今日の産経ニュース(4/14分)(追記・修正あり)

■【自民党総裁選】自民・岸田文雄政調会長広島県連会長を退任 総裁選の対策強化?
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140023-n1.html
 「地元対策から足を洗い、総裁選対応に全力投球したい」つう産経の読みが事実なら「安倍から距離を置く自民党有力政治家がまた一人現れた」ということで大変いいことです。

 岸田氏は会合後、記者団に、総裁選について「まずは政治の信頼回復に取り組んでいくとき。(対応は)その後考える」と明言を避けた。財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題などで防戦が続く安倍晋三政権には「国民の厳しい目に応えるべく、しっかり取り組んでもらいたい」と注文を付けた。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画に関し、野党が求める柳瀬唯夫元首相秘書官の国会招致は「真相解明に必要ならば検討すべきでないか」と述べ、容認する考えを示した。

 いずれにせよ「加計森友なんか安倍と麻生の疑惑じゃん、俺関係ねえよ、つうか党の問題つうより奴らの個人的な問題じゃん」が岸田氏の考えのようで大変いいことです。石破や石原は当初から安倍にこの件では批判的でしたが、岸田氏もそうした方向に動きつつあるようです。


■【自民党総裁選】「安倍晋三首相の3選難しい」 小泉純一郎*1元首相が批判 「信頼なくしている」
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140021-n1.html
■【自民党総裁選】小泉純一郎元首相が「安倍3選難しい」と断言するワケとは やりとり詳報
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140028-n1.html

http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140028-n1.html
記者
 学校法人「加計学園」問題では、愛媛県関係者と柳瀬唯夫元首相秘書官が首相官邸で面会していたという記録文書が、ないと言っていたものが、政府側で見つかった。どちらかがうそをついている状況だが、ここもかなり問題になっている
小泉
 記録と記憶ね、(ボーガス注:記憶力が衰退するとなくなってしまう記憶より、捏造や事実誤認がない限り)記録のほうが正確だと思っている人が圧倒的に多いと思うけどね。記憶にないということは人間ありますよ。でも、記録残っちゃっているんだからね。これはどっちがうそをついているかは、大体、みんな想像しちゃうよね。早く本当のことを言え、と。
(中略)
 私も記憶悪くなってきたから、しょっちゅう忘れるけど、記録残っているっていうのは、自分はこんなことを言ったというよりも、こんなことが残っているというと、そっちを信用せざるをえないだろうな。
記者
 安倍政権の体質はどうか
小泉
 佐川(宣寿前国税庁)長官の(ボーガス注:懲戒処分の)ときに質問で、『この人事はどうなんだ』となったときに、国会で安倍総理も『この佐川長官の人事は適材適所だ』と言った。『そりゃないだろう』とみんな思った。麻生太郎副総理兼財務相もそうだよな。適材適所。じゃ、なんで懲戒処分するの。適材適所の人物を懲戒処分なんかするわけないでしょ。言葉がね、言い逃れなんだよな
(中略)
 (ボーガス注:昭恵夫人が)名誉学長*2とか、あいさつまでして、(ボーガス注:森友に)関係していないなんて言えない

 小泉氏が言うまでもなく常識のある人間はそう思うでしょう。
 とはいえ(引用は省略しますが)後半で「日報に戦闘という文字があるが首相時代の答弁「非戦闘地域」をどう思うか」という質問について「私はそういう報告を当時受けてないから、非戦闘地域だと思った。詳しいことがわからないと現時点ではなんともいえない」と言い逃れしてるのは「詭弁が酷い点ではあんたも安倍と変わらんだろ(加計森友ほど酷くはないが)」と思いますね。


■「開拓の父」佐賀藩出身の開拓判官、島義勇 札幌で顕彰祭 佐賀県山口祥義知事「地元でも偉業伝えたい」
http://www.sankei.com/life/news/180414/lif1804140028-n1.html
 少なくとも知事など公人が出席する行事を神社でやるのは「政教分離上問題がある」からやめるべきでしょう。そもそも神主でもない島の顕彰を神社でやる必要性もないでしょう。

