今日の産経ニュース(10/3分)ほか(追記・訂正あり)

■kojitakenの日記『リベラル・左派・左翼は今こそ小沢一郎を徹底的に批判せよ』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20171002
 どうもこの御仁、「リベラル・左派・左翼は小沢を持ち上げていたから今批判しないのだ」と思ってるらしい。まあそういう方もいるでしょう。俺個人は「西松疑惑」「日本未来の党内紛劇」小沢など持ち上げたことはありません*1し、持ち上げてない左派、リベラルも山ほどいると思いますが。
 いずれにせよ一番大きな小沢批判が少ない理由はそんな事ではなく「小沢などもはや終わった人間だから」でしょう。
 「最大与党自民党幹事長、最大野党新進党党首、最大野党民主党幹事長だった」小沢は今や「ミニ政党自由党」の党首でしかない人間です。
 自由党は今や支持率、議席数共に共産、公明、維新を下回っています。
 メディアもほとんど小沢や自由党に注目してない。
 「民進党代表」前原*2や「希望の党党首、都知事」小池*3ならばまだしも批判する価値に乏しい人間です。批判しても「小沢なんかオワコンじゃん」といわれてしまう。
 前原と小池を引き合わせたのが小沢だとしても、その程度でフィクサー扱いなどできないその程度の存在が小沢の訳です。どんな選挙結果が出ようとも小沢に「いい目はでない」でしょう。小沢は小池と前原を引き合わせることで「いい目を狙った」のでしょうが「日本未来の党失敗」に続く失敗になったわけです。
 また小沢の場合、「暗躍」であるからこそ批判しづらいつうのもあるでしょう。公然と希望の党幹部として活動してる細野*4民進党代表代行などの方が批判しやすい。当然そちらを批判するのが自然なわけです。
 あるいは、「細野ら希望に走った連中以外では」「広い意味では反安倍、反小池仲間」ということで「あまり糞味噌に批判するのもどうかと思いますが」むしろ批判するなら小沢よりも「前原の解党を止められず」かつ「希望の党入りを狙っていた疑いのある」民進党リベラル、今の立憲民主党連中(枝野元民進党代表代行、長妻元民主党代表代行、辻元元民進党幹事長代行、菅元民進党最高顧問、赤松元民進党最高顧問など)ではないんですかね?。
 いや小生も「立憲民主党と共産、社民、市民団体」の連携ができればそれを否定はしませんが、どうも今ひとつ枝野グループは信用ができません。

【追記】
■【衆院選小沢一郎自由党代表記者会見・詳報「野党が結集して安倍政権を倒すことが持論なので、民進党と同じ方向で対応した」
http://www.sankei.com/politics/news/171004/plt1710040006-n1.html
 小沢批判出来ない、したくないと思われても嫌なので批判しておきます。しかし小沢という人間も滅茶苦茶ですね。
 野党共闘云々といったところでその野党は「小池派(極右:小池希望+維新+小池に元に走った前原ら一部民進党議員)」と「反小池派(反極右、リベラル:枝野新党など一部民進党議員+社民+共産」にわかれている(俺個人は自民と大連立すらあり得る小池派を野党とは思いませんが)。この情況で小池を選ぶことは自然でも何でもありません。
 方向性としては小沢が選んだ「親小池」の他にも「反小池で枝野等との共闘」も当然あり得る。


■【衆院選】共産岩手、小沢一郎氏支援へ 選挙区に候補擁立せず
http://www.sankei.com/politics/news/171005/plt1710050003-n1.html
「支持者としてできれば批判したくない」のですが「共産支持者だから」共産は批判出来ないと思われても嫌だし「批判せざるを得ない話」だと思うので批判しておきます。小沢の対立候補を立てないのは「未だに小沢一郎が無視できない政治力を岩手において保有しているであろうから」、つまり「選挙で勝つ見込みが低いから」仕方ないにせよ支援するのはおかしいでしょう。小沢は明らかに小池に荷担しようとしているわけですから。とはいえ「俺にとって一番マシで信用できるのは共産」なので共産は支持しますが。


【ここから産経です】
■【正論】「大東亜戦争調査会*5」に学ぶべきは、歴史の教訓を後世に残そうとする強い意思だ 学習院大学学長・井上寿一*6
http://www.sankei.com/column/news/171003/clm1710030008-n1.html
 やれやれですね。「大東亜戦争調査会」をどう評価するかはともかく*7、「歴史の教訓を後世に残そう」というものが「吉見義明氏*8慰安婦研究」「笠原十九司*9南京事件研究」「林博史*10沖縄戦研究」など自分に都合の悪いものだと「自虐だ、反日だ」「南京事件は中国の捏造だ」「慰安婦は韓国の捏造だ」「沖縄戦で軍による自決強要などなかった」と抜かす産経が良くもいったもんです。

