新刊紹介:「前衛」8月号

 「前衛」8月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
■グラビア『カンボジアの農村』(足立君江*1
(内容紹介)
 足立氏のブログ記事紹介で代替。

https://blog.goo.ne.jp/sakaibasi369
■笹本恒子写真賞を受賞
・6月15日(金)に記者会見があり「笹本恒子写真賞」の発表が行われた。
・今回の私の受賞理由は、「18年余りにわたって、カンボジアの農村地帯を訪ね、戦乱で荒廃した村で目を輝かしながら働く子どもたちの、未来に希望を託す姿に感動してまとめた一連の写真集、写真展での優れた表現に対して」の受賞となっている。
 改めて、お世話になった皆様に感謝しなければならない。
 2000年にカンボジアに入り、とうとう18年間通ったことになる。
・あの大虐殺の首謀者であったポルポト政権が終焉をむかえ、約40年近く経った。
 人口が1600万人になり内戦後生まれた20歳から40歳代が活躍する時代になったが、充分な教育がなされていないことが、今後の課題になっていくと思う。

https://blog.goo.ne.jp/sakaibasi369/e/45c66a329b66d0bb53e53b5132598f04
■プノンボクへ
 現在、村にはフン・セン首相と人民党のヘン・サムリン*2の看板が目立っているが、2018年7月の選挙では野党が解党になった現在、再び自由のない時代が訪れることが予想されている。
 村人たちはそんなことをどう思っているのか知りたいが、今は政治の話はタブーになっている。

https://blog.goo.ne.jp/sakaibasi369/e/9421e74578441fe4be05e44a037efde2
カンボジアの写真展
 2,3年前から中央政権によりお構いなしの野党への弾圧が始まり、多くのカンボジアを知る人にとっては心配の事実でもあります。
 ポル・ポト*3政権による弾圧の時代を思い出させる事件*4が起きているからです。
 そんなカンボジアですが、ひたすら頑張って働いている農村の暮らしを中心に写真展をしようと思っています。

 ウヨ連中がこういうカンボジアのことには何も言わず、中国、北朝鮮限定で人権がどうたらこうたら言うことには殺意すら覚えますね。まあ連中が黙認する「反人権的現象」はカンボジアだけでなく、エジプト軍政とか山ほどありますけど。

https://blog.goo.ne.jp/sakaibasi369/e/45df169409db6ad1bf75649e1ff0118f
カンボジアの3月
 昨年、村一番のお年寄りに会った。
 「ポルポト時代のことは忘れられない」といった。
 私は「忘れられないことは、どんなことですか?」と聞いてみた。
 その人はしばらく考えて「忘れた。」といった。
 生きていくために、とてつもない多くの障害を乗り越えてきたことを想像できるような一言であった。

参考

https://www.sankei.com/world/news/180617/wor1806170005-n1.html
■産経『「日本は選挙支援やめて」 カンボジア野党NYでデモ』
 カンボジア政府の弾圧により昨年解散させられた最大野党カンボジア救国党の支持者ら数百人が16日、ニューヨークの国連本部近くで、同党を参加させない7月の下院選は不当だと訴え、日本政府に選挙支援をやめるよう求めるデモをした。

https://www.sankei.com/photo/story/news/180707/sty1807070013-n1.html
■産経『野党不在の下院選開始 カンボジア投票率焦点』
 カンボジア下院選(定数125)の選挙運動が7日始まった。最大野党だったカンボジア救国党が昨年解散に追い込まれており、フン・セン首相の与党、カンボジア人民党が29日の投開票で圧勝するのは確実な情勢だ。政権批判票の受け皿が事実上なくなった選挙の在り方に国際的な批判が高まっている。公平性が揺らいだ選挙で、どの程度の投票率を記録するかが焦点だ。
 米国や欧州連合(EU)は選挙支援の停止を決めているが、内戦からの復興に深く関与してきた日本は投票箱提供などを続けている。
 下院選で政党登録したのは20党。人民党以外は前回2013年の下院選で議席のなかった小政党ばかりだ。人民党は首都プノンペンの新興開発地域ダイヤモンド・アイランドで大規模集会を開き、フン・セン氏は「さらなる経済発展のために平和や秩序の維持など、すべてを行う」として支持を訴えた。

https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2018/06/post-31_1.php
■ニューズウイーク日本版【カンボジア総選挙】独裁者を支える日本の支援、中国との競争でますますやめられず(六辻彰二*5
・6月17日、カンボジア救国党を支援する在外カンボジア人が、東京の銀座とニューヨークの国連本部前で、日本政府に7月の下院選挙への支援をやめるよう求めてデモを実施。このうち、銀座のデモには1000人が参加したとみられる。
・フン・セン政権の露骨な強権化に対して、アメリカやEUは7月の選挙に向けた支援を中止。これに対して、日本政府は2月、カンボジア選挙管理委員会に750万ドル相当の援助を提供。さらに4月には、訪日したフン・マネ中将との会談で安倍首相はカンボジア下院選挙への変わらぬ支援を約束した。
・日本政府はカンボジア政府による不公正な選挙運営を事実上黙認している。情報化が進んだ現代、その動向はカンボジア国内でも知られている。つまり、フン・セン政権に甘い対応をとることは、野党支持者からみれば、日本は自分たちを抑圧する者と結んでいると映る。
・日本政府が開発途上国の人権侵害や非民主的な政府に及び腰の対応になりがちなのは、今に始まったことではない。典型的な事例でいえば、1988年にクーデタが発生し、国名をビルマからミャンマーに変更した軍事政権に対して、欧米諸国が援助を停止したのに対して、日本はわずかながらも援助を続けた。また、1989年の天安門事件後の中国の場合、日本は欧米諸国による経済制裁に一番最後に一応加わったものの、一番最初にこれを解除した。
・現実政治的な観点からみて、仮にフン・セン政権が半永久的に続くなら、それでも問題ないかもしれない。しかし、実際にはそんなことはほぼあり得ない。いずれ政権が交代した時になって、「これまで日本はカンボジア民主化に貢献してきた」と言っても、誰がそれを信用するだろうか。ミャンマーの軍事政権を支援し続けた結果、民主化運動のリーダーだったスー・チー氏が(ボーガス注:外相兼国家顧問として)政権を握って以来、日本がミャンマーで微妙な立場に立たされていることは、その象徴である。


