今日の産経ニュース(4/9分)(追記・修正あり)

■抑留の114人銃殺判決 旧ソ連、研究者が発表
http://www.sankei.com/world/news/180409/wor1804090037-n1.html

 成蹊大の富田武*1名誉教授(日ソ関係史)は9日、東京都内で記者会見し、終戦後に旧ソ連に抑留中、軍事法廷で銃殺刑判決を受けたとされる日本人114人分*2のリストを発表した。ロシアの公文書館で見つけた書類などを基に作成*3したという。
 富田氏は「(前略)国の責任で遺族に最期を伝えるべきだ」と指摘した。
 厚生労働省の担当者は「身元特定は、ロシア政府から正式に提供された資料に基づき進めている。リストについては、既に把握している情報と照合するとともに、外交ルートを通じてロシア側に資料提供を求めたい」としている。

 ソ連が崩壊したから明るみに出たんでしょう。とはいえ、「富田氏のような研究者」がコツコツと調査したことによって明らかになったわけです。誰も何もしなかったら何も明るみにならない。
 まあ、北朝鮮の拉致も「旧ソ連崩壊みたいなこと」でもないと全容はなかなか明るみにならないでしょう。特に「抑留の114人銃殺判決」みたいなことを仮に拉致被害者相手にやっていたとしたらなおさらです(やってるか解りませんしやってないことを望みますが)。
 いや「ソ連崩壊みたいなこと」があってもどこまで明るみになるか。韓国なんか民主化しても「金大中事件についての朴チョンヒの関与」については解らないところが多いんじゃないか。
 とはいえ救う会のような「拉致の全容が明るみになるために北朝鮮打倒」なんて非現実的な与太飛ばすわけにも行かないし、まあ当面は「交渉で一人でも二人でも生きてる人間がいれば返してもらう」「一人でも二人でも消息を明らかにしてもらう」つう現実主義しかないでしょう。
 ソ連健在時はシベリア抑留問題について日本はそういう現実的態度でソ連相手にやってきたわけですし。


■10〜20代、「車買いたくない」5割超、レンタルやシェアに関心
http://www.sankei.com/economy/news/180409/ecn1804090028-n1.html
 小生のような田舎者(埼玉県民)だと「ショッピングモールが駅前にない(郊外の自動車でないと行けないようなところにある)」「そもそも廃線が相次いでて電車やバスがない」などで自動車がないと不便ですが、まあ、都会ならそうでもないでしょう。
 「旅行でレンタカー借りればいい」みたいな話になる。
 大体、自動車の場合、自動車購入費だけでなく、駐車場代、ガソリン代、「車検などの維持費用」、税金など諸々考えればかなり費用負担がでかい。当然、車を買う場合も家族がいなければ「軽自動車」「コンパクトカー」となるのも自然でしょう。あるいは家族がいるので大型車を買う場合も「新中古車」になる。


対馬放火殺人で検察側控訴 無期判決に不服
http://www.sankei.com/west/news/180409/wst1804090068-n1.html
 免田事件、財田川事件(再審無罪判決が出た死刑えん罪事件)、袴田事件名張毒葡萄酒事件(再審無罪判決は出ていないが、えん罪の疑いが強い死刑判決事件)、足利事件(死刑判決が出てもおかしくなかった再審無罪判決が出た死刑えん罪事件)など、「世界に誇れる死刑えん罪の歴史を持つ日本警察・検察(皮肉のつもり)」ですので

 長崎地検は9日、無期懲役とした3月の長崎地裁判決を不服として控訴した。検察側は死刑を求刑していた。
 地検は控訴理由を明らかにしていない。被告側は無罪を主張し、既に控訴している。

という記事を読むだけで「裁判判決や検察、弁護側の主張を精査したわけではなく」、つまり「根拠レス」で恐縮ですが、「本当に大丈夫なのか」「またえん罪と違うのか?」「無期でええやん」という恐怖感を感じずにはいられません(まあそういう意味で俺は死刑廃止派です)。
 偏見と言われようとも俺は「免田事件、財田川事件」などをやらかした日本の検察を全く信用していません。俺のような「検察に不信感を持つ人間」に「検察なんてかけらも信用してねえよ、ゲラゲラ」と馬鹿にされたくなかったら検察や法務省はもう少しえん罪問題についてきちんと反省すべきでしょう。まあ、あまり期待していませんが。


