新刊紹介:「経済」9月号(追記・修正あり)

「経済」9月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
■巻頭言「エネルギー基本計画」
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
原発推進に「全力」明記、エネルギー基本計画閣議決定 共産党、撤回求める
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-04/2018070401_01_1.html
■国民世論に背く原発推進路線の撤回を求める:藤野保史 党原発・エネルギー問題対策委員会 責任者
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-04/2018070402_01_1.html


■随想「日本会議と安倍政権」(河相一成*1
(内容紹介)
 安倍の極右政策のバックに右翼結社・日本会議が存在することが改めて指摘されている。

参考
赤旗
■安倍首相が改憲メッセージ、日本会議20周年大会 通常国会で発議狙う
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-28/2017112801_03_1.html
改憲派集会に首相メッセージ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-04/2018050401_02_1.html


世界と日本
■メキシコの総選挙結果(新藤通弘*2
(内容紹介)
 大統領に当選したオブラドル・元メキシコ市長が率いる中道左派連合が「政権与党(右派)の汚職体質」への国民的反発から上下両院総選挙でも圧勝。今後の動向が注目される。
 しかし「韓国(朴クネ失脚、文在寅*3大統領)、マレーシア(野党連合勝利、マハティー復権)、メキシコ(野党連合勝利、オブラドル大統領)」と大抵の国では汚職をすると、このように与党が打撃受けるんですが、「モリカケ安倍支持」日本人ってのは「倫理観皆無のウスラバカ」なんでしょうか。


■トランプ政権のイラン制裁(山脇友宏)
(内容紹介)
 トランプのイラン制裁に対して「道理がない」と批判。EU諸国、中国、ロシア、日本などによる米国批判、イラン支援、イラン核合意維持の努力を主張している。

参考

https://www.sankei.com/world/news/180805/wor1808050019-n1.html
■産経『苦境のイラン、中国頼りも…米の制裁再発動控え抗議デモ続発』
 欧州企業がイランとの取引継続に後ろ向きの姿勢を示す中、中国の王毅*4外相は3日、シンガポールでイランのザリフ外相と会談し、核合意の維持に取り組む姿勢を改めて示した。両国の年間貿易額は350億ドル(約3兆9千億円)に達するといわれ、中国はイラン経済に不可欠の存在だ。

https://www.sankei.com/column/news/180811/clm1808110005-n1.html
■産経【編集局から】トランプ流のほころび?! 折れるどころかイラン制裁のカードも中国に握られる
 強引なディール(取引)外交を展開するトランプ米大統領ですが、ここにきてほころびが目立つようになってきました。
(中略)
 イラン制裁の再発動についても、各国がイラン産原油の輸入を停止すれば価格の上昇圧力となるのは確実で、ガソリン価格に敏感な米国民を刺激するはずです。しかも、イラン産原油の最大輸入国は中国。制裁が機能するかどうかのカードを中国に握られた格好となりました。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/post-10663.php
ニューズウィーク日本版『トランプが脅してもインドと中国はイランの味方』から一部引用
・トランプの言葉の激しさとは裏腹に、脅しはイランにはあまり効き目がないかもしれない。何しろ、世界の2大原油消費国の中国とインドは、イランからの原油輸入を逆に増やしているのだ。
・中国は、世界最大の原油輸入国であると同時に、イランの石油製品の最大の輸出市場でもある。また中国は、アメリカ産原油の世界第2位の輸入国でもあるが、それについては長くは続かない可能性がある。というのも、米中貿易戦争の影響を避けるために中国の製油所が中東と西アフリカに目を向けているからだ。

http://www.sankei.com/economy/news/180812/ecn1808120005-n1.html
■産経『ガス田権益、中国に移行 イラン、仏大手からと報道』
 国営イラン通信は11日、イラン南部のペルシャ湾にある世界最大規模の南パルス天然ガス田の一部開発契約で、フランス石油大手トタル*5の権益を中国国有の中国石油天然ガス集団(CNPC)が引き継いだと報じた。
 この契約は、イラン核合意の象徴的事業とされていた。トランプ米政権がイラン核合意から離脱し、イランへの制裁を再発動する方針を示したのを受け、トタルは撤退する見通しを示していた。
 2017年7月に結ばれた開発契約では、トタルが50.1%、CNPCが30%の権益を取得していた。国営イラン通信は、権益のトタルからCNPCへの移行により、CNPCの権益が最大で8割になると報じた。

