「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(8/7分:巣くう会集会の巻&北朝鮮・韓国最新ニュース、ほか)(追記・訂正あり)

■朝鮮新報『「他者排斥の民族主義、問題がある」/前川喜平・前文部科学事務次官が講演、大阪で朝鮮学校無償化除外の経緯を解説』
http://chosonsinbo.com/jp/2018/08/2018-0831khj/

 大阪市平野区の施設で8月25日、前文部科学事務次官前川喜平氏の講演会が行われた。
 講演テーマは「民族教育権と『教育の機会均等』」。前川氏は高校無償化制度の法案が提出された当時、制度設計に担当審議官として直接携わりながら感じていたことなどについて話した。
 講師はまず、高校無償化の制度設計の段階では、朝鮮学校の生徒たちも「当然、対象にするつもりだった」と強調。しかし当時の中井洽拉致問題担当相の要請などにより、2010年4月から朝鮮学校を対象外にしたまま無償化法の施行が開始。それでも前川氏自身はすぐに朝鮮学校も対象になると考えていたとし、また同じような考え方で「文部科学省の中では完全に一枚岩だった」とした。
 また、第2次安倍内閣発足後、13年2月に高校無償化法において朝鮮学校指定の根拠規定となっていた「規定ハ」を削除し、完全に朝鮮学校を制度から除外した経緯についても言及。無償化訴訟において文科省側は民主党政権下ですでに検討していたことと主張しているが、「そんなはずはない」と否定し、「政権交代以前からハ号の削除を検討していたという今の政府の主張は嘘」だと述べた。また、「規定ハ」の削除自体についても疑義を呈した。「手続きの途中で手続きの根拠規定をなくすなんてやってはいけない」ことだとしつつ、審査に2年以上時間がかかっていることに対しても、「これ自体が違法」だとした。
 他にも無償化裁判において国側が主張している「支援金が授業料に充てられない懸念」や「不当な支配」について言及。「(ボーガス注:朝鮮学校への)無償化が始まれば(ボーガス注:国の主張が事実無根の言いがかりだと)すぐに分かる」、「教育基本法を歪曲して解釈している」などと国側の主張を否定した。
 その上で、国の主張を認めた東京や名古屋などの一審判決を批判。「国を勝たせた方が得策、無難だと、そういう判断が働いているとしか思えない」とし、政治的な力の影響を受ける司法に対し「三権分立が危ない」と危機感を示した。
 一方で、現政権が行っている政治は「ニッポン民族主義」であるとし、「アイデンティティとして民族を大事にするという意味での民族主義は大事だと思う。しかし、他者を排斥する民族主義、これは問題がある」と述べた。その上で、朝鮮学校の無償化からの排除はそのように偏った民族主義から来ていると話した。また、他者を排除する偏った民族主義に基づき教育政策を行うことは「官製ヘイト」だとし、「国が率先してヘイトを煽っている」と批判した。
 最後に朝鮮学校の生徒たちは日本と朝鮮の両方の文化を持つ存在で、学校は「貴重な存在」と評価した。「そのように複合的な文化的背景を持つ人が増えるほど社会は安定していく」としつつ朝鮮学校の更なる発展を期待し、講演を締めくくった。

 以前から何度も同じことを書いていて恐縮ですが、前川喜平氏のような良識の持ち主が文科事務次官であったことは大変良かった、改めてそう思います。
 そしてノンエリートの小生も「元文科事務次官」「前川製作所御曹司」というエリートと「朝鮮学校無償化問題で同意見」で大変誇りを感じています。
 しかし前川氏がこのような良識ある人間になったことは篤志家であったとされる祖父・前川喜作氏の影響でしょうか?。それは、つまりは「安倍晋三*1麻生太郎*2がああいうバカでクズになったのは祖父(岸信介*3吉田茂*4)の影響」ということでしょう。
 俺的には「前川喜作氏>絶対に越えられない壁>岸や吉田」ですね。人間にとって大事なことは肩書きではないこと、それよりも知性や信念であることを改めて痛感します。いや前川喜作氏、喜平氏はもちろん世間一般的にも「日本を代表する冷蔵器メーカー・前川製作所創業者」「元文科事務次官」というエリートですが。
 それにしても「無償化除外容認派」id:noharraも「無償化除外反対派」の俺を朝鮮学校無償化問題で散々罵倒したくせに、「無償化除外反対派」前川氏相手には何も言わないのだから論理性も誠実性も何もない「卑怯者」「論外のクズ」です。
 まあ、前川氏は「id:noharra(野原燐こと本名・八木孝三)の卒業大学・京大より格上の東大卒」で「たかが兵庫県庁の中間管理職(?)止まりのid:noharraとは違い、文科事務次官文科省事務方のトップ)まで上り詰めたやり手」で、加計告発で「正義の人」としてモリカケ批判派に評価されてますからねえ。「自分より、知名度、世間の評判、知的能力がすべて格上の存在」前川氏に対し「格下の存在」id:noharraが卑怯にも黙りになる一方、勝手に「格下扱いしてたらしい俺」に悪口するのもよくわかります。
 まあ、id:noharraも前川氏のような人間が無償化除外批判するとは思ってなかったのでしょう。その結果、「俺を含む無償化除外批判派」に以前、悪口してたこの男が前川氏には何も言えなくなってしまう無様さ、卑怯者ぶりには笑います。
 しかしここからはid:noharraの「卑怯者ぶり」と「権威(東大卒の文科事務次官、加計告発の正義派など)への弱さ」があらわになっていますね。

参考

http://seidoku.shueisha.co.jp/kamisaka.html
 紹介されたのが金沢学院大学学長の石田寛人氏であった。氏は東大工学部原子力工学科(中略)卒業後に科学技術庁に入って専門分野をつき進みながら事務次官まで上り詰め、勤続36年で退官したあとチェコ特命全権大使を務めた。
 だが、科学技術庁原子力局長時代に、義太夫の脚本のコンクールに応募して入選したと聞いて私はたちまち関心を持った。コンクールは国立文楽劇場大阪市教育委員会の主催による「文楽なにわ賞」で、作品は400字詰め原稿用紙60枚というから、余技としてでなく本格的に取り組んだのであろう。
 原子力工学義太夫を体内に同居させている人と面談すべく、緊張して約束の場に出向くと、経歴から想像したイメージが拍子抜けするほど快活な人である。
「あの義太夫は秋津見恋之手鏡という加賀藩士大月伝蔵の恋物語で、もちろん文語体で書きました。文字はすべて旧仮名づかいにしたかったのですが、これがなかなか……」
と話題はのっけから義太夫である。順序として原子力から聞き出しにかかると、
「大学入学は1960年です。1954年には新進気鋭の中曾根康弘*5議員が、ウラン235を活用した原子力にちなんで2億3500万円の原子力予算を獲得して世の注目を集めた*6し、アメリカでアイゼンハワー*7大統領がアトムズ・フォア・ピースととなえたこととも相まって、当時の日本は政府も国民も原子力に好意的でした。私は実父が英文学者でシェークスピアの専門家だったので、文系にも心動かされましたが東大初の原子力工学を選んで役人になりました。でも、いまだにシェークスピアの専門家小田島雄志さん*8には憧れを感じますねぇ」
とのことだから、スタートラインから文系と理系に等分の興味があったらしい。
「たしかに、原子力と違和感なく義太夫を口ずさめる人間は異例かもしれません。それにしても今日まで私が両刀をたずさえてきたのは、和敬塾に入塾して2年目に原子力工学の進路を決めたとき、技術者だった前川喜作塾長から『科学一辺倒の人間にはなるな』といわれた一言が、よほど心に響いたんだと思います。あのときの言葉を、いまでも覚えているくらいですから」
 突然、飛び出した「和敬塾」に私はもちろん耳をそばだてた。聞いたこともない3文字だが、字画からすると進学塾か、武芸場か、はたまた右翼団体かと思わせる。
「いえ、男子専用、女人禁制の学生寮です」
 と石田氏は楽しげにいったあと、こうつづけた。
「1960年といえば安保騒動の年で、あのころ地方都市から息子を東京の大学に進ませる親は悩んだと思います。たまたま人を通じて嘉治隆一さんが発起人に名を連ねておられる学生寮だと知って、親は信用したんですね。塾長の前川喜作さんは、前川製作所創始者といえば分かるでしょう」
 嘉治隆一氏は朝日新聞論説主幹としてよく知られた人だし、前川製作所は世界をリードする冷凍機のメーカーである。ここまで聞けば誰しも業績を上げた企業が利益の社会還元として学生塾を開いたと思うだろう。だが、和敬塾は財団法人として前川製作所の収益とは無関係に独立採算で運営されているというのだ。
「たしか私が入塾したころ東大の駒場寮が学食つきで一か月ほ3千円だったのに、和敬塾は二人一部屋、共同風呂と二食つきで7千円くらいでした。アパートで自活するより安いけど大学の寮や各県で設営している郷土出身の子女のための寮より高いはずです」
 和敬塾の説明をはじめると石田氏の弁舌は義太夫を語ったときのようにさわやかになった。
「前川塾長は、私のことを先生と呼ぶなオヤジと呼べといってましたし、寮長たちからも管理、監督された記憶は全くありません。門限は12時くらいだったと思いますが、門限すぎて帰ってきた者は一階に住んでいる仲間が窓から引き上げてくれますしね。掟としてきびしく徹底していたのは部屋に女の子を入れるな、ということだけでした」
 それも女人禁制というわけではなく、女性を連れてきた時は別棟の細川邸で談笑することになっていた。当時は年に一度の塾祭に限り女性に自室を“見学”させるのが許されたそうで、「但しドアは開けたまま」と条件をつけた寮長たちの配慮がほほえましい。
 時節がら、安保のデモに参加したいという学生も当然いたはずだがと尋ねたところ、
「前川喜作さんはデモに参加したい者は行け。信念をもって参加するならたとえ警察につかまっても私がもらいさげに行ってやるから心配するな、とまでいってました。ただし、皆が行くからふらっと行ってみようという気持ちで参加すれば必ず後悔するからやめろ、と塾生を集めてキッパリいいました」
とのことで石田青年は、この合理的な訓示にしたがってデモには一度だけ参加したが「思うところあって」やめている。
「今になって考えると、和敬塾の良さの一つは同世代の多彩な友人がつくれることだと思います。水戸のおかめ納豆本舗の高野君も同期だし、チェコ大使をしていたときにプラハにまで来てくれた日本化薬社長の島田君も和敬塾に入ったからこその友人だなぁ」
と石田氏はいうが塾生は出身地域でいうと北は北海道から南は沖縄まで、在籍校も国立、公立、私立など各種とりまぜているばかりか、塾の方針として当時から海外の留学生も受け入れている。
 石田氏の尽きない思い出を聞きながら、人間の二面性を探るつもりの私の関心は、いつしか青年の多面性と可能性の育成を手がけた和敬塾に傾き、早くもおかめ納豆と日本化薬の連絡先を調べにかかったのである。

