今日の産経ニュース(8/12分)(追記・修正あり)

■【自民党総裁選】竹下亘*1石破茂*2支持を表明 地元・島根の会合で
https://www.sankei.com/politics/news/180812/plt1808120011-n1.html
 石破が竹下派出身だったとは言え
1)竹下氏自身は安倍によって総務会長に就任
2)竹下派幹部の内、安倍に重用されてる加藤*3厚労相、茂木*4経済財政担当相は安倍支持を主張
という状況下では実に意外です。


■【長州「正論」懇話会設立5周年記念】安倍晋三首相、臨時国会自民党改憲案提出を明言
https://www.sankei.com/politics/news/180812/plt1808120010-n1.html
 右翼団体の政治集会にためらいなく参加するというのだから全く安倍も異常な男です。


■恵庭女性殺人、元同僚釈放 懲役16年の刑期終え
https://www.sankei.com/affairs/news/180812/afr1808120010-n1.html

 北海道恵庭市で2000年3月に女性会社員が焼かれた遺体で見つかった殺人事件で、殺人と死体損壊の罪で服役していた元同僚の大越美奈子さん(48)が刑期を満了し、札幌刑務支所から12日、釈放された。
 大越さんは00年5月の逮捕時から一貫して無実を主張したが、札幌地裁は03年、被害者の携帯電話の位置情報と大越さんの足取りがほぼ一致するなどの状況証拠から有罪を認定、懲役16年の判決を言い渡した。札幌高裁、最高裁も支持し、06年10月に判決が確定した。
 大越さんは12年、遺体が焼かれた状況に関する判決の事実認定は誤りだと主張し、再審請求したが退けられた。17年に2度目の申し立てをし、今年3月、地裁に棄却され即時抗告した。日弁連は「冤罪の疑いがある」として再審請求を支援している。

 日弁連が再審請求を支援してるからなのでしょう、産経も「元受刑者」などの肩書きではなく「さん」としています。
 なお、ググったところこの事件については、この事件の弁護を担当した弁護士・伊藤秀子氏*5の『恵庭OL殺人事件:こうして「犯人」は作られた』(2012年、日本評論社)という著書があります。
 また、ウィキペディア『恵庭OL殺人事件』によれば、元裁判官で、今は定年退官し、明治大学教授の瀬木比呂志さん*6という方が著書『ニッポンの裁判』(2015年、講談社現代新書)においてこの事件を「えん罪である」と主張しているようです。
 瀬木さんの名前でググったら
■ビジネスジャーナル『恵庭OL殺人事件に冤罪疑惑 有罪ありきのずさんな捜査と裁判に、元裁判官も唖然』(瀬木比呂志)
http://biz-journal.jp/2014/05/post_4963.html
■現代ビジネス『明日(あした)はあなたも殺人犯!:検証「恵庭OL殺人事件」再審棄却決定』(瀬木比呂志)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39275?page=2
なんてえん罪説の立場に立った瀬木さんご執筆の記事もヒットしました。
 まあ小生もこの事件、よく知らず恐縮ですが「おそらくえん罪」なんでしょうね。一日も早い再審無罪が出ることを望みます。それにしてもこうしたえん罪はどうしたらなくなるのかと思うと暗然とします。瀬木さんも

http://biz-journal.jp/2014/05/post_4963.html
 瀬木比呂志・明治大学法科大学院専任教授は、札幌テレビからこの事件に関連して取材を受けたことがきっかけで、詳細を調べたところ、「本当にこの証拠で有罪にしたのか」と言葉を失うほどの、検察寄りの偏った証拠評価が行われていたという。瀬木氏は「日本の刑事司法においては、いったん警察、検察に目を付けられたら、裁判官がむしろ例外的な良識派でない限り、どうがんばっても、有罪を免れることはできない。再審も開始されない」と、暗澹(あんたん)たる気持ちになったという。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39275?page=2
・以下の記述は、できる限りわかりやすく整理したものであるが、なお、かなりわかりにくい部分があるかもしれない。しかし、それは、「検察、警察の言い分がありえないような強引なものであり、にもかかわらず、裁判所もそれを無理に正当化しようとする」ので、わかりにくくなるのだということを理解していただきたい。
・再審請求棄却決定の後、報道をみると、種々不審な点があり、学者の同僚たちからも同様の意見を聴いたので、決定を取り寄せ、関連の書物や記事等についても読んでみた。その結果は、啞然とするようなものだった。
・民事系の裁判官であった私の民事訴訟における感覚からしても、検察が証明責任を果たしているとは思えない。まして、これは、民事よりも証明度のハードルが高い刑事訴訟なのである。しかし、この事件に携わってきたすべての裁判官たちは、そのような不十分な立証を容認してきたのだ。
「本当にこの証拠で有罪にしたのか。また、再審開始もできないというのか。刑事裁判というのは、一体どういうことになっているのか」というのが、私の正直な感想であった。

