新刊紹介:「前衛」9月号(追記あり)

 「前衛」9月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
■グラビア『ガマフヤーの具志堅さん』(森住卓*1
(内容紹介)
 具志堅隆松氏*2について紹介している。

参考
毎日新聞『具志堅隆松さん=沖縄で戦没者遺骨の収容に取り組む』
https://mainichi.jp/articles/20170815/ddm/008/070/093000c


特集『日本のあり方を問う沖縄米軍基地』
■どうなる辺野古新基地建設、基地被害、沖縄経済―沖縄の未来を大いに語る:県民の揺るがない力を確信(赤嶺政賢*3
■沖縄の民意が生かされる政治を取り戻す(前泊博盛*4
■米軍と自衛隊の一体化で強化される沖縄の侵略基地群(中村重一)
(内容紹介)
 来たるべき県知事選を前に改めて政府の対応を批判し、翁長勝利を訴えるという内容です。
追記
 体調を崩していたとはいえ翁長氏が不出馬を表明していなかったこともあり、記事は翁長支持の立場ですが、翁長氏が不幸にしてなくなられました。ご冥福をお祈りします。
 なんとか野党共闘候補を立て勝利したいところです。もちろん翁長県政については「まだまだ自民党などへの批判がぬるい」などの批判もあったことは「それなりには知っていますが」、公然と裏切るようなことがなかったことは評価したいと思います。

参考
赤旗
■翁長知事 圧倒的民意に沿った「撤回」表明、辺野古埋め立て承認
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-28/2018072803_01_1.html
■新基地ノー 知事とともに、貧困から子ども守る城間さん、那覇市長選 2期目へ事務所開き、10月14日告示
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-28/2018072804_01_1.html
■新基地断念へ8・11県民大会成功を:村ぐるみ参加案内、沖縄・読谷村
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-04/2018080401_01_1.html
■翁長知事を支え、新基地建設を許さないたたかいの支援と選挙募金にご協力ください:日本共産党中央委員会 沖縄県委員会
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-04/2018080402_01_0.html


日米地位協定の歴史と現在(明田川融*5
(内容紹介)
 NATO地位協定と比較しても問題の多い日米地位協定の問題点が指摘される。
 なお筆者は従来、地位協定については「日米地位協定」という形で日本が被害国として位置づけられていたが、今後は「ジブチPKOでの自衛隊ジブチ政府での協定」のような「日本の加害ケース」についても目配りしていく必要があろうとしている。

参考

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2018012802000190.html
東京新聞【書評】日米地位協定 明田川融著
[評者]前泊博盛=沖縄国際大教授
 主権の譲渡は首都圏の空域(横田ラプコン)にも及び、戦後七十年以上を経た現在も管制権は奪われたまま。協定にも規定のない米軍駐留経費や施設建設費も「思いやり予算」という名の忖度(そんたく)で支出し続ける。日米合同委員会という「密約製造マシーン」は日々米軍特権を量産・追認し、米兵犯罪や演習被害の補償すらも血税で負担する。
 沖縄の「排他的戦略的支配」権を米国に許す政府。米国への従属と米軍の永久的駐留に何の疑問も持たず、基地負担を沖縄に押しつけておけば万事安泰と考え、思考停止する。本書は、そんな国民の無視と無知、「無関心の暴力」を告発しながら、地位協定問題の解決を通して「属国・日本」からの脱却と主権回復策を提示している。

赤旗
■主張『地位協定抜本改定:米軍機事故を野放しにするな』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-05/2018030501_05_1.html
■独・伊は米軍活動規制、日米地位協定の異常浮き彫り、許可なく低空飛行できない、沖縄県日弁連が調査
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-11/2018051114_01_1.html