■「私の尊敬する人:前川喜作氏について」(中曽根弘文*9
 私が心から尊敬する人について書きたい。
 身内のことで恐縮だが、それは家内の祖父・前川喜作という人物だ。私と家内が結婚した29年前(昭和54年)は84才でまだお元気だったが、昭和61年に亡くなってもう22年が経つ。喜作氏は、奈良県に吉野杉の山を持ち林業を営む素封家の家に生まれた。三男であったので家業を継ぐ必要がなく、将来の進路は自由が許された。上京し早稲田大学理工科に学び、そこで研究した技術を生かして産業用冷凍機製造の会社「前川製作所」を創業した。喜作氏が初代社長、二代目を家内の父が継ぎ、今は創業84年を迎え、国内64箇所、海外78箇所の事業所を置き、従業員約3,200名、年商1,500億円で、世界でも有数の技術を持ち業界シェアトップの経営をしている。
 “モノづくり”の技術で戦後の発展を支え、日本の底力を示した経営者としての喜作氏には勿論敬意を表するが、私が感銘を受けるのは、事業で成功して得た利益、つまり儲けたお金をどう使ったかなのである。
 会社経営が軌道に乗った喜作氏は、昭和31年に私財を投じて「財団法人和敬塾」という、地方から上京して都内及び周辺の大学へ通う学生達のための寮を作った。戦後、荒廃した日本を目の当たりにし、この国の将来を担う若者には「教育」が何より大事で、食住の心配なく思う存分勉強させてやりたい、そして単に「下宿屋」を提供するのではなく、人間として成長出来る「教育の場」を作りたいという壮大な理想を掲げて取り組んだのだ。
 義父は最初これに大反対したという。「町工場の親父の手に負える分野ではない。荒唐無稽すぎる。」と。しかし喜作氏の決意は固く、揺らぐことのない信念であると義父も結局は納得し、ともに夢の実現のために力を尽くした。著名な教育者、哲学者、宗教家に何度も会い指導を仰いだが、誰からも「やめた方が良い。素人には無理。」と言われたそうだ。
 しかし、その哲学と行動力のスケールの大きさには驚かされる。場所は都内文京区目白台、両隣は椿山荘フォーシーズンズホテル田中角栄*10邸という一等地、そこに私財を投じて7千坪の土地を買い、宿舎を三棟建てて600名の学生を収容し、他にも図書館、食堂、講堂、浴場、ラウンジ、茶室、武道場、運動場等を設けた。塾内では文武各界の専門家による教養講座(いわゆる塾公認の部活動)、各種の塾生が独自に作るサークル活動、体育祭、演劇祭、そして各界の著名人による講演会等を定期的に催している。また各寮には信頼できる社会経験豊かな方を寮長として招き、日々の塾生の生活を責任を持って管理させている。喜作氏がその和敬塾の初代塾長、家内の父が二代目で現在の塾長であるが、折々、積極的に学生達と交流している。
 現在、創立53年を数え、建物も2棟増設し全5棟、大学院生や海外からの留学生も含めて和敬塾では約550人の塾生が生活している。
 和敬塾で学び卒業した卒塾生(和敬塾では「塾友」と呼ぶ)は、約4,500名にも及び各界で活躍をしている。外務省も含め、中央省庁内にも何人もOBがいるようだ。
 喜作氏は自身が若き日に奈良から上京し、人生の師と尊敬する人々に出会い、哲学を学び、早稲田大学で学問を勉強し技術を身につけた。そのお蔭で今の自分がある、と「教育」の重要さ、有難さを身を以て実感し、感謝と恩返しの気持ちを具現化したものの一つが和敬塾だったのだと思う。
 母校である早稲田大学への感謝の念も大きく、後輩の為に、と度々多額の資金援助をしていた。今は建て替えられたが、以前の大隈会館も、氏が個人で建てて大学に寄贈したものであった。数々の貢献に対して早稲田大学は、大学の発展に多大な寄与をした人に対する称号である「校賓」として顕彰したが、自分の名前や行為が公になることを好まない人であった。
 ある塾友から聞いた話だが、「塾長に対する皆からの感謝の気持ちを表したい」と和敬塾の敷地内に喜作氏の銅像建立を申し出たが、案の定固辞されたので内緒で募金をして銅像を造ってしまい、既成事実を以てして再度建立を申し込むと渋々承諾され、「裏庭の焼却炉の辺りにでも建てるよう」に言われたが、強行突破で正面玄関前に無理矢理建ててしまったそうだ。
 「金は天下の回りもの」と喜作氏はよく言われた。和敬塾の設立にも、早稲田大学への寄附にも、もちろん会社の金は全く使わず全て個人の金であった。また喜作氏も義父も和敬塾から一切の報酬を受け取らず、ただ青年育成のために私財と情熱を注ぎ込むのみである。
 約50年前、和敬塾を作るために、当時の金額で4億円かかったそうだ。今の価格では土地代だけみても200億円位にはなろう。だが、私が強調したいのは、金額だけの問題ではない。喜作氏は常々「財は子孫に残さず。命も金も子供も、また身につけているものは一切神仏からの預かりもの。ゆえに、自分が生きている間に自分に託されたあらゆる物は自分の意志で社会にお返しする。」と言っていた。これを言葉通りに実践し、更には単にどこかへ寄附をするというのではなく、自ら行動し、未来を担う青年の育成に尽くした。正に身を以て範を示す教育者であり篤志家の鑑といえる。その上に、目立つことを嫌い「左手でやることを右手に知らせるな」とよく言っておられた。だから私が喜作氏のことをこうして著したことを天空で怒っておられるかも知れない。
 しかし、今の日本を見渡してもマネーゲームに振り回され、カネカネと騒ぎ、金持ちが人生の勝者というような嘆かわしい拝金主義的風潮がある。今こそこういう高い志と生き様を持った人の存在を知ってもらいたいと思い私は紹介した。お祖父様にはお許し頂きたい。
 余談だが、喜作氏は「財団法人前川報恩会」という基金を作り、公的機関の支援を受けるに受けられない社会的弱者の方への支援もしている。昭和40年代に、当時の金額で20億円という私財を基金へ提供した。
 しかし、元来が「慈善は隠れてそっとやるもの」という考えで、あまりに密やかに活動していたので援助先の選定に困り、支援先の幅を広げるために一度だけ新聞社の取材を受けたことがあった。まだ家内と結婚する前のことだったが、その時の記事を読むと、「前川さんのしていることは個人がする仕事ではなく国がするべきことではないか。政治家についてどう思いますか?」との問いに、「あれはいけません。」と答えておられる。これには参った。
 また、家内が成人し年頃になった時、祖父は周りのお世話好きの人から「どのような縁談を望まれるか?」と聞かれ、「こんな孫娘をもらって頂けるならどなた様でも有難いが、一つだけ言わせてもらえれば政治家だけはご遠慮したい。」と答えたそうだ。ところが、当時、民間企業に勤めていた私は縁あって家内と結婚し、その後国会議員となった。しかし祖父からはとても可愛がってもらった。今は初当選以来23年経つが、常に心の根底に喜作氏の存在があり、無意識の内に「祖父に恥じない仕事をしなければ」と自戒している。