参考

島義勇(ウィキペ参照)
 開拓使判官として、札幌市の都市開発に関わり、「北海道開拓の父」と呼ばれる。いわゆる「佐賀の七賢人」の一人(島以外は江藤新平大隈重信*3大木喬任*4佐野常民*5副島種臣*6鍋島直正(閑叟)*7)。江藤新平*8と共に佐賀の乱を起こすが敗れ、江藤と共に死刑となった。


■【ソウルからヨボセヨ】「日本には素晴らしい民主主義はない」韓国に学べ?
http://www.sankei.com/column/news/180414/clm1804140006-n1.html
 韓国は国政を私物化した朴クネを葬り、一方日本は国政を私物化した安倍を未だに総理の座につけてるのだからそういう皮肉を言われても仕方ないでしょう。


■【目線〜読者から】加計文書「『首相案件』と書かれたメモ、それがどうかしたのか」(4月4〜12日)
http://www.sankei.com/column/news/180414/clm1804140004-n1.html
 産経読者らしいですね。「それがどうかしたのか」ですむ話ではないですが、常識が著しく欠けてるのでしょう。


■【シリア情勢】共産党志位和夫委員長「国連憲章国際法を踏みにじる行為」
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140013-n1.html
 「アンチアサドは絶対の正義だから、軍事攻撃によるアサド政権転覆でも何でも許される(シリア版巣くう会)」&「反共主義ウヨ」の「常岡とその類友(例:高世仁や黒井文太郎)」は志位氏を「アサドシンパ」云々などと誹謗するのでしょうが、もちろん志位氏が問題にしてるのは「安保理決議なしでの軍事行動は適切でない」であって「アサドが化学兵器を使用していない」とか「使用していても問題ない」とか主張してるわけではありません。
 なお、今回攻撃した米英ですら「化学兵器の使用を阻止した」だけであり、「常岡とその類友(例:高世仁や黒井文太郎)」のようなアサド政権転覆は主張していないし、実際しないであろうことを一応指摘しておきます。


■【シリア攻撃】自民・森山*9国対委員長「森友・加計も大事だが、国会は世界の状況をしっかり考えるべきだ」
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140010-n1.html
 おいおいですね。「安倍が退陣し、刑事罰を受ければいいだけの話だろうが」と思うのは俺だけではないでしょう。そもそもシリア問題にどう対応するかと加計森友と全く関係ありません。
 なお、安倍を擁護する森山ですら「森友・加計も大事」といわざるをえないわけです。「どうでもいい問題」とはさすがにいえないわけです。


■【加計学園問題】柳瀬氏再び面会否定「コメントした通り」 加計文書、農水省で発見
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140008-n1.html
 安倍の命令で否定せざるを得ないのでしょうが、「首相案件発言」どころか、面会自体を否定したのは結果的には失敗でしたね。常識的に考えて「会ってないのに会ったという文書が二つの役所から出る」なんてことはありえないからです。
 しかも「文書において会ったとされる時期には私には別の用務があった、アリバイがある」というならまだしも「記憶にございません」では話になりません。


■【加計学園問題】「首相案件」独り歩きに「ばかばかしい漫画」加戸守行・前愛媛県知事が痛烈批判
http://www.sankei.com/politics/news/180414/plt1804140003-n1.html
 そもそも加戸は客観中立な第三者ではなく、当事者ですし、疑惑発覚後、ずーっと安倍を擁護してきました。そんな男がこんなことを言う方がよほどマンガでしょう。だからこそ産経くらいしか加戸発言は取り上げない。安倍や自民党にとってももはや「加戸は黙ってろ」じゃないか。


■安倍首相が大阪都構想に否定的 住民投票「しょっちゅうやるものとは違う」
http://www.sankei.com/west/news/180414/wst1804140012-n1.html
 言ってることは正論でしょうが意外です。
 「また住民投票で維新が敗北したら、維新の政治力がさらに衰退し、維新が俺のコバンザメとして動けなくなって、俺の立場がもっと悪くなる」つう判断でしょうか?。


