今日の産経ニュース(12/14分)(追記・修正あり)

■「伊賀の森友問題だ」市議会で批判噴出 市の借地契約めぐり
http://www.sankei.com/west/news/171214/wst1712140104-n1.html
 今や不透明な取引だの癒着疑惑だのが発覚するとこのように「まるで森友」と呼ばれるまでに「普通名詞化した」森友疑惑です。そういえば神社本庁を巡る土地取引の疑惑でも「まるで森友云々」なんて記事がダイヤモンド(http://diamond.jp/articles/-/132516)に載りました。


■【歴史戦・第19部 結託する反日(下)】「南京」に「慰安婦」絡め…欧米巻き込み対日包囲網 華僑ネット数千万人、世界208カ所で式典
http://www.sankei.com/world/news/171214/wor1712140004-n1.html

 虐殺されたという人数30万人に、保護されたという25万人を加えると55万人になる。当時の南京の人口を大きく超えるとの指摘もある。もっとも中国にはそうした「事実関係」にこだわりはない。

 もちろん超えるという主張はデマです。南京には当然55万以上の人口がいました。
 常識で考えて中国政府がそれほどバカなわけがないでしょう。
 なお「この件について」詳しい説明をするのは結構やっかいなのでこれについては以下の記事を紹介しておきます。
■二十万都市で三十万虐殺?
http://www.geocities.jp/yu77799/jinkou.html
■南京の人口は増えたのか?
http://www.geocities.jp/yu77799/jinkou2.html


■【エンタメよもやま話】中国共産党“静かなる世界侵略”…豪州で突如、批判本が出版中止 諸外国に言論統制“圧力”
http://www.sankei.com/west/news/171214/wst1712140004-n1.html

 豪ノースシドニーの大手出版社アレン・アンド・アンウィンが、豪州の政界や学会における中国共産党の影響について分析・論考した書籍を「中国政府、もしくはその代理人から法的措置を起こされる恐れがある」との理由で発売を中止してしまったのです。

 「ほかの問題はさておき」、少なくとも「名誉毀損に当たると思うので訴訟を起こす用意がある」と警告することは言論統制ではないでしょう。まさかとは思いますが産経は「中国が裁判を起こせば豪州の裁判所が忖度して中国を絶対に勝たせてくれる」とでもいう気でしょうか。


■【野党ウオッチ】看板なし!節操なし!地方組織なし! 「三重苦」の希望の党の断末魔が聞こえる(政治部 松本学)
http://www.sankei.com/premium/news/171214/prm1712140009-n1.html

 希望の党と同じく「改革保守政党」を標榜する日本維新の会と比べてみると分かりやすい。維新は「大阪都構想」という具体的な政策の実現のために結成された政党*1である。党の「看板」となる政策があるからこそ、橋下徹前代表(48)という創業者が政界引退した今もなお、そのレゾンデートル(存在意義)は揺らいでいない。

 維新が自民にすり寄ってるからこう言ってるだけでしょう。全国的な支持率では維新は希望同様低迷しています。今や大阪ローカルでしか力が無く、その大阪ですらこの間の衆院選挙ではいくつかの選挙区で自民に負けており、大阪ですら陰りが見えています。


憲法前文は「コピペ」 中曽根弘文元外相が発言
http://www.sankei.com/politics/news/171212/plt1712120048-n1.html
 本心なのか、安倍や「父・康弘*2」への迎合か知りませんが酷い暴言です。


■【歴史戦】自民党、目立つ鈍感ぶり 安倍晋三首相「サンフランシスコは失敗だった…」
http://www.sankei.com/politics/news/171214/plt1712140031-n1.html

「サンフランシスコは失敗だった。こういうことをしっかり防いでいかないといけない」
 安倍晋三首相(自民党総裁)は4日、党外交再生戦略会議(議長・石原伸晃*3前経済再生担当相)のメンバーと官邸で面会した際、怒気を含ませながらこう語った。

 やれやれですね。安倍のような愚か者が河野談話を否定したがる限り、「火事現場に油をまいてるようなもん」で「日本の無法を防がなければならない→慰安婦問題のアピール」ということで防ぎようがないのですが安倍はバカだから「外務省が悪い」などと他人に責任転嫁しているのでしょう。これが首相かと思うとうんざりします。「日本人ってどうしようもないバカ集団だな」と国際的評価がどんどん落ちていくわけです。

 自民党がサンフランシスコ市議会を問題視し、日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会(委員長・中曽根弘文*4元外相)を開いたのは、決議から2週間以上たった11月30日だった。出席議員から「事実でないことは正していく」との意見が相次いだものの、抗議文や日本政府への提言を作るかどうかさえ決められず迫力を欠いた。党幹部は「衆院選の影響もあり、なかなか開けなかった」と釈明する。