■日経『朝鮮戦争終結宣言、なぜ(ボーガス注:米国にとって)困る? (スグ効くニュース解説)』峯岸博*11編集委員
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34767740Q8A830C1I10000/
 これは誰しも感じる疑問でしょう。朝鮮戦争は事実上終戦しています。「中国も当事者となる」終戦協定ならまだしも「終戦宣言」なら米国の一存で出せる。
 かつ「非核化」において北朝鮮は「体制転覆の危険性があるのに非核化などできない」としてその前提条件として「体制保障」を求めていますが「終戦協定、国交樹立、在韓米軍撤退」に比べればハードルの低い「終戦宣言すらできない」のでは「体制保障を前提にした非核化」などできるわけもない。
 「そもそも体制保証する気がないのだ(体制転覆する選択肢を残したいのだ)」と疑われても文句は言えないでしょう。
 また「戦争状態にないEU諸国や日本」に米軍が駐留するように「終戦宣言は必ずしも在韓米軍の撤退*12を意味しない」。
 となると終戦しないことで「国連軍であることによるメリット」を追及したいのか。しかし「国連軍であること」でどんなメリットがあるのか疑問ですし、そもそもあの国連軍は「安保理ソ連欠席で誕生した変則的なもの」で国連軍とは言いがたい代物です。
 そんなもんを「国連軍だから」といって国連軍のメリットを追及することが果たして適切な行為なのか?
 という疑問を書いた上で、峯岸氏の回答を見てみます。

 いったん終戦宣言が出されれば、南北間に「平和」ムードが強まります。北朝鮮は非核化を進めるよりも自らの体制保証を求めて*13、米軍主体の朝鮮国連軍司令部(ソウル)や日本に置かれた同軍の後方司令部の解体*14のほか、約2万8000人を抱える在韓米軍の縮小・撤収を要求してくるとの懸念が日米にはあります。この先、非核化をめぐり米朝関係が再び悪化する事態になったとしても、米国は軍事圧力カードを使いにくくなるでしょう。

 おいおいですね。「そんなことが終戦宣言反対の理由になると本気で思ってるの?」ですね。
 そもそも在韓米軍の撤収、縮小に俺はハト派として賛同の立場ですがそれはさておき。
 既に書きましたが「戦争状態にないEU諸国や日本」に米軍が駐留するように「終戦宣言は必ずしも在韓米軍の撤退や縮小を意味しません」。
 つうか「終戦宣言して、緊張緩和して、将来的には在韓米軍の縮小や撤退を目指す方が適切」と俺は思いますけどね。そもそも在韓米軍の存在理由が「対北朝鮮」かも疑問ですが。昔はともかく、北朝鮮の国力が落ちた今となってはむしろ対北朝鮮よりも対中国、対ロシアの側面が大きいのではないか。
 ただそう公言することによる中露の反発をおそれて、米国は北朝鮮を持ち出してるだけではないのか、
 それにしても峯岸氏の「非核化をめぐり米朝関係が再び悪化する事態になったとしても、米国は軍事圧力カードを使いにくくなる」つうのもげんなりです。なんで「悪化前提」「その場合に軍事カード使用前提」なのか。
 いやそもそも「戦争状態になかった、国交もあったイラクフセイン政権相手に、大量破壊兵器疑惑を口実に、わざわざ米国側から開戦したこと」でわかるように「終戦宣言・終戦協定」「国交樹立」だけではその後、米国が北朝鮮相手に開戦しないとは言い切れないという問題もあります。終戦宣言がでた方がいいと俺は思いますが、俺は峯岸氏ほど終戦宣言の効力を絶対視はしていません。

 国連の場では、中国やロシアが対北朝鮮制裁の緩和・廃止の主張を強めることが予想されます。北朝鮮との経済協力を進めたい韓国政権も開城工業団地金剛山観光の再開に傾く可能性があります。北朝鮮包囲網のあちこちで穴が開きかねません。

 これまたおいおいですね。これまた「そんなことが終戦宣言反対の理由になると本気で思ってるの?」ですね。
 そもそも「制裁の緩和・廃止」「開城工業団地金剛山観光の再開」に俺はハト派として賛同の立場ですがそれはさておき。
 これらにしても「終戦宣言は必ずしもそうした事態を意味しません」。そうした方向性に「終戦宣言が親和的なこと」は確かですが、終戦宣言が当然にそうした方向性を意味するわけではない。
 つうか「終戦宣言して、緊張緩和して、将来的には『制裁の緩和・廃止』『開城工業団地金剛山観光の再開』を目指す方が適切」と俺は思いますけどね。結局「お前の主張には全く賛同できんわ、日経・峯岸」「本気でこれで納得してもらえると思ってるの?」ですね。


■産経『北朝鮮建国70周年 中国が序列3位の栗戦書氏を派遣 習近平氏は訪朝せず』
https://www.sankei.com/world/news/180904/wor1809040020-n1.html
 「北朝鮮が希望していたという」ナンバー1「習*15主席(党総書記)」、ナンバー2「李*16首相」ではないとは言え、ナンバー3「栗*17全人代委員長」というのはそれなりに重視してるとは言えるでしょう。


時事通信『「終戦宣言は撤回可能」=米に受け入れ訴え−韓国補佐官』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090300729&g=use
 事態を前へ進めたいという韓国政府の熱意は評価しますがこれはいかがなもんでしょうか。
 実際問題、「いったん表明した」ものをそう簡単に撤回できないでしょう(撤回すべきでもないですが)。かつこれでは「終戦宣言したところ」で「場合によっては撤回可能なんて認識では当初と状況が違いすぎる。終戦宣言だけではとても非核化に着手できない」つう北朝鮮の反応を引き出しかねません。まあ、現時点では米国から「終戦宣言がでる見通しがない」のではっきりいって「撤回可能な宣言ではあまり意味がないんじゃないか」以前の話ですが。
 つうか正直「現在、事実上終戦している」わけです。「戦争状態にない日本やEU諸国」に米軍が駐留*18しているように「戦争状態にあるかどうか」と「米軍駐留」は当然にリンクしてるわけでもない。それでも米国がこれほどまでに終戦宣言に乗り気でないのは一体何なんでしょうか?
 戦火を交えたベトナムに対しては、正式終戦してるわけで正直訳がわかりません。


■朝鮮新報『我田引水の説』
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/skst-160/

 朝鮮が国内法に違反する罪を犯した日本人男性を「人道主義の原則により、寛大に許し、国外追放」すると、日本の一部メディアは「対話の用意があるとのメッセージ」だと騒いだ。朝米非核化交渉のこう着が背景にあると我田引水の説を広めようとした。

 まあ確かに我田引水ですね。今のところ「対話の用意がある」なんてことを北朝鮮は表明していない。
 今回の解放が「対話の用意があるのだ」と見なす決定的根拠も何もないでしょう。
 そして仮に「対話の用意がある」のだとしても、「日本側に対話の意思がなければどうにもなりません」。また「対話の意思がある」といっても日本から北朝鮮側に何らかのお土産がでる可能性が全くなければ対話などしないでしょうね。北朝鮮は「無条件で対話する気」はさすがにないでしょう。
 つうか「小泉訪朝による日朝平壌宣言以降」はそれなりの対話の意思はずっとあるでしょうね(いわゆるストックホルム合意もその一例でしょう)。
 そうした「北朝鮮側の対話の意思」を無視してきたのはむしろ制裁を加え続けた日本の方でしょう。


■朝鮮新報『〈第18回アジア競技大会〉女子バスケットボール、北南単一チーム「コリア」が銀』
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/yr20180903-1/
 朝鮮半島の緊張緩和という意味でこうした交流が今後も進展していくことを望みたい。まあ、メダルをとらなくてもいいですが、メダルが取れれば喜びもひとしおですね。


毎日新聞拉致問題:「家族を待つ身つらい」曽我さんが新潟で講演』
https://mainichi.jp/articles/20180902/k00/00e/040/166000c
 この人が救う会とつるんでることはバカだと思いますが、自分の子どもを巻き込んでないことはせめてもの救いだと思います。