■平和の流れに逆行する「イージス・アショア」配備撤回を:国会論戦、独自調査でうきぼりになる数々の問題点(穀田恵二*6
(内容紹介)
 なぜ反対するのかと言えば
1)かえって周辺の緊張を高めるから。むしろ(想定脅威とされる中国、北朝鮮、ロシアとの)外交努力に努めるべき
2)根拠とされる「中国、北朝鮮、ロシアの脅威ガー」は根拠に乏しい。これらの国は確かにミサイルを保有しているが日本めがけてぶち込んでくるとはとても思えない。そんなことをしたらほぼ確実に欧米の制裁が予想される(北朝鮮の場合は在韓米軍の侵攻もあり得る)。大体ロシアはクリミア紛争ですらウクライナにミサイルなどぶち込んでいない。
 北朝鮮や中国がミサイルをぶち込むとしたら日本よりもむしろ韓国、台湾ではないのか。
 ただし南北、米朝首脳会談を見るに北朝鮮にそうした意図はないだろう(ヨンビョン島砲撃など過去の軍事衝突もミサイル攻撃ほどの大規模攻撃ではない)。
 中国にしても「ブルキナファソなどと台湾との国交断絶」など台湾には今のところ外交的対応しかしていない。ああした国交断絶戦術をどう評価、理解するにせよ、ああした行為は「台湾と戦争まではしたくないという意思」の現れと見るべき。
3)ミサイル防衛なら既にPAC3がある。PAC3に比べて陸上イージスが格段に性能が向上してるとは言えない。なお100発100中のミサイル撃墜はありえない。
4)米国の言い値、しかも前払いで買う予定であり、購入方法自体も非常に問題(後払いでリーズナブルな価格であれば購入していいわけではないが)。既に予算が当初予定を大幅に超えており、今後も増える予定。完全に青天井になってる。他の軍事予算を削らなければ、予算全体を増やさない限り社会保障費、教育費など他予算を削らざるを得ず、他の軍事予算(戦車、艦船、戦闘機など)を削る場合も「陸上イージスだけがそれほど大事なのか」という疑義がある。
といったところですね。

参考
赤旗
■主張『陸上イージス導入:配備も巨費投入も道理はない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-29/2018072901_05_1.html
■陸上イージス本体1基だけで1340億円、2基予定、維持費含め6000億円到達か、「約1000億円」が高騰
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-31/2018073101_03_1.html


森友学園事件の全容解明はどこまできたか(宮本岳志
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。今回は森友だけですが、もちろん問題は森友だけではなく加計もあります。

参考
赤旗
■主張『「森友・加計」問題:頬かむりのままは通用しない』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-13/2018071301_05_1.html
■森友内部文書で答弁拒否、国交相を辰巳議員が追及
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-18/2018071802_02_1.html
■主張『「森友・加計」問題:国民の怒りと不信は持続する』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-31/2018073101_05_1.html


■座談会『西日本豪雨災害:住まい、生活と生業の再建に枠を超えた支援と対策は急務』(仁比聡平×大平喜信×白川容子)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
西日本豪雨 各議員から深刻な実態、党対策本部が会合、「救援・復旧の先頭に」小池本部長呼びかけ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-12/2018071201_04_1.html
西日本豪雨 生活・生業再建 支援が不可欠、広島・岡山の共産党県委と仁比・大平各氏ら国に要請
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-14/2018071404_02_1.html
西日本豪雨 農業分野にも甚大な被害、当面利用できる支援制度、助成金補助金・無利子融資も
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-24/2018072414_01_1.html
西日本豪雨被害で政府交渉、全壊家屋の撤去は全額公費で、党愛媛県委 仁比議員ら要請に
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-27/2018072704_02_1.html
西日本豪雨、政府が初動対応「検証」方針、「赤坂自民亭」触れず
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-02/2018080202_02_1.html


■史上最高益42兆円の内実:大企業の17年度決算の特徴(垣内亮*7
(内容紹介)
 企業収益が史上最高といってもそれは「賃金を大幅に抑えること」によるものであり、その結果「賃金上昇なき企業収益拡大」という企業経営者以外メリットを感じられないものになっていることを批判。政府として「どう賃金を上げていくのか」が問われているとしている。