 要するに一部ウヨ議員を除いて中曽根氏らほとんどの自民議員は「安倍がこの問題にこだわるから仕方なくやってる」「安倍がうるさいから、とりあえずやってるポーズでもしておくか。あいつが総裁じゃなければこんなことはしたくないんだが」「河野談話撤回なんかできるわけねえだろ」「安倍が騒ぐまではこんなことになってなかったんだ」としか思ってないんでしょう。


■【竹島を考える】「サンフランシスコ慰安婦像」許した政府、国会の無策…地方任せでなく国が「外交戦」を 下條正男*5拓殖大教授
http://www.sankei.com/west/news/171214/wst1712140001-n1.html
 「許すな」も何も「大阪市姉妹都市関係を終わりにしようが関係ない」として向こうが作るというものをどうしようもないでしょう。
 しかも慰安婦問題と竹島問題なんて関係ないのに【竹島を考える】だそうです。こんなバカなことを言ってると「産経ら日本ウヨの慰安婦での主張はもちろん嘘ですが、竹島での主張も嘘なんです」と宣伝されるだけです。

 新羅時代末期(9〜10世紀ごろ)、対馬島や九州北部が新羅の海賊に襲われる事件が起きていた。
 竹島問題の発端にも、これと似た出来事があった。江戸時代、鳥取藩米子の大谷家が幕府の許可を得て欝陵(うつりょう)島に渡っていたが、1693年、漁撈(ぎょろう)活動のため渡海すると、島に残しておいた小舟や道具類を朝鮮の漁民が無断で使っていた。そこで大谷家の船頭らは、越境侵犯の生き証人として漁民の安龍福(アン・ヨンボク)ら2人を連れ帰り、鳥取藩に訴え出た。これが、竹島問題の始まりである。
 北朝鮮の漁船が日本の排他的経済水域内で違法漁撈を行うのも、新羅の海賊が王命で対馬島を襲ったのも、竹島侵奪した韓国と同様、国家的犯罪行為である。
 だが、いずれの事例でも日本側は毅然とした態度をとらず、国威を損ねてきた。

 おいおいですね。まさか時代状況の違いを無視して「平安時代や江戸時代から日本は軟弱だった」と言い出すとは。実際には倭寇や「秀吉の朝鮮侵略」があるので「日本が軟弱」というほど話は単純ではないでしょうが。

 北朝鮮問題の解決は日米だけでは難しい。周辺諸国を巻き込み、協力体制を整えていく必要がある。

 といいながら「領土問題」などを理由に「周辺諸国」中国、韓国、ロシア全てに敵対的な産経です。

 現状では無理だが、北朝鮮ともいずれ国交正常化交渉に臨むことになるかもしれない。その時は、かつての日韓国交正常化交渉時以上に、過去の歴史が問題となる。それは彼らの外交カードだからである。

 「現状では無理」としてるとはいえまさか産経でこういう文章が出てくるとは思ってもみませんでした。


■【産経抄反日運動は「女子力」が鍵 12月14日
http://www.sankei.com/column/news/171214/clm1712140003-n1.html
 要するに女子力とか抜かして稲田朋美*6櫻井よしこ*7杉田水脈*8だの言ったウヨ女性を持ち上げるという話です。つまり産経にとっては「女子力の重要要素=ウヨであること」のわけです。従って「土井たか子社会党委員長」「福島瑞穂社民党党首」などには女子力が産経的にはないわけです。実にくだらない。
 ちなみに「女子力」て全く意味がわかりませんね。「男子力」なんて言葉は多分無いし、「女子力」は最近登場した「謎の新語」ですね。
 それもそのはずでウィキペ「女子力」は

・コラムニストの小田嶋隆は、女子力は、厄介な言葉で人によって定義が違うとしている。ファッション志向の女性月刊誌では「モロにファッショナブル寄りな概念ないしは美意識」に近いものに、芸能ゴシップの追求を主務とする女性週刊誌では「男のコロがし方」を婉曲に表現しただけであると指摘している。

と書いています。
 まあ「女子力=自立した大人の女性」と考えれば「キムヨナ*9>越えられない壁>浅田真央*10」でしょうし、「女子力=皆にマスコットとしてかわいがられること(小田島風に言えば男の転がし方)」と考えれば少なくとも日本では「浅田>越えられない壁>ヨナ」でしょう。まあ、ある意味どうでもいい話です。

 今年4月に参院で行われた外交に関する調査会に、参考人として川口順子*11(よりこ)元外相の姿があった。発言でまず、劇団四季のミュージカル『異国の丘』を取り上げた。
▼印象深い場面として、(ボーガス注:蒋介石中華民国総統夫人だった宋美齢が米国で反日工作を繰り広げる場面を挙げる。

 おいおいですね。「日本に侵略されてる国のファーストレディー」の日本批判が「反日工作」だそうです。「蒋介石夫婦は黙って日本に降伏しろ」とでもいう気でしょうか。
 しかし『異国の丘』てシベリア抑留がネタだったと思うんですけどそれで「宋美齢が米国で反日工作を繰り広げる場面」が印象的なんですか?