朝鮮半島の平和的解決への歴史的機会をどう前にすすめるか:はじまった非核化と平和体制構築のプロセス(笠井亮*6
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する:2018年6月12日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-13/2018061301_02_1.html
■主張『初の米朝首脳会談:敵対から非核と平和へ転換を』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-14/2018061401_05_1.html
米朝首脳会談:開始されたプロセスを成功させる国際社会のとりくみを
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-15/2018061501_02_1.html
米朝首脳会談の歴史的意義:ラジオ番組 志位氏が語る
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-19/2018061901_04_1.html
■日本は平和体制促進を、米朝首脳会談 辰巳氏が政府ただす
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-19/2018061902_04_1.html
米朝首脳会談の歴史的意義、今後の展望を語る:志位委員長インタビュー
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-24/2018062401_01_0.html
日朝平壌宣言に立ち独自の外交努力を:NHK「日曜討論」 小池氏が主張
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-25/2018062502_03_1.html
■「米朝首脳会談の歴史的意義、今後の展望を語る」、志位インタビューへ反響相次ぐ、「未来が見えてくる」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-29/2018062903_01_1.html


核兵器禁止条約成立から一年:新たな歴史ひらく運動を(川田忠明*7
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■主張『禁止条約採択1年:「核なき世界」へ運動さらに』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-06/2018070602_02_1.html
核兵器禁止条約採択1年 各地で行動、日本政府は条約参加を
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-08/2018070801_03_1.html


■なぜ、それでも安保強化、自衛隊増強なのか:非核・平和への激動下の日米関係の深層(末浪靖司*8
(内容紹介)
 「なぜそれでも」の「それでも」とは「李克強*9・中国首相が訪日し安倍・日本国首相が一帯一路への参加を表明しても」「南北首脳会談、米朝首脳会談朝鮮半島に和解ムードが出てきても」という意味です。
 では末浪氏の考える答えは何か。それは「日米共同軍事作戦の主たる想定範囲が中東だから」です。
 シリアやイラク、イエメンといった中東こそが「メインの戦場」であるならば「シリア内戦、イラク内戦、イエメン内戦」といった中東の紛争が解決しない限り「いざとなったら自衛隊は米軍と中東で一緒に戦え」ということになり、「安保強化、自衛隊増強」という話になるわけです。
 最近、トランプがイラン核合意廃棄を口にしたことで最悪の場合、イラン攻撃すらあり得る状況になっています。
 ただし、中東を軍拡の口実にするのは日本で受けが悪いからこそ「中国、北朝鮮」が持ち出される。ところが北朝鮮について言えば「先日の南北、米朝首脳会談」で緊張緩和ムードが出てきた。
 一方、中国にしても「一帯一路参加」を安倍が表明し、李首相の北海道行きに同行したことを考えれば日中軍事衝突などおよそ説得力がありません。


■ディール(取引)で迫る「アメリカ第一主義」とはなにか?:トランプ政権の経済政策が意味するもの(萩原伸次郎*10
(内容紹介)
 トランプの「ディールを口実としたアメリカ第一主義」といえば、やはりわかりやすいのは日本や中国、EU諸国相手の報復関税でしょう。
 とはいえこうした報復関税が果たして米国の利益になっているかは非常に疑問です。
 何せ中国やEUなどは
■日経『対米報復関税、EUが発動』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32115150S8A620C1MM8000/
■産経『カナダが対米報復発表 来月1日から』
https://www.sankei.com/economy/news/180630/ecn1806300010-n1.html
毎日新聞『米が対中制裁関税を発動 中国も直ちに報復へ』
https://mainichi.jp/articles/20180706/k00/00e/020/186000c
などでわかるように、「トランプには従えない」として対抗して報復関税措置を執っているからです。
 この報復関税問題がどう決着するか、それをどう米国民が評価するかは今後の米国経済や米国政治、そして世界経済にも大きく影響することになるでしょう。