 「フランス政府がトタルを支援してなんとか踏みとどまってほしかった」んですけどねえ。「トタルの持ち分全部中国がいただきます」ですか。「欧州が俺を見捨てるなら、俺は中国と付き合うしかない」とイラン政府に思われることは欧州にとっても不利益だと思いますね。「欧州だけでなく中国までもが距離を置く」よりは「中国が支援してくれること」はありがたいですが、「欧州が逃げ腰なので中国に頼らざるを得ない」こうした状況はイランにとっても利益があるかどうかは疑問符がつくでしょう。一番いいのは欧州も支援してくれることでしょうから。
 まあ中国的にはこの状況は「米国と対決してでもイラン石油利権を確保し、中東での政治力を強める覚悟さえあれば」、『欧州がイランから撤退して万々歳』『イランのおいしい部分は中国がきちんといただきます』で歓迎すべきことでしょうが。
 この件では中国が中東への政治的影響力強化や石油資源確保を狙ってこうした動きに出ていることが注目されますね。まあ、「トタル撤退」が典型的ですが、米国に対して及び腰のEU諸国(英仏独イタリア)もいかがなものかと思いますが。
 この結果、「アンチ中国(ただしアンチイランではない)」な米国人からは「トランプのイラン制裁のせいでイランと中国の関係が深まってる。中国の中東での存在感が高まり、『イスラエルの首都はエルサレム』宣言や『パレスチナ加盟に抗議してのユネスコ脱退』などとセットで、『米国トランプ政権はイスラエルの飼い犬で許せない』と中東での反米感情も高まってる。外交の失敗だ。イラン制裁は直ちにやめるべきだ」という声が出る反面、「アンチ中国&アンチイラン(おそらくイスラエルシンパ)」な米国人からは「中国とイランとまとめて潰せばいい。むしろイラン制裁で中国を潰す口実ができて良かった」つう暴論が出るわけです。
 もちろん企業(石油企業を除く)からは「中東の緊張で石油価格が高騰したら石油ショックの再来になるかもしれない、経済がどうなるかわからない。トランプはイラン制裁やめてくれ」という危惧の声が既に出ています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3441127021082018FF1000/
■日経『トルコ官民、中国マネーに接近 インフラ融資36億ドルで合意:対米関係悪化で 中国もトルコを欧州への足がかりに』
 トルコの官民が豊富な資金を持つ中国に接近している。トルコ政府はインフラ整備にあてるため中国国有銀行から計36億ドル(約3980億円)の融資合意を取り付けた。両国の有力企業の提携も相次いでいる。米国との関係悪化で強まる経済の不透明感を払拭する狙い。新たな経済圏構築を目指す中国にとってもアジアと欧州を結ぶトルコは格好の立地で、進出に積極姿勢をみせる。
 「中国などと、米ドルでなく、相手国の通貨*6建てで取引する準備を進めている」。
 トルコのエルドアン*7大統領が中国との貿易拡大に意欲を示したのは8月11日。トランプ米大統領がトルコに対する追加関税を発動すると表明した翌日だった。
 2016年のクーデター未遂に関与したとしてトルコが米国人牧師を拘束する問題を巡り、米国との対立が深刻化。通貨リラは対ドルで一時1ドル=7リラ台と、年初から4割強も下落した。エルドアン氏は世界第2位の経済大国、中国に頼る。
 7月下旬、南アフリカでの新興5カ国(BRICS*8)首脳会議に招かれたエルドアン氏は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した。
中国国営の新華社通信によると、習氏はトルコを中国と欧州を結ぶ経済圏構想「一帯一路」の「協力相手」とし、大型プロジェクトの早期立ち上げに意欲を表明した。
 並行して中国工商銀行(国有)の易会満・董事長がトルコを訪れ、2件の融資で合意した。トルコ西部での高速道路と大型つり橋の整備に関わる借り換えのための24億ドルのほか、トルコの国営石油・ガス輸送会社のガス貯蔵施設の増強に活用する12億ドルだ。中国の国有銀行は一帯一路の途上にあるインフラ事業への参入に積極的で、トルコに対してもさらに融資する余地がありそうだ。
 トルコが短期債務の返済や経常赤字の穴埋めなどで、今後1年間に必要とする資金の規模は2000億ドルを超えるとされる。トルコ国債の主要な格付けは既に投機的で、信認は大きく低下した。米議会では国際金融機関のトルコ向け融資を制限する案も浮上してきた。
 資金調達先の多様化が急務で、エルドアン氏は8月上旬「困難克服のため、中国人民元建ての国債を初めて発行する予定だ」と表明した。
 対米関係の悪化だけでなく、人権や報道の自由を抑制するエルドアン氏の姿勢を懸念し、海外からトルコへの直接投資も落ち込んでいる。17年は109億ドルで、前年を16%下回った。2年連続の前年割れになった。
 (ボーガス注:米国トランプ政権の対トルコ制裁によって投資を躊躇する)欧米からの投資拡大を見込めないトルコ企業は中国マネーを求める。海外への進出拡大の機会をうかがってきた中国企業の意図とも合致する。
 トルコのファッション通販サイト大手トレンドヨルは最近、中国の電子商取引(EC)最大手、アリババ集団からの出資受け入れで合意した。アリババが7億2800万ドルで傘下に収める。
 トルコの航空最大手、ターキッシュエアラインズは中国物流大手、中通快逓(ZTOエクスプレス)などと宅配便事業合弁会社設立で合意。中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)はトルコの同業大手ネタスの買収を完了した。スマートフォン大手の中国華為技術(ファーウェイ)は通信大手のトルコ・テレコムと次世代通信規格「5G(第5世代)」の構築で協力する。

 イランだけでなくトルコでまで「米国の制裁は不当だから我々が支援する」と動き出した中国です。
 皮肉なことに「トランプの対イラン制裁、対トルコ制裁のおかげで中国の中東での影響力が強くなりかねない」というアンチ中国にとって「望ましくない結果」が出現しつつあります。

【追記】
■産経『中国がイラン産原油の輸入削減 方針転換、米制裁に追従か』
https://www.sankei.com/economy/news/181027/ecn1810270018-n1.html
 どうなんですかね。小生的にはイラン支援の方向で中国やロシア、EU諸国にはなんとか動いてほしいところですが。なぜなら米国のイラン制裁は道理も何もない暴挙だからです。
 中国も当初は「米国のやり方が無法なのでイラン支持した方がいい(中国の国益になる)」という判断だったかと思うのですが。


■中国の中央外事工作会議(平井潤一)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://www.sankei.com/world/news/180329/wor1803290025-n1.html
■産経『中国の楊潔チ政治局員、外事委弁公室主任に』
 中国外務省は29日までに、共産党外交政策を総括する中央外事工作委員会弁公室主任に楊潔チ*9政治局員が就任したことを明らかにした。共産党は21日に発表した機構改革案で、中央外事工作指導小組を委員会に昇格させ、権限を強化する方針を示していた。同委員会のトップには習近平*10国家主席(党総書記)が就任したもようだ。

