今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ほか(11/7分)

■五十嵐仁*1の転成仁語『(ボーガス注:小選挙区の擁立を控える)共産党の「犠牲バント」で「得点」を挙げた立憲民主党
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2017-11-09
 重要な指摘だと思うので紹介しました。
 もちろん共産には共産の思惑があるので「必要以上に恐縮する必要もない」ですが、逆に立憲民主党が共産や「共産と同様の思惑、立場に立つ野党支持層」を前原*2民進党代表や細野*3民進党幹事長のように裏切れば、後で「議席減少、支持者離反」という痛い目を見るだろうとは指摘しておきます。
 立憲民主支持層も脳天気に立憲民主万歳ばかりせず、枝野*4代表率いる立憲民主党の「前原、細野化(つまり裏切り)」をどう阻止するか、共産党の思いにどう答えていくかが問われていると思います。
 なお、小生としては澤藤氏や広原氏のような「立憲民主は議席を増やしたが共産は減らした」「共産ばかりが割を食ってる」つう指摘にある程度共感する反面、一方で五十嵐氏のような「今回の共産の大局的見地に立った対応は長い目で見ればそれなりに共産にプラスになるのではないか」とも思っています。
 ただやや複雑なのはこうした野党共闘の背景には「安倍がひどすぎるから」というのは明らかにあります。その意味では安倍には当然一日も早くやめてもらいたいですが、安倍がやめた後の野党の方向性もなかなか難しいものがあります。まあ、それは安倍が退陣しない限り「捕らぬ狸」ですし、安倍が退陣しても後釜が「岸田*5政調会長」ならまだしも「麻生*6副総理・財務相」では「安倍並みにひどい」ので野党共闘があまり困難なく継続する可能性もありますが。


■リベラル21『若者に支持されない政党には未来がない、体質改善できない政党は生物学的法則で淘汰される』広原盛明
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4159.html

 前回、共産党の得票率低下(京都選挙区)の原因は支持者の高齢化による活動力の低下にあると書いた。なぜ、共産の支持者がかくも中高年層に偏っているのか。その理由として、民主集中制に象徴されるような共産の「組織文化」に若者たちが馴染めないからだとも書いた。

 共産党の組織文化の是非はともかく、広原説は「共産の組織文化を否定したい広原氏」の何の根拠もない結論ありきの珍論としか言えないでしょう。というのもマスコミ発表の世論調査に寄れば、「若者の支持政党1位は自民」だからです(まあ若者だけでなく、全世代で1位は自民なのですが)。
 この広原説だと、希望や立憲民主など共産以外の諸政党が自民よりも支持が低いのも「組織文化のせい」なのか。とてもそうは思えませんが。
 また高世仁がブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20171024)で紹介したテレ朝世論調査に寄れば、むしろ中高年層の支持が高いのは立憲民主です。20代12%、60代24%と2倍程度の差がありますが、共産の場合「若干高齢層の方が多い」とはいえ、%の差は立憲民主ほどはなく、誤差の可能性すらあります。
 また中高年層の支持が若年層に比べて高くなる傾向は共産、立憲民主に限らず一般的にいって「野党全てに該当する事実」です。
 つうかそういうことをいう「お爺さんの広原氏」はどれほど若者に支持されてるのか。あるいはどれほど若者の声を把握してるのか。若者の声を知る何らかの機会がどれほどあるのか。根拠レスで「脳内で自分に都合のいい若者をでっち上げて」共産批判の話をしているだけではないのか。

 この挨拶は、共産を「丸ごと」受けてくれるような支持者を増やすこと、党員を拡大することに尽きている。

 そりゃ党幹部としてそういうのは当たり前の話でしょう。もちろんこの挨拶は「丸ごと支持しない支持者は要らない」つう話でもないし、「丸ごと支持されないのは支持しない方が悪い」つう話でもありません。
 まあ、「もちろん我々も相手が丸ごと受け入れてくれるための努力をしないといけない」つうニュアンスは少し弱いかも知れませんが、まさか「丸ごと支持されないのは支持しない方が悪い」と志位演説を理解する人はまずいないでしょう。