 会場から若い人の関心が低くなっていることについて聞かれると「テレビなどで見た時、親が子どもに話ができるようになってほしい」と訴えた。

 いやいや「若くない方」だって拉致への関心なんかほとんどないですけどね。


■朝鮮新報『民団中央が、北南両首脳が合意した4.27板門店宣言にしたがって共に歩むことを期待する/総聯中央国際統一局』
http://chosonsinbo.com/jp/2018/08/0830yh/
 全く同感ですが朝鮮総連をいたずらに敵視し、朝鮮学校無償化除外のような無法まで容認し、日本右翼と野合して恥じない今の民団執行部では期待薄です。もちろんそうしたことは朝鮮総連側もわかった上での「あえての呼びかけ」でしょうが。過去の総連・民団和解が「民団内部の反共右翼分子(おそらく今の民団執行部)」によって潰されたことが今更ながら残念です。


■産経『韓国・文在寅大統領の支持率、最低を更新 不支持が初の40% 経済政策に不満か』
https://www.sankei.com/world/news/180903/wor1809030024-n1.html
 支持率が過去最低と言っても以前70%程度だったのが、今55%て話ですからねえ。十分高いでしょう。
 もちろん文氏と与党も支持率低下がいいとは思ってないでしょうが「野党の支持率が増えてるわけではないこと(今も支持率1位は与党)」かつ「(日本と比べても)野党の間で野党共闘が全く成り立ってない」のだから、当面は政権維持がやばくなるつう話ではありません。


■産経【北朝鮮拉致】「拉致は外交ではなく命の問題」埼玉で集会 被害者の即時一括帰国、家族ら訴え
https://www.sankei.com/world/news/180901/wor1809010013-n1.html
 言ってる意味がさっぱりわかりません。外交でしか現実的解決策はないのだから外交問題に決まってるでしょう。
 「命の問題だから外交問題じゃない」つうなら、たとえば「旧ソ連のシベリア抑留」は外交問題じゃなかったのか。馬鹿馬鹿しくて話になりません。


時事通信『「即時一括帰国」譲れない=拉致集会で田口さん長男』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090100492&g=soc
 いつまでこういうバカなこと言ってるんでしょうか。問題は「最終的に全員帰ってくること(まあ個人的には全員は無理だろうと思いますが。既に死んでる人もいるでしょう)」で「一気に全員帰ってこないとだめ」などと無意味に高いハードルを設定して何の意味があるのか。
 結局のところ
1)高いハードルを掲げることで日朝交渉を妨害してる
2)「ウチの家族が帰ってこなかったら、家族が帰ってきた人間は『ウチは家族が帰ってきたからあんたのことなんか知りません』で、ウチだけ見捨てられる」と疑心暗鬼。きれい事言っても家族会連中はお互いを全く信用してない
のどっちかでしょうね。どっちでもくだらないですが。


■河野外相記者会見記録

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken1_000042.html#topic1
【河野外務大臣
 今,日本政府としては,北朝鮮への渡航を国民の皆様に自粛していただくよう要請をしております。自粛の要請でございますが,なぜ,そういう自粛要請を政府がお願いをしているかということを,是非,ご理解をいただきたいと思います。国交もありませんし,在外の公館もございませんので事件・事故が起こった際,日本政府として俊敏に対応するということができかねない状況になることも予想されますので,渡航自粛を是非守っていただきたいと思っております。

 「なら国交がなくてもせめて常駐事務所くらい置けよ」ですね。そして「ふーん、結局、渡航禁止にはしないんだねえ」感がありますね。
 なお、そもそもの自粛理由は「制裁の一環」ですので「何言ってんだか」感もあります。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken1_000042.html#topic8
NHK 石井記者】
 北朝鮮の非核化に関連してなんですけども,先日,ポンぺオ国務長官が訪朝を中止してから,その間も米朝間で様々な応酬があるかと思うんですけれども,今そういった応酬が続いている,いわゆる非核化が進んでいないという評価もあるかと思うんですけれども,外務大臣としてどういう受け止めていらっしゃるのか,あと非核化に日本も関与していくという考えがあるかと思うですけれども,こういう状況で,どういった関与がはたしてできるのかお聞かせください。
【河野外務大臣
 北朝鮮との交渉というのはこういうものだと,恐らく国際社会として共通の理解があろうかと思います。これを打開するためには,しっかりと安保理決議を履行するということに尽きると考えています。

 「はあ?」ですね。南北首脳会談、米朝首脳会談を先に進めるにはさらなる交渉が必要でしょう。かつNHK記者も「日本として状況をどう変えていく考えか」と聞いてるのに「安保理制裁ガー」て「バカか、手前?」ですね。まあ、何も考えてないんでしょうけど。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken1_000042.html#topic9
日経新聞 林記者】
 先日,ワシントンポストが,北村*19情報官がベトナム北朝鮮関係者と接触したという報道を流しましたけれども,情報機関の当局者が外交交渉をすることについて,大臣のお考えをお聞かせください。
【河野外務大臣
 北朝鮮とは,様々なルートで様々なやり取りをしております。それ以上,北朝鮮との今の日本とのやり取りについて,何か肯定をしたり,否定をしたりということは避けたいと思います。

 つまりは「北村氏は接触した」のでしょう。接触してないなら否定すればいいわけですから。しかし、この一件
1)安倍政権が世論の反応を見るためあえてリークしたのか
2)安倍政権のこうした動きに危機感を持つ反北朝鮮派がこうした動きを潰すためにリークしたのか
気になるところです。1)と2)ではこのリークの評価がまるで違ってきますから。


時事通信『トランプ氏、終戦宣言署名を約束?=首脳会談で北朝鮮に−米ネットメディア』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018083000411&g=use
 もちろん真偽は不明ですが事実なら北朝鮮がトランプ米国に反発するのも当然であり、米朝外交や北朝鮮非核化などに支障をもたらしてるのはトランプだと言うべきでしょう。
 なお、こうした情報が誰(北朝鮮側ではなく米国政府内からの情報でしょうが)からどういう思惑(トランプ批判の思惑?)で提供されたのか気になるところです。


毎日新聞『韓国大統領:北朝鮮に特使派遣へ 9月5日に』
https://mainichi.jp/articles/20180901/k00/00m/030/058000c
 これですべてが劇的に変化すると思うほど小生も楽観的ではないですが、こうした交渉努力の中でしか問題解決の道は生まれないと思っています。韓国政府の動きを評価したいと思います。


■産経『政府が「瀬取り」の現場捉えた動画公開 北朝鮮船籍タンカーに横付け』
https://www.sankei.com/politics/news/180831/plt1808310021-n1.html
 「えーと、日朝首脳会談に向けた取り組みとか外交的なことは何もやってないのかしら?。まさかこの種の北朝鮮敵視だけやってるんですか?」ですね。
 二階訪中のような目に見える外交努力が全く存在しないのがなんともかんとも。


■産経『中国軍、対北空爆を想定か 中朝国境近くで初演習の衝撃 各国が情報収集』
https://www.sankei.com/premium/news/180831/prm1808310002-n1.html
 「中国版・斬首作戦」なんてもんはあり得るわけもないでしょう。中国が一番望んでないことは「朝鮮半島有事」でしょう。


■日経『北朝鮮密輸船か 日本に寄港 国連が制裁違反疑い指摘後も』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3473941029082018MM8000/

 北朝鮮産の石炭の密輸に関わった疑いがあるとして(ボーガス注:2018年)8月に韓国政府から入港禁止措置を受けた貨物船4隻が、2016年3月以降、日本に合計25回寄港していることが分かった。

 事の真偽や日経の思惑(日本公安の反北朝鮮宣伝への加担?)はともかく安倍自民はこの記事を完全無視するでしょうし、救う会、家族会も安倍批判なんざしないでしょう。何せ「2016年3月以降」といえば既に安倍政権ですからねえ。
 しかも「2018年8月に韓国政府(文在寅政権)が入港禁止」というのでは「安倍政権は、文政権を北朝鮮シンパ呼ばわりしてたのに何それ?(呆)」つう批判を受けかねません。
 まあ「2016年3月時点ではそんなことはわからなかったから仕方ない、2018年8月になってやっとわかった」のかもしれませんが、安倍としてはそんな言い訳をわざわざするくらいなら最初から無視でしょう。


■日刊イオ『国別メダル数獲得表にコリアの名が』
https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/ed6f32a4bfdb02d2a860a1f26f5c6cbb

 インドネシアジャカルタで行われている第18回アジア大会で26日、北と南の単一チーム・コリアが金メダルを獲得した。カヌー・スプリントの女子トラディショナルボート500メートル競技だ。