http://chikyuza.net/archives/86529
■ちきゅう座『中国本位から国際主義へ転換:習近平「外交戦略」を読む』岡田充*11、から一部引用
 習近平総書記は6月末北京で開かれた「外事工作会議」で、中国外交を中国本位から国際主義へと転換、グローバルガバナンスを牽引しようとする「外交思想」を明らかにした。
 外事工作会議は6月22〜23の両日北京で開催された。工作会議は前回2014年11月末、8年ぶりに開かれている。3年半ぶりの今回会議には「極めて高レベルの」(新華社)という形容詞が付けられた。その理由は、7名の政治局常務委員と王岐山・国家副主席をはじめ、政治局員、全人代、政治協商会議高官と閣僚、最高人民法院長や中央国家安全委員会委員、各省首長、駐外大使、国際機関代表に解放軍など、あらゆる党・国家機関のトップが一堂に会したためである。
 トランプ米政権の登場で米中関係の不透明感が増し、習指導部が外交政策を重視している表れであろう。米華字ネット・メディア「多維新聞」は「会議ではメモを取るのが禁じられた」と伝えており、習演説や討議内容に機密性の高い情報が含まれている可能性もある。
 まず新華社報道から、習演説の概要をおさらいする。習は演説の趣旨について「わが国と世界の関係の中で問題を見、世界の構造変化におけるわが国の地位と役割をはっきりさせる」と説明。外交戦略の概要と目標として(1)国内・国際二つの大局を一体的に考え、民族の復興に奉仕し人類の進歩を促すという主軸をしっかりつかむ(2)人類運命共同体の構築を推進し、国家主権、安全保障、発展の利益を守る(3)グローバル・ガバナンス・システム改革に積極的に参加しけん引―の三点を強調した。
 これらの外交戦略目標をさらに具体化し、「新時代の中国の特色ある社会主義外交思想」としてまとめたのが「10項目の堅持」である。少し長いが列挙しよう。①党の集中的統一的指導を強化、②中華民族の偉大な復興の実現を使命に、中国の特色ある大国外交を推進、③世界平和の維持、共同の発展の促進を目的に人類運命共同体の構築を推進、④中国の特色ある社会主義を根本に戦略的自信を強化、⑤「一帯一路」建設の推進、⑥相互尊重、協力・ウィンウィンを基礎にした平和的発展、⑦グローバルなパートナーシップの構築、⑧グローバル・ガバナンス・システムの改革を牽引、⑨国家の核心的利益をボトムライン(最低線)に、国家主権、安全保障、発展の利益を守る、⑩中国外交の独特な風格を構築。
 ざっとみても「グローバル」の文字がやたらと目立つ。前回の外事工作会議の習演説の内容と比較してみよう。
■「守り」から「攻め」
 前回会議で習は「中国の特色ある大国外交」と題して演説し①中国共産党の指導と中国の特色ある社会主義の堅持、②中国の発展道路、社会制度、文化伝統、価値観念を堅持、③独立・自主の平和外交方針を堅持、④中国の正当な権益を決して放棄せず、⑤国家の核心利益を決して損害してはならない―など「六つの堅持」を挙げた。これらはトウ小平以来の外交政策を概括的に述べたもので、習外交の特徴はみえない。どちらかといえば「中国本位」の外交であり、「守りが主」である。冷戦終結後にトウ小平*12が提唱した「韜光養晦,有所作為」(能ある鷹は爪を隠し、自分のやるべきことをやる)を捨てたとは言えない。
 今回はどうか。「10項目の堅持」のうち①党の集中的統一的指導を強化と、⑥相互尊重、協力・ウィンウィンを基礎にした平和的発展―の2項目は、従来原則の継承だ。しかし他をみると②中国の特色ある大国外交、③世界平和の維持と人類運命共同体構築を推進、⑤「一帯一路」の推進、⑧グローバル・ガバナンス・システムの改革を牽引―はいずれも「中国本位」から「国際主義」への転換、つまり「守りから攻め」に転じたことをうかがわせる。これらの課題はいずれも19回党大会での政治報告に盛り込まれたものばかりである。
 前回会議の2014年、習はすでに党・政・軍の最高権力を掌握したが、外交理論と実践はなお模索中だった。今回は19回党大会と全人代で「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」が、憲法と党規約に入り毛沢東以来の権力と権威を持つ「指導の核心」になったことが、外交政策にも反映されたのである。
 習はさらに「外交思想」として「国際情勢をとらえるときは正しい歴史観、大局観、役割観を持たなければならない」と、「三つの観点」を強調する。「歴史観」とは、歴史的法則を総括した上で将来を展望し、歴史前進の大勢をとらえるという意味だ。「大局観」は、現象や細部をみるだけでなく、本質と全局をとらえ主要な矛盾と矛盾の主要な側面をつかみ、「末節にとらわれるのを避ける」こと。「役割観」は「世界の構造変化における中国の地位と役割をはっきりさせ対外政策を定める」ことと説明する。
 中国ではリーマンショックがあった2008年を、世界資本主義が行き詰まり、米一極主義が後退する「ポスト冷戦後時代」の始まりとする歴史観が主流。こうした歴史観からパワーシフトが始まり、世界の構造変化の中で「グローバル・ガバナンス・システムの改革を牽引する」役割が引き出される。
 ここで注意しなければならないのは「世界秩序」を意味する「グローバル・ガバナンス・システム」。貿易戦争に台湾問題など米中摩擦が目立つ中、習外交を「米国中心の世界秩序を中国中心の世界秩序に替える試み」とみる二元論的解釈である。一例を挙げる。
「米国を中心に民主主義や市場主義を掲げる勢力が力を維持するのか、独自の世界観や国家観をもって米国中心のシステムに挑戦しようとしている中国が影響力を増すのか」(「トランプはインド太平洋戦略を曲解している」(薬師寺克行*13 2017/11/14「東洋経済 ONLINE」))。
 これは「米中二元論」に基づくゼロサム型の「冷戦思考」だが、多くのメディア報道もパワーシフトを「二元論」に基づいて描いている。
 中国の認識は世界秩序の「多極化」である。「米主導の世界秩序の変革を牽引」するのが外交目標であり、「チャイニーズ・スタンダード」(中国的秩序)をそれに替えると言っているわけではない。習近平は、建国百年の2049年に米国と肩を並べる「世界トップレベルの総合力と国際的影響力を持つ強国」にする目標を定めている。米国との国力の差は依然として大きく、現行秩序に代わる「中国的秩序」は提起していない。
 中国の国際政治学者の見方を紹介しよう。王逸舟・北京大国際関係学院副院長は、中国が世界で果たす役割として提起する「創造的介入」について「現有の国際体系、アメリカ主導の国際秩序は中国にとって利益が弊害を上回っている」とし、「対抗すべきではない」と主張する。
 習近平はトランプとの会談で、「大国関係」の原則として「衝突せず、対抗せず」を挙げた。トランプ時代の米中関係が不透明感を増しているためで、オバマ前大統領時代に「大国外交」の第一原則としていた「相互尊重」は三番目に後退している。
 そして「創造的介入」の具体的内容として①国際社会に対し公共財の提供を拡大、②海洋、極地、宇宙、サイバー空間など「高辺疆区」での発展加速、③日本、朝鮮半島、東南アジアなど中国周辺部でのアジア新秩序形成を積極的にリードする、④外交の優先順位の引き上げーの4点を挙げた。王発言は2014年だが、この4点は第19回党大会の政治報告で習が提起した構想を先取りしている。
 習外交の実際を見る上で重要なのは、米国との「大国関係」と並び、「周辺外交」と「途上国外交」を重視している点だ。習はこの三つの関係を次のように説明する。
「大国関係をうまく企画して、基本的に安定しバランスよく発展する大国関係の枠組み構築を図らなければならない。周辺外交に取り組み、周辺環境が一層友好的に一層有利になるようにしなければならない。発展途上国との団結・協力を深化させ、共に発展する新しい局面形成を図らなければならない」
 摩擦が目立つ米国との「大国関係」は「安定しバランスよく発展する枠組み」を目指す一方、パワーシフトを有利に進める上で、多くの周辺国家や途上国を味方につけ、米主導の国際秩序を切り崩そうとの狙いが読み取れる。華東師範大学の沈志華教授によると、周辺国には日本はもちろん、ロシア・中央アジア朝鮮半島ASEAN、インドなど周辺国家を指す。強国化戦略の浮沈がかかる「一帯一路」の推進という新たな課題にとっても、周辺外交の比重は重みを増している。
 歴史的な米朝首脳会談(6月12日)を挟み、習近平は悪化していた北朝鮮との関係を修復・改善し、朝鮮半島問題への全面的関与を開始した。さらに領土問題で国交正常化以来最悪の状態にあった対日関係でも、李克強首相が5月に訪日し両国関係を改善の軌道に乗せた。周辺国家外交を重視する具体例である。
周辺外交重視の姿勢は今に始まったわけではない。習は国家主席就任後の13年6月に訪米しオバマ大統領との初首脳会談で「新たな大国関係」を構築。続いて13年10月24、25日の両日、「周辺外交工作座談会」を開き談話を発表した。近隣諸国と向き合う際の心得として「親」「誠」「恵」「容」の4文字を掲げた上で「(相手国の)感情を重んじ、常に顔を合わせ、人心をつかむ必要」を強調した。
 周辺外交座談会には、周辺約30カ国の大使が出席。習近平は演説の中で、周辺外交の基本的な考え方として、「国内・国際二つの大局を意識せよ」と強調する。国内の大局は、中華民族の復興という「中国の夢」の実現。国際の大局は、改革、発展、安定のため良好な外部条件を勝ち取り、「国家の主権・安全・発展の利益を擁護し、世界平和・安定を擁護し共同発展を促進する」ことにあるとする。
 具体的には①インフラの相互連結による「一帯一路」構想の推進②地域金融協力を深化させ「アジア・インフラ投資銀行(AIIB)設立」を挙げているのが注目される。習が強調した「国家の主権・安全・発展の利益を擁護」という表現が中央レベルで使われたのは初めてではない。初登場は2006年8月21-23日北京で開かれた前々回の党中央外事工作会議だった。胡錦濤はこの時、「国家の主権・安全・発展の利益を擁護し外交で主導権をとる」と、積極外交に転じる意思を既に鮮明にしている。
 中国が「韜光養晦」を修正したのは、2009年7月17日に開かれた「第11回駐外使節会議」とする見方が定着している。しかし胡錦濤*14演説は2006年と、それより早く「主権・安全・発展」の三位一体の積極外交路線を打ち出している。習登場によって一気に積極外交に転じたわけではない。習もまた他のリーダー同様、「積み上げ方式」で政策立案していることがわかる。
 中国外交のプライオリティは対米関係にある。しかしトランプ時代に安定した関係を築くのは困難だろう。当面は、外事工作会議で明らかにしたように周辺国と途上国外交を強化して、足腰固めを図るはずだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30582440W8A510C1FF8000/
■日経『中国の王岐山*15国家副主席、「外交司令塔」に 習近平主席の腹心』
 中国共産党機関紙の人民日報は16日、3月の機構改革で発足した党中央外事工作委員会が、15日に初会合を開いたと伝えた。主任を務める習氏は「外交への党中央の集中統一指導を強化し、中国の特色ある大国外交を切り開く」と演説した。
 関係者の注目を集めたのは、副主任の李克強*16(リー・クォーチャン)首相に続き、王氏が委員として名を連ねたことだ。
 王氏は2017年10月の党大会で、68歳以上が引退する党の慣例に沿って最高指導部から離れた。しかし3月の全国人民代表大会(国会に相当)で国家副主席に選ばれ、政権の中枢に異例の復帰を果たしたばかりだ。
 今回、党で外交政策を統括する中央外事工作委員会の委員に就き、党内にも正式な足場ができたかたちになる。習氏の長期政権が固まり、政権内で李首相の影響力が衰えるなか、王氏が実質的な外交の指揮官として存在感を高めるのは確実だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32301790X20C18A6FF2000/
■日経『中国、マティス氏に共存呼びかけ 「核心的利益」は譲らず 』
 中国共産党マティス米国防長官の訪中に先立つ22〜23日、外交政策に関する最重要会議「中央外事工作会議」を4年ぶりに開いた。習近平(シー・ジンピン)国家主席はその場で演説し「大国関係をうまく整え、安定的でバランス良く発展させなければならない」と強調。通商や安全保障で対中強硬姿勢を強める米国との対立を避け、共存を探る考えを示した。
 ただ、習氏は同時に「あくまでも国家の核心的利益をレッドラインにして国家主権、安全保障、発展の利益を守る」とも述べた。核心的利益とは譲歩できない重要権益を指し、南シナ海や台湾、チベットなどが該当する。これらが侵害されれば中国は強く抵抗するとの意思表示だが、それ以外の分野では一定の譲歩が可能ともいえる。「レッドライン」を強調することで、米国に配慮を求めた格好だ。
 マティス氏は6月、最も敏感な台湾問題について、中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」政策は変えないと明言した。一方、中国も南シナ海の要衝であるスカボロー礁(中国名・黄岩島)では今のところあからさまな軍事拠点化に着手していない。オバマ米政権が「スカボローに手を出したら行動に出る」と表明したことを考慮している可能性がある。
 中国は27日、湖南省長沙で南シナ海問題をめぐる東南アジア諸国連合ASEAN)との高官協議を開催。マティス氏訪中にあわせ、中国が関係国と対話で解決する姿勢をアピールするねらいとみられる。米国の対中強硬姿勢をどうにか和らげようと懸命だ。


