今日の産経ニュース(5/27分)ほか(追記・修正あり)

■日経『「娘は日本を愛していた」 千葉女児殺害、公判を前に母親』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31023740X20C18A5CC1000/

 2017年3月に千葉県松戸市の小学3年、ベトナム国籍の女児が殺害された事件の公判が、6月4日から千葉地裁で始まる。
 「娘は日本を愛していた」。
 ベトナムに一時帰国中の母親が公判を前に日本経済新聞の単独取材に応じ、娘の思い出と癒えない悲しみを語った。日本の司法に対し「正義を守ってほしい」と訴えた。
(中略)
「最近も新潟で7歳の女の子が殺された。子供が犠牲になる事件が二度と起きないように厳罰で対処し、正義を守ってほしい」。
 6月12日には公判の法廷に立つ予定だという。

 経済誌の日経までも露骨に厳罰論(つうか死刑?)万歳ですか。
 「子供が犠牲になる事件が二度と起きないように厳罰で対処し、正義を守ってほしい」つうのが何を意味するか説明するまでもないでしょう。
 まあ、遺族の気持ちはわかりますが、それマスコミが無批判に垂れ流していいのか。


【ここから産経です】
翁長雄志知事支持の「オール沖縄」事実上分裂 革新に不満、保守系が新組織設立
https://www.sankei.com/politics/news/180527/plt1805270028-n1.html
 もちろんこうした事態は基地反対派にとって望ましいもんではありません。
 ただし、翁長氏自身は同調してないこと、全ての保守系がこうした動きに走ってるわけでもないことも一方では指摘しておくべきでしょう。与党内の「便乗主義者(オール沖縄に乗った方がお得)」が「名護市長選敗北や翁長氏の病気*1」に浮き足立ってるに過ぎないわけです。
 そして現時点では「新組織設立」といったところで知事選で「自民、公明と手を組むのか」、はたまた「翁長でもない自民でもない、第三の候補」と言い出すのかも不明です。現時点ではまあ模様眺めですね。産経が言う程の危機では少なくともないでしょう。


■【加計学園問題】岸田文雄*2自民政調会長「政府は説明責任果たして」
https://www.sankei.com/politics/news/180527/plt1805270024-n1.html
 野党どころか石破と比べても発言がぬるいと思いますが、さすがに加計発言「愛媛県に嘘をついていた」をそのまんま鵜呑みにするような醜態はさらさないわけです。


■加計理事長の国会招致必要と自民・石破茂*3 「面会なかった」のコメント受け
https://www.sankei.com/west/news/180527/wst1805270032-n1.html
 まあ普通の人間なら「加計の発表が本当に正しいか、直接問いただしたい」としてそう言うでしょうね。
 石破は
1)世論調査によれば安倍批判派から自民総裁に最もふさわしい人に選出
2)安倍に今干されてる
わけですから安倍をかばう理由もありませんし。


■「いまなお憲法などの発言はありがたい」 中曽根康弘*4元首相100歳で石破茂元自民幹事長
https://www.sankei.com/politics/news/180527/plt1805270019-n1.html
 こういうことを言うウヨの石破など評価していませんがそれでも加計森友の安倍よりはマシだと思います。


■「3人以上出産」発言に「全国から賛同、激励が多数寄せられた」自民・加藤寛治*5衆院議員 長崎県連定期大会で
https://www.sankei.com/west/news/180527/wst1805270033-n1.html

 高校生になる孫の友人も発言に賛同したエピソードを挙げ「日本の将来もまだまだ明るい」と語った。

 謝罪した「はず」なのになんでこういうバカなことを言うのか。
 そもそも「全国から多数批判や非難の声もよせられた」し、こういう人権問題は「全国から支持する声があれば言っていい」つう話ではない。

 野田聖子*6女性活躍担当相が「そういうことを言って子どもが増えることは決してない」と指摘したことに対しては「当たってないのではないか」と反発した。

 野田をなめてるからこういうことがいえるんでしょうね。加藤を批判した人間が安倍*7首相や二階*8幹事長でも果たして同じ事がいえたかどうか。
 そうした態度自体がもちろん女性差別です。


■【主張】イラク日報の調査 「精強さ」増す契機とせよ
https://www.sankei.com/column/news/180527/clm1805270003-n1.html

ずさんな公文書管理

 どう見ても故意の隠蔽ですが「管理がずさんなだけだ」と言い張るつもりのようです。

 南スーダン派遣日報の隠蔽(いんぺい)問題とは異なり、今回の調査では、イラク日報をめぐる組織的隠蔽は「なかった」と結論づけた。

 南スーダンとの違いがわかりませんが「今回は隠蔽否定でごまかそう、ごまかせる」との判断でしょうか?

