今日の産経ニュースほか(1/7分)(追記・修正あり)

東京新聞【書く人】『息子が人を殺しました 加害者家族の真実』*1 犯罪加害者家族支援NPO理事長・阿部恭子さん*2(40)(谷村卓哉)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/kakuhito/list/CK2018010702000167.html

 警察の厳しい事情聴取、マスコミにも追い回され、悪質な宗教に狙われる。
 十年前から活動する日本初の犯罪加害者家族支援団体「World Open Heart*3」(仙台市)の理事長が、千二百件以上の相談を受けた経験を基に、加害者家族が直面するつらい状況を一般に向け初めてつまびらかにした。
(中略)
 中学生時代からマイノリティー(少数者)に関心があり、東北大の大学院生時代に行政も手を出しにくい加害者家族の支援を思い立った。東日本大震災を機に「生き残った自分にしかできないことを」とはちまきを締め直し、NPO法人格を取得。弁護士、社会保険労務士、不動産業者ら専門家と一緒に相談に乗り、加害者家族が語り合う会を定期的に開くほか、裁判の傍聴や被害者への謝罪に付き添う。相談の多くは、容疑者の連行がよく行われる早朝に寄せられ、起床の前に受けたこともある。
 支援を重ねて見えてきたのは、加害者家族の多くが平凡に暮らし、罪責感から何とか適切な対応をしたいと悩む、ごく普通の人たちだということ。それが、結婚や就職で不利益を受け、学校ではいじめられ、加害者本人以上の責め苦を強いられる。
「ある相談者によると、周りが全て敵に見えたそうです。責任のない家族はもちろん、法的・道義的責任を逃れられない家族にも、それを果たしうる安定した生活が必要です。職を失えば賠償も難しい」
 追い詰められた加害者家族に「他の例を参考に、打つ手はあると伝えることで生きる力を取り戻してほしい」と願う。加えて差別や偏見を生む無知を解消し、活動をやめてもいい社会になれば、とも。いずれも鍵は情報発信。本書を出した一番の動機だ。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13121030.html
朝日新聞【ひと】阿部恭子さん 加害者家族を支援するNPO理事長
 重大事件の加害者家族には自死する人が少なくない。相談できる専門の窓口がないことを知り、東北大大学院で法律を学んでいた9年前、全国で初めて加害者家族の支援活動を始めた。

id:Bill_McCrearyさん記事■どういう了見で、毎日新聞はこんな記事を書くのか
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/6377b0414b1b1f3a63ef652ef74fd2bf
id:Bill_McCrearyさんが批判する毎日新聞のアホ記者どもに読ませてやりたい記事ですね。全く内容に同感ですのでここで紹介しておきます。
 

【ここから産経です】
中南米日系人を対象に生活・対日感情を調査へ 政府、ブラジル集団移住110年で
http://www.sankei.com/politics/news/180107/plt1801070017-n1.html
 「日本に出稼ぎに行ったらブラック企業に酷い目に遭った、もう二度と日本に行きたくない」とか「日本へのネガティブ回答」が続出したらどうする気なんだろうなと思います。
 「出稼ぎブラジル人の人権擁護に努めます」とかなるのか。


■経済評論家*4三橋貴明容疑者を逮捕 10代の妻と口論、腕にかみつき暴行の疑い 警視庁
http://www.sankei.com/affairs/news/180107/afr1801070012-n1.html
 公職選挙法違反(運動員買収)で逮捕起訴された田母神、KSD事件(収賄)で起訴された村上正邦など「過去のウヨ不祥事」のことを考えれば三橋の今回の逮捕は何ら意外ではありませんがお粗末な話です。まあ、三橋も大物ウヨというわけでもないし、産経ら「三橋のウヨ仲間」も今まで彼を持ち上げてきたことを全て無かったことにしてためらいなく三橋を切って捨てるんでしょうね。


■10代の妻殴打で逮捕の三橋貴明氏が釈放 ブログで“騒動”を謝罪 マスコミ批判も
http://www.sankei.com/affairs/news/180108/afr1801080022-n1.html
 妻が被害届を取り下げたことで釈放されたそうです。果たしてこの釈放でウヨメディア(産経など)も「何もなかったかのように三橋を使うのか」どうなんでしょうか。
 しかし、「マスコミは騒ぎすぎ」って逮捕が報道されたことは三橋の自業自得なのに全く反省の色が見えませんね。この分だと仮に今回、不起訴や執行猶予判決でもまた同じようなことをやらかしそうです。
 なお、さすがの三橋も「不当逮捕」という気は無いようです。


■【日曜に書く】きょうは「人日」…人の道たる「道徳教育」の歴史をたどってみた 論説委員・山上直子
http://www.sankei.com/column/news/180107/clm1801070005-n1.html

 井上*5ら当時の国の頭脳ともいうべき知識人*6たちが苦心して作った教育勅語が、後に極端な使われ方*7をしたのは確かだ。といって、その反省から一切を抹殺してしまうのもまた、極端で危険なことではないか。

 吹き出しました。そこまでして産経が教育勅語にこだわる理由は何なのか。何が極端で危険なのかさっぱりわかりません。
 なお、教育勅語が問題視される最大の理由は「朕󠄁惟フニ」と「皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ」だからです。
 つまり道徳を守る理由は「天皇家を千代に八千代に栄えさせるため」だと「天皇が言うから」です。
 この天皇(あるいは天皇家)を「ヒトラー総統」だの「ソ連共産党」だのと書き換えればその問題性はわかりやすいでしょう。
 なお、教育勅語で興味深いのは