■韓国の財閥改革(洪相鉉)
(内容紹介)
 朴クネ疑惑発覚を受けて文在寅政権は「財閥改革」を主張しているが、今のところ明確な形にはなっておらず、財閥側の抵抗も予想される。今後の動向に注目したい。


■「日本製鉄」復活の歴史的意味(大場陽次)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30592910W8A510C1X11000/
■日経『捨てた「対等」の建前:「日本製鉄」69年ぶり復活』
 新日鉄住金は16日、2019年4月1日付で社名を「日本製鉄」に変更すると発表した。日本製鉄は戦前に発足した国策製鉄会社と同じで、69年ぶりに復活する。旧新日本製鉄の源流となった企業だ。新日鉄住金は12年10月に同社と旧住友金属工業が合併して発足したが、5年半で社名から「住金」が消える。住金が実質的に新日鉄に飲み込まれた構図が鮮明になった。


特集『「シェア・エコノミー」とは何か』
■「シェア経済」は未来の働き方か?(森岡孝二*17
■「ギグ・エコノミー」がはらむ労働・雇用の法的問題(川上資人)
■新しいビジネスモデルの虚像(山崎憲*18
■雇用によらない働き方(高田好章)
■市場の両面性とシェア・エコノミー(高野嘉史)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。エアビーアンドビー(民泊)、ウーバー(タクシー)などで注目を集める「シェアエコノミー(シェア経済)」について仮に導入するにしても「十分な法的措置が必要」であり、拙速な対応は適切でないと批判している。
 なお、論文タイトル「「シェア経済」は未来の働き方か?(森岡論文)」「雇用によらない働き方(高田論文)」「「ギグ・エコノミー」がはらむ労働・雇用の法的問題(川上論文)」や論者(労働問題の弁護士である川上資人氏、過労死問題が専門の森岡孝二氏)で想像がつくと思うが、主として「シェアエコノミー」による労働者の人権侵害の危険性がテーマとされている(それだけではなくウーバーのタクシーが交通事故を起こした場合に、利用者がきちんと補償を受けられるのか、「雇用関係がないから、ウーバー社には法的責任はない」としてウーバーが補償を拒否しないか等といった問題も取り上げられてはいるが。なお「将来はともかく」日本の現状においてはウーバーは白タク行為に該当するので違法行為になります)。