特集『教師の多忙化をどう解決するのか』
■「多忙化」の解決のために求められる視点(勝野正章*11
■学校でおこっている事態をどう変えるのか(山本正夫)
■教育をあきらめない:教師の仕事は私の生きがい(大江未知)
■現場から「教師の働き方改革」を考える:赤旗連載「先生の働き方」取材ノート(玉田文子)
(内容紹介)
 教師の多忙化(教師の過労)については「教師特有の問題」と「労働者に共通する問題(つまり労働法規制が弱い)」の両方があるといえるでしょう。何も多忙なのは教師だけではないからです。
 その意味では「労働者の多忙化(労働者の過労)」を解決しないで教師の多忙化は解決できないし、「労働者の多忙化」を解決するだけでも、つまり「教師特有の問題を解決しなくても」教師の多忙化は大いに改善するでしょう。一方、先日の「高度プロ」でもわかるように安倍政権は「労働者の過労を助長する無茶苦茶な方向」を指向しているわけです。
 なお、教師の多忙化を助長している問題としては「教師の聖職者観」があるといえるでしょう。聖職者だからと言って過労していいわけでは全くないのですが。

参考
 赤旗
■主張『教員の長時間労働:心こもった教育へ解決は急務』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-14/2017051401_05_1.html
■教員多忙 解消に有効、畑野議員 少人数学級求める
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-06/2017120604_04_1.html
■主張『教員の働き方改革:業務の削減と定数増が必要』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-24/2017122402_01_1.html
■「子どもの下校まで自由な時間はない」「休み時間は教師の休憩時間ではない」、畑野氏、教員の悲鳴代弁、衆院予算委
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-20/2018022002_01_1.html


■日大アメフト部悪質タックル問題:いかにスポーツ規範を確立していくのか(広畑成志*12
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■大学アメフット危険タックル問題:日大は説明責任果たせ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-15/2018051512_01_1.html
■きょうの潮流(2018年5月20日(日))
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-20/2018052001_06_0.html
■きょうの潮流(2018年5月27日(日))
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-27/2018052701_05_0.html
■部活は自主を土台に、畑野議員 悪質タックル問題受け、衆院文科委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-31/2018053115_03_1.html


■懲戒から支援へ:高校生の妊娠・出産を考える(岩藤智彦)
(内容紹介)
 この件については以前
■今日の産経&しんぶん赤旗ニュース(3/30分)(追記・修正あり)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180330/5640238727
で小生の考えを簡単に書いていますので前衛記事の内容紹介にかえて手前味噌ながら紹介しておきます。

参考
■産経『妊娠・出産の高校生32人、学校の勧めで自主退学 27〜28年度、文科省が初調査』
http://www.sankei.com/life/news/180330/lif1803300039-n1.html
赤旗
■中高生妊娠 懲戒だめ、田村智氏 「保護と教育こそ」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-29/2018032904_04_1.html
■どんな支援が必要? 高校生の妊娠、文科省が教委に「配慮事例」 「勉強を続けたい」に応え
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-01-15/2018011508_01_1.html


■[対談]日本の農業、中山間地問題をどう解決するか(小松泰信*13×紙智子*14
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-20/2018052002_01_1.html
赤旗『小規模・家族農家守れ、岡山 小松教授と紙議員が対談』
 農業問題に詳しい岡山大学大学院の小松泰信教授と日本共産党参院農林水産委員の紙智子議員による「ビッグ対談」が19日、岡山市で開かれました。日本共産党国会議員団中国ブロック事務所と岡山県委員会が主催し、240人が参加しました。用意した資料がなくなり、会場は2階席まで埋まりました。
 小松氏は、国連食糧農業機関(FAO)が2019年から「家族農業の10年」を定めたことにふれ、「国連のキャンペーンを日本は無視している。小規模農家・家族経営はたたかわなければ守れない」と指摘しました。
 紙氏は、農林水産委員として中国地方を訪れたとき、狭い山あいの地域で集落全体が連携して農業を成り立たせている努力を学んだと強調。「日本農業は発展できる土台はある。問題はその条件を生かす政治になっているかだ。国内の農林水産をつぶしてさらに輸入を進めていくのはもってのほか。国民の生存基盤にかかわる問題としてしっかり位置づけて取り組みたい」と強調しました。
 続いて日本共産党が話題に。昨年の党旗開きで「隠れ共産党」と紹介され一躍有名になった小松氏は、日本共産党の講演会が笑いにあふれ、問題意識を持って聞いてくれる雰囲気があるといい、「64年間生きてきて最高の講演だった。人生は還暦を過ぎてからだ」と語りました。共産党を応援するJCPサポーターになったと述べると拍手が起きました。
 紙氏は「小松さんが農業を基幹産業に位置付けるという党綱領を講演会で紹介してくれると、改めて新鮮で価値を再認識させられる」と話しました。
 会場からの質問で、両親が酪農家だが就農しようとは思わないという岡山県瀬戸内市の女性に、小松氏は「ものすごく正直だ。やりがいだけでは難しい。自分でアイデアを出したり農民連などと組織的に取り組んだりすることが必要だ」と述べました。


■論点
【道理のない外国人の入管収容をやめよ】(藤野保史
(内容紹介)
 赤旗などの記事の紹介で代替。


高世仁の「諸悪莫作」日記『牛久の「東日本入国管理センター」で見たこと』
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20180726

赤旗
■入管 医療環境ただせ、衆院法務委 藤野氏 人権無視の処遇追及
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-10/2018051015_02_1.html
■根拠ない長期収容やめよ、入管センター 藤野氏対策求める
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-18/2018051804_02_1.html
■入管施設 長期収容など改善を、茨城・牛久 市民有志が署名を提出
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-29/2018052905_01_1.html
■産経『大阪弁護士会が大村入国管理センターに勧告 収容中のベトナム人男性に仮放免許可を』
https://www.sankei.com/west/news/180629/wst1806290016-n1.html

