今日の産経ニュース(6/15分)ほか(追記・修正あり)

時事通信『次期総裁、小泉氏トップ=自民支持層では安倍首相優位:時事世論調査
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061500854&g=pol
 2位が石破*1元幹事長、3位が安倍だそうです。
 「自民支持層の安倍1位」は多くの場合、積極的な安倍支持と言うよりは「二階派麻生派細田派が支持するから」、これらの派閥の所属議員の支持者が「ウチの先生が安倍支持だから」レベルなのでしょうがそれにしても酷いですね。
 とはいえ

自民党支持層に限れば、首相が45.0%

であり、既に過半数は割っています。安倍批判派として、もはや安倍再選などないと思いたいところです。


【ここから産経です】
■【自民党総裁選】野田聖子*2総務相 とがる発言、広がらぬ支持
https://www.sankei.com/politics/news/180615/plt1806150039-n1.html

 もっとも、野党が衆院に提出した選択的夫婦別姓を認める民法改正案に対し、15日の閣議後の記者会見では「私個人は関知することはない」と述べ、自民党の一員として同調しない考えを示した。

 まあこれでは野田が首相になったとしても夫婦別姓法案を出すかは怪しいですね。今の自民党では彼女が総理になる目はあまりないでしょうが。

 野田氏は女性政策への関与を強めている。

 そりゃ今野田は女性活躍担当相ですからね。そして「女性活躍」は一応安倍政権の看板政策の一つの「はず」なんですが。
 「こじつけ」とはいえ、安倍が稲田を政調会長や防衛相に重用した口実の一つも「女性活躍」ですし。

 国の根幹政策といえる安全保障では別の意味でとがった発言が目立つ。
 党総務会長時代の平成26年には、集団的自衛権の限定的行使を容認する安全保障法制について「自衛隊が軍になり、殺すことも殺されることもある」と述べ、制定に注力していた党内から猛反発を受けた。総務会長退任後の27年には、中国が南シナ海で進める人工島の造成について、日本船舶の自由な航行を脅かす問題にもかかわらず「直接日本と関係ない」と明言した。

 全然とがってないですね。単に産経がこれらの発言を敵視してるに過ぎません。
 前者は単に事実に過ぎません。だから法案には反対だと野田は言ったわけでもない。
 せいぜい「法の発動には慎重さが求められる」程度の話でしかない。
 それを「戦争を危惧する国民世論の危惧がさらに高まって法案が成立しにくくなる」というのは単にそういうことをいう連中が「嘘つき」なだけじゃないですか。
 後者もまあ、前者と違って「多少価値観は入ってきます*3」が、日本は関係ないですね。少なくとも産経が言うような中国があの海域を封鎖などして日本船舶の自由な航行が脅かされるなんて話にはなっていない。


カジノ法案を衆院委可決 与党強行、19日通過へ
https://www.sankei.com/politics/news/180615/plt1806150021-n1.html
カジノ法衆院委可決…松井大阪知事「一歩前に進めた」
https://www.sankei.com/west/news/180615/wst1806150103-n1.html
 また強行採決です。正直怒りを禁じ得ませんが野党の奮起を期待したい。そしてマスコミもいい加減、サッカーW杯などに逃げないでまともに政治報道をしてほしいですね。
 それにしても安倍支持だという輩はこういう事実を知らないほど政治に無関心なのに安倍を支持するのか、はたまたこういうのを知りながら支持する程民主主義性が欠如してるのか?


■映画「ピーターラビット」って本当は…日本の原作ファン仰天? 世界観の違いはなぜ生まれた
https://www.sankei.com/premium/news/180615/prm1806150005-n1.html

「日本人はピーターラビットに特別な愛情を持っている」と指摘するのは、英文学に詳しい大東文化大の河野芳英*4教授だ。
 河野教授は、「月にはウサギがいる」という伝説▽擬人化されたウサギが描かれた絵巻物の国宝「鳥獣人物戯画」(12〜13世紀)▽郷愁の象徴としてウサギが登場する文部省唱歌「故郷」(1914年)の存在を挙げ、「ウサギは、日本人には古来から身近で特別な存在」と分析する。いわば遺伝子レベルでウサギを愛する日本人は、無条件でピーターラビットをいとおしむ。オランダのデザイナー、ディック・ブルーナの絵本に出てくるウサギ、ミッフィーも同様だと河野教授はいう。
 「ピーターラビットが日本人に広く親しまれている」を理由に、三菱UFJ信託銀行とキユーピーは原作絵本のイラストをイメージキャラクターに起用したことがある。