参考
赤旗
■大企業の内部留保 初の400兆円台、利益は大幅増 実質賃金は減
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-02/2017090201_01_1.html
■大企業4割が最高益、アベノミクスで実質賃金は低迷、3月期決算2400社 本紙調査
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-22/2018052208_01_1.html


■過激化するトランプ政権の通商戦略:グローバル資本主義の矛盾(金子豊弘)
(内容紹介)
 トランプ政権の報復関税を批判。こうした無茶苦茶な経済政策をどう是正していくかがまず当面の課題とされる(もちろん「それでは従来の経済構造の維持」にとどまるので、最終的には「どうあるべき世界経済を構築していくか」つう話になるわけですが、まずはトランプの無法是正という話です)。
 なお、トランプの報復関税で「中国ざまあ」的記事を産経は書いていますが、そうではないことがわかる朝日の記事を後で紹介します。それこそが金子氏が言う「グローバル資本主義の矛盾」のわけです。
 「関税を高くすれば米国産業が守られる」というトランプ的理解は、経済がグローバル化しモノの輸出入や人の移動などが普通に行われるようになった現在では
1)米国国内産業だけでは、米国の需要がまかなえない、だから外国(たとえば中国)からものを輸入しよう
2)米国でつくっていては人件費が高いなどの問題があるから外国(たとえば中国)でつくろう
3)米国国内だけでは農産物(大豆や小麦)が売れないから外国(たとえば中国)に農産物を売ろう
という構造に米国経済がなっている今、かえって米国経済がダメージを受ける恐れ大です。
 1)について言えば、少なくとも短期的には、米国国内に安い外国製品が流通しなくなるので物価上昇とそれによる米国国内貧困層の生活苦が危惧されます。輸入品をすべて米国国内生産で代替することは少なくとも短期のスパンでは無理なので「トランプ関税」による輸入品価格上昇、それによる物価全般の上昇は避けられません。
 2)について言えば、後で紹介するハーレーダビッドソンなんかは「中国やEUの報復関税などを考えたら、トランプは米国産業保護のためと言うが、余計米国内でつくるメリットがなくなった。むしろ海外でつくった方が利益になる」としてトランプの考えと逆に動いています(ただし報復関税がなくても、海外での生産という方向性は阻止するのは難しいですが)。
 3)についていえば中国、EUなどの報復関税でかえって中国など海外市場で農産物を販売してきた米国農家が苦しい立場になる危険大です。
 だからこそ多くの米国財界人がトランプ報復関税に否定的ですし、今や大豆農家や自動車会社労働者の一部などからもトランプ批判は出ています。「減税による景気回復」でそうした麺が見えにくいためトランプ支持は今のところ高止まりしていますが、中間選挙がどうなるか、あるいは中間選挙に仮にトランプが勝利したとしてもそうした共和党優位が続くかどうかは正直わからないところがあります。なおこうした問題は中国に限りません。EU、カナダ、日本などトランプ報復関税のターゲットとなった他の国とて同じことです。