 中国共産党でさえが70歳定年制を守っているこの時世に、80歳を超える幹部が日本ではいまだ多大な影響力を行使しているのである。

 その「多大な影響力」て「書記局長、委員長、議長を歴任した」不破さん限定じゃないんですかね。
 その不破さんにせよ「名誉役員ではなく現役の常任幹部会委員」とはいえ「平の委員」のわけです。
 ご本人が進んで退任したか、渋々かはともかく、議長や委員長は退任してるわけです。
 かつ中国共産党にせよ自民党にせよ幹部政治家(例」江沢民元中国国家主席中曽根康弘元首相など)は「引退したから政治力ゼロ」つう話でもないでしょう。つうかビッグネーム不破氏の現役としての活動に異論ある人って「共産の支持をしよう」と思うような人でどれほどいるんですかね?。


【ここから赤旗です】
ロシア革命100年と社会主義を考える
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-07/2017110704_01_0.html

 1917年11月7日(旧暦で10月25日)にロシア「十月革命」が始まって100年となります。

 なかなかこういう記事がないとロシアやマルクス主義についての素人(?)は「今日がロシア10月革命の日」とは気付かないですね。

 「十月革命」の影響は「近代の他のいかなる歴史的事件よりももっと深く、もっと持続的な反響を世界中に及ぼしている源」(E・H・カー『ロシア革命 レーニン*7からスターリン*8へ、一九一七―一九二九年』*9となりました。
 その一つは、民族自決権を全世界に適用されるべき大原理としたことです。
 ソビエト政権は、革命翌日の11月8日に「平和に関する布告」を公布。交戦諸国民に無併合・無賠償の講和を呼びかけるとともに、民族自決の原理を高らかにうたいました。
(中略)
 このことが、世界に衝撃を与え、民族解放運動の高まり、第2次世界大戦後の植民地体制の崩壊といった世界の「構造変化」につながっていきました。
 二つ目は、人権概念をフランス革命以来の自由権から、生存権、労働基本権、社会保障といった社会権へと発展させたことです。社会保障という言葉も、革命後のロシアで初めて使用されました。
 ソビエト政権は1918年1月、人間による人間の搾取の廃止などをうたった「勤労し搾取されている人民の権利宣言」を発しました。「宣言」は「社会国家の理念が一般的に承認され、権利宣言が各種の社会権を宣言・保障することが原則に」なるうえで「注目される」役割(『人権宣言集』=岩波文庫=の宮沢俊義氏の概説)を果たし、ドイツのワイマール憲法(1919年)やILO(国際労働機関)創設などへとつながっていきます。

 もちろんソ連の問題点は批判されて当然ですし「こうしたプラス面がそうしたマイナス面を相殺するわけでもない」ですが、一方でこうしたプラス面を無視するのも不適切でしょう。


【追記その1】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-10/2017111002_02_1.html
■ロシア十月革命から100年、世界に持続的影響を与え続けている世界史的意義、志位委員長が語る
 日本共産党志位和夫委員長は9日、国会内で記者会見し、100年の節目を迎えたロシア十月革命の意義について問われ、「今日の世界に大きな持続的影響を与えつづけている世界史的意義を持つ革命だと考える」と述べました。
 その一つは、民族自決権を全世界に適用されるべき大原理として高く掲げたことです。志位氏は、ソビエト政権が革命後、「平和に関する布告」「ロシア諸民族の権利の宣言」を発し、民族自決権は無条件に保障されなければいけないと表明し、実際にそれを実行したとして、「このことが第2次世界大戦後に植民地だった諸国が独立を勝ち取り、独立した主権国家になるという世界の『構造変化』につながった」と指摘しました。
 二つ目は、人権概念を自由権から社会権へと発展させたことです。志位氏はソビエト政権が「勤労し搾取されている人民の権利宣言」を発し、社会権を初めて掲げたことが出発点になってドイツのワイマール憲法やILO(国際労働機関)の創設につながったことを指摘。「日本の憲法25条の生存権にもつながっていくような流れがつくられた」と述べました。
 そのうえで、志位氏は「スターリン以降、国内的には専制主義、対外的には覇権主義へと変質し、革命の成果が失われ、ソ連は崩壊に至ったが、そうした大きな誤りがあったからといって、ロシア革命が世界にもたらした積極的影響、その世界史的意義が失われたとは考えていない」と述べました。