参考
赤旗
■主張『ライドシェア導入:タクシーの安心・安全壊すな』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-07/2016050701_05_1.html
■ライドシェア拡大は危険:笠井氏「国民の生命への侵害」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-16/2018041605_06_1.html
■生産性向上特措法案 安全規制逃れの危険、参院経産委で参考人質疑、辰巳氏が質問
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-16/2018051606_01_1.html
■生産性向上特措法が成立、岩渕氏討論 共産党など反対
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-19/2018051904_03_1.html
■違法民泊掲載やめる、エアビー 宿泊確保は対策なし、削除の指導を共産党が迫る
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-07/2018060715_04_1.html
■主張『「民泊新法」施行:野放しは安心と安全を損なう』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-25/2018062501_05_1.html


■レポート『さよなら安倍政権:安保関連法に反対する学者の会がシンポ』
(内容紹介)
 赤旗の記事『さよなら安倍政権:安保関連法反対「学者の会」がシンポ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-08/2018070802_04_1.html
紹介でおおむね代替。
 なお、赤旗記事で代替できない部分について、「外交の遠藤誠治氏」について触れておきます。
 経済9月号コラムによれば遠藤氏は

北方領土を返還するためにロシア経済支援すると言いながら「島返還」という意味では現時点ではまるで成果がなく、一方で「拉致被害者全員帰国という成果がなければ支援できない」という北朝鮮外交とのちぐはぐさ
北朝鮮問題では政権発足後、長きにわたり対話外交を事実上否定しながら、文在寅政権の外交攻勢の前に、しぶしぶ「南北、米朝首脳会談」を容認し、最近では日朝首脳会談まで言い出している一貫性のなさ
・一時、中国封じ込めを公言しながら、中国ビジネスを重視する財界の圧力などから李首相訪日を歓迎し一帯一路支持表明をせざるを得なくなった先見の明のなさ
歴史認識問題で中韓との関係を悪化させていること
マクロン大統領(フランス)、メルケル首相(ドイツ)ら欧州首脳と違い、安倍が移民問題などで何一つトランプ批判せず、トランプにこびまくり「トランプとの友好関係」をアピールしながら、結局、なすすべもなく対日報復関税措置を食らったこと

などを取り上げ安倍外交を批判したとのことです。まあ、まともな脳みそで真面目に考えればそれ以外の評価はないでしょう。
 なお、赤旗記事では

東京大学名誉教授の広渡清吾氏*19
水島朝穂*20(あさほ)(早稲田大、憲法)、遠藤誠*21(成蹊大、外交)、浜矩子*22(のりこ)(同志社大、経済)、大沢真理*23(東京大、社会政策)、佐藤学*24学習院大、教育)、西谷修*25(立教大、知性・メディア)の6氏

の名前が紹介されています。

 浜氏は「代わりはいないは禁句。誰でも、あんな(ボーガス注:モリカケ疑惑を党をあげて隠蔽するわ、西日本豪雨で脳天気に酒盛りしてるわ、人気取りでオウム死刑囚を意味もなく皆殺しにするわという)邪悪な集団には取って代われる」と皮肉を込めて話しました。

 まあ、「あんな無能で邪悪な連中(典型が安倍)」を「代わりがいない」つうのは浜氏が言うように「おいおい」ですねえ。浜氏には全く同感です。

 大沢氏は「野党はしっかりした政策に合意し、選挙に臨んでほしい」と訴え、広渡氏は「私たちは、野党の共闘を後押ししないといけない。学んだことを周りに広げ、世論を変えていきましょう」と語り、シンポジウムを締めくくりました。

 まあ結局、現状ではやはり野党共闘の推進つうことになるんですかね。こうした発言には「連合執行部と小池*26、前原*27、細野*28らによって野党共闘がぶち壊されて安倍を利したこと」への反省もあるでしょう。


■座談会「無期雇用転換の焦点と大学・公務職場の運動」(出席者:川村雅則*29、佐々木弾*30、岩崎誠*31、金井保之*32、國本久雄*33
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。なお「無期雇用転換*34」がもっぱら論じられているが、それに関連し「非常勤職員の権利拡大」などといったことについても言及されている。

赤旗
■主張『大学での有期雇用:正規雇用への転換こそ急務だ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-10/2013111002.01_1.html?_tptb=032
独立行政法人・国立大法人・私大など「無期転換」徹底を、文科省に党国会議員団申し入れ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-08/2018020801_03_1.html
■4月運用開始、無期転換のルール守れ、雇い止めに抗し運動広がる
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-02/2018040201_01_1.html
■大学雇い止め許すな、畑野氏 文科省に調査・対応要求
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-04/2018040405_03_1.html


■財界支配の研究:「安倍一強」政治の歴史的な背景と矛盾(下)(佐々木憲昭*35
(内容紹介)
  前月号の(上)では副題となっている「安倍一強(自民党内に安倍批判がほとんどないこと)」の背景として「小選挙区制と政党助成金」が取り上げられていたが、今月号では、安倍一強には特に言及はない。
 財界の政治支配がもっぱら論じられており、財界の政治支配のシステムとして従来からある「企業献金」「財界出身自民党議員(例:ワタミ創業者)」の他に「いわゆる天上がり」や「経済財政諮問会議(安倍政権以前からあるが)」「未来投資会議(旧称:産業競争力会議)」などの「財界委員を中心とした政府審議会」などが取り上げられている。

参考
赤旗
■政権と財界一体化加速、経済財政諮問会議 経団連会長加わる
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-17/2014091701_01_1.html
■経財諮問会議のメンバーは?:労働者や消費者代表は皆無
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-18/2015071805_01_0.html
■「天上がり」内閣官房で増、塩川議員 官民癒着の拡大追及、衆院
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-26/2017112602_02_1.html
■主張『経団連会長交代:安倍政権との危険な二人三脚』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-02/2018060201_05_1.html


■シアトルで感じたアメリカ社会(山崎文徳)
(内容紹介)
 IT企業の本場であるシアトル訪問記。筆者は「IT企業に代表される米国大企業」がもはや「移民なしではやっていけない」ほど、移民の存在感が大きくなっていること、そのためシアトルにおいては大統領選挙でも移民問題から反トランプ票がほとんどであったことを指摘。
 にもかかわらず、あるいは「であるからこそ」というべきか、一方では移民排斥運動がトランプを大統領に押し上げており、米国が「移民容認派」と「移民排斥派」によって深刻に分断されていることに危惧の念が表明される。