 「南北合同チームでの金メダル」は荻村伊智朗が南北合同チーム実現に貢献した、「世界卓球南北合同チーム金メダル」以来の快挙だそうです。素直に喜びたいと思います。


■白頭の革命精神な日記『「トランプのせいでヘイトクライムが増えている」:リベラル派の社会歴史観は主観観念論的』
http://rsmp.seesaa.net/article/461345144.html
 過去に批判的に突っ込んだ方にまた突っ込んでみます。もちろん「ヘイトクライムが増えてるからトランプが当選した」という側面はあるでしょう。
 そういう意味では「トランプが当選しなくてもヘイトクライムは増えた」かもしれない。だからといって「トランプの当選なんかヘイトクライム増加に関係ねえ」的なこのブログ主の主張も詭弁でしょう。
 大統領が「ヘイトクライムに甘いトランプと、少なくともトランプよりは厳しいオバマ」などではおそらく「ヘイトクライムの数」には無視できない違いがあるでしょう。ヒラリーが当選してれば少しは状況はましになったでしょう。大統領という地位にはそれだけの影響力がある。
 このブログ主の物言いだと

・安倍のせいで日中、日韓関係が悪化している:リベラル派の社会歴史観は主観観念論的
・朴クネのせいで崔順実疑惑が発生した:リベラル派の社会歴史観は主観観念論的

とでもなるんでしょうか。
 もちろん
「安倍や朴クネがでかいつらしてるのはもともと国民の政治意識に問題があるから。国民が良識的ならそもそもあんなバカな奴ら首相にも大統領にもなれない」
「極右・中山成彬文科相だったのは安倍政権ではなく小泉政権だし、安倍のダチだった極右・中川昭一も麻生政権財務相になる前に、小渕*20政権当時で既に農水相だった。極右・平沼赳夫も村山政権運輸相だ。石原慎太郎都知事になる前に竹下*21内閣運輸相になってる。重要閣僚とは呼べないにしてもあんな極右連中が閣僚をやれてしまうのが日本だ」
「石原の尖閣購入運動が起こったのは安倍政権下ではない」「そもそも大統領の一存であんなことができてしまう韓国政治システムにも問題がある、朴一人の責任ではない」つうのは一面の真理でしょう。
 すべてを「安倍や朴のせいにできない」のは事実ですが、「だから安倍や朴が総理や大統領でも問題ない」なんて言うのはただの詭弁です。
 「個人の力を過大評価する」のは間違いですが、このブログ主のように「社会の構造」とやらを重視し「個人と言え、その辺のサラリーマンや専業主婦などではない、政財界の要人の言動を過小評価する」のもまた大きな間違いでしょう。そもそも誰も「トランプのせいだけでヘイトクライムが増えてる」なんていってないわけです。
 たとえば「今、文在寅*22が韓国大統領でなかったら」「朴クネ政権与党から大統領が当選したら」南北首脳会談や米朝首脳会談はあり得たのかを考えてみればいいでしょう。たぶんなかったでしょうね。
 あるいは「安倍が今、首相でなかったら」「石破や石原、岸田、谷垣*23などが首相だったら」歴史認識問題でここまで日本が中韓と敵対的関係になったかどうかを考えてもいいでしょう。
 本気でこう思ってるのか、トランプが好きなのか、はたまた米国リベラル派(あるいはそれプラス日本のリベラル派?)に悪口したいのか知りませんがくだらない話です。


■産経【主張】拉致と総裁選 北朝鮮に言質を与えるな
https://www.sankei.com/politics/news/180830/plt1808300006-n1.html

 自民党総裁選で石破茂*24元幹事長は、北朝鮮問題について「拉致問題の全面解決がなければ、何も進展しないというものからは脱却しなければならない」と述べた。

 石破も思い切ったこと言ったもんです。「参院選に出馬した増元照明が落選したこと」でわかるように、拉致なんて総裁選の票に影響するとは全く思えませんので、この点では石破を評価したい。まあ、産経はもちろん(?)石破に悪口していますし、これで救う会や家族会は「頑張れ安倍総理」「石破元幹事長を許さない」とか言い出すんでしょうね。まあこの石破発言がなくても、石破や安倍が総裁選において拉致について何一つ触れなくても、「頑張れ安倍総理」が救う会と家族会でしょうが。いい加減、家族会にもそういう異常な安倍万歳が、俺のような安倍批判派の家族会への怒りや反発をうんで拉致が風化してると理解してほしいもんですが、まあ家族会はバカだから無理なんでしょうね。彼らは安倍批判派に逆ギレするだけでしょう。
 それはともかく石破発言には全く同感ですね。
 「日本人妻問題など他の問題で進展があれば、制裁解除など検討していい」「拉致被害者の一部帰国でも(以下略)」し、そもそも「拉致解決を進展させるため」にもむしろ制裁解除を先にやるべきだと思います。
 「拉致被害者が全員帰ってこないと制裁解除も国交正常化もしない」では拉致はいつまでたっても解決しない。しかもこの全員がまだ「政府認定拉致限定」ならいい。救う会、家族会の場合、特定失踪者なんてもんを含んでるんだから話になりません。
 「改憲派右翼という意味では安倍と同じ」で「護憲派として手放しで支持できない」とはいえこの発言だけでも俺的には石破の方が安倍よりもましです。
 まあこの発言がなくても「モリカケのような疑惑がない」「(安倍に干されてるので批判しやすいという事情があり、野党の批判よりぬるいとは言え)杉田のLGBT差別暴言を批判した」「安倍の『ニッキョーソ』のような下品なヤジを多分飛ばさない」「首相就任時に靖国参拝はしない」などという点で安倍よりマシですが。
 なお、こうした石破発言には以前拙記事(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20080806/1307052595)で指摘しましたが「日朝国交正常化議連の役員」を二階*25幹事長、岸田*26政調会長、竹下*27総務会長、塩谷*28選対委員長、石原*29元幹事長、井上*30公明党幹事長、北側元公明党幹事長などといった与党幹部連が務めてることも影響してるのかもしれません。