 まあ民族自決権といえば今話題のスペインカタルーニャも、イラククルドもそうですし、ウヨ連中が騒ぎ立てる中国チベットもそうであり、現在もホットな話題の訳です。


【追記その2】

http://bunshun.jp/articles/-/4791
インタビュアー
 上坂さんはプーチンをどのようにご覧になっていますか?
上坂
 いろいろなプーチン論があるので、どのプーチン論を採用すべきかは難しいところですね。ただ、私の実感としては、叩き上げかつエリートで、しかも民衆へのプロパガンダも上手だという点は指導者としてすごいなと思います。
 虎絞めたり、裸で川渡ったり。私は強い指導者ですということを、たとえ字が読めない国民にもイメージで鮮烈に伝えている。
(中略)
 あまりプーチン万歳をするわけにもいかないですけれども、これだけ長くロシアを治めているということは、民がこういう指導者を求め続けているということに他ならないんでしょうね。

 無論反体制派はいますし、そうした反体制派は抑圧を受けてる。プーチン政治もバラ色ではない。そんなことは上坂氏もわかってる。わかった上で「でもやはりプーチンは有能だし、国民の一定の支持を受けてる」つうことのわけです。常岡浩介なんかだとやたらプーチンを糞味噌にいいますけどね。そういうのは事実に反するわけです。


【ここから産経です】
■【トランプ氏訪韓】トランプ氏、晩餐会招待客の元慰安婦と握手
http://www.sankei.com/world/news/171107/wor1711070071-n1.html
 まあトランプが慰安婦問題をまともに理解してるか疑問ですが、奴もこの件で慰安婦に冷たい態度をとったら更に自分の評判が悪くなる、喜ぶのは安倍のような日本極右だけ、何のメリットもないつう事はさすがに理解してるようです。
 まあ、拉致被害者家族に会った(でも彼らのためには多分動かない)のと同じで、どれほど慰安婦の為に動くかは疑問ですけど。


■【座間9遺体】「犯行道具、事件前に購入」 ツイッター複数アカウント、解体方法下調べ…透ける緻密な計画性
http://www.sankei.com/affairs/news/171107/afr1711070036-n1.html
 死体を結局処分できずに自宅のクーラーボックスに入れてるつうのは全然緻密じゃない愚劣な行為と思いますね。大体「9人もの遺体」が自宅にあれば当然殺人が疑われるし、死刑存続国日本では9人も殺せば、ほぼ確実に死刑判決です(「自殺サイトに集った自殺希望者=被害者」つうことで「自殺幇助」と言い訳し「死刑回避*10する」可能性は無論ありますが、これが報道されてるように殺人ならそのいいわけが捜査当局や裁判所に通用し死刑が回避できるかは疑問です)。「袴田事件」などのような冤罪性、あるいは「何らかの同情の余地」もなければいつ死刑執行されてもおかしくないし、仮に死刑が執行されない場合でも出獄することなどまずあり得ません。
 まあ、「自殺サイトに集まる若者を殺害」なんて殺人では大して金も奪えないでしょうし、やはり快楽殺人なんでしょうか。異常としか言い様がないですね。

*1:最近の著書に『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)など

*2:鳩山、菅内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)などを経て民進党代表

*3:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)を歴任

*4:鳩山、菅内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*5:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方党担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て、自民党政調会長

*6:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二次〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*7:ソ連人民委員会議長、ソ連共産党党首

*8:ソ連共産党書記長、ソ連首相

*9:2000年、岩波現代文庫

*10:自殺幇助なら死刑にはなりません。