と批判していますが「判断の過ち」なんて生やさしいモノではなく「有罪ありきで裁判所がこじつけてる疑い濃厚、検察と裁判所が事実上グルの疑い濃厚」ですからねえ。
 さてこの事件の弁護を担当された伊藤弁護士ですが、一時は社会党衆院議員(1990〜1995年)であり『佐川急便事件*7の真相』(佐高信氏との共著、1993年、岩波ブックレット)、『政治は、いまドラマティック。:インサイドレポート村山政権誕生』(1994年、社会思想社)という著書もありますのでご存じの方も多いかと思います(ウィキペディア「伊藤秀子」参照)。
 伊藤氏に限らず、江田五月*8(元社民連代表)、枝野幸男*9(現在、立憲民主党代表)、福島瑞穂*10(現在、社民党副党首)など弁護士出身の政治家は割と多いかと思います。
 なかには橋下(元大阪府知事、元大阪市長)や稲田(元自民党政調会長、元防衛相)、「小池都知事の子分だったいわゆるヤメ検弁護士の若狭」など「弁護士出身とはいいたくないような常識のないバカ」も「一部例外として」いますが。

*1:第三次安倍内閣復興相、自民党国対委員長などを経て現在、総務会長

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*3:第二次安倍内閣官房副長官、第三次安倍内閣一億総活躍等担当相を経て、現在、第四次安倍内閣厚労相

*4:小泉内閣沖縄・北方等担当相、福田内閣金融担当相、自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相などを経て、現在、第四次安倍内閣経済財政担当相

*5:著書『父の遺言:戦争は人間を狂気にする』(2016年、花伝社)など

*6:著書に専門書として、『民事訴訟実務と制度の焦点』(2006年、判例タイムズ社)、『民事裁判実務と理論の架橋』(2007年、判例タイムズ社)、『民事訴訟実務入門』(2010年、判例タイムズ社)、『民事保全法入門』、『法曹制度・法曹倫理入門』(2011年、判例タイムズ社)、『民事訴訟の本質と諸相:市民のための裁判をめざして』(2013年、日本評論社)、『民事保全法〔新訂版〕』(2014年、日本評論社)、『民事訴訟実務・制度要論』(2015年、日本評論社)、 一般向け書籍として『絶望の裁判所』(2014年、講談社現代新書)、『ニッポンの裁判』(2015年、講談社現代新書)、『黒い巨塔・最高裁判所』(2016年、講談社)、『裁判所の正体:法服を着た役人たち』(共著、2017年、新潮社)など。また関根牧彦(ペンネーム)名義の著書として関根『内的転向論:カフカへの旅』(1994年、思想の科学社)、『心を求めて:一人の人間としての裁判官』(1996年、騒人社)、『映画館の妖精』(1998年、騒人社)、『対話としての読書』(2003年、判例タイムズ社)

*7:なお、この佐川事件とは「竹下登元首相、金丸信副総裁、小沢一郎自民党幹事長」が批判された東京佐川急便事件であり「細川首相の佐川ヤミ献金事件」ではありません。

*8:細川内閣科学技術庁長官、菅内閣法相、参院議長など歴任

*9:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て現在、立憲民主党代表

*10:社民党幹事長、党首、鳩山内閣少子化等担当相などを経て社民党副党首