■【外交安保取材】政府の慰安婦「強制連行」答弁動かした民間の力(政治部 田北真樹子)
http://www.sankei.com/premium/news/180409/prm1804090005-n1.html
 もちろん「産経らウヨも本当は解ってる」でしょうが、この話は「単に首相が河野談話を否定したがってる安倍だから」つう話に過ぎません。
 谷垣*4総理ならおそらくこういう事態になってない。
 さすがに安倍が首相を辞めればポスト安倍が石破*5でアレ、石原*6でアレ、岸田*7でアレ、誰でアレ、慰安婦問題では「日本外交の無茶苦茶な方向」に一定の修正がかかるでしょう。それがわかってるからこそ産経らウヨは加計森友のような不正すら容認し、詭弁で安倍をかばうわけです。
 そもそも安倍の命令で無茶苦茶なことを外務省がやればやるほど、日本の国際的評判は落ちていくだけです。産経の言う「歴史戦での勝利」なんてことは絶対にありません。

 政府代表団として(ボーガス注:国連)女子差別撤廃委員会に出席した杉山氏の答弁は、慰安婦の「強制連行」を裏付ける資料はなく*8、強制連行説は「慰安婦狩り」に関わったとする吉田清治氏(故人)による「捏造(ねつぞう)」で、朝日新聞が吉田氏の本を大きく報じたことが「国際社会にも大きな影響を与えた」という内容だった。

 杉山がやったことは佐川と全く同じ虚偽答弁です。
 以前も書きましたが今時吉田証言など誰も根拠にはしていません。また吉田証言が信用されていた時代ですら彼の証言は「彼が慰安婦徴用に従事したという済州島限定」です。一方、今やフィリピン、インドネシア、台湾などにも慰安婦がいたことが解ってますし、その場合の根拠は当然ながら吉田証言ではない。
 もちろんこうした虚偽答弁は安倍の命令でしょうし「佐川同様」杉山も本気ではないでしょう。安倍にへいこらしてるだけの話です。
 佐川が森友虚偽答弁で「理財局長から国税庁長官に出世した」ように、杉山も「慰安婦問題は朝日ガー、吉田清治ガー」という虚偽答弁*9で「外務審議官から事務次官に出世し、今は駐米大使」です。一方、安倍に敵視された田中均氏は「外務審議官から外務省退官に追い込まれた」わけです。
 安倍によって財務省や外務省といった役所が大きくゆがめられたと言っていいでしょう。こうした事態を助長したのが横田夫妻、飯塚会長、増元元事務局長ら家族会のバカどもです。しかもそこまで安倍を持ち上げても何ら拉致解決に役立ってないのだから、心底呆れます。俺は家族会には怒りや憎悪、軽蔑と言ったネガティブな感情しかありません。


安倍晋三首相、9条改憲案「世論調査でなく国民投票に付すことが国民の声を聴くことだ」
http://www.sankei.com/politics/news/180409/plt1804090017-n1.html
 とにかく何が何でも国民投票に持って行きたいという安倍の思いは伝わります。
 「何が何でも都構想住民投票にもちこんで御用マスコミで宣伝すれば僅差でも勝てる(橋下)」つうのりなのでしょう(ただし橋下が敗北したように安倍が勝てる保証はありませんが)。しかし森友加計問題での批判を無視してこうした態度をとり続けるあたり、「悪い意味で」さすが安倍らしい、さすが産経らしい。

 仮に改正案が否決されても「自衛隊の合憲性は揺るがない」との見解も示した。

 言ってること無茶苦茶ですね。「自衛隊の合憲性は揺るがない」のなら「自衛隊の合憲性を明確化するため」という口実の改憲など最初からする必要がないでしょう。


安倍晋三首相、北への経済制裁「非核化の意思示すまで進める」 共産・志位和夫*10委員長と会談
http://www.sankei.com/politics/news/180409/plt1804090018-n1.html
 会談と言っても親しく懇談したわけではなく、「志位氏の要請文を安倍が受け取り多少言葉を交わした」程度のようですが、あの反共の安倍がこうした態度とはびっくりです。「受け取る」にせよ、「二階幹事長や河野外相、菅官房長官に対応させる」かと思ってました。まさか安倍もこの程度で共産党が懐柔できるとも思ってないでしょうが「支持率低下」を前に「必要以上に野党ともめない」スタンスになってるのでしょうね。まあ、所詮安倍ですのでいつこうした路線が「安倍が我慢しきれずに野党に敵対的な態度を無意味にとること」で崩壊しても驚きませんが。
 なお志位氏が