参考

https://www.asahi.com/articles/ASL7G35YTL7GUHBI00J.html
■朝日『ハーレーとバーボン トランプ政策が直撃 そのツケは』から一部引用
 ハーレーダビッドソンのバイクに、バーボンウイスキー。米トランプ政権が引き金を引いた「貿易戦争」は皮肉にも、メイド・イン・アメリカ(米国製)の象徴の作り手を、真っ先に脅かした。トランプ氏が誤算を悔いる気配はなく、米国の企業や消費者には、さらなる負担がのしかかりそうだ。
 米中西部ウィスコンシン州で6月末、鴻海精密工業(台湾)が建てる液晶パネル工場の起工式があり、トランプ氏がスピーチに立った。
 「その美しいバイクを米国でつくってくれ。俺たちをなめるなよ」
 工場から40キロほど北、同州ミルウォーキーに本社を置くハーレーを、露骨な言葉で脅した。
 ハーレーは、欧州向けバイクの生産を米国外に移すと発表していた。米政権による鉄鋼・アルミ関税への報復として、欧州連合(EU)が6月から課した25%の追加関税に耐えかねたからだ。これに怒ったトランプ氏は「(ボーガス注:EUなどの報復関税をハーレーは)我慢しろ」「(ボーガス注:米国政府によってハーレーに)過去にない高い税金が課されるぞ」などと威圧的なツイートを連発していた。
 「イージーライダー」など数々の人気映画に登場し、米国のライフスタイルをも象徴するハーレー。1980年代の経営不振から立ち直ったことでも知られる。
 製造業復活を掲げるトランプ氏は大統領就任直後、ハーレー幹部をホワイトハウスに招き、「お手本だ」とベタ褒めしていた。そのハーレーが「真っ先に白旗を揚げた」(トランプ氏)ことで、完全にメンツをつぶされた。
 米政権にいい顔ばかりできない事情が、ハーレーにはある。米国内での販売は近年振るわず、2014年に17万台あったが、17年には15万台を切った。米国に次ぐ市場で年4万台近くを安定的に売る欧州の重要性が高まっていた。そこにEUの報復関税が冷や水を浴びせかけた。
 新関税で1台あたり約2200ドル(約24万円)ものコスト増になるといい、そのまま耐えるのは確かに難しい。
 ただ、ハーレーは米ミズーリ州の工場を閉め、新工場をタイに建てる計画を進めていた。報復関税を、海外移転をさらに加速させる「口実」にしたのではないか。そうトランプ政権は疑っている。トランプ氏をこれ以上刺激するのは得策でないとの判断からか、当のハーレーはこのところ沈黙を貫いている。
 報復関税の集中砲火を浴びているのが米国産バーボンだ。6月以降、EUや中国、メキシコが25%、隣国カナダも10%の追加関税をかけ始めた。「こんなゴタゴタに巻き込まれるとは不運だ」と業界幹部は嘆く。
 バーボンの95%を生産する米ケンタッキー州は、投資ブームのさなかにあった。
 1980年以降生まれの「ミレニアル世代」でバーボン人気が高まり、とくに高級品はこの5年間で販売量が2・5倍に。トランプ政権が昨年末に決めた大型減税も投資の追い風になった。ルイビルで蒸留設備メーカーを営むロバート・シャーマンさんは「フル稼働しても注文をさばけない」と言う。
 そこに降ってわいた報復関税の包囲網。蒸留所を州内で営むスティーブ・ビームさんは「スコッチなどライバルに乗り換えられる恐れがある。外国の顧客をつかむために重ねてきた投資と苦労はどうなるのか」と(ボーガス注:トランプ政権に)憤る。
 ハーレーのウィスコンシン州はライアン下院議長、バーボンのケンタッキー州は上院のマコネル院内総務と、ともに共和党リーダーの地元だ。EUなどに狙い撃ちされたのは明らかだ。
 中国が狙いを定めた大豆もトランプ氏が重視する米中西部が産地。中間選挙を11月に控えた米政権は「急所」を突かれている。
 それでも「強い指導者」のイメージが選挙に有利だとの計算なのか、トランプ氏が姿勢を改める気配はない。
 それどころか、自動車や自動車部品という国際貿易の「本丸」にまで戦線を拡大する構えだ。最大手のゼネラル・モーターズ(GM)を含め当の業界が(ボーガス注:かえって中国やEU、カナダの報復関税で打撃を受けると)こぞって反対しているが、声が届くのかどうかは不明だ。
 トランプ氏はハーレーに「顧客も怒っているぞ」と言った。そこで、ミルウォーキーにあるハーレー博物館で、ファンたち十数人に話を聞いた。ほぼ全員がトランプ氏に怒っていた。40年来のハーレー乗りというダグ・ゲートクリフさん(58)は「企業は関税に合わせて生産地を移せる(ボーガス注:から報復関税への対応を理由にした産業空洞化が進んでむしろ米国労働者が困る)。貿易戦争のツケを最終的に払わされるのは、(ボーガス注:トランプ関税によって高い輸入品を買わされる)消費者であり(ボーガス注:報復関税への対応を理由にした産業空洞化の被害を受ける)労働者だ」と話した。
 米紙ニューヨーク・タイムズは、発表済みの(ボーガス注:中国、EU、カナダなどの報復)関税だけで米家計の負担は年平均で127ドル増えるとの試算を紹介。金額はまだ大きくないが、雇用への打撃なども加われば悪影響は大きく膨らむ、と警告している。