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/anatoku/article/425062/
西日本新聞・あなたの特命取材班『「死にたいほど苦しい」外国人、長期収容の実態 入国管理局、就労拡大の陰で インド人男性自殺の「悲劇」も』
 裁判所が懲役刑などの期間を決める刑事訴訟法と異なり、入管難民法には収容期間を定めた条文がない。帰国まで収容でき、際限なく拘束される恐れもある。
 人道的配慮から拘束が解かれる「仮放免」制度もあるが、許可件数は減っている。申請件数の増加にもかかわらず、16年の1160件から17年は822件に減った。許可数の割合をみると、16年の43%から18ポイントも下がっている。
 「移住者と連帯する全国ネットワーク」(東京)の関係者は「東京五輪を前に入管が締め付けを強めている」とみる。

https://mainichi.jp/articles/20180627/ddl/k11/040/103000c
毎日新聞『川口のクルド人 第5部/2 あるインド人の自殺 収容者に大きな衝撃 /埼玉』
 「考える会」によると、同センターでは10年に日系ブラジル人と韓国人の2人が自殺し、14年にはイラン人とカメルーン人が相次いで病死、昨年もベトナム人が病死したとされる。今年4月のインド人男性の自殺後も、2年以上収容されている日系ブラジル人カメルーン人が自殺未遂を起こしたほか、日本人女性との結婚直後に収容されたクルド人が、洗剤を飲む自傷行為などが相次いで報告されている。
 「考える会」代表の田中喜美子さん(65)は「先が見えない長期収容は、肉体的、精神的なダメージが大きい。自殺などの再発防止のためには、仮放免制度を柔軟に運用し収容は6カ月を超えないなどの対策が必要だ」と指摘した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2018070102000168.html
東京新聞【特報】牛久入管で相次ぐ自殺未遂 クルド人男性「頼った日本で自由奪われた」
 不法滞在で退去強制処分を受けた外国人を収容する東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で四月、インド人男性が自殺した。これを皮切りに、少なくとも四人の被収容者が相次いで自殺未遂や自傷行為に及ぶ事態となっている。そのうちの一人で、トルコ国籍のクルド人の男性に面会取材した。男性は難民認定申請が認められないまま収容が続く絶望を口にした。


豊洲新市場計画 四重の破綻:移転を中止し、築地市場再整備を】(岡部裕三*15
(内容紹介)
 「四重の破綻」とは何かというと「土壌汚染問題」「市場の使い勝手の悪さ」「市場の交通アクセスの悪さ」「場外施設計画の難航」です。
 赤旗記事から引用しておきます。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-10/2018061014_01_1.html
【土壌汚染問題】
・都が4月に発表した豊洲新市場の地下水調査(昨年11月〜今年2月)結果では、依然として、最高で環境基準の130倍もの発がん性物質ベンゼンなどを検出しました。
 地下の土壌に、ガス工場操業由来の有害物質がいまだに残っていることを示すもので、都の土壌汚染対策は失敗しました。
【市場の使い勝手の悪さ】
・水産卸売場から仲卸売場まで、ターレ(小型輸送車)の移動時間が6倍に―。今月2日に都内で開かれたシンポジウム「築地市場の行方」で、建築エコノミストの森山高至氏*16ターレの試験走行の動画を紹介すると、会場がどよめきました。
 築地では、水産卸売場と仲卸売場が隣接して扇状に配置され、青果の卸・仲卸売場も近接し、すべてが平地にあり、スムーズな物流が実現しています。
 一方、豊洲は、水産卸売場棟、仲卸売場棟、青果棟が道路で分断され、立体構造で、物流に時間がかかります。
【市場の交通アクセスの悪さ】
・銀座に隣接し地下鉄や車でアクセス良好な築地に比べて、買い出しの所要時間が増し、飲食店主からは「仕入れがランチに間に合わない」との声が。雪や風の影響で、「ゆりかもめ」(東京臨海新交通臨海線)の運休・遅延や、晴海大橋の通行止めも起こります。
【場外施設計画の難航】
豊洲新市場場外の集客施設千客万来」計画も迷走しています。
 都は16年、公募で、万葉倶楽部*17(神奈川県小田原市)を事業者に選定。千客万来は、飲食・物販店舗と温泉付き宿泊施設として19年8月に全面開業する予定でした。
 しかし、昨年4月、万葉は都に土壌汚染問題での強い懸念を伝え、進出計画を一時凍結してきました。
 さらに、小池知事が同月、豊洲移転後の築地市場を「食のテーマパーク」として再開発する方針を発表したことに、万葉が反発。今年5月には契約解除を示唆しました。
 都側は、万葉の「着工を20年東京五輪後に先送りし、その間は都が『にぎわい創出』を行う」との要求を受け入れました。
 小池知事は当初、築地の市場機能を維持すると約束したにもかかわらず、それをほごにしました。その背景には、万葉側の要求や移転推進派の都議会自民党の圧力があります。

参考
赤旗
■深刻な豊洲土壌汚染 仲卸否定の法改悪…:東京 築地移転中止求めシンポ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-22/2018042203_01_1.html
■「豊洲」開場まで4カ月、“間に合わない”矛盾噴出
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-10/2018061014_01_1.html


■暮らしの焦点『チッソと国・熊本県はすべての水俣病患者の救済を:チッソ社長「救済は終わった」発言が示すもの』(野中重男)
(内容紹介)
 赤旗記事などの紹介で代替。