参考

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/3574/ikokunooka.htm
 ミュージカル「異国の丘」は、近衛文麿首相の息子、近衛文隆*12の波乱に満ちた人生を描きます。
 『夢顔さんによろしく〈上・下〉:最後の貴公子・近衛文隆の生涯』(西木正明*13文芸春秋、1999年)を題材とし、近衛文隆の大まかな人生は史実通りですが、ディテールは可也脚色されています。
従いまして、所謂歴史物とは言い難い部分がありますが、然しシベリア抑留について、当時の日本の決断について、考えさせる作品です。
 ストーリーは、米国プリンストン大学に留学中の近衛文隆が同じく留学中であった蒋介石の姪と恋仲に落ち、日本の上海攻撃で一旦は別れるものの、やがて文隆は近衛首相の、蒋介石の姪は蒋介石の間を取り持ち、日中和平を目指しますが、戦争継続を望む日中の人々に阻まれてあと一歩で実現せず、その後文隆は兵役で満州へ赴き終戦を迎え、11年間のシベリア抑留中に死亡する、というものです。

 『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者アイリス・チャン氏も、(ボーガス注:宋美齢のような)チャイナドレスがよく似合う若き才媛だった。
▼おじいちゃん学者が発表していたら、事実誤認だらけの本が、米国内でもてはやされることはなかったはずだ(『「歴史戦」はオンナの闘い』*14)。

 おいおいですね。産経が女性差別者であることは改めてよくわかりました。

 旧日本軍の中国・南京占領から80年を迎えた昨日、中国政府は南京市で、犠牲者を追悼する恒例の国家式典を開いた。習近平*15国家主席は出席しながら、演説はしなかった。改善の兆しがみえる日中関係に配慮したとの見方がある。

まあ配慮はしたんでしょう。だからといって産経のような歴史修正主義への批判自体はやめないでしょうが。

*1:「維新誕生後、都構想が発表された」んで事実認識として間違っています。

*2:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*3:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*4:小渕、森内閣文相(科学技術庁長官兼務)、麻生内閣外相、自民党参院議員会長など歴任

*5:著書『竹島は日韓どちらのものか』(2004年、文春新書)

*6:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相を歴任

*7:国家基本問題研究所理事長、「21世紀の日本と憲法有識者会議代表、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」共同代表というプロ右翼活動家。著書『気高く、強く、美しくあれ:日本の復活は憲法改正からはじまる』(2006年、小学館)、『異形の大国 中国:彼らに心を許してはならない』(2008年、新潮社)、『日本とインド いま結ばれる民主主義国家:中国「封じ込め」は可能か』(編著、2014年、文春文庫)、『チベット 自由への闘い:ダライ・ラマ14世ロブサン・センゲ首相との対話』(2017年、PHP新書)など

*8:著書『なぜ私は左翼と戦うのか』(2017年、青林堂)、『慰安婦像を世界中に建てる日本人たち』(2017年、産経新聞出版)、『「慰安婦」謀略戦に立ち向かえ!』(共著、2017年、明成社)など

*9:フィギュアスケート女子で、2010年バンクーバー五輪金メダル、2014年ソチ五輪銀メダル

*10:フィギュアスケート女子で、2010年バンクーバー五輪銀メダル

*11:森、小泉内閣環境相小泉内閣外相を歴任

*12:ただし実名ではまずすぎるという判断があったのか劇中では「九重秀隆」とされている。

*13:著書『オホーツク諜報船』(1985年、角川文庫)、『ルーズベルトの刺客』(1994年、新潮文庫)、『間諜二葉亭四迷』(1997年、講談社文庫)、『梟の朝:山本五十六と欧州諜報網作戦』(2000年、文春文庫)、『冬のアゼリア:大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画』(2005年、文春文庫)、『夢顔さんによろしく(上)(下):最後の貴公子・近衛文隆の生涯 (2009年、集英社文庫)など

*14:河添恵子杉田水脈の共著。2016年、産経新聞出版

*15:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席