小池百合子*2銭ゲバにもほどがあるでしょう。しかも「公認は未だ決定していない」から「さすがにないとは思いますが」、理屈の上では「3万円払って写真撮影したのに公認されない」なんてこともありうるわけです。
 こんなことをやるとはそれだけカネに詰まってるという事だし民進党との合流劇も「目的の一つは政党助成金のぶんどり」でしょう。まあ、あまりにも合流劇の評判が悪くなってきつつあるので「助成金はなくなくあきらめる」つう可能性も出てきましたが。


【ここから産経です】
■【衆院選希望の党“踏み絵”協定書は「反民進」政策がずらり 公認候補に署名求める
http://www.sankei.com/politics/news/171002/plt1710020125-n1.html
 この記事で何が酷いかと言えば署名を求める文書に

希望の党選挙協力する政党への批判禁止

ですね。選挙協力については党内で幅広く議論したわけではなく、「最高指導者・小池」が独断で決定し下にそれを押しつける。
 「何が寛容な政党(小池の自称)だ?」つう話です。まあ小池が寛容じゃないなんてのはわかりきっていましたが。
 小池支持をするようなバカはこうした都合の悪い事は無視する奴が多いのでしょうが、まあ、小池批判派としてはこういう点を愚直に批判していくだけでしょう。


■【歴史戦】「他国のNGOと連携ができてきた」 国連人権理事会で慰安婦問題などで演説した派遣団が報告会
http://www.sankei.com/politics/news/171002/plt1710020124-n1.html
 一体何処と連携してるんだと聞きたくなります。日本のデマ右翼と連携したがる外国のNGOがあるとはとても思えませんので。


■【衆院選民進党枝野幸男*3、新党「立憲民主党」結成を正式表明
http://www.sankei.com/politics/news/171002/plt1710020091-n1.html
 解党直後か、せめて共産が「希望とは対決する」と表明した直後に結党すれば良かったんですけどねえ。
 しばらく時間が経ったことで「小池に切り捨てられた負け犬の集まり」つうな否定的イメージが大なり小なり生まれたことは否定できません。少なくとも安倍や小池、産経はそうしたネガキャンをするでしょう(もちろん枝野氏らもそうした事は既に覚悟しているでしょうが)。
 正直、今後の世論調査で「一時的でアレ」共産党の支持率を下回る危険性*4すらあるでしょう(もちろん逆に、希望に変わる支持率「野党第一」になる可能性もある*5とは思いますが)。
 まあ個人的には共産の支持率が減ることなく、枝野新党が自民や希望の支持率を奪って「支持率で野党第一党」になってほしいんですけどね。まあ、もちろん「希望は共産が一位」ですが現実問題難しいですから。
 しかしふと思ったんですけど戦前は「立憲改進党*6」「立憲政友会*7」「立憲民政党*8」など「立憲(あるいは憲政)」と言う名前の政党は沢山ありますが戦後は主要政党では今回の「立憲民主党」以外はないですね。
 社会党共産党は護憲を表看板としてはいますが「立憲」と言った言葉は党名には入っていません。
 ウィキペ「日本の政党一覧」を見ると社会党自民党と連立した一時期、それを是としない人々によって「護憲」を党名に入れた政党がいくつか誕生しました。
 上田哲社会党衆院議員を党首とする「護憲新党あかつき」、田英夫*9社民連元代表を党首とする「新党護憲リベラル」がありますが、これらの党は「社民、共産」といった既存の護憲政党に取って代わることができず、結局消滅することとなります。


■【衆院選民進江田憲司*10、無所属で出馬へ 希望に合流せず、神奈川8区*11
http://www.sankei.com/politics/news/171002/plt1710020101-n1.html
 江田が無所属ってのは意外ですね。というのは彼は左派でないのは勿論、穏健保守とかリベラル保守とか言える人間でもないからです。
 小池から排除されたのか、はたまた小池に未来はないと思ったのか気になるところです。


■【衆院選民進岡田克也*12元代表が無所属出馬へ 「希望の党と考え方違う」 立憲民主党とは「ぴったりしない」
http://www.sankei.com/politics/news/171002/plt1710020098-n1.html
 イデオロギー的な意味で枝野新党(立憲民主党)に入りたくないのか、それとも「枝野の子分扱いされたくない」程度の話なのかが気になるところです。


■【衆院選】嘉田前知事、無所属で出馬 希望の党「党首経験者は公認せず」 滋賀1区*13
http://www.sankei.com/west/news/171002/wst1710020069-n1.html
 まあ党首(未来の党党首)経験者つうのは屁理屈でしょう。嘉田が一般にリベラル扱いされるから「極右の小池」が拒否してるだけでしょうね。つうかそんな事言ったら「日本のこころ代表」中山恭子はどうなるんだって話ですし。今のところ確か公認はされてませんがたぶん最終的には公認するんでしょうし。