■軍用地への投資を勧める本が出た(来間泰男*36
【2018年8月20日追記】
 id:Bill_McCrearyさん記事『投資指南の本を書いたために職場を依願退職では、お話にもならない。』
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/939272dd58f225c44b0088ef6dcb1e3d
でご紹介いただきました。ありがとうございます。
 さて、id:Bill_McCrearyさん記事にもコメントしておきます。

〈著者略歴〉里中一人(さとなか・ひとり)
防衛省職員。退職金をはたいて自宅を建て替えた父が脳出血による後遺症で寝たきりとなり、日々の生活に困窮。その上、働く貧困層にいた弟は心の病が原因で借金と家庭内暴力に走り一家離散。父や弟の姿を目の当たりにし、退職後の生活に漠然としたお金の不安を感じ、一生働くだけの人生に疑問を抱く。さらに追い打ちをかけるかのように息子の「発達障害」が判明。息子の将来のために財産を残したいとの思いから、一念発起。株式投資などを経て、ある運命的な出会いがきっかけで軍用地の存在を知る。現在、軍用地投資の知識を請われ沖縄大家塾に参画。沖縄大家塾会員。沖縄市軍用地等地主会会員。

 id:Bill_McCrearyさんも呆れていますが「寝たきりの父」「弟は一家離散」「息子が発達障害」が仮に事実でなく「悪徳商法のセールストーク」のようなもん*37であったとしても「防衛省職員」「沖縄大家塾会員」「沖縄市軍用地等地主会会員」が事実ならばおそらくペンネーム「里中一人」を使おうとも正体はすぐにわかるでしょう(実際ばれました)。本名を使わないでペンネームにしたのに何でそんな正体バレバレなことをしたのかつうことですね。まさか「俺以外にも防衛省職員の地主会会員はいるから身元はばれないはずや」「いや、それ以前にすばる舎なんてマイナー出版社の本なんて役所の人間は気づかないやろ」とでも根拠レスで思っていたのか。
 いずれにせよその結果、依願退職ですから全く無様です。まあ依願といったって、もちろん、その経緯上「脱サラして事業を興したいんです」なんて美しい(?)話ではない。
 もちろん「お前が今回の不祥事で素直に自分からやめないなら退職金が大幅に減額される諭旨免職や退職金ゼロの懲戒免職もあり得るんや。お前がその場合、裁判起こして免職を無効だと争うつうならそうすればいい。ただ勝つ保証はないし、裁判おこしたら完全に役所がお前の敵に回る。今依願退職した方がええ思うんや。今依願退職せえへんかったら基地反対派もお前のこと非難するやろ。お前はそれに精神的に耐えられるんか」という、まあ、この件に限らず、公務員でも民間企業でも「問題社員を辞めさせたいけど、表沙汰になって『なんやあの企業は!。あんな問題社員がおるんか』といわれたくない」などと言うときによくある話です。
 それにしても特に理解できないのが「防衛省職員と書いて本の説得力が増すとでも思ってるのか?」つうところですね。かえって身元がばれるだけでしょう。「防衛省職員の言うことだから説得力がある」と思う人間がいるとは到底思えない。防衛省はそんな財テクを積極的には勧めてないわけですから。積極的に勧めたらそれこそ沖縄の基地反対運動を挑発してるようなもんです。
【追記終わり】
 『新刊紹介:「経済」7月号(特集「基地のない沖縄経済へ」)』http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180615/5421309876で紹介した来間氏の論文『沖縄の軍用地料をどう見るか』の続編。
 前回論文で小生は来間氏主張について

「軍用地料は明らかに高すぎる。引き下げて当然だ」という来間氏の立場は沖縄においては必ずしも通説的見解ではないようです。来間氏によれば「軍用地主ともめること」を躊躇してそのあたりは共産党沖縄社会大衆党社民党、沖縄地元紙(沖縄タイムス琉球新報)などもあまり言及することはないようです。
 また来間氏は百田の例の発言を「事実誤認と偏見ばかりだ」「沖縄の新聞を潰したいとは民主主義否定だ」と当然、批判しながらも「軍用地主に基地支持派が多いこと」や「軍用地主料が不当に高額設定であること」自体は事実であり、「百田発言を批判するあまり、軍用地主の問題を軽視する誤った傾向が『共産党を含む』基地反対派にはないか」としている。

と紹介しましたが、今回も来間氏主張は大筋で前回と変わりません。
 前回論文(7月号)発表後『軍用地への投資を勧める本が4月に出ていた』ことに気づいた来間氏は「軍用地代が高すぎるという私見の傍証」と主張しています。
 では来間氏の言う『軍用地への投資を勧める本』とは何かというと、以下の本です。

・里中一人『お金持ちはこっそり始めている:本当は教えたくない!「軍用地投資」入門』(2018年、すばる舎
■アマゾンの内容紹介
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 安定的で長期的な収益が見込める掟破りの不動産投資、それが軍用地投資です。
 <信用最強の国>を相手とした借地権付きで、換金性が高く、固定資産税は低い。そしてもちろん、沖縄県外からも投資可能!
 本当は誰にも教えたくない超安定型の不動産投資のノウハウを、軍用地投資の専門家が細かく解説。投資家待望の1冊です! !
■出版社からのコメント
 さまざまな不動産投資ノウハウを見てきた投資本担当編集者も、このノウハウには驚きました!
まさに掟破りの不動産投資法、投資に興味がある方なら必見です! !

です。
 ちなみにこの著者、「現役の沖縄防衛局職員」だそうで、ネット上には「内容の是非はひとまず置くとしても公務員がこんな本を書いていいのか?。副業禁止規定に抵触しないのか?」などといった批判もあります。
 つうか今回ググって知りましたが「産経にもこの本の関連記事があった」んですね。産経愛読者(?)でありながらうかつにも気づきませんでした。
【追記その1】
 後で紹介する沖縄タイムス記事によると、やはり副業禁止規定に抵触し処分されたようです。まあ実際にはそれだけではなく『沖縄防衛局は沖縄を馬鹿にしてるのか!、軍用地地主は特権階級だと侮辱する気か!などと基地反対派から批判が来るだろうが!。お前ふざけんな!(政府、与党)』つう理由もあるでしょう。