http://www.jcp.or.jp/web_policy/2018/04/post-780.html
 北朝鮮が非核化の意思を表明し、それに向けた行動をとるまでは、国際社会が行っている北朝鮮に対する経済制裁は継続されるべきです。

としていることには俺個人は賛同しがたいですね。まあ、「非核化の意思を表明し、それに向けた行動をとる」という志位発言が具体的に何を意味するかにもよりますが、正直、俺個人は「核開発のエスカレートがなければ核廃棄しなくても制裁は解除していい」つう考えですので。
 なお、志位氏が「国際社会が行っている北朝鮮に対する経済制裁」としている点に注意が必要でしょう。日本が行ってる制裁は必ずしも「国際社会が行っている北朝鮮に対する経済制裁」ではなく「いわゆる独自制裁」であり拉致問題が理由となってる*11ので、これはまた別の問題として扱うべき話です。

【追記】

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29169480Z00C18A4000000/
 外交問題で、安倍首相が共産党の要請を直接受けるのは初めてだという。森友学園の文書改ざんなどで共産党内閣総辞職を強く求める中での面会となり、官邸筋は「他の野党に対するけん制になる」と狙いを説明した。

 「はあ?」ですね。何の牽制でしょうか?。全くとんちんかんを言う「官邸筋」もいたもんです。
 むしろ志位氏から
「我々の主張に道理があるので、加計森友で支持率低下してることもあり安倍総理は我々に粗略な扱いができなかったのです!」
「我々の主張を安倍総理もある程度評価したと言うこと、つまり我々は決して北朝鮮シンパではないのだと言うことを改めてご理解頂きたい。残念ながら未だに「北朝鮮共産主義だから、日本共産党と友好関係にある」云々と誤解される方がいらっしゃる」
「もちろん北朝鮮問題で政府に要請することと、加計森友追及は全く関係ありません。我々は是々非々で動いている。小泉政権についても靖国参拝イラク派兵、郵政民営化などは批判したが小泉訪朝は評価していました。加計森友は今まで通り当然追及します。そういう勘違いを安倍政権がしてるのなら間違っています」と宣伝に使われるんじゃないですかね?

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-10/2018041001_01_1.html
 会談には日本共産党小池晃*12書記局長、穀田恵二国対委員長自民党二階俊博幹事長、森山裕*13国対委員長松本純*14国対委員長代理、西村康稔官房副長官が同席しました。

 珍しく安倍自民も共産党を厚遇(?)したもんです。しかし「外交問題」なのに、河野外相や岸田前外相(政調会長)がいないのは実に謎です。


■中国・李克強*15首相と河野洋平*16衆院議長会談 経済通じ関係改善確認へ
http://www.sankei.com/world/news/180409/wor1804090019-n1.html
 河野氏個人の動きなのか、それとも安倍政権の要請で動いてるのかによって評価は変わりますが、仮に安倍政権の要請だとしても「元外相という大物政治家」「日本国際貿易促進協会会長という親中派の大物」とはいえ政治家を引退した人間を担ぎ出すとは情けない話です。


■【森友文書】二階俊博*17幹事長 「責任あるべき人には責任をとってもらう気構えで」
http://www.sankei.com/politics/news/180409/plt1804090014-n1.html
 「責任あるべき人には責任をとってもらう」とは一体何のことなのか、具体的にいえないあたりが全くだめですね。
 「財務官僚」と言って「官僚に全て押しつける気か!」と世論に批判されたくないが「安倍*18首相、麻生*19財務相」などといった具体名を出さない「政治家にも責任をとってもらう必要があるかもしれない」レベルですら、安倍や麻生が怖くていえないのでしょう。