 第1に軍部の政治介入には社会的な背景があった。第一次世界大戦後、日本にも「平和とデモクラシー」の潮流が押し寄せてきた。平和は軍縮によって裏づけられる。軍縮は緊縮財政による戦後*11不況からの脱却のためにも必要だった。国民に軍人蔑視の感情が生まれる*12。軍部の社会的な地位が下がる*13。「平和とデモクラシー」が軍部を追い込み、のちの反発につながる。

 こうした井上の「大東亜戦争調査会」評価が正しいかは分かりません。しかしここで井上が言ってる事って「軍がいじめられたから反発した、だから515事件や226事件になった」という居直りじゃないんですかね。まともな人間のいうことじゃない。
 つうか別に「大正デモクラシー」だの「第一次世界大戦」だのがある前から「軍部」は政治にコミットしていたと思うんですけどね。大正時代の桂太郎*14首相、山本権兵衛*15首相などはその一例でしょう。

 第2に「戦争調査会」の議論は日中戦争が回避可能だったことを示唆している。1920年代後半、中国が軍事的に国家統一を進める過程で、事件が頻発する。日本人の生命・財産が脅かされる。この時、国際連盟に中国の非を訴えて、国際的な支持を得られれば、満州事変は起きなかった。

 日中戦争は回避可能だったでしょうが言ってることが無茶苦茶です。
 お前は何を言ってるんだ?、ですね。満州事変というのは最初から領土を分捕ることが目的で「国際連盟に中国の非を訴えて」云々なんて話では全くない。むしろ満州事変の非を国際連盟に訴えられることになるわけです。つうか国際連盟を「あんなん糞の役にも立たない」と舐めてたからこそ日本は連盟を脱退したんじゃないのか。

 国家*16は時に不都合な秘密を隠そうとする。

 「森友、加計疑惑」「南スーダンPKO日報問題」ですね、わかります。


■【衆院選希望の党公認発表会見詳報(3完)若狭勝氏「首相指名は選挙結果を踏まえて」 玄葉光一郎*17民進党は左に寄りすぎた」
http://www.sankei.com/politics/news/171003/plt1710030107-n1.html
 唖然ですね。安倍の安保法制反対程度の何処が「左に寄ってる」のか。単に玄葉が極右なだけです。


■【辻元氏会見詳報】(3)「小池氏は力持つ政治家」と持ち上げ選挙後の連携に含み 前原氏に対しては
http://www.sankei.com/west/news/171003/wst1710030062-n1.html
 リベラルを自称しながら、なんではっきりと極右小池の批判ができないのか。
 id:kojitakenも小沢なんぞより辻元を批判したらどうなのか?
 こんなんでは辻元氏も立憲民主党(枝野グループ)も信用できませんね。選挙後、小池と野合しかねない。俺は共産を支持します。つうかこれでは前も書きましたが、「共産の方が信用できる」つうことで共産以下の支持率にあえぐ事すら危惧されます。共産との共闘も成り立つかどうか。共産が拒否するしない以前に、枝野グループが共闘したがるか疑問です。


■【衆院選希望の党・秋田1区の松浦大悟氏は「安保法廃止」だった 昨夏の参院選で共産、社民と共闘
http://www.sankei.com/politics/news/171003/plt1710030091-n1.html
 こういう恥さらしは松浦某だけではないですが全く酷い話です。


■【異論暴論】正論11月号好評発売中 攻防・慰安婦問題 国連分担金の凍結も
http://www.sankei.com/column/news/171003/clm1710030005-n1.html
 タイトルで唖然ですね。そんなことができるわけもない。つうかそんなことと「常任理事国入り(ウヨの願望)」が矛盾しない、両立するとでも思ってるのか。


■【衆院選自由党小沢一郎*18、無所属出馬へ 希望の党に合流せず
http://www.sankei.com/politics/news/171003/plt1710030009-n1.html
 合流劇の黒幕と噂される御仁が無所属とは意外です。小池*19に切って捨てられたのだとしたら滑稽です。
 いずれにせよ「建前では解党したわけでもないのに自由党では戦わない」とは全く意味不明です。良く所属議員もこんなことを認めるもんです。