参考

https://www.sankei.com/west/news/180525/wst1805250013-n1.html
■産経『「本当は教えたくない」軍用地投資本を無断出版 沖縄防衛局職員、近く処分』
 防衛省沖縄防衛局の男性事務官が、軍用地への投資を勧める書籍を(ボーガス注:防衛省に)無断で出版していたことが24日、政府関係者への取材で分かった。防衛省は近く、この事務官について(ボーガス注:公務員の副業禁止規定違反で?)停職を含む厳重処分とする方針だ。
 関係者によると、男性事務官は4月に「お金持ちはこっそり始めている 本当は教えたくない! 『軍用地投資』入門」(すばる舎)を出版。ペンネームは「里中一人」としており、防衛省の現役職員であることを書籍の中で明かしている。
 本は、沖縄の米軍基地や自衛隊施設内の土地を購入できることを紹介した上で、投資や運用を推奨する内容。国を相手に安定的に収入が得られることから「ほぼリスクゼロなのに金利2〜3%*38」「国が借り手で家賃滞納や下落のリスクは最小限」などと宣伝している。上司には無断で出版していた。
 政府関係者によると、事務官は実際に軍用地主として資産運用しているという。沖縄防衛局が回収を指示して本人が回収を進めているが、インターネットなどで売買されている。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/264620
沖縄タイムス『軍用地への投資本無断出版で懲戒 沖縄防衛局職員を停職20日』
 防衛省沖縄防衛局は8日、軍用地への投資を勧める書籍を(ボーガス注:防衛省に)無断で出版していたとして、40代男性の防衛技官を停職20日の懲戒処分にしたと発表した。書籍は、公正な職務執行に対する国民の疑惑や不信を招くような内容だったと指摘。男性は9日付で依願退職する。
 沖縄防衛局によると、男性は4月24日に「お金持ちはこっそり始めている 本当は教えたくない!『軍用地投資』入門」を出版。沖縄の米軍基地の土地を購入できることを紹介した上で、投資や運用を推奨する内容だった。必要な届け出をせずに、上司には無断で出版していた。

 ずいぶん軽い処分で「依願退職」とはいえ、むしろ、基地反対派の反感買うんじゃないか。
 しかしこういう本を書いたあげく著書内で「現役の沖縄防衛局職員」と公言できる神経は「想像を絶します」ね。まあ、平たく言えば「バカ」ですが。そういう行為をして、こういう懲戒処分の危険性があると気づいていなかったとしたら感覚が相当狂っています。まあ、この職員が「バカ」なのは当然の前提として「防衛省内で、米軍軍用地地主を成金だとか、うらやましいとか評価する空気が蔓延してる」などと思われても文句言えないでしょう。まあ、だからこその処分ですが。


沖縄タイムス『防衛職員の投資本に軍用地主ら疑問の声 「先祖の地を商品扱い」』
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/257786

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-727900.html
琉球新報・社説『防衛局員が投資本 基地の効果喧伝おかしい』
 沖縄防衛局の職員が県内の軍用地への投資を薦める単行本を出版し、自身も米軍嘉手納基地などの土地を購入して軍用地料を得ていたことが分かった。防衛省は省に無断で出版したことを問題視し、処分を検討しているという。
 しかし、問題の本質は無断出版ではない。米軍基地が返還されて跡地利用が進めば、税収も雇用も増えることは、那覇新都心北谷町の西海岸エリアなど目に見える形で現れている。にもかかわらず軍用地は「安定的で長期的な収入が見込める」とうたい、「リスクは基地返還」などとして、あたかも米軍基地が沖縄に多大な経済的なメリットを生んでいると強調している。
 職員は著書で軍用地購入を「究極のローリスク・ミドルリターンの投資だ」などと紹介した。一方で基地返還をリスクとし、基地の存続に反対する一坪反戦地主会を「契約手続きで多額の税金を費やしている」と批判*39している。
 軍用地が「金融商品」として取引が活発化したのは2008年のリーマンショック後だ。株価が大きく下落する中で、利回り2〜3%ほどだが、日本政府が賃料を支払う安定性が注目された。不動産業者が土地を分割して価格を下げたことも購入者を増やした。
 現実には、跡地利用が成功した場所では軍用地料よりも民間への賃料の方が高くなった。地主に利益をもたらし、雇用を生み、地域経済に貢献している。那覇新都心で返還後、直接経済効果が31倍の約1634億円、雇用が93倍の約1万5千人になったのが典型だ。
 同書は軍用地が復帰後、上がり続けてきたことを挙げ「ドル箱」と称する。軍用地料の上昇は、日本政府が米軍に基地を安定して提供するために地主の不満を抑える、いわば「政治価格」だ。財源は私たちの税金である。
 政府内でも軍用地料の金融商品化が議論になった。民主党政権時代の2010年、第1回事業仕分けで軍用地料の一部経費が廃止を目指す「仕分け」の対象に上げられた。委員からは基地被害と関係ない県外在住者が軍用地料を得ることへ疑問が呈された。
 軍用地の賃貸借契約や管理を担う防衛局職員が基地を「金融商品」として喧伝(けんでん)する意図は何であろうか。
 戦後、米軍に強制的に土地を奪われ、対価としてわずかな地料が設定された。復帰後は政府による米軍基地維持政策の一環とされた。それが金融商品と化し、さらに基地被害を受けない県外在住者の投機対象となっている現状は、基地経済の「ひずみ」の一つだ。投資目的の地主の増加が今後の返還跡地の開発に悪影響を与えることも懸念される。
 職員は防衛省が買い入れた土地などの財産管理業務に携わったという。資産形成に職務で知った情報を参考にしたのであれば、国家公務員倫理規定に違反する。防衛省は厳密に調査すべきだ。

【追記その2:2018年12月2日追記】
黒坂真『霜多正次「南の風」(昭和57年新日本出版社刊行)より思う。』
http://blueribbonasiya.blogspot.com/2018/12/57.html

 軍用地料が十倍にはね上がると、多くの地主が基地返還を言わなくなった。
 中には、米軍から返還された土地も、引き続き防衛施設局が借りてくれるように要請する地主もいる(p160)。
 軍用地料については、来間泰男教授の実証的な研究が知られています(「沖縄経済の幻想と現実」平成10年日本経済評論社刊行)。
 霜多正次も早くから問題点を指摘していたのです。
 沖縄の方ならこれは常識だったのかもしれませんが、今でもこれはタブーのようです。

 「反共右翼」黒坂的には「左翼への嫌みが言えて大満足」かもしれませんが、
1)月刊前衛と違い公式な党機関誌ではないが、不破哲三氏のコラムが連載されるなど「党機関誌に準じる雑誌」月刊経済(新日本出版社)に
2)さすがに名指しで共産党社民党沖縄社会大衆党(沖縄の主要な基地批判政党)、沖縄タイムス琉球新報(沖縄の主要な地元新聞)など特定の個人、団体名を出したりはせず「在沖縄のマスコミや基地反対運動に関わる各種団体、個人」とぼかした形*40で、かつやんわりとした批判とは言え、「軍用地の地代問題についてある種のタブー化してないか」つう来間氏の指摘がある以上、「そうしたタブー的な要素」はかなり変化しているかと思います。