毎日新聞水俣病患者ら、チッソに抗議 「暴言許し難い」』
https://mainichi.jp/articles/20180510/ddm/012/040/060000c
■日経『水俣病「救済終了」発言撤回 チッソ、抗議受け』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30674070Y8A510C1ACX000/
赤旗
チッソ社長「水俣病救済終了」、暴言に怒り広がる
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-03/2018050315_01_1.html
水俣病 救済責任果たさせよ、チッソ社長暴言 環境相に党国会議員団
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-09/2018050915_01_1.html
チッソ社長 暴言を撤回、「水俣病救済は終了」批判浴び
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-19/2018051901_05_1.html
水俣病 新救済枠ぜひ、被害者ら 共産党議員団に要請
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-08/2018060804_02_1.html


メディア時評
■テレビ『テレビCMと放送の価値』(沢木啓三)
(内容紹介)
 テレビCMにおいて「ビットコイン」「銀行カードローン」「公営ギャンブル」「パチンコ*18」といった様々な批判があるものを取り扱うのはいかがなものか、そもそも数秒程度のCMでは「問題点や弊害を伝えることも無理ではないか」と批判している。
 なお、沢木氏は「今後カジノ法案が成立し、各地の反対運動も無視してカジノが成立した場合、という前提ではあるが」とした上で「カジノCMについてどういう立場をとるのか、放送局は明確にすべきだ」としている(もちろん沢木氏はカジノCMには批判的な立場)。

参考
朝日新聞『銀行カードローン、スピード審査競う広告見直し』
https://www.asahi.com/articles/ASK9H6T19K9HULFA039.html
■産経『三菱東京UFJ銀、カードローンCMを自粛 過剰融資批判に対応』
https://www.sankei.com/economy/news/171012/ecn1710120006-n1.html


■スポーツ最前線『女性アスリートの健康管理』(藤島淑子)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/286656.html
■NHK視点・論点「女性アスリートの健康を守るには」(東京大学医学部付属病院産婦人科医・能瀬さやか)
・様々な女性アスリート特有の問題がありますが、中でも産婦人科医の立場からは女性アスリートに多くみられる無月経骨粗しょう症の問題は、早急に取り組むべき問題と考えます。
・アスリートに多い無月経の原因は、運動によるエネルギー消費量に対し食事からのエネルギー摂取量が少ない、いわゆる「利用可能エネルギー不足」と考えられています。
 国際オリンピック委員会では、男女問わず全てのアスリートにとってこのエネルギー不足は、無月経のみならず、精神、骨格筋、発達、免疫、代謝、心血管系等へ悪影響を与え、パフォーマンス低下をもたらすとし警鐘を鳴らしています。
 また、アメリカスポーツ医学会でも、女性アスリートに多い健康問題として「利用可能エネルギー不足」、「無月経」、「骨粗しょう症」の3つの疾患を挙げ、これらを「女性アスリートの三主徴」、つまり女性アスリートがかかりやすい3つの疾患と定義しています。
・この女性アスリートの三主徴の解決に向けて、今後取り組まなければならない課題は、学校での月経教育の充実と早期発見ができる体制の構築、他職種との連携です。
 日々、選手の診療を行っていて感じることは、正常な月経に関する知識がないために異常に気が付いていない、ということです。女子選手に限らず、将来指導者になる可能性のある男子学生も含め、10代から月経についての正しい知識を持つことの重要性を強く感じるとともに、選手自身が自分の身体の異常を周囲の大人にきちんと伝えられるような教育をしていくことも必要です。10代の女性が一人で産婦人科を受診する機会は少なく、なかなか月経に関する問題を指導者や周囲の大人にも言えず、指導者が男性であればその傾向は強いのが現状です。男性指導者からも直接月経に関する問題を選手に聞きづらいし、セクハラと捉えられることに対する懸念があるのも現場から聞かれる意見です。
 これらの早期発見は、個々の部活単位に委ねるのではなく、学校全体として低体重や無月経を早期に発見できる体制作りが必要です。その方法として、例えば、定期的に簡単な月経に関する問診票を用いて、小中高等学校に在籍される養護教諭や校医から、婦人科への受診につなげるような体制作りをとることが考えられます。骨粗しょう症は高齢者がかかるイメージがあり10代や20代では骨密度を測ることが少ないのが現状ですが、骨粗しょう症のリスクが高い学生では、今後、10代で骨密度を測定することも必要です。10代からの介入は将来的な骨粗しょう症を予防するという点からも予防医学や医療費削減に大きく貢献する可能性があります。
 また、スポーツに精通した栄養士や精神科医との連携も無月経の選手の診療には欠かせません。特に成長・発達期にある10代では、栄養の見直しを行っていくことは無月経の治療の大原則であり、スポーツ栄養士へ紹介可能なシステムがなければ、この三主徴の問題は解決しません。しかし、現在の医療現場では、産婦人科医からスポーツ栄養士に紹介できるシステムがなく、個々のつながりで食事調査や指導についての依頼をしているのが現状です。そのほか、ボランティアベースでの診療であることや診療報酬制度の課題もあります。また、無月経の選手が婦人科を受診した際に既に摂食障害を抱えている選手は珍しくなく、婦人科が摂食障害の発見の場となるケースが多くあります。今後は、スポーツに精通している精神科医との連携も重要な問題であると感じています。
 2020年の東京オリンピックに向けての支援体制の充実が期待されるのはもちろんですが、女性アスリートの支援は一時的な活動に終わってはならず継続して支援できる体制作りが必要です。
 本来のスポーツの価値を超えて、スポーツによって10代から生涯の健康を害することがないよう、適切な知識と支援体制を構築し、健康で長く競技生活を送れるアスリートが増えることを願っています。


