今日の産経ニュース(2/4分)(追記・修正あり)

■【民進党大会】大塚耕平代表「立憲民主党希望の党に『ショットライン』を投げ続ける」
http://www.sankei.com/politics/news/180204/plt1802040011-n1.html
 やれやれですね。立憲民主党が「希望とは組む気は無い」といってるのにいつまでこんなこと言ってるんでしょうか?。
 希望と組みたいなら立憲民主とは組めないということをいい加減理解したらどうなのか。


■【民進党大会】大塚耕平*1代表、党名変更も検討 「『このままの名前では難しい』と思っている方もいる」
http://www.sankei.com/politics/news/180204/plt1802040013-n1.html
 問題は党名じゃなくて党の方向性なのに何でこういうバカなこと言いますかね。
 名前変えたところで「昔の民進党だろ?」で終わってしまうわけです。いっそのこと解散してそれぞれが希望に入るなり、立憲民主に入るなり、新党結成するなりすればいいんじゃないですかね。


■【書評】今も続く「思想戦」の歴史 石平*2著『なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史』*3(喜多由浩*4・文化部編集委員
http://www.sankei.com/life/news/180204/lif1802040032-n1.html

 韓国人は、なぜいつまでもヒステリックで理不尽な「反日」を続けるのか?

 今のような「韓国の反日」は安倍政権になってからであり、小渕*5政権時には「金大中大統領が訪日し、小渕首相と会談し、また日韓共催ワールドカップが実施されたこと」を考えればこうした産経の認識は全くでたらめです。

 韓国の儒学者から「現在、儒教の影響が一番色濃く残っているのは、ほかならぬ北朝鮮だ」と聞いたことがある。

 産経の言うことでは本当か解りません。なお、北朝鮮の体制と儒教は関係ないでしょうし、日本とて儒教の影響は当然受けています。
 江戸時代は朱子学が官学です。その結果、新井白石(6代将軍・家宣、7代将軍・家継時代)、室鳩巣(8代将軍・吉宗時代)などの儒学者が政権ブレーンとして活躍します。
 また、「産経が褒め称える教育勅語」ももちろん儒学の影響があるわけです(勅語起案者の一人・元田永孚儒学者です)。儒教の是非はともかく、こんなでたらめな論理で儒教否定する産経は全く馬鹿げています。
 しかもこの「儒教否定の屁理屈」なら「産経がズブズブの関係にあった韓国の朴チョンヒ、全斗煥政権&台湾の蒋介石政権」も否定できるわけです。


反捕鯨団体東京五輪を標的に 「ザ・コーヴ」第2段でサイバー攻撃強まる恐れ 
http://www.sankei.com/west/news/180204/wst1802040011-n1.html
 「ザ・コーヴ」制作者がサイバー攻撃を扇動してるかのようなこの記事タイトルは誹謗中傷だと非難されても文句は言えないでしょう。
 むしろ産経の記事が極右テロを扇動してるとでも書いた方が事実に合致してるでしょう。


■産経『小学校で日本軍の加害性強調する「15年戦争」授業 日教組教研集会で報告』
http://www.sankei.com/life/news/180204/lif1802040013-n1.html
 「加害を強調」も何も実際に残虐行為をしてるわけですからねえ。かつ「強調してる」という割には何をどう強調してるのか全く具体性がないので説得力皆無です。

 15年戦争という用語は、満州事変から大戦終結まで戦闘行為の継続性が認められないため一般的ではなく

 「嘘も大概にしろ」ですね。もちろん継続性、つながりはあるし、用語としても一般的です。
 もちろん「1931年の満州事変から1945年の敗戦まで、蒋介石との和平による終戦の可能性がなかったか、日本軍は一路戦争に突き進んでいったのか」といえばそんなことはないですが、別に15年戦争論は「1931年の満州事変が必然的に1945年の敗戦を招いた」といってるわけでもない。

 郷土愛を育む授業への批判も相次いだ。千葉県の小学校男性教員は地元のインフラ整備などに尽力した偉人*6を取り上げ、児童の郷土への誇りと愛情をはぐくんだ授業実践を報告したが、複数の教員から「突き詰めていくと現状を肯定する危険性がある」「社会の矛盾や格差、搾取、支配者の狙いなども気づかせるべきだ」といった授業手法への否定的な声が相次いだ。

 産経記事を読むだけでも「否定ではなく批判」ですが産経にとって「否定と批判」の区別ができないようです。誰も「偉人のプラス面を教えるな」といってるのではなく「教えるべきマイナス面がないか?。マイナス面も教えないと教育上問題ではないか?」と指摘しているだけです。