https://www.asahi.com/articles/ASL6Q2D48L6QUHBI00F.html
■朝日『バーボンにとばっちり 米欧「関税合戦」が米国内で波紋』
 欧州連合(EU)は22日、トランプ米政権による鉄鋼・アルミ製品への高関税に対抗し、米国製品への報復関税を発動した。対象には米与党共和党の有力議員の地元の生産品が多く含まれ、米国内では影響を懸念する声が強まっている。
 EUが報復関税を課すのは約28億ユーロ(約3600億円)相当の米国からの輸入品で、鉄鋼・アルミ製品に加え、ハーレーダビッドソンのバイクやリーバイスジーンズ、バーボンなど米国を象徴する産品も入る。これらの産品は鉄鋼・アルミの「関税合戦」のとばっちりを受けた形だ。
 「米欧に関税の応酬を避けるよう働きかけ続けるが、不測の事態への対応策も練る」。
 バーボンウイスキー産地の米ケンタッキー州で「ジムビーム」などをつくる米蒸留酒大手ビームサントリーの幹部は、EUの報復関税対象になったことに危機感を隠さない。
 バーボンはカナダや中国からの報復関税の対象にも取りざたされる。ケンタッキー州共和党上院トップ、マコネル院内総務の地元で、報復先として狙われやすいとされる。バーボンなど米国産ウイスキーの輸出額はこの20年で4倍近くも増えた。しかし輸出される米国産ウイスキーの65%が高関税にさらされる可能性があり、需要増に冷や水を浴びせかねない。

https://www.asahi.com/articles/ASL875QCNL87UHBI016.html
■朝日『中国の報復関税、米ファームベルト標的 身構える農家』
 米ノースダコタ州は広大な穀倉地帯「ファームベルト」の北辺にある。スコット・ゴースローさん(38)と父親のデーブさん(63)は約1千ヘクタール、地平線の先まで広がる農地を経営する。半分を占めるのは大豆だ。
 7月、トランプ政権が中国への高関税措置を発動すると、中国は同規模の報復措置で応じた。中国が標的にしたのが大豆だ。11月の中間選挙に向け、トランプ大統領への支持が強いファームベルトを狙い撃ちにする戦略だった。
 ノースダコタの大豆畑は、中国市場の存在が前提だ。鉄道と船による中国市場へのアクセスの良さを生かして1990年代から生産量は飛躍的に伸び、2017年には90年の約20倍に。そのうち7割が中国向けだ。
 4月、中国が米国産大豆を報復関税の対象にすると予告した後、大豆の先物相場は一時、2割超も下がった。関税の応酬が秋の収穫期まで続けば、スコットさんの農場への打撃は避けられない。
 今のところ、ファームベルトのトランプ人気は底堅い。スコットさんとともに、大統領選でトランプ氏を支持したデーブさんは、「自分が知る農家のほとんどは、まだ忍耐を続ける気だ」と話す。
 スコットさんは「ほかにいい言葉がないから言うが……」と、前置きして複雑な心境をこう語る。
 「『戦争』には犠牲者がつきものと分かっている。でも悔しい。中国とは良い関係を築いてきたから」
 勝者の定かでない通商紛争が、出口の見えないまま激しさを増している。


■あいつぐ米軍自撮り・低空飛行画像:「日米合意」違反の証拠に(大野智久)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■主張『米軍機低空飛行:無法行為容認するのをやめよ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-05/2011030501_05_1.html
■市街地の上空 米ヘリ超低空、高度“150メートル違反”か 公式サイトに写真、提供区域外の広島・廿日市
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-18/2018021803_01_1.html
■米軍機が低空飛行 奄美大島、住民が動画撮影 山の稜線すれすれ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-31/2018033115_02_1.html
■米軍の横暴に各地で抗議、F16低空飛行に抗議、党青森県議団 米軍高度違反認める
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-03/2018050304_04_1.html
■低空飛行 国の対応批判、青森・三沢F16 紙氏が聞き取り
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-11/2018051104_02_1.html