■「子供400人が94年以降、米国から日本に拉致された」共同親権ハーグ条約違反常習国の汚名返上を(木村正人)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180829-00094946/
■日経『子供「連れ去り」対応迫る、「日本はハーグ条約不履行」と批判』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3468170028082018EA1000/
 日経が「連れ去り」なのに産経出身・木村が「拉致」なのが意外ですがそれはさておき。
 まあ、木村が産経出身なので救う会、家族会も何も言わないでしょうが、これが朝日出身だったら「子供400人が94年以降、米国から日本に拉致された、とは何という酷い表現だ」「我々拉致被害者家族を馬鹿にしてるのか」「北朝鮮を免罪したいのか」「日本に対する不当な誹謗だ」と因縁つけて恥じないのが家族会、救う会でしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3468170028082018EA1000/
 日本が「国際的な約束を守っていない」と批判されている。国境を越えて連れ去られた子どもの扱いを定めたハーグ条約への対応だ。
■先進国で唯一
 発端は米国務省が5月に発表したハーグ条約に関する年次報告書だ。中国、インド、ブラジル、アルゼンチンなど、アジア、中南米、中東の12カ国を名指しで「条約の不履行国」と批判した。
 列挙したのはいずれも非欧米諸国だ。日本は主要7カ国(G7)で唯一、名前が挙がった。「親が裁判所の返還命令に従うのを拒んだ場合に、効果的な執行策がとられていない」と指摘された。
 こうした国内法には日本の家族観が反映されている。日本では離婚後も片方の親、特に母が子を育てるべきだとの考えが強い。民法は離婚後の親権は片方の親が持つ「単独親権」と規定している。欧米は違う。離婚後も両親が親権を持つ「共同親権」だ。外務省によると、米国が批判したブラジルやアルゼンチンも「離婚後は母が子を育てるべきだ」との慣習があるという。家族観の違いが条約を巡る対立を生む。
 とはいえ「文化の違いだ」と放置はできない。ハーグ条約では子の「連れ去り」は“abduction”と表現するからだ。北朝鮮による日本人拉致問題で使う「拉致」の英訳と同じ単語だ。子の返還が滞れば、欧米は深刻な人権侵害と批判する。外務省関係者は「北朝鮮拉致問題と全く性質が異なるが、国際社会での日本のイメージが傷つきかねない」と話す*31
 3月、注目される最高裁判決があった。ハーグ条約に基づく子の返還命令を拒否する母親に、米国在住の父親が引き渡しを求めた上告審だ。父親はハーグ条約の一般的な裁判プロセスと異なる手段をとった。より強制力がある人身保護請求だ。
 最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は、子の返還命令に従わない場合は「違法な拘束にあたる」とし、子を父親に引き渡すよう母親に求めた。母親は7月、差し戻し審での上告を断念した。判決に従わなければ、2年以下の懲役や罰金を受ける可能性があった。返還命令を放置すれば重い人身保護請求に発展する先例が生まれた。政府内には「親が返還命令を受け入れる契機になる」との期待がある。
 法務省も対応を急ぐ。強制執行の際に、連れ去った親がその場にいなければ子を取り戻せない規定を変える方針だ。申し立てをした親や代理人がいれば子を保護できる制度を検討する。連れ去った親が自宅以外に子をかくまい、連れ戻しに同意しないよう頼んだ場合も同様の措置をとれる。法制審議会(法相の諮問機関)で詰め、19年にも国内法を改正する予定だ。
 上川陽子法相は離婚後に父母共に親権が残る「共同親権」の導入を検討することも表明した。グローバル化に伴い、昔からの日本の家族観も再考が迫られている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180829-00094946/
 5月には米国務省が「国際的な子供の拉致」年次報告書で、日本、中国、インド、ブラジル、アルゼンチン、バハマ、ドミニカ、エクアドル、ペルー、ヨルダン、モロッコアラブ首長国連邦UAE)の12カ国を「ハーグ条約違反の常習国」と認定しました。先進7カ国(G7)の中では日本だけという不名誉です。
■「連れ去り」は「拉致」と同じ
 わが国では国際結婚が破綻したため母親が子供を嫁ぎ先の国から日本に連れ帰ることはそれほど珍しいことではありませんでした。しかし米国では「連れ去り」には、北朝鮮の日本人拉致を同じ「拉致(abduction)」という言葉が使われています。それだけ重大事案だということです。
■「日本の家族法は『人さらい憲章だ』」
 子供の連れ去りについて、日本に厳しいのは米国だけではありません。
 英国の市民団体「チルドレン・アンド・ファミリーズ・アクロス・ボーダーズ(CFAB)」は、英国人男性と離婚した日本人女性が無断で子供を日本に連れ去った事案を取り扱ってきました。
 責任者のアンディ・エルビン氏は10年、日本の政府と政治家にハーグ条約への加盟を説得するため日本を訪れたことがあります。日本でのハーグ条約発効時にエルビン氏にお話をうかがうと、厳しい言葉が返ってきました。
「以前は連れ去られた子供を英国に連れ戻す手段がなかった。英国人の親は日本の裁判所に提訴することもできなかった」
「英国人の多くは日本の家族法を、夫婦間に葛藤が生じたとき連れ去りや面会拒否を促す悪名高き『人さらい憲章』とみなしてきた」
 エルビン氏は日本でのハーグ条約発効について「とてもうれしい。両親が離婚したとしても、子供には両方の親と建設的な関係を保ちながら育つ権利がある。連れ去りや面会拒否は子供を含めた当事者全員を苦しめる」と語りました。
■米国では7億円の支払い命令、テロリスト扱いも
 11年、米国のテネシー州では、離婚後に子供を無断で日本に連れ帰った日本人の元妻を相手に米国人男性が損害賠償を求めた裁判で、元妻は610万ドル(6億7800万円)という巨額の支払いを命じられました。
 米連邦捜査局(FBI)の最重要指名手配犯リストでは、米国人の元夫に無断で子供を連れて日本に帰国した日本人女性の名前がテロリストと同様に扱われていました。海外で離婚した母親が子供と一緒に帰国しようとしても、連れ去り防止のため出国を許可されない事態も発生していました。
■連れ去りはDV対策になり得るか
 日本では「外国でのDV(家庭内暴力)被害や生活苦から避難するため、日本への連れ去りは最後の手段として必要」という反対論があります。しかしハーグ条約でも、DVが明らかであれば裁判所は子供を元の居住国に戻す必要はありません。
 ハーグ条約で返還が拒否できる事例を見ておきましょう。
(1)連れ去りから1年以上経過した後に裁判所に申し立てられ、子供が新しい環境に適応している場合
(2)申請者が連れ去り時に現実に監護の権利を行使していない場合
(3)申請者が事前の同意または事後の黙認をしていた場合
(4)返還により子供が心身に害悪を受け、または他の耐え難い状態に置かれることとなる重大な危険がある場合
(5)子供が返還を拒み、かつ該当する子供が、その意見を考慮するに足る十分な年齢・成熟度に達している場合
(6)返還の要請を受けた国における人権および基本的自由の保護に関する基本原則により返還が認められない場合
■日本にも共同親権
 単独親権制度を採用している日本では、犯罪や禁治産宣告などの問題でもない限り、親権は母親に認められています*32。英国では離婚後も親権は両方の親にある共同親権を認めており、裁判で監護者や面会の条件などを決める仕組みになっています。
 男女平等が徹底しているように見える英国でも、家庭裁判所の判断で父親の面会が制限されたり、母親が無断で子供を連れ去ったりする事例が少なくありません。
 英市民団体「ファーザーズ・フォー・ジャスティス」はバットマンに扮装してバッキンガム宮殿に 登ったり、下院で首相に小麦粉を投げつけたりする過激パフォーマンスで離婚した父親の親権強化を訴えています。
 日本でも上川陽子法相は単独親権制度の見直しを検討する考えを表明しました。何かの事情で離婚に至っても、子供を父親から取り上げるのは「拉致」と同じです。父親と母親の2人で子供を育てていく姿勢を示すことが大切だと思います。

 一瞬「違和感を感じます」が、冷静に考えてみれば、まあ確かに「子どもの連れ去り=誘拐=拉致(abduction)」ではあるのでしょう。こうした記事について救う会や家族会、拉致議連にどう思うか聞きたいところです。
 共同親権については機会があったら勉強(?)してみたいとは思います。


■1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告5
http://www.sukuukai.jp/mailnews/item_6656.html

飯塚繁雄田口八重子さん兄、家族会代表)
・国家犯罪を冒した北朝鮮と、無条件で国交正常化なんてできる筈がない
・日本との問題をすべて解決したあげく、特に拉致問題を解決したあげく、正常化状態になった上でお互いに結ぶ。そして将来を明るくしていくというパターンになっていくと思います。

 やれやれですね。そういうことを言っているから拉致が解決しないのではないのか。
 なぜ国交正常化が拉致解決に先行してはいけないのか。
 これが「政府認定拉致がすべて解決したら国交正常化」ならまだ理解できます。「特定失踪者」なんて明らかなガセまで拉致扱いして「解決しないと国交正常化できない」と言い出すのだからそのバカさには呆れて二の句が継げません。そんなんで拉致が解決するわけがない。 

 この問題は今年中にきちっと解決しなければいけないんです。

と毎年のようにいって、毎年のように解決できないバカの集まりが家族会です。本気で今年中に解決したいならそれこそ「国交正常化が先行してもいい、とにかく拉致が解決すればいい」でないと解決しないでしょう。

 もう時間がないんです。私たちは安倍総理に面会した後、この問題は今が最大のチャンスである、と。このチャンスを逃してはならない。

といってもこのままでは「チャンスは失われる」でしょうね。そして家族会と救う会は「北朝鮮が悪い」ですべてを終わらせる。また来年も再来年も「今年こそ」はバカを言い続け、その中で高齢化したじじばばの拉致被害者家族が死んでいくと。まあ俺のような部外者にとっては、拉致被害者家族がどうなろうとある意味どうでもいい話です。
 そもそも今年チャンスがあると言えるかも疑問ですが。

 素人が見ても、アメリカのトランプ大統領はすごい権力を持っており、そういう強い人が北朝鮮に向けて、日本人を返せと言った時に、即反応がある筈と思っていました。
 ところが、米朝会談では、日本人拉致問題に単に言及しただけ。言いましたよ。これだけで終わってしまっている感じがあります。

 そりゃ当然でしょう。米国にとって日本人拉致なんか当事者じゃありませんから。
 たとえば日本の拉致被害者家族にとって「ワームビア君」のことが親身になれるかと言ったら正直「どうでもいい」でしょうね。

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
 金正恩北朝鮮国内では絶対的な独裁者であるわけですが、本当に彼が北朝鮮を統治しているのかという疑問です。
 金正恩は個人的にはやりたいと思っているかもしれないけど、統治できない。軍部や情報機関がそれを妨害しているとすると、彼の意思では統治できないものがあるのではないかという疑問を持ったわけです。

 やれやれですね。何を根拠にそういうことを言うのか。というかそれが事実だとしたら正直拉致はもはや解決しないでしょう。公式(建前)のトップが決定権を持ってなかったらどうしようもない。

 米朝首脳会談が終わってから今日まで、状況は一切何も変わっていないということを、私たちはもう1回見つめなおさなければならないと思っています。

 非核化はともかく日本人拉致についてはその通りでしょうね。理由は簡単で米国や韓国は日本人拉致の当事者じゃないからです。日本政府だけが当事者として拉致問題を解決できるわけです。