■文化の話題
【映画:カンヌ最高賞の是枝監督「万引き家族」】(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 映画「万引き家族」(公式サイト:http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/)の紹介。

参考
赤旗『カンヌ最高賞受賞 是枝監督作品、日本の諸矛盾あぶり出す』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-21/2018052114_01_1.html


【音楽:オペラ「フィデリオ」とポスト真実】(宮沢昭男)
(内容紹介)

https://blog.goo.ne.jp/hisaeodashima216/e/1e18dffe748b31d5f95fca34083b54ba
■小田島久恵のクラシック鑑賞日記『新国立劇場フィデリオ』(新演出)』
・新国『フィデリオ』を観賞(5/24)。カタリーナ・ワーグナーによる新演出で、初日から終末部分の読み替えが大きな話題になっていたプロダクションである。新国立劇場オペラ芸術監督の飯守泰次郎さんとバイロイト音楽祭総監督のカタリーナ・ワーグナーとの悲願の共作、それも日本での新制作ということで大きな期待が集中したが、ゲネプロは非公開で、カタリーナ氏を囲む記者懇親会でいくつかの上演のヒントを与えられたものの、どういうドラマになっているのかは蓋を開けてみるまで分からなかった。
 このオペラに対する愛着はそれぞれで、感想も百人百様だと思うが、個人的には非常に卓越した上演を観たという満足感があった。(ボーガス注:妻)レオノーレと(ボーガス注:政治犯の夫)フロレスタンは脱出に失敗し、(ボーガス注:刑務所長)ドン・ピツァロに瀕死の刺し傷を与えられて夫婦で息絶えるというドラマ。従来的な(ボーガス注:レオノーレとフロレスタンは脱出に成功し、ドン・ピツァロは処罰され)「善は勝ち、悪は滅びる」という大団円とは正反対の終わり方なのだ。その読み替え(書き換え)は入念にさまざまな段階を経て、非常に洗練された形で観客に提示された。少なくとも、悪ふざけや驚かしの演出などではなかった。
ベートーヴェンの『フィデリオ』はどこか真面目腐った、中途半端な勧善懲悪劇のようなところがある。ラストの大団円はホームドラマのようだ。カタリーナ・ワーグナーの大胆な読み替えのもとでも、歌詞と音楽は変わらない。すべての意味が反転し、アイロニカルなものになる。夫婦の愛の勝利は「この悪が栄える地上では叶わないが、あの世で再び夫婦になろう」という祈りになるのだ。それは意外な驚きであると同時に、ベートーヴェンの作曲家としての魅力を「正しく」提示してみせた瞬間だった。
・読み替えが、原作への無関心や愛情のなさの証明だというのは誤解で、本当に作品や作曲家に対して愛着を持っていないと、みすみす返り血を浴びるようなリスクは取れない。

 つまりは「正義が勝つとは限らない(例:ロシアゲートのトランプ、モリカケの安倍、リトビネンコ暗殺疑惑のプーチン、アメフト問題の日大・田中理事長など、少なくとも現時点ではポストに居座ってる方々)」というのが「カタリーナ・ワーグナーによる新演出」であり「宮沢氏の言うポスト真実時代*19への対応」のわけです(つまりは宮沢氏は基本的に新演出を支持しています)。
 演出として優れているかどうか「カタリーナ・ワーグナーの新演出版どころか」、「一度もフィデリオを見たことがない」「いやそれ以前にオペラなんか、記憶では、学校の演劇鑑賞か、お付き合いでしか見たことがない(積極的に自分から見たことがない)」小生には判断つきませんのでコメントしませんが、問題は「従来通りの演出(主人公が悪役に勝利する)だと思って見に行った観客がいなかったかどうか」、いたとして観客はどう思ったのかと言うことでしょうねえ。
 例えるなら

忠臣蔵で「吉良が死なないで赤穂浪士全員討ち死に。吉良家はその後、別に幕府から処罰も受けず、幕末まで続きました、めでたし、めでたし(なお、浅野家は旗本として再興せず)」