■岐路に立つ安倍政権の原発輸出政策:政府・日立一体の英国への原発輸出(中平智之
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■日立の原発輸出 支援やめよ、衆院予算委で笠井議員 政府保証を追及、英での新設計画 損害出れば国民にツケ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-07/2018020701_01_1.html
■論戦ハイライト:対英原発輸出 衆院予算委 笠井議員追及、もうけは日立 ツケは国民
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-07/2018020703_01_1.html
原発輸出 秘密だらけ日立支援、笠井氏“つけ、国民に回る”、衆院経産委
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-31/2018033104_01_1.html
■主張『原発輸出計画:きっぱりと手を引くべきだ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-10/2018061002_01_1.html

*1:東北大学名誉教授、みやぎ憲法九条の会共同代表。著書『憲法九条と靖国神社』(2007年、光陽出版社)、『現代日本の食糧経済』(2008年、新日本出版社)、『海が壊れる「水産特区」』(2011年、光陽出版社)など

*2:著書『現代キューバ経済史:90年代経済改革の光と影』(2000年、大村書店)、『革命のベネズエラ紀行』(2006年、新日本出版社

*3:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表などを経て大統領

*4:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相

*5:フランスの石油企業。 エクソンモービル(米国)、ロイヤル・ダッチ・シェル(英国&オランダ)、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP、英国)、シェブロン(米国)、コノコフィリップス(米国)とともに6大メジャー(6大石油会社)と呼ばれる(ウィキペディアトタル」参照)。

*6:もちろん中国の場合は人民元

*7:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*8:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アのこと

*9:駐米大使、外相、国務委員(外交担当)などを経て党中央外事工作委員会弁公室主任(党政治局員兼務)

*10:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*11:共同通信社香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員論説委員を経て2008年から共同通信客員論説委員。著書『中国と台湾:対立と共存の両岸関係』(2003年、講談社現代新書)、『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*12:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*13:朝日新聞政治部長論説委員などを経て現在、東洋大学教授。著書『外務省:外交力強化への道』(2003年、岩波新書)、『公明党創価学会と50年の軌跡』(2016年、中公新書)など

*14:共青団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*15:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*16:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*17:著書『働きすぎの時代』(2005年、岩波新書)、『貧困化するホワイトカラー』(2009年、ちくま新書)、『就職とは何か:〈まともな働き方〉の条件』(2011年、岩波新書)、『就活とブラック企業:現代の若者の働きかた事情』(編著、2011年、岩波ブックレット)、『過労死のない社会を』(編著、2012年、岩波ブックレット)、『過労死は何を告発しているか:現代日本の企業と労働』(2013年、岩波現代文庫)、『いのちが危ない残業代ゼロ制度』(共著、2014年、岩波ブックレット)、『雇用身分社会』(2015年、岩波新書)など。【2018年8月2日追記】森岡氏が死去したそうですのでご冥福をお祈りしておきます。

*18:著書『デトロイトウェイの破綻:日米自動車産業の明暗』(2010年、旬報社)、『「働くこと」を問い直す』(2014年、岩波新書)など

*19:著書『比較法社会論研究』(2009年、日本評論社)、『ドイツ法研究』(2016年、日本評論社)など

*20:著書『はじめての憲法教室:立憲主義の基本から考える』(2013年、集英社新書)、『戦争とたたかう:憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』(2013年、岩波現代文庫) など

*21:著書『日米安保自衛隊』(編著、2015年、岩波書店)など

*22:安倍批判著書として『国民なき経済成長:脱・アホノミクスのすすめ』(2015年、角川新書)、『アホノミクス完全崩壊に備えよ』(2016年、角川新書)、『これでも「アベ」と心中しますか?:国民の9割を不幸にする安倍政治の落第通信簿』(2017年、廣済堂新書)、 『窒息死に向かう日本経済』(2018年、角川新書)など

*23:著書『男女共同参画社会をつくる』(2002年、NHKブックス)、『現代日本の生活保障システム』(2007年、岩波書店)、『いまこそ考えたい 生活保障のしくみ』(2010年、岩波ブックレット)、『生活保障のガバナンス』(2014年、有斐閣)など

*24:著書『「学び」から逃走する子どもたち』(2000年、岩波ブックレット)、『学力を問い直す』(2001年、岩波ブックレット)、『学校を改革する:学びの共同体の構想と実践』(2012年、岩波ブックレット)、『安倍政権で教育はどう変わるか』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*25:著書『不死のワンダーランド:戦争の世紀を超えて』(1996年、講談社学術文庫)、『戦争論』(1998年、講談社学術文庫)、『戦争とは何だろうか』(2016年、ちくまプリマー新書)、『アメリカ 異形の制度空間』(2016年、講談社選書メチエ)など

*26:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*27:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相、民進党代表を歴任

*28:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)を歴任

*29:北海学園大学教授

*30:東大教授、東大教職員労組委員長。著書『統計は暴走する』(2017年、中公新書ラクレ

*31:全国大学高専教職員組合全大教)書記次長、東京海洋大職員

*32:理研労組委員長

*33:日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)委員

*34:なお、この制度自体は公務労働や教育労働(私学含む)だけでなく、民間労働にも適用がされる。「公務労働や教育労働の重要性」により「無期雇用転換」が論じられているに過ぎず、「教育現場以外での民間労働」での問題について共産党や各労組などが無関心なわけではない。

*35:著書『財界支配:日本経団連の実相』(2016年、新日本出版社)など

*36:著書『沖縄経済の幻想と現実』(1998年、日本経済評論社)、『沖縄の米軍基地と軍用地料』(2012年、榕樹書林)、『沖縄の覚悟:基地・経済・“独立”』(2015年、日本経済評論社)など

*37:もちろんセールストークでも、事実でもどっちでも呆れますが。事実なら個人情報ダダ漏れで誰のことかすぐばれるであろうという意味で呆れますし、事実でないなら「公務員がそんな詐欺まがいのことしたら処分対象になるだろ?」という意味で呆れます。

*38:今は銀行に預けてもこんな%はつきませんからね。

*39:こうした「基地返還がない限り軍用地投資はすばらしい投資」や「一坪反戦地主会への悪口雑言」が「現役の沖縄防衛局職員がこんなこといったら『これが自民党の本音か!』などと言われて知事選などに影響が出る恐れがあるだろうが!、職員を処分しろ!(自民)」となったであろうことは容易に予想できます。

*40:まあぼかしたって、何が批判対象かは分かりますが。こういう表現で「沖縄の主要政党や主要メディアが批判されてない」と思う人はどこにもいません。