 直近のニュースでは、日朝の外相が接触するという噂も出ていますが、それ自体にはあまり意味はないし、実効性もないと思います。北朝鮮という国は、トップの金正恩だけが実験を握っていて、外務大臣は飾りに過ぎず、そこで語られたことは実効性が伴わないだろうと思います。

 いやいや意味はあるでしょうね。

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)
 朝鮮戦争の時に亡くなった米兵の遺骨の返還ぐらいが唯一の進展だと思います。
 その遺骨の家族がアメリカにいるわけですから、そんなのは後回しでいいとは口が裂けても言えませんが、一般論からすれば、骨よりも生きている人間を返す方が先だろうと北朝鮮に言いたいですし、アメリカ政府にも、それはそれで重要だけど、もっと優先すべきものがあると言いたいと思います。

 アメリカからすれば「ふざけるな」「図に乗るな」ですね。なんで当事者でもないのに拉致解決など期待されねばならないのか。

本間勝(田口八重子さん兄)
 東北地方に北朝鮮の木造船が何十隻も来ています。難破というより、意図的に船を流して日本に上陸しているのではないか。本当に難破だったのか。相当壊れているようですし、何十日も乗っている人が劇やせしていなければおかしいのですが、上陸してくる人間は、我々と同じような健康状態です。

 おいおいですね。根拠レスで工作員呼ばわりなんて無礼にもほどがあります。

 東京オリンピックは2020年で、あと2年後になっています。この平和の祭典に北朝鮮は、スポーツだからということで拒否はできないことになっていますが、拉致した人間を返さない国が、この平和の祭典に参加させていいのかなと思います(拍手)。

 おいおいですね。北朝鮮の参加拒否なんかして何の意味があるのか。
 「政治を持ち込まない」という五輪憲章違反の疑い濃厚ですし、むしろ北朝鮮の参加を認めて、それを機会に交渉すべきでしょうに。


■1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告4
http://www.sukuukai.jp/mailnews/item_6648.html

西岡力
 横田早紀江さんはよく、「拉致問題は子どもが池にはまっておぼれているようなものだ。大人たちがそれを見ていたら飛び込んで助けるはずだ。助けてくださいと私たちは言っているんです」と言っています。

 誰も助けないなんて言ってませんが。むしろ小泉総理や田中外務審議官が助けようとしたら「そのやり方は気に入らない」などと横田奥さんらが言いだし、田中氏が外務省退職に追い込まれたことで「あいつら家族会に非難されたら、田中さんが泣く泣く退職したみたいに、俺の立場がやばいことになるから、何か頼まれない限り無視しておこう」「頼まれても『善処します』とか適当にあしらっておけばいいや」「あいつら家族会は救う会の飼い犬だから。あいつらをまともに相手しても疲れるだけで無意味だ」となってしまっただけの話です。すべて家族会の自業自得です。正直、横田奥さんには「救う会のいいなりの操り人形は黙ってろ」「田中均氏を酷い目に遭わせた恩知らずは黙ってろ」と思います。

「生存しているという前提に立って」というのが日本政府の立場です。和田春樹教授は、「こういう安倍政権の立場が日朝国交正常化を妨げている」と言っています。

 そりゃそうですよ。生きてる保証はどこにもありません。仮に死んでるとしたら「屏風の虎を縛ってみろ」といってるようなもんでできるわけがない。できないことを言われれば「ああこいつは日朝国交正常化も拉致解決もする気がないんだ」「拉致を口実に正常化を妨害してるだけなんだ」と北朝鮮に理解されて当然です。つうか正直な話、死んでる可能性が高いでしょう。
 救う会や家族会がやってることは例えるならシベリア抑留で「抑留者全員を生きて返さない限り、ソ連と国交正常化しない」といってるレベルの愚行です。

 それなのに、死亡を認めるかのように聞こえる合同調査委員会とか、調査のための連絡事務所ということを公然と言う人がいる

 別に合同調査などしなくても連絡事務所は日朝交渉のために置くべきでしょう。そして合同調査はもちろん「死亡を認めること」など前提にしていない。
 それにしても「合同調査はしてもいい。しかし家族会や救う会から委員を調査委員会に入れてほしい」という言葉が出てこないのはまさに異常ですね。
 俺が拉致被害者家族なら「合同調査ウエルカム」「ただしその場合、救う会と家族会から委員を入れさせてくれ」ですよ。北朝鮮の単独調査は信用できないし、とはいえ「日本が自由に北朝鮮国内調査していいです(北朝鮮)」なんてありえないわけですから。合同調査が一番現実的で有益でしょう。

 解決の定義は何かということですが、それは全被害者の即時一括帰国です。この「全被害者の即時一括帰国」という要求を降ろしたら、せっかく来た最後のチャンス、9回裏二死満塁かもしれませんが、三振して終わってしまう。

 そんな要求を掲げたらそれこそ三振でしょう。「ど真ん中のストレートという打ちやすいタマが来ない限りバット振らない」「ストライクかボールかわからない、くさいところに来る変化球はすべて見逃す」といってるようなもんです。そんなんでどうしてヒットできるのか。

 (ボーガス注:北朝鮮政府は横田の奥さんについて)「安倍晋三とか西岡力という極右に踊らされてしゃべっているばかなおばさんだというキャンペーンをしろ、ということを決めたんです」、と言っていました。

 脱北者救う会にこう言ったそうですがこれこそ「問うに落ちず語るに落ちる」ですね。
 この脱北者救う会も、横田の奥さんのことを内心では「日本極右に言いように踊らされてるバカなおばさん」と完全に見下してるわけです。まあ、俺も正直あのおばさんのことは、そのように見下してますが。それにしても、救う会にこびへつらってもその扱いとは何というか哀れなおばさんだとは思います。
 しかし「あのおばさん」はバカだからこういう話を聞くと「北朝鮮に馬鹿にされてたまるか」としか思わないんでしょうねえ。その結果、救う会に見下され続け、かつ言いように操られ続けると。


■1回は拉致解決のチャンスが来る−東京連続集会報告1
http://www.sukuukai.jp/mailnews/item_6626.html

西岡力(救う会会長)
 朝鮮中央通信6月26日は、「日本はやるべきことをはっきり知るべきだ」と。7月6日は、「日本は過去清算の機会を逃すな」、7月4日は、「対話と人権を云々する日本の新面目」、7月18日は、「日本は過去清算の勇気を持つべきだ」というのが続いています。

 「過去清算」つうのは一つは金の問題ですね。「過去の清算としてそれなりの金を出すのが筋だろう、韓国には国交正常化時で出してる」と。
 第二に「メンツの問題」ですね。これが小渕政権、橋本政権、福田政権ならまた話も違うかもしれませんが、今は反動極右・安倍政権です。そんな連中相手に「ろくに批判もせずに簡単に転んだ」となってはメンツが潰れるわけです。「安倍はそれなりに植民地支配に対し反省や謝罪の意思を表明しろ」となるのは自然な話です。
 「金日成の抗日闘争の輝かしい歴史」を表看板の一つにしてる北朝鮮としてはその看板に泥を塗ることは到底できないでしょう。

 「拉致問題をしつように喧伝するのはけしからん」というようなことを言っているんですが、「だから日本とは話し合いをしない」とは言っていなくて、

 「話し合いをしない」とは言っていない理由は私見では二つありますね。
 一つは西岡が言うように「日朝交渉で制裁解除、国交正常化時の経済支援などのお土産が出るなら話し合ってもいい」つうことです。
 第二は韓国、中国などへの配慮ですね。韓国、中国などが「日本と話し合ったらどうか」といってるのに「知るか、ぼけ」つう横柄な態度が中国、韓国などにとれるほど北朝鮮も「左うちわで万々歳」ではない。とはいえ既に指摘したように「メンツの問題もある」ので「過去清算(安倍による植民地支配への反省、謝罪意思の表明)」が必要となるわけです。

 彼らが日本に期待している金額は100億ドル、1兆円以上です。配布資料として「月刊正論」に私が書いたもので、今発売されているものがありますが、東京に何回か来ていただいた張真晟(チャン・ジンソン)さんという統一戦線部の幹部*33が、「2002年に100億ドル以上が来ると言われた。しかしそれはODAなのでプロジェクトベースだ。だからプロジェクトを作れと各部署に命令が下った」と最初に来た時話してくれました。
 そのことを櫻井よしこさんが週刊誌に書いたら、小泉元総理の事務所から抗議が来て、「そんな約束はしていないと言われた」と言っていましたが、その話を張真晟さんにしたら、ソウルに今いる貿易関係者、保衛部関係者、党関係者の3人に、私が見ている前で電話して、「2002年9月にそんな話があったですよね」と言ったら、みんな「そうだ」と。その人たちは2002年9月には平壌にいた人です。
 そして2年前の2016年に、イギリス大使館で公使をしていて韓国に亡命した太栄浩(テ・ヨンホ)という人が今年本を書きました。まだ韓国語版しかでていなくて、秋に日本語版が出ると言われていますが、それにこう書いています。