 俺個人はうさこちゃんミッフィー)には愛着はありますが、ピーターにはあまり愛着はないですね。ピーターってかなりリアルなんでかわいらしさがないですよねえ。

参考

ピーターラビットウィキペディア参照)
埼玉県こども動物自然公園のイメージキャラクターとしても使われている。
埼玉県こども動物自然公園は、大東文化大学東松山キャンパスが隣接しており、加えて同学の図書館や英米文学科がピーターラビットの作者である英国の作家ビアトリクス・ポターに関する貴重な資料・書籍・原画等を所蔵していることから、同公園内には「大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館」も開設・一般公開されている。

 「へえ?」ですね。埼玉県こども動物自然公園(県立動物園)と大東文化大が隣接してることは県民として知ってましたけどね。


■サンフランシスコ新市長に慰安婦像公共物化の撤回要請へ 大阪市姉妹都市解消の通知の中で
https://www.sankei.com/west/news/180615/wst1806150026-n1.html
 そんな要望が受け入れられるわけもないでしょう。全く非常識です。


■「テロ等準備罪」成立1年、立件ゼロ 
https://www.sankei.com/affairs/news/180615/afr1806150004-n1.html
 産経は「だから弊害はないのだ」といいたいようですがむしろ「そんなんで法制定の必要があったのか」でしょうね。


■【千葉・9歳女児殺害】「犯人に死刑求める」「命請いをする娘をなぜ殺したのか」リンさん父証言台に立つ 第9回公判
https://www.sankei.com/affairs/news/180615/afr1806150013-n1.html
■【千葉・9歳女児殺害】「日本人への愛、小児性愛者の殺人者によって打ち砕かれた」リンさん母、意見陳述書全文
https://www.sankei.com/affairs/news/180615/afr1806150026-n1.html

https://www.sankei.com/affairs/news/180615/afr1806150013-n1.html
 (ボーガス注:父親の)ハオさんは「犯人に死刑を求める」と話し、「リンちゃんが死ぬ前、何を叫んだのか。命請いをする娘をなぜ殺したのか。私たち家族は今日まで苦しんできた」と悲痛な胸のうちを明かした。

https://www.sankei.com/affairs/news/180615/afr1806150026-n1.html
 15日に行われた渋谷恭正被告(47)の裁判員裁判で、千葉地裁の野原俊郎裁判長が代読したレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)、ベトナム国籍=の母、グエン・ティ・グエンさん(31)の意見陳述書の全文は次の通り(ボーガス注:以下の引用はもちろん全文ではありません)。
・リンを殺害した者の死刑を求める、ベトナムや日本、世界各国に住む100万以上の人々の署名が集まりました。
・私は、千葉地方裁判所に対し、私の娘を殺害した犯人に極刑である、死刑の判決を下すようお願いします。
・他の子供に対する犯罪を阻止し、犯罪をたくらむ者への戒めとして、犯人は死刑に処されるべきです。
 私の娘に公平を取り戻し、小児性愛の殺人者である犯人を人間社会から永久に排除するために、裁判所と裁判員におかれましては、公平かつ厳格な刑罰をしてくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
 私と家族は、皆様の正義を信じています。

 小生の価値観ではこういうのは健全じゃないですね。もちろん人間として、そうした憎悪、憤激の念は、十分理解できますし、同情はします。「感情屋」である俺も同じ立場なら同じ事言ってるかもしれませんが、裁判というのは遺族のストレス発散の場ではないでしょう(もちろん遺族のストレス、メンタルヘルスの問題は重要ですが、こういう形で解決されるべきではないでしょう。いやそもそも解決されてるのか疑問ですが)。ましてや被告人が無罪主張*5してるのだからなおさらまずいでしょう。裁判官が代読って、代読していいんですか、こんな感情論。これが「遺族が法廷で感情的になって放言した」のならまだわかりますが。
 なお、有罪認定されても過去の判例上、死刑判決は難しいかと思います。

*1:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*2:小淵内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相(女性活躍担当相兼務)

*3:というのも「日本が南シナ海問題に政治介入すべきだ」という価値観に立てば日本は関係あるからです。そもそも政治介入している米国だって「当事者じゃない」という意味では関係ないですしね。

*4:著書『ピーターラビットの世界へ』(2016年、河出書房新社)など

*5:もちろん無罪主張が正しいと俺が思ってるという意味ではありません。俺はこの件について有罪だの無実だのいえる程の知識はありません。単に「推定無罪」的な話をしています。一応お断りしておきます。