 日報は部隊行動の詳細が記される軍事文書だ。機微な情報は黒塗りをしたうえで公開されるが、自衛隊の行動類型は読み取れる。テロ勢力や敵対的な国の軍・情報機関が分析すれば、自衛隊の任務遂行や隊員の安全を損なう事態にもなりかねない。
 政府は、日報など自衛隊文書の一部を一般行政文書と異なる位置づけに改め、安易な公開は避けるべきだ。

 という詭弁で、自衛隊の活動に対する国会のチェックを封じようとする産経です。


■【主張】アメフット問題 日大は自ら真実の解明を
https://www.sankei.com/column/news/180527/clm1805270002-n1.html
 日大については「前監督の主張は信じられない」「監督を辞めても真相はあいまいで常務理事も辞めて織らず、問題は解決していない」という一方で加計森友では「首相を信じる」「佐川を処分した(からもう追及するな)」などといういつものご都合主義・産経です。

 監督を辞任した内田氏は常務理事(謹慎)として学内にとどまっており、(ボーガス注:常務理事より格下の「平の理事」に過ぎない)大塚学長よりも上位にある。アメフット部には現在も絶大な力を持ち、人事担当の学内トップとしても多くが大学職員であるコーチへのにらみが利く。
 選手やコーチが口を開くには、大きな障害である。日大はまず、(ボーガス注:内田氏を常務理事から更迭し)内田氏の影響力を排して真相の解明に当たるべきではないか。

 その理屈だと「安倍が首相(政権トップで人事権者)である限り」、官僚である佐川や柳瀬が「真実を語ることは難しい」し当然「佐川らの証言は信用できない」のですがね。
 日大を非難しながら、安倍擁護などと言う産経の屁理屈は所詮「屁理屈としてしか」成立しません。

 内田氏は問題の試合後、反則の指示を明確に認めていた。会見では「自分が悪役となって選手を救いたかった」と弁明したが、ここに至っての撤回は、選手より保身を優先させたということか。

 一応お断りしておけば「試合後、認めた」というのは「問題が騒がれるようになるずっと前」に「アメフト部関係者の証言によれば」です。
 内田自身は問題が騒がれるようになってからは、一貫して「そんな発言は一度もしてない」としています。にもかかわらず「試合後、反則の指示を明確に認めていた」と書く産経。安倍をかばう産経の理屈ならば、ここは「試合後、反則の指示を明確に認めていた」とは絶対に断定できないはずです(そうした疑惑があると書くのならともかく)。いつもながらでたらめな産経です。


アイルランドが中絶合法化へ 国民投票で賛成多数、バラッカー首相が年内の改憲方針を表明
https://www.sankei.com/world/news/180527/wor1805270006-n1.html

アイルランドで25日、原則として禁じられている人工妊娠中絶の合法化の是非を問う国民投票があり、開票作業が26日に行われた。英BBC放送によると、開票率64・8%で賛成が67・4%。有力地元メディアの出口調査では賛成が約70%と多数を占めており、賛成派のバラッカー首相は26日に「静かな革命が最高点に達した。国民は女性が自らの健康管理を選択し決断する権利について信頼と尊敬を持っている」と事実上の勝利宣言をし、年内に中絶を禁じた憲法を改正し、法整備を本格化させるとの方針を示した。
・近年は、保守的な気風が薄らぎ、95年の国民投票憲法の離婚禁止条項の削除が決まり、2015年の国民投票同性婚合法化に6割が賛成。昨年6月には、同性愛者を公言するバラッカー氏が首相に就任している。

 カトリックアイルランドの変化がすごいですね。「以前は離婚を禁止すらしていた」のに「日本の方がいつの間にか抜かれてる」ですね。果たして日本で同性愛者を公言する首相はいつ登場できるでしょうか?。
 いやそれ以前に現在でも同性愛を公言すること自体が未だにリスキーですが。
 こういうのを見ると「明日の天気は変えられないが明日の政治は変えられる」という言葉を実感します。ここまで来るにはいろいろと苦難の道もあったでしょうが関係者の労をねぎらいたい。
 まあ、記事によると「中絶したい人間は英国に行っていた」そうで、中絶については「中絶禁止が事実上形骸化していた」事も大きいのでしょうが。
 まあそれはともかく、こういう「必要性のある改憲」「国民の中にあまり異論のない改憲」なら誰も反対しません。「日本での九条護憲」とは「必要性がないと思うから改憲に反対してる(むしろ改憲したときの弊害が大きい)」だけで「中国が攻めてきてもいいのか」など産経らウヨが護憲派を誹謗するような話では全くないわけです。

*1:多分出馬するのでしょうが「当選した場合でも途中退任のおそれあり→その場合の後継が不明」つうのも彼らの「造反理由」の一つではあるでしょう。

*2:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*3:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*4:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*5:第3次安倍内閣で農水大臣政務官

*6:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て第四次安倍内閣総務相(女性活躍担当相兼務)

*7:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*8:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て自民党幹事長