■【主張】枝野氏ら新党 左派分離はわかりやすい
http://www.sankei.com/column/news/171003/clm1710030001-n1.html
 勿論枝野新党参加予定者には「社会党出身の赤松氏*20」「社民連出身の菅氏*21」「社民党出身の辻元氏*22」など左派もいますが、枝野氏*23日本新党新党さきがけ出身)や長妻氏*24平成維新の会新党さきがけ出身)は出自も政策も「リベラル保守」ではあっても左派ではありません。まあ産経にとっては、「俺達に敵対する奴は皆左翼」で河野洋平*25自民党総裁なども左派扱いなのでしょうけど。

枝野氏らの動きを共産党志位和夫委員長が歓迎

といったところでそれは「極右の安倍や小池よりはマシ」という話に過ぎません。まあ仮にの話ですが「自民党からリベラル政治家が離党して新党結成(過去には河野氏新自由クラブとか武村正義*26新党さきがけとかがありましたが)」でも「自民の内紛歓迎」というせこい話ではなく、「自民党にも我が党が連携可能なリベラル政治家*27がいたのか」と言う意味で共産党は歓迎したでしょう。

*1:俺を含む野党共闘支持者が「小沢自由党を含む野党共闘」を容認、支持したのは別に小沢の持ち上げではありません。

*2:鳩山、菅内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相などを経て民進党代表

*3:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*4:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*5:幣原内閣により設置された政府審議会。吉田内閣によって廃止された。

*6:著書『日本外交史講義』(2003年、岩波テキストブックス)、『アジア主義を問いなおす』(2006年、ちくま新書)、『日中戦争下の日本』(2007年、講談社選書メチエ)、『吉田茂と昭和史』(2009年、講談社現代新書)、『山県有朋と明治国家』(2010年、NHKブックス)、『戦前昭和の社会:1926-1945』(2011年、講談社現代新書)、『政友会と民政党』(2012年、中公新書)、『第一次世界大戦と日本』(2014年、講談社現代新書)、『昭和の戦争:日記で読む戦前日本』(2016年、講談社現代新書)など

*7:というのは小生が大東亜戦争調査会について全く無知で評価できないからです。とはいえこの産経の態度からは産経にとってこの調査会が「反日で自虐でないこと」、つまりまともな戦争の反省を目指していたのか、疑わしいようには思います。

*8:中央大学名誉教授。著書『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)など

*9:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦:日中戦争の実相』(2010年、岩波書店)、『海軍の日中戦争:アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)など

*10:関東学院大学教授。個人サイト(http://www.geocities.jp/hhhirofumi/)。著書『沖縄戦と民衆』(2001年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清:日本軍はシンガポールで何をしたのか』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦:強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)など

*11:戦後というのは文脈から見て第一次大戦後でしょう。

*12:そんなもんが本当に生まれていたんでしょうか?。まあ「軍縮なんて軍蔑視だ」つう一部軍人の逆ギレはあったのかもしれませんが。

*13:これまた「本当かよ?」ですね。まあ「軍縮なんて軍蔑視だ」つう一部軍人の逆ギレはあったのかもしれませんが。

*14:第3次伊藤内閣・第1次大隈内閣・第2次山縣内閣・第4次伊藤内閣陸軍大臣を経て首相。在職日数2886日は歴代1位。なお連続して在職してはいないため、連続在職の記録は佐藤栄作が1位。

*15:第2次山縣、第4次伊藤、第1次桂内閣海軍大臣を経て首相

*16:というか国家指導者ですが。

*17:菅内閣少子化等担当相(民主党政調会長兼務)、野田内閣外相、民主党選対委員長(岡田代表時代)など歴任

*18:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、民主党幹事長(鳩山代表時代)などを経て自由党党首

*19:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*20:社会党書記長、鳩山内閣農水相参院議長など歴任

*21:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*22:社民党政審会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調会長代理、役員室長、民進党幹事長代行など歴任

*23:鳩山、菅内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*24:鳩山、菅内閣厚労相民主党代表代行(岡田代表時代)、民進党選対委員長(前原代表時代)など歴任

*25:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*26:細川内閣官房長官、村山内閣蔵相を歴任

*27:まあ谷垣元総裁や岸田政調会長は「リベラルのはず」ですが事情はともかく、彼らは安倍の軍門に降っていますし、河野元総裁は既に政界を引退しています。