■松井氏*10「党への配慮当たり前」 大阪都構想めぐる首相発言で
http://www.sankei.com/west/news/180414/wst1804140065-n1.html
 完全な強がり、虚勢ですね。安倍が維新に好意的なら、そのあたりは適当にごまかすでしょう。
 というか本来、安倍が何を言おうと「維新の党首=安倍」ではないのだからどうでもいい話の「はず」ですが、今の維新は安倍にすり寄るコバンザメだからこうなるわけです。


■【主張】森友問題と財務省 目に余る緩みをどう正す
http://www.sankei.com/column/news/180414/clm1804140002-n1.html
 まあ産経らしい詭弁です。防衛省の日報隠蔽なら「隠したんじゃない、紛失したのが見つかっただけだ、紛失したのは気の緩みだ」といえるかもしれない(もちろんこれだって安倍の命令による故意の隠蔽でしょうが)。
 「公文書改竄」「ありもしないゴミ撤去費用のでっち上げによる国有地たたき売り(背任の疑い濃厚)」なんて故意犯をどう理解したら気の緩みになるのか。ましてや状況証拠から「安倍の命令による犯罪」の疑いが濃厚なわけです。

「最強官庁」と呼ばれてきたことが不思議なほどの体たらくである。

 そりゃ最強官庁だろうが首相に命令されれば従うほかはないでしょう。
 まあ、安倍ほど無茶でないにせよ、また命令先は財務省ではないにせよ「田中総理の犯罪」ロッキード事件はそういうことです。そして田中が「池田*11内閣蔵相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤*12内閣通産相などを経て首相」を務めるほどの大物政治家であったが故に、ロッキード事件は起訴したものの、立花隆の田中金脈研究で暴かれた「ペーパーカンパニーを使った田中の脱税行為」をついに国税庁検察庁も「過失犯扱いし」、しかも田中の関与は認めず、秘書のみを微罪で裁いたに過ぎませんでした。
 性格がいろいろ違うとはいえ「明らかな犯罪行為を国家権力が権力者に忖度しまともに裁かなかった」「組織ぐるみの犯行と言うより政治家個人の犯行」という意味では加計森友は「田中の脱税事件」に近いかもしれません。

 責任者は麻生太郎*13副総理兼財務相である。首相も務めた人物だ。政治家としての命運をかけ、たがを締め直してもらいたい。

 しかし「政府としての責任者・安倍」「麻生の任命権者・安倍」については何一つ批判的なことは書かない産経です。まあ、この麻生への批判も「辞任を明確に要求しないあたり」野党に比べたらぬるいですが、産経も「安倍を守るため麻生は切って捨てること」は既に考えてるのかもしれません。

 森友関連の文書改竄(かいざん)で、国会の証人喚問を受けた佐川宣寿前国税庁長官についても、麻生氏は3月に辞任させるまで擁護を続けた。結果的に財務省への不信を増幅させたのである。

 何も麻生一人の責任ではなく、安倍*14首相、二階*15幹事長も「麻生の佐川擁護」を支持し、むしろ批判していたのは石破*16元幹事長や石原*17元幹事長と言った「安倍に干されてる連中」のわけですが麻生一人に悪口する産経です。
 つうか「財務省への不信を増幅させた」しか書かないなんてどういう気でしょうか。安倍政権や自民党に対する不信はないとでもいう気か?。そしてそもそも当初喚問拒否する自民党を公然と支持、擁護していたのが産経ではないのか。