みたいな話ですからねえ。
 どうもある観客の方の

https://ameblo.jp/pelleas2016/entry-12378425936.html
■「フィデリオ新国立劇場
・ネットでは賛否両論にお見受けした今回の新制作フィデリオの演出。
・本来第二幕で大臣到着を知って全て諦めるドン・ピツァロのはずが、振り上げたナイフをそのままフロレスタンに。
 その後、皆が大臣を迎えに出て二人きりになり初めてレオノーレはフロレスタンが刺されている事に気がつきます。
 瀕死のフロレスタンを抱えてレオノーレは階段を昇ろうとしますが、なんとそこへドン・ピツァロが!
 好きだったレオノーレをいたぶるように首にストールを巻いて締めてみたりもう「この変質者が!!」なのですが、結局は彼女をも一刺し。
 可愛さ余って憎さ百倍というあるあるパターンです。
 そして倒れたレオノーレとフロレスタンが見つからないように地下牢の入り口にブロックを積んで閉じ込めてしまいます。
 ここまでは想定内でしたが、このあとがまた斬新な展開でびっくり。
 解放された囚人達のもとに、フロレスタンに変装したドン・ピツァロとレオノーレもどきの女性が現れるのです。
 大臣をはじめ皆騙されて、「フロレスタンは良い奥さん貰ったね、万歳!」が始まるのですが、ここで一人だけ怯えた目つきで偽フロレスタンを見つめる人物。
 そう、家政婦は見た!ではなくて、ジャキーノは見た!、彼だけ気がついていたのです。
 閉じ込められて瀕死の本物フロレスタンとレオノーレ。二人はフロレスタンが掘った墓穴に身を横たえて人知れず最後を迎えます。
 そして、まだ、来るか?!のラスト。
 全員解放されたかと思いきや、それはドン・ピツァロの罠で皆鉄格子の中に閉じ込められてしまいます。
 ドン・ピツァロが大臣と対峙して幕。
 この対峙は、対決なのか二人は元からグルなのか、何とも私には分かりませんでした。
・あんなに執拗なブー!*20は初めて聞きました。

という感想を見るにどうも「新演出」については事前に観客は知らなかったらしく「勧善懲悪じゃなかったのかよ!」「原作レイプだ!」という一部ファンの反発はすごかったようです。
 ただしこの方は

https://ameblo.jp/pelleas2016/entry-12378425936.html
・一言でいうと非常に面白かったです、一瞬たりとも目が離せず舞台に食い入ってしまいました。
 フィデリオの魅力を再発見という感じですね。
フィデリオはこれまで映像で見ても正直、そのストーリーと言いますか台本に惹かれなかった作品です。
 どうにもラストの、最後は愛が勝つ!レオノーレ万歳!なのが、馴染めないのです(ボーガス注:ただし今回の新演出では主人公レオノーレが死に、悪役ドン・ピツァロが勝利するわけです)。
 ドン・ピツァロの悪役ぶりが緩いのも原因の一つ。
 オペラなんですから、遠慮なくフロレスタンに手を下して!の流れが自然な筈なのに、少しずつご飯を減らされる囚人って・・。
・ブーの方とブラボーの方が対抗していましたが、私は断然ブラボー派。(心の中でするだけですけど)

ということで新演出を支持するようですが(なお、「すでに指摘しましたが」前衛のこの宮沢コラムも新演出支持の立場です)。
 ほかにもこうした新演出支持は

http://www.classicajapan.com/wn/2018/06/040851.html
■CLASSICA - What's New!『新国立劇場フィデリオ」(カタリーナ・ワーグナー新演出)ネタバレ編』
・自分はこの演出、大いに楽しんだ。最後はもう大笑いしたくなる。情報量が多すぎるので、できれば再演でまた見たいもの。
・「ハハッ! おもしろいアイディアがあるんだ、みんな、楽しんでくれよなっ!」くらいのノリでいいんじゃないかって気がする。でもまあ、そんなのは些細なこと。素の「フィデリオ」台本がどれほど白々しく、天才の音楽からかけ離れているかを思えば、カタリーナはベートーヴェンを救ってくれたといってもいいほど。ワーグナー家はベートーヴェンに奉仕している。

なんてのがあります。
 すでに紹介した
■小田島久恵のクラシック鑑賞日記『新国立劇場フィデリオ』(新演出)』
https://blog.goo.ne.jp/hisaeodashima216/e/1e18dffe748b31d5f95fca34083b54ba
も新演出支持です。
 もちろん一方で「原作をぶち壊した」云々と悪口雑言する感想もあることはぐぐればわかります。
 たとえば

https://culturemk.exblog.jp/27285258/
■川沿いのラプソディ『ベートーヴェン : 歌劇「フィデリオ」(指揮 : 飯守泰次郎 / 演出 : カタリーナ・ワーグナー) 2018年 5月20日 新国立劇場
・私はこの演出を支持しない。
・思い出すだけで胸が悪くなる。
・カタリーナ・ワーグナーには、2015年にバイロイトでの「トリスタンとイゾルデ」でひどい目に遭わされたが、今回はそれよりもひどい。
・この日の舞台に接した人たちのほとんどがこの演出に拒否反応を示したことは、歌手や指揮者には温かい拍手とブラヴォーで労をねぎらう一方*21で、演出家が出て来た瞬間に大ブーイングを浴びせたことで、明らかだろう。
・作曲者ベートーヴェンがもしこれを見たら、どう思うだろう。怒りのあまり卒倒してしまうのではないだろうか。
・歌手陣や指揮者には大変申し訳ないが、この公演には、本当に胸の悪い思いをした。

なんてのはその一例です。
 まあ何というか「人間いろいろ、価値観いろいろ」ですね。


【演劇:六組目の『父と暮せば』(こまつ座)】(水村武)
(内容紹介)
 産経記事の紹介で代替。

https://www.sankei.com/entertainments/news/180616/ent1806160006-n1.html
■産経『俳優座劇場でこまつ座父と暮せば」』
 こまつ座の「父と暮せば」舞台公演が東京・六本木の俳優座劇場で行われている。平成6年の初演以来500回以上公演を重ねてきた井上ひさしの人気戯曲。広島の原爆で亡くなった父親の幽霊と、自分だけが生き残り、贖罪(しょくざい)意識に苛(さいな)まれる娘との2人劇を、今回は、山崎一(はじめ)(父)と伊勢佳世(娘)の新キャストが熱演し、観客の涙と笑いを誘う。

