今日の産経ニュース(7/1分)(追記・修正あり)

■仏女性政治家シモーヌ・ベイユ*1さんの棺がパンテオンに アウシュビッツ強制収容所から生還*2
https://www.sankei.com/world/news/180701/wor1807010019-n1.html
 「シモーヌ・ベイユシモーヌ・ヴェイユ)て政治家だっけ?」「羽仁五郎*3歴史学者。一時、共産党参院議員)、美濃部亮吉(経済学者。一時、都知事)、蜷川虎三氏(統計学者。一時、京都府知事)などみたいなパターン?」と思ったら「どちらもフランス人」ですが、「哲学者として有名な例の方*4」とは同姓同名*5の別人のようですね。
 なお、俺は「哲学者ベイユ氏の本」は一冊も読んだことがありませんし、愚物なのでそういう高尚な本は「多分今後も読まないと思います」が「一般社会常識(?)として」名前ぐらいは知っています。
 しかし産経記事に「哲学者の方とは別人」つう注記がないのは実に不親切です。
 話が完全に脱線しますが、「同姓同名つながり」ということで、本多勝一*6が「右翼文化人の小林秀雄*7は何一つ評価しないが、出版社・緑地社創業者で菊池寛賞受賞者の小林秀雄は評価する。世間の評価は全く逆のようだが、出版社社長の小林こそもっと評価されるべき(俺の要約)」とエッセイ『 小林秀雄“巨人”報道を嗤う』(本多勝一『貧困なる精神・第15集:小林秀雄“巨人”報道を嗤う』(1983年、すずさわ書店)収録)に書いていたのを思い出しました。

参考

小林秀雄(1918年〜1985年:ウィキペディア参照)
・出版社・緑地社の創業者。
・1826年(文政9年)、探検家・近藤重蔵の息子、近藤富蔵は、地所争いから隣家の百姓一家7人を惨殺し、八丈島へ流刑になった。そこでの見聞・調査を『八丈実記』として記録しておいたが、緑地社ではこれを1964年から76年までかかって全7巻で刊行し、地誌の重要な記録として現在も販売されている。
 小林はこの業績により、1973年、菊池寛賞を受賞した。
 しかし、菊池寛賞が文学系の賞であることもあって、同姓同名の批評家と混同されることも多い。小林は間違われるのを気にして「林秀雄」などと名乗っていた。


■「憲法自衛隊明記を」加戸・愛媛前知事が講演
https://www.sankei.com/west/news/180701/wst1807010040-n1.html
 「加戸(非常識極右)と前川氏(穏健保守)って何で同じ文部官僚なのにあんなに違うのか」と思いますが「官僚になった時代の違い」なんですかね?。それとも単に個人的違いに過ぎないのか。あるいは、加戸は「前川氏ほどの穏健派ではない」とはいえ「愛媛県知事として、政界入りしたが故に、自民党の支持を得るために右翼を演じている」だけであの極右ポーズは営業右翼に過ぎないのか。


■【赤字のお仕事】「あさって」の次は何と言う? 「しあさって」「やのあさって」それとも…
https://www.sankei.com/premium/news/180701/prm1807010012-n1.html
 埼玉県民の小生の場合「大抵『しあさって』というが、その場に親類縁者、小中高の同級生など埼玉県内の親しい人間しかいない場合は『やのあさって』ともいうことがある」ですね。
 つうのは産経記事にも書いてありますが「やのあさって」は関東方言だからです。「埼玉では割とよく使われる方言」ですが、関東方言なので「関東以外の人間がいる場所」で使っても「は?」という顔しかされません。
 ただし最近では埼玉でも「しあさっての方が多く使われる」気はします。「その場で、やのあさってを使って通じるかどうか」というストレスを感じるくらいなら自然とそうなるでしょう。
 なお、産経記事によれば「関東方言では、あさっての次がやのあさって、やのあさっての次がしあさって」だそうですが、そういう使い方は俺の知る限りないですね。方言も変化するわけです。

*1:1927〜2017年。シラク内閣、バール内閣、バラデュール内閣で保健相(1974〜1979年、1993〜1995年)。大臣時代の業績として、妊娠中絶合法化(1975年)がある。

*2:アウシュビッツから生還したことはパンテオン入りにおそらく全く関係ない(政治家としての業績でパンテオン入り)ので必要ない記述だと思います。

*3:著書『ミケルアンヂェロ』(岩波新書)、『明治維新史研究』(岩波文庫)、『都市の論理』(講談社文庫)など

*4:1909〜1943年。著書『自由と社会的抑圧』、『重力と恩寵』(岩波文庫)、『工場日記』(ちくま学芸文庫)など

*5:ただし「哲学者のヴェイユ」はつづりが「Simone Weil」、「政治家のヴェイユ」はつづりが「Simone Veil」なので厳密に言うと「同姓同名ではない」のですが日本語だとどちらも「ヴェイユ(ベイユ)」としか表記しようがないですのでねえ。

*6:著書『アメリカ合州国』、『カナダ=エスキモー』、『戦場の村』、『中国の旅』、『ニューギニア高地人』(1981年、朝日文庫)、『殺される側の論理』(1982年、朝日文庫)、『そして我が祖国・日本』、『ルポルタージュの方法』(1983年、朝日文庫)、『アラビア遊牧民』、『殺す側の論理』、『事実とは何か』、『職業としてのジャーナリスト』(1984年、朝日文庫)、『憧憬のヒマラヤ』、『冒険と日本人』(1986年、朝日文庫)、『子供たちの復讐』、『検証・カンボジア大虐殺』(1989年、朝日文庫)、『南京への道』(1990年、朝日文庫)、『NHK受信料拒否の論理』、『天皇の軍隊』(1991年、朝日文庫)、『植村直己の冒険』(編著、1991年、朝日文庫)、『日本環境報告』、『マゼランが来た』(1992年、朝日文庫)、『先住民族アイヌの現在』、『新版 山を考える』(1993年、朝日文庫)、『釧路湿原:日本環境の現在』(編著、1993年、朝日文庫)、『滅びゆくジャーナリズム』(1996年、朝日文庫)、『きたぐにの動物たち』(1998年、朝日文庫)、『マスコミかジャーナリズムか』(1999年、朝日文庫)、『アイヌ民族』(2001年、朝日文庫)、『新・アメリカ合州国』(2003年、朝日文芸文庫)、『中学生からの作文技術』(2004年、朝日選書)、『新版・日本語の作文技術』(2015年、朝日文庫)など

*7:1902〜1983年。著書『ゴッホの手紙』、『私の人生観』(角川文庫)、『作家の顔』、『ドストエフスキイの生活』、『モオツァルト・無常という事』(新潮文庫)、『人生について』(中公文庫)、『考えるヒント』(文春文庫)など。