特集『戦争の歴史から何を学ぶのか』
■安倍政権における「国政の私物化」と「国会の死物化」:再演される「ワイマールの悲劇」(植松健一)
(内容紹介)
 モリカケに代表される国政私物化と、「ご飯論法(誠実性のかけらもない詭弁答弁)」などと批判される安倍の「国会軽視(国会の死物化)」が批判されている。

参考
赤旗
■主張『「国政私物化」疑惑:国民不信に応え徹底究明急務』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-08/2017070801_05_1.html
■主張『強権政治の「毒」:憲法も国会も法律も無視して』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-31/2018033101_05_1.html


■朝鮮からみた明治150年(朝井好夫)
(内容紹介)
 征韓論以降、1945年の敗戦まで日本が朝鮮植民地化に邁進し続け、閔妃(明成皇后)暗殺などの無法も実行したことを批判的に紹介。
 安倍政権のように無邪気に「明治150年を賛美できないこと」が指摘される。

参考
赤旗
韓国併合100年、歴史認識共有なぜ必要か
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-28/2010072804_02_0.html
■「韓国併合」100年、日本は植民地支配で何をやったか
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-08-30/2010083004_01_1.html
■2014 とくほう・特報:日本の侵略戦争・第3回『「韓国併合」と植民地支配 (上)』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-23/2014092303_01_0.html
■2014 とくほう・特報:日本の侵略戦争・第4回『「韓国併合」と植民地支配 (下)』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-01/2014100103_01_0.html


■戦争国家の根底にはどんな思想があったのか:軍人勅諭から戦陣訓まで(高野邦夫*8
(内容紹介)
 戦前日本の戦争国家化においては、「軍人勅諭」「戦陣訓」など戦争を美化、正当化するイデオロギー教育がなされていたことを指摘。二度とそのような戦争賛美のイデオロギー教育がされないよう警戒を呼びかけている。


■論点
【小規模沿岸漁業を追い詰める不当なクロマグロ漁獲規制】(川辺隆史)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-10/2018061002_03_1.html
 田村氏は、対馬のひき縄のマグロ漁など、小型漁船の漁師は資源回復のため産卵期の禁漁などの厳しい自主規制をしてきた一方、大資本のまき網漁船は産卵場の日本海で大量漁獲し資源を枯渇させたと強調。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-12/2018061215_02_1.html
 学習院大の阪口功教授は同フォーラムで講演し、クロマグロの枯渇は大型まき網漁船による大量漁獲が原因だと指摘し、大型漁船による産卵場などでの大量漁獲は禁止すべきだと述べました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-26/2018062607_01_1.html
 漁業者らは「漁獲枠をなぜ水産庁が勝手に決めるのか」と反論。「クロマグロが減少した最大の原因は大中型まき網漁業だ。小規模漁業者が原因ではない」と指摘しました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-04/2018070404_02_1.html
 水産庁が示したクロマグロの漁獲枠は、全国でわずか数十隻の大中型の巻き網漁業に4563トンを配分する一方、資源の維持に努めてきた2万弱の沿岸漁業者は2050トンにすぎないという、きわめて不公平な配分といわなければなりません。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-08/2018070804_01_1.html
 「資源が枯渇した原因は、巻き網漁の乱獲だ。真面目にルールを守ってきた沿岸漁業者の漁業枠が少なくされるなんて納得がいかない。このままでは漁師、漁協、町がつぶれてしまう」と訴えました

ということは「資源保持の観点からクロマグロ規制それ自体は否定しないが、漁獲枠割り当てが大企業に甘く、中小に不当に厳しい。大企業に厳しく中小に配慮する割り当てにすべき」という主張なのでしょう。
 なお、当面の課題としては「規制枠の変更」だけでなく中小漁業者への経済支援も求めています。