■【監督電撃解任柳本晶一氏(元バレーボール全日本女子チーム監督) 「奮起のきっかけ、活躍の可能性信じたい」
http://www.sankei.com/life/news/180409/lif1804090022-n1.html
■【監督電撃解任】小林至氏(江戸川大教授、元福岡ソフトバンクホークス取締役)「刺激必要、登用失敗の責任認め反省生かして」
http://www.sankei.com/sports/news/180409/spo1804090055-n1.html
 インタビューする方も非常識なら答える方も非常識でしょう。サッカー素人に何が解るのか。


■【サッカー日本代表ハリルホジッチ*20監督解任へ 9日に協会が緊急会見
http://www.sankei.com/west/news/180409/wst1804090007-n1.html
 絶対に解任するな、とまではいいませんが本戦2か月前に解任は無茶でしょう。「なぜもっと早く解任できなかったのか」「むしろこのまま続けさせるべきではないのか」「後任は決まってるのか(追記:西野朗*21だそうです)」といった疑問、批判は当然出てきます。

*1:著書『スターリニズムの統治構造:1930年代ソ連の政策決定と国民統合』(1996年、岩波書店)、『戦間期の日ソ関係 1917〜1937』(2010年、岩波書店)、『シベリア抑留者たちの戦後:冷戦下の世論と運動 1945〜56年』(2013年、人文書院)、『シベリア抑留』(2016年、中公新書)、『日本人記者の観た赤いロシア』(2017年、岩波現代全書)など

*2:ブハーリンらの粛清裁判が横行したスターリン時代」ですので、全ての銃殺刑が正当だとはおそらくいえないでしょうが、精査しないと「全てが不当だ」ともいえないでしょう。旧ソ連以外の戦犯裁判(軍事裁判)でも「本間雅晴」「山下奉文」(以上、マニラ軍事裁判)など、死刑判決はでていますのでね。しかしこうしてみると「日本人捕虜をあらかた生かして返した(例の中国帰還者連絡会ですね)」という中国は実に寛大だったといえるでしょう。

*3:まあ全くのでたらめつうことはないでしょうが個人作成なので当然ミスはありうるでしょう。「国の責任で」と富田氏がいう理由の一つはそれでしょう。富田氏個人が責任負える話じゃないわけです。

*4:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣環境相自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*5:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*6:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*7:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相などを経て自民党政調会長

*8:そんなことはありません。「強制連行」が「暴力的連行限定」の場合ですら「日本の強制連行を裏付ける史料」はあります。強制連行を「意思を無視した連行なら暴力的連行でなく騙しでも強制連行」と考えればもちろん裏付ける史料はもっと増えます。なお、「慰安婦では強制連行を暴力的連行に限定したがる産経」が北朝鮮拉致問題では「騙されたにせよ自分から訪朝した有本恵子」を拉致認定するのは端的に言ってご都合主義のダブスタです。慰安婦での産経の立場ならば拉致は「横田めぐみ」のような暴力的連行に限定されるはずです。

*9:ただし国連側はこんなもん評価せず、ただただ杉山に呆れただけでしょうが。もちろん慰安婦や支援団体、韓国政府やマイク・ホンダ氏、吉見義明氏など関係各位が「佐川並みの愚行」を実行した杉山に呆れ憤激したことも言うまでもないでしょう。

*10:共産党書記局長などを経て委員長

*11:俺個人は過去にも書きましたが「拉致解決を口実とした制裁」など全く馬鹿げてると思っています。小泉訪朝時のようなバーター取引の表明(国交正常化時の経済支援など)でしか拉致問題は解決しないでしょう。

*12:党政策委員長、副委員長などを経て書記局長

*13:第3次安倍内閣農水相

*14:麻生内閣官房副長官、第三次安倍内閣国家公安委員長など歴任

*15:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*16:中曽根内閣科学技術庁長官、宮澤内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*17:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て幹事長

*18:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*19:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*20:ユーゴスラビア代表選手。コートジボワール代表監督(2008〜2010年)、アルジェリア代表監督(2011〜2014年)などを経て日本代表監督(2015〜2018年)

*21:アトランタ五輪代表監督(1996年)、柏レイソル監督(1998〜2001年)、ガンバ大阪監督(2002〜2011年)、ヴィッセル神戸監督(2012年)、名古屋グランパス監督(2014〜2015年)などを歴任