 (小泉首相平壌訪問して金正日平壌宣言を発表した後)、姜錫柱*34(カン・ソクジュ)第一副外相が直接外務省の講堂で全体成員を対象に講演を実施した。
 「日本は植民地統治の被害に対して経済協力方式で補償すると約束した。少なくとも100億ドルは入ってくるだろう。100億ドルなら朝鮮の道路と鉄道など基本的な下部構造はすべて現代化できる」と。

 姜錫柱という人は、小泉さんが金正日と会った時、その横に座っていた人です。
 彼が向こう側を仕切ったんです。日本側は田中均局長が仕切った。そして外務省のメンバー全員を集めて内部の講演会をした。そこに太栄浩さんも出た。だから自分の経験なんです。
 また、「『100億ドル』という題目には私さえも胸が躍った。外務省の同僚たちも大変興奮した様子だった。その程度に大切で莫大な金額だった」と書いています。

 小泉、田中氏は否定してるし、一方脱北者はあることないこと言うでしょうから、真偽は不明です。テ・ヨンホの発言にしても「いわゆる秘密の暴露」でもない限り、「過去の脱北者発言に話を合わせてデマ飛ばしてる」疑いが否定できません。
 「100億ドル」にしても「韓国に国交正常化時に支払った額」にその後の物価上昇を考慮して出した額をもとに「日本が密約するとしたらこのくらいの額だろう」つう想像をもとに言ってるだけの話かもしれない。
 ただこれが事実だとしても俺は何ら小泉氏らを批判する気はない。むしろ俺が拉致被害者家族なら「我々のためにそんな約束までしてくれたのか!」と思って号泣してると思う。
 たぶん俺が拉致被害者家族なら「死ぬまで小泉総理と田中元外務審議官にはアタマが上がらない」と思うでしょう。「この恩義は死ぬまで忘れない」「小泉氏の所属政党である自民党を死ぬまで支持しよう」「外務省のためなら、田中氏のためなら頼まれれば何でもする」とすら思うかもしれない(しかしさすがにモリカケ安倍自民だと『こんなんは小泉氏の自民党じゃない。小泉氏も安倍を批判してる』と考えるかと思いますが)。
 以前統一教会被害者家族について書いた本を読んだら「自民党支持者だったが、統一教会を何とかしてほしいと陳情しても『信教の自由がある』だの何だの抜かしてあまりに自民党統一教会に甘いので、統一教会に批判的な社会党の支持に変わった」なんて被害者家族のことが書いてありましたからねえ。それと同じ話です。
 しかしそうは思わず、救う会と一緒に「泥棒に投げ銭だ」とか言う家族会はどうしようもない。金とのバーターなしで拉致被害者が救出できるならそうすればいい。でもそれ現実的に無理でしょう。
 なら「金を出してでも取り戻す」か、「金を出すのが嫌だから諦める」かどっちかしかない。
 「金を出さずに取り戻す」なんてことは無理でしょう。いい加減家族会にも現実を直視してほしいもんです。

 米朝首脳会談が終わった後、その「100億ドル」以上という数字が日本経済新聞産経新聞朝日新聞に出ている。誰かがその数字をリークしているのではないかと思っています。

 確かに誰かが「おそらく日朝交渉潰しの目的でリーク」してるのでしょう。「アンチ北朝鮮」産経がそれに加担するのは大変よくわかりますが、西岡の指摘が事実なら「朝日や日経まで加担するの?」ですね。


■日朝「拉致」合同調査に反対せよ(西岡力
http://www.sukuukai.jp/mailnews/item_6627.html
 「合同調査委員会を作成するに当たっては我々の信頼する人間を、委員として調査委員会に入れたい」「合同委員会それ自体には反対しないが無条件で賛成はできない」(家族会&救う会)などというならまだわかります。
 合同調査委員会について委員の構成など具体的なことがわからない(というか決まっていない)時点で「拉致解決妨害の陰謀だ」などとわめき立てるとはおよそ正気ではありません。そのような態度の方がよほど妨害でしょう。
 なら合同調査委員会以外に何があると救う会はいうのか。
 北朝鮮の単独調査なら信用できるのかといえば、もちろん救う会は信用できないというわけです。
 では日本政府が、北朝鮮の制約を受けずに自由に北朝鮮国内で調査ができるのかと言ったらそんなことが現実問題できるわけもない。
 それが可能なら誰も苦労しません。
 だったら「現実的かつ適切な方策」は合同調査委員会以外ないでしょう。合同調査を否定するなら、一体どのような調査なら納得できるのか、救う会はまともな回答を何一つ出しません。
 単に救う会は「北朝鮮の単独調査なら因縁がつけやすいが合同調査だとそれがしづらい」と無茶苦茶なことを考えてるに過ぎません。家族会もよくもまあ救う会なんぞと付き合えるもんです。

*1:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*2:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*3:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*4:戦前、天津総領事、奉天総領事、外務次官、駐イタリア大使、駐英国大使など歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*5:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*6:中曽根は岸内閣科学技術庁長官、田中内閣通産相として原発推進に大いに貢献しています。

*7:米国陸軍参謀総長NATO軍最高司令官などを経て大統領

*8:著書『シェイクスピア物語』(1981年、岩波ジュニア新書)、『シェイクスピア名言集』(1985年、岩波ジュニア新書)、『シェイクスピアへの旅』(1988年、朝日文庫)、『小田島雄志シェイクスピア遊学』(1991年、白水Uブックス)、『シェイクスピアに学ぶ老いの知恵』(2003年、幻冬舎)、『シェイクスピア人間学』(2007年、新日本出版社)、『シェイクスピアの戦争・平和学』(2008年、新日本出版社)、『シェイクスピアの恋愛学』(2010年、新日本出版社)など

*9:小渕、森内閣文相(科技庁長官兼務)、麻生内閣外相、自民党参院議員会長など歴任

*10:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*11:著書『韓国の憂鬱』(2017年、日経プレミアシリーズ)

*12:個人的には撤退すべきだと思いますが

*13:北朝鮮にとって「非核化よりも体制保障」ではなく「非核化の前提としての体制保障」なんですが。

*14:そりゃ終戦すれば国連軍ではなくなるから、「国連軍としての司令部」は解体される(なくなる)でしょうね(終戦しても国連軍であり続けるなんて無理でしょう)。北朝鮮が「国連軍指令部解体」を要求する、しない以前の話です。ただし在韓米軍、在日米軍が存在すれば「国連軍でない司令部」はもちろんありますが。そして北朝鮮はそうした「国連軍でない司令部」の解体(在韓、在日米軍撤退)ももしかしたら求めてくるかもしれないですが(ただしそれは「終戦すれば理屈の上で当然に解体される国連軍司令部」とはもちろん話が違います)。つうか「国連軍司令部の解体」が問題であるかのように言う日経・峯岸氏は「在日米軍や在韓米軍に国連軍の旗があることにメリットがある、その旗がなくなったらデメリットだ、だから終戦すべきでない」とでもいう気でしょうか?。もしそう言いたいなら「在韓米軍撤退」云々なんて「その後の話」は日経にとって全くいらない話です。

*15:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*16:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*17:西安市党委員会書記、黒竜江省長、貴州省党委員会書記、党中央弁公庁主任などを経て全人代委員長(党中央政治局常務委員兼務)

*18:個人的にはそうした駐留は評価しておらず米軍は撤退すべきだと思いますが

*19:徳島県警本部長、兵庫県警本部長、警察庁警備局外事情報部長などを経て内閣情報官

*20:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*21:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相

*22:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*23:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*24:石破派会長。小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*25:二階派会長。小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て現在、自民党幹事長

*26:岸田派会長。第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て、現在、自民党政調会長

*27:竹下派会長。第三次安倍内閣復興相、自民党国対委員長(第二次安倍総裁時代)を経て、現在、自民党総務会長

*28:麻生内閣文科相自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て、現在、自民党選対委員長。

*29:石原派会長。小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*30:公明党選対委員長、政調会長、副代表などを経て幹事長

*31:本質は「子どもと親のあるべき関係」であって「北朝鮮拉致ガー」「国際的イメージガー」つう話では全くないと思いますが、まあハーグ条約問題に注目を集めるための外務省の煽りでしょう。個人的にはこうした本質を外したやり方にはあまり賛同できません。

*32:正確には「制度上、当然に親権者が母親になるわけではなく、裁判所の判決などによってそうなる傾向が強い」。

*33:原文のまま。脱北者だから「元幹部」でしょう。

*34:第一副外相、副首相、党国際部長など歴任。2016年死去。