 幕末に関する授業を報告した佐賀県の中学校男性教員は、明治150年の祝賀ムード*7について「『明治維新は素晴らしかった』と刷り込まれてしまう」と苦言を呈した。

 そりゃあ今時単純な明治維新美化なんて適切ではないでしょう。佐賀で言えば「江藤新平*8大隈重信*9」などといった「佐賀の偉人を褒め称えて終わり」つうのではまずすぎるわけです。


■産経【日曜経済講座】中国の「改革・開放」路線40年 牙を剥いたトウ小平*10の野望 上海支局長 河崎真澄
http://www.sankei.com/premium/news/180204/prm1802040019-n1.html

 日米欧など国際社会が中国の改革・開放を官民挙げて支援したのは、安価で豊富な労働力の活用や、将来的に巨大な輸出市場として有望だ、といった打算があったのは間違いない。

 まあそういうことですね。
 「発展途上国だった中国への人道精神」「(日本の場合)侵略への贖罪意識」などがないとはいいませんが。
 そして中国が経済発展した今、労働力は「東南アジアなどと比較して」もはや安価ではありませんが、「巨大な輸出市場として有望」ということは今も変わりません。

00年のWTO加盟が実現しても、国際社会との強い結びつきを生むはずの08年の北京五輪や10年の上海万博を開催しても、国際協調には逆行。

というほど中国が国際協調に反してる事実はないでしょう。もちろん人権面で一定の問題はありますが、それはアジア、アフリカの国々では珍しくもない。

 トウ小平が改革・開放路線にあたって説いたとされる「韜光養晦(とうこうようかい)」も根底にあったためだろう。
 すなわち経済力や軍事力をつけて世界を凌駕する時が来るまでは低姿勢で爪を隠せ、との外交戦略を意味する。その先には、経済力や軍事力が備わったら世界を凌駕せよ*11、との暗黙の野望が働く。

 いや「凌駕せよ」という話ではなく「凌駕できるまではとにかく経済発展最優先だ、そのためには余計なもめ事は避けるべきだ」ということで「経済発展を何よりもトウが最優先したかっただけ」のことでしょう。
 「凌駕できるようになったらどうするのか」についてトウは「捕らぬ狸の皮算用をしても意味が無い」「凌駕してから考えればいい」「凌駕する前にそんなこと言ったら韜光養晦にならない」ということで何も言わずに棚上げしたわけです。
 まあこういうトウのような考えは別に不思議でもない。日本の明治維新での「征韓論反対」なんかはトウのような「もめ事を避ける考え」でしょう。
 ただ、ウィキペ「韜光養晦」にも書いてありますが、そのトウでも

・香港(1997年に英国から返還)、マカオ(1999年にポルトガルから返還)の問題
・台湾問題(「一つの中国」の立場を堅持)
天安門事件(1989年)での対応など民主化問題
チベットウイグルの民族問題

など「欧米ともめることが不可避と判断したこと(余計なもめ事ではないと判断したこと)」ではもめることを辞さないわけです。
 ダライ・ラマが1989年にノーベル平和賞をもらおうともそうそう簡単に対話路線に移行したりしない。
 なお、「世界を凌駕しよう」とは考えてないでしょうが「いつまでも韜光養晦の時代じゃない」という判断を習近平*12がし、「AIIB」「一帯一路」などを打ち出してるのは確かに事実でしょう。

*1:菅内閣で厚労副大臣

*2:『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制 黒い報告書』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)など非常識右翼著書多数

*3:2018年、PHP新書

*4:著書『満州唱歌よ、もう一度』(2003年、扶桑社)、『野口健が聞いた英霊の声なき声:戦没者遺骨収集のいま』(2009年、産経新聞出版)、『北朝鮮に消えた歌声:永田絃次郎の生涯』(2011年、新潮社)、『日本から男の子を育てる場所が消えていく:ボーイスカウトの凋落が日本をダメにした!』(2011年、主婦の友新書)、『旧制高校:真のエリートのつくり方』(2013年、産経新聞出版)、『アキとカズ:遥かなる祖国』(2015年、集広舎)、『「イムジン河」物語』(2016年、アルファベータブックス)、『満洲化物語』(2017年、集広舎)

*5:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*6:誰のことか名前ぐらい書いたらどうなんですかね。

*7:そんなに祝賀ムードがあるとも思いませんが。

*8:参議、司法卿を歴任。佐賀の乱により死刑に処されている。

*9:早稲田大学創立者。参議(大蔵卿兼務)、第1次伊藤、黒田、第2次松方内閣外相、首相など歴任

*10:党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長などを経て党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*11:むしろこうした「凌駕できるようになったと思って暴走」てポーランド侵攻したナチスドイツや真珠湾攻撃した戦前日本に該当すると思いますが。

*12:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席