■【主張】日中正常化45年 共産党支配の隣国 基本的価値観、日本と共有できぬ 軍事力と経済力で拡張主義
http://www.sankei.com/column/news/171002/clm1710020002-n1.html
 やれやれですね。「基本的価値観」つうのは要するに「一党独裁と複数政党制」でしょうがそれいったら複数政党制でない「昔の旧ソ連、東欧(一党独裁)」「今のキューバベトナム一党独裁)」「サウジやカタールのような王政」「現在のエジプトや過去のミャンマーのような軍政」とも価値観は共有しないわけです。ならそれらと日本は付き合えない、あるいは付き合わなかったのか。
 あるいはその理屈なら「欧米が経済制裁してもアパルトヘイト南アとつきあい(経済交流)をした当時の日本」は「南アと黒人差別について価値観を共有していた」のか。南アとのつきあいの是非はともかく、さすがに産経も「その通りです、黒人は劣った人種という価値観を当時の南アと日本は共有していたのです」とは言わないでしょう。
 「価値観が違うから交流できない」なんてことは全くないわけです。

安倍晋三首相は、国交正常化45年の記念レセプションで、日中の「戦略的互恵関係」を訴え、来年を念頭に両国首脳の相互訪問実現を呼びかけた。

 まあ当然ですね。産経は安倍のこうした言動に不快感を感じてるようですが。

19世紀の帝国主義顔負けの拡張主義に走っているのが、今の中国である。

 「どこがやねん」ですね。「19世紀の帝国主義」は露骨に武力侵略していたわけですが今そんなことができる時代じゃないし、実際そんな事を中国はしていない。

自信を深めた中国は独善的に振る舞うようになり、経済上も安全保障上も、日本にとって最大の脅威になった。

 まあ、安保についてはひとまずおきます(個人的には別に脅威だとは思いませんが。中国もむやみやたらに軍事力行使などしないでしょう)。
 「経済について脅威」つうのは何のことなのか。むしろ中国経済は日本にとって「日本企業の市場」としてありがたい存在ではないのか。
 「中国企業が力を付けて日本企業の脅威」「たとえばインドネシアの鉄道商戦で日本が負けた」つうならそれ資本主義における当たり前の話に過ぎません。「中国が共産党独裁だ」とか全く関係ない。

尖閣周辺の領海に中国公船が侵入した日数は、過去5年間で200日を超えた。

 やっていいとは言いませんが単なる牽制行為です。産経レベルに騒ぐ話ではない。

習近平*14国家主席が重視する経済圏構想「一帯一路」には、経済力を用いて中国主導の国際秩序を打ち立てようとする側面がある。

 どうも産経は一帯一路を否定したいようですが現実的じゃないでしょう。

 東西冷戦期は、ソ連に対抗する共通の戦略目標もあって空前の友好ブームとなった。1979年からの対中政府開発援助(ODA)は3兆6千億円以上になった。だが豊かになれば中国が民主化に踏み出すとの期待は裏切られた。

 いやいや「アパルトヘイト南アとすらつきあう日本」ははっきりいって「中国民主化」なんて期待は別にしてないでしょう(「民主化したらいい」くらいには思ってたかもしれませんが)。
 むしろそんなことより期待されていたのは「親日感情醸成」とか「日本企業の中国進出」とかでしょうね。

先の大戦の歴史をめぐり、中国側の反日宣伝は続いている。政府は日本の名誉を守るため、事実に基づく反論を続けるべきだ。

 産経の言う「反日宣伝」は例えば「南京事件資料ユネスコ記憶遺産登録」、「事実に基づく反論」てのはやれ「南京事件はなかった」「慰安婦は公娼だ」ですからね。話になりません。
 産経の主張の方がデマです。

昨年、637万人に達した中国からの訪日客の増大に注目したい。「反日教育」で知る日本とのギャップ*15、自由な社会のすばらしさを理解してもらう上で、またとない機会といえる。

 観光客なんて観光地しか見ないでしょう。いずれにせよ観光客が「産経の期待する民主主義への熱い思い」とやらを持ったところで「南京事件否定論」なんてデマの普及に協力するわけもない。

*1:共産党政策委員長、副委員長などを経て書記局長

*2:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*3:鳩山、菅内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て立憲民主党代表

*4:その場合でも内紛などの醜態を見せないで支持率向上を目指し地道に頑張って欲しいですね。

*5:そうなれば希望の連中は枝野新党に行こうとするのでしょうね。

*6:大隈重信早稲田大学創立者、後に首相)が党首。後に進歩党に発展的解消

*7:明治時代に元老伊藤博文を総裁として誕生。立憲民政党と共に二大政党体制を確立

*8:床次竹二郎(原、高橋内閣内務相)を総裁とする政友本党若槻礼次郎(桂、大隈内閣蔵相、加藤高明内閣内務相。後に首相)を総裁とする憲政会が合併して誕生。初代総裁は浜口雄幸(寡頭、若槻内閣蔵相、若槻内閣内務相。後に首相。)

*9:TBS『JNNニュースコープ』初代メインキャスター

*10:みんなの党幹事長、結いの党代表、維新の党代表、民進党代表代行(岡田、蓮舫代表時代)など歴任

*11:横浜市緑区青葉区都筑区荏田地区)

*12:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長(鳩山、菅代表時代)、野田内閣副総理・行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)などを経て民主党代表

*13:大津市高島市

*14:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*15:つうか中国で「ドラえもんが大人気」でわかるようにそもそもかの国に産経の言う「反日教育の影響はない」でしょう。つうか反日教育の影響があったらそもそも日本に観光に来ません。つうかそもそも反日教育なんてモンがあるかも疑わしい。戦前日本の侵略を歴史授業で教えることは「今も日本は中国の敵だ」などという変な教え方をしない限り反日でもなんでもない。それが反日なら原爆ドームを教育で教えることは反米になるでしょう。