 なお、6組目と言うことはそれ以前に5組あるわけです。
 ウィキペディア父と暮せば」によれば

・1994年9月にすまけい*22、梅沢昌代により初演(鵜山仁演出)。第2回読売演劇大賞の優秀作品賞、優秀演出家賞(鵜山仁)、優秀女優賞(梅沢昌代)を受賞。
・2008年からは辻萬長*23、栗田桃子が父娘役を演じ(鵜山仁演出)、第8回朝日舞台芸術賞 寺山修司賞(栗田桃子)、第45回紀伊國屋演劇賞 個人賞(栗田桃子)を受賞。
・また、2004年に原田芳雄宮沢りえ*24が父娘役を演じ映画化(黒木和雄監督)。第47回ブルーリボン賞・主演女優賞(宮沢りえ)、第28回山路ふみ子映画賞・女優賞(宮沢りえ)を受賞。

なので「すまけい、梅沢昌代」「辻萬長、栗田桃子」、「原田芳雄宮沢りえ」が5組の中に入ることはわかりますが他はよくわかりません。
 

*1:著書『カンボジア・はたらく子どもたち』(2009年、連合出版)、『カンボジア・子どもたちの肖像』(2012年、現代写真研究所出版局)

*2:カンボジア人民党書記長、下院議長など歴任。現在、カンボジア人民党名誉議長

*3:クメール共産党書記長、民主カンボジア首相

*4:最大野党カンボジア救国党の強制解散のこと。とはいえポル・ポトの無茶苦茶な虐殺とは同一視はできないでしょう。天安門事件文革が同一視できないのと同じです。

*5:著書『世界の独裁者』(2011年、幻冬舎新書)など

*6:共産党衆院議員。党政策委員長。

*7:著書『それぞれの「戦争論」:そこにいた人たち、1937・南京〜2004・イラク』(2004年、唯学書房)、『名作の戦争論』(2008年、新日本出版社)、『社会を変える23章 そして自分も変わる』(2015年、新日本出版社

*8:著書『「日米指揮権密約」の研究:自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか』(2017年、創元社

*9:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*10:著書『アメリカ経済政策史:戦後「ケインズ連合」の興亡』(1996年、有斐閣)、『通商産業政策』(2003年、日本経済評論社)、『世界経済と企業行動:現代アメリカ経済分析序説』(2005年、大月書店)、『米国はいかにして世界経済を支配したか』(2008年、青灯社)、『日本の構造「改革」とTPP』(2011年、新日本出版社)、『オバマの経済政策とアベノミクス』(2015年、学習の友社)、『新自由主義と金融覇権:現代アメリカ経済政策史』(2016年、大月書店)、『トランプ政権とアメリカ経済』(2017年、学習の友社)、『世界経済危機と「資本論」』(2018年、新日本出版社)など

*11:著書『教員評価の理念と政策:日本とイギリス』(2003年、エイデル研究所)、『「いい先生」は誰が決めるの?:今、生きるILOユネスコ勧告』(2004年、つなん出版)、『安倍政権で教育はどう変わるか』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*12:著書『アテネからアテネへ:オリンピックの軌跡』(2004年、本の泉社)、『終戦ラストゲーム:戦時下のプロ野球を追って』(2005年、本の泉社)

*13:著書『非敗の思想と農ある世界』(2009年、大学教育出版

*14:参院議員。党農林・漁民局長。著書『食の安全よりアメリカが大事?:牛肉輸入再開に異議あり!』(共著、2006年、新日本出版社

*15:著書『破綻:臨海副都心開発 ドキュメント 東京を食い荒らす巨大利権プロジェクト』(1995年、あけび書房)

*16:著書『非常識な建築業界:「どや建築」という病』(2016年、光文社新書)など

*17:日帰り及び宿泊温泉施設を全国展開している企業

*18:ただし、沢木氏によれば「パチンコ台」のCMはあっても、パチンコホールのCMは放送業界の自主規制で今のところはないとのこと

*19:2016年のイギリスのEU離脱是非を問う国民投票や、アメリカ大統領選挙で「離脱派やトランプ陣営は、確かに政治的に勝利はしたが、離脱反対派(残留派)やヒラリー陣営を嘘八百で誹謗し政治の道徳性を汚した」と批判する批判派によって多く使われるようになった言葉。

*20:もちろんブーイング。

*21:とはいえ彼らが「理由はともかく」新演出を受け入れた以上「演奏はすばらしかったが、演出がだめ」つうのも「何だかなあ?」とは思います。建前では「新演出も解釈としてありだと思うから、歌手や演奏家は受け入れた」わけですからね。

*22:一時演劇界から遠ざかったが、1985年(昭和60年)に劇団こまつ座より誘われて『日本人のへそ』で舞台に復帰、『人間合格』『父と暮せば』といった井上ひさし作品で活躍。また、1986年(昭和61年)には山田洋次監督の映画『キネマの天地』に出演し第29回ブルーリボン賞助演男優賞(1986年)、第10回日本アカデミー賞 優秀助演男優賞(1987年)など受賞。

*23:1991年から、井上ひさしが主宰するこまつ座に所属。

*24:たそがれ清兵衛』で日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞(2003年)を受賞。