榎本武揚*8ウィキペディア参照)
 1889年(明治22年)2月11日に暗殺された文部大臣・森有礼*9の後任として、3月22日、黒田*10内閣逓信大臣から文部大臣へ横滑りする(後任の逓信大臣は後藤象二郎*11)。第1次山縣*12内閣でも文相に留任し、明治天皇の希望であった道徳教育の基準策定を命じられる。しかし、大臣親任式でも天皇から特に希望されたにもかかわらず、積極的に取り組まなかった。そのため1890年(明治23年)5月17日に更迭され、枢密顧問官となった(後任文相には山縣首相の側近である芳川顕正*13が就任し、在任中に教育勅語を制定)。

つうことですね。榎本の態度は「教育勅語的な物について批判的だったから」なのか、そこまでの批判意識はないが「あまり興味関心が無かったのか」気になるところです。


■【書評】笹川平和財団上席研究員・渡部恒雄が読む『習近平の悲劇』*14 矢板明夫*15著 国内では権力闘争、国外では世界から反発*16
http://www.sankei.com/life/news/180107/lif1801070020-n1.html

 過去のカリスマ指導者と比較して実力・実績において劣る「習近平*17

 吹き出しました。毛沢東*18劉少奇*19周恩来*20トウ小平*21といった「革命第一世代」に比べれば確かに習氏はカリスマ性などで「劣るかもしれませんが」、それは江沢民*22胡錦濤*23も同じでしょう。
 そして習氏のAIIB、一帯一路というのは十分誇れる実績でしょう。


式守伊之助セクハラ行為、宮城野親方が謝罪「飲むと正気を失うことがあった」
http://www.sankei.com/sports/news/180107/spo1801070012-n1.html
 「セクハラしたから自業自得」かもしれませんが、セクハラの相手が男性であるため、この報道によって式守氏が「男性に性的関心がある同性愛らしい」と暴露されたのは人権上いかがなもんかなあと思います。
 なお「飲むと正気を失うことがあった」てのはちょっとねえ。「飲酒のせいにするな」と被害者が激怒してもおかしくない失言でしょう。

「男色の趣味はない。なぜこのような行為をしたのかわからない」と説明

 まあ、同性愛差別がある日本で「確かにそういう趣味(?)があった」と認めたくないでしょうが、どうみてもそういう傾向でしょう。
 飲んだからと言って

10代の若手行司に対して、複数回キスし、胸にも触れたという。

というのは異性愛者ならまずやらない行為でしょう。

若手行司は処罰を求める意向はなく、警察に被害届を出すことは考えていないという。

まあ「セクハラが終わればいい、協会が何らかの処分を下せばいい」つう話でしょう。ただ大甘処分なら「警察への被害届」「民事訴訟」もありうるのでしょうね。

*1:2017年、幻冬舎新書

*2:著書『加害者家族支援の理論と実践:家族の回復と加害者の更生に向けて』(共著、2015年、現代人文社)、『交通事故加害者家族の現状と支援:過失犯の家族へのアプローチ』(共著、2016年、現代人文社)、『性犯罪加害者家族のケアと人権:尊厳の回復と個人の幸福を目指して』(共著、2017年、現代人文社)

*3:公式サイト:http://www.worldopenheart.com/index2.html

*4:経済評論家と言うより右翼活動家でしょう。三橋の著書は『本当はヤバイ!韓国経済』(2007年、彩図社)、『本当にヤバイ!中国経済』(2008年、彩図社)、『中国がなくても、日本経済はまったく心配ない!』(2010年、ワック文庫)、『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』(2014年、ワック)、『中国との貿易をやめても、まったく日本は困らない!』(2015年、ワック文庫)、『中国崩壊後の世界』(2015年、小学館新書)、『中国不要論』(2017年、小学館新書)などタイトルからして非常識ですから。

*5:第1次伊藤、黒田、第1次山縣内閣法制局長官、第2次伊藤内閣文相など歴任

*6:といってもその知識人は天皇制支持の保守派知識人でしかありません。

*7:後にではなく、「最初から」、内村鑑三不敬事件のような問題性を抱えていました。

*8:駐ロシア公使、第1次伊藤、黒田内閣逓信相、黒田、第1次山県内閣文相、第1次松方内閣外相、第2次伊藤、第2次松方内閣農商務相など歴任

*9:第1次伊藤、黒田内閣文相

*10:元老の一人。第1次伊藤内閣農商務相、首相、第2次伊藤内閣逓信相、枢密院議長など歴任

*11:黒田、第1次山縣、第1次松方内閣逓信相、第2次伊藤内閣農商務相など歴任

*12:元老の一人。第1次伊藤、黒田内閣内務相、第2次伊藤内閣司法相、首相、枢密院議長、陸軍参謀総長など歴任。

*13:第1次山縣、第1次松方内閣文相、第2次伊藤、第2次松方内閣司法相、第3次伊藤内閣内務相、第2次山縣、第1次桂内閣逓信相など歴任

*14:2017年、産経新聞出版

*15:著書『習近平』(2014年、文春文庫)など

*16:AIIBや一帯一路を考えれば当然ながら「中国への反発しか世界にはない」わけではありません。

*17:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*18:党主席

*19:全人代委員長、国家主席など歴任

*20:首相

*21:党副主席、第一副首相、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*22:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*23:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席