 ごみの撤去費を過大に見積もった疑惑を含めて早急に実態を明らかにすべきだ。

 実態を明らかにしたら安倍辞任は避けられないし「実態を明らかにするための昭恵喚問」に反対しているのが産経なのによくも言ったもんです。

麻生氏は派閥の会合で「引き続きど真ん中で政権を支える」と語った。その前にやるべきことがあるのは、言うまでもない。

 そもそもこの件は「一財務省の疑惑」ではなく「首相の疑惑」なのだから麻生一人に悪口する産経は明らかに変です。


参考

■田中金脈問題(ウィキペ参照)
 1974年に起きた日本の政治スキャンダル。これがきっかけとなり、内閣総理大臣田中角栄が辞職するに至った。
 1974年10月9日に発売された雑誌『文藝春秋』11月号で田中角栄に関する特集が組まれた。立花隆*18の「田中角栄研究:その金脈と人脈」は1969年から1970年にかけて田中ファミリー企業群が信濃川河川敷における約4億円で買収した土地が直後に建設省の工事によって時価数百億円となった信濃川河川敷問題等の資産形成を暴いた。
 発表当初、田中首相は記者会見にも応ぜず、ノーコメントで通していたが、10月13日発売の『ニューズウィーク』、10月17日付け『ボルチモアサン』、10月19日付の『ワシントン・ポスト』など欧米メディアが金脈問題を紹介し、反響は日本国内よりも外国で注目された。10月22日に田中首相が丸の内プレスクラブでおこなった外国人記者会見では、詰めかけた300人の内外の記者は、金脈問題を集中的に質問した。記者の質問に田中首相は釈明を繰り返したが、翌朝各紙のトップ記事になると国内でも政治問題として広く注目されるようになり、内閣支持率が低下した。田中首相は11月11日に内閣改造して改造内閣で乗り切ろうとするも、野党が金脈問題追及のために秘書で愛人の佐藤昭を含めた田中人脈に連なる者たちの国会招致を求めるようになったことで政権維持を断念。11月26日に「私個人の問題で、世間の誤解を招いたことは公人として不明、不徳のいたすところ」「私は国政の最高責任者として政治的、道義的責任を痛感しております」と竹下登*19官房長官田中首相の言葉を代読する形で退陣を表明し、12月9日に内閣総辞職をした。
 国会では田中ファミリー企業群の1つ「新星企業」が免許切れにもかかわらず不動産取引を行っている問題が取り上げられ、警視庁・東京地検特捜部が捜査に乗り出した。1975年6月23日に新星企業幹部1人が宅地建物取引業法違反と商法の特別背任罪で、法人「新星企業」と新星企業幹部1人が宅地建物取引業法違反でそれぞれ起訴された。12月12日に新星企業幹部1人に懲役1年6ヶ月 ・執行猶予2年及び罰金30万円、法人「新星企業」と新星企業幹部1人に罰金30万円の有罪判決が下り、確定した。この裁判において、田中角栄との繋がりは、初公判における検察の冒頭陳述で新星企業の株主として田中角栄の名前があることが一度出ただけであった。

*1:宮澤内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*2:原文のまま。校長が正しい

*3:早稲田大学創立者。大蔵卿、第1次伊藤、黒田、第2次松方内閣外相、第2次松方内閣農商務相、首相など歴任

*4:司法卿、文部卿、第1次松方内閣文相、枢密院議長など歴任

*5:日本赤十字社創始者。大蔵卿、第1次松方内閣農商務相など歴任

*6:外務卿、枢密院副議長、第1次松方内閣内務相など歴任

*7:佐賀藩

*8:参議、司法卿を歴任

*9:第3次安倍内閣農水相

*10:大阪府知事、維新の会代表

*11:吉田、石橋、岸内閣蔵相、吉田、岸内閣通産相などを経て首相

*12:吉田内閣建設相、郵政相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*13:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第1次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*14:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*15:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て幹事長

*16:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*17:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*18:「政治と金」関係の著書として『田中角栄研究全記録(上) (下)』(1982年、講談社文庫)、『田中角栄新金脈研究』(1985年、朝日文庫)、『ロッキード裁判とその時代(1)〜(4)』、『ロッキード裁判批判を斬る(1)〜(3)』(1994年、朝日文庫)、『巨悪vs言論(上)(下):田中ロッキードから自民党分裂まで』(2003年、文春文庫)、『政治と情念:権力・カネ・女』(2005年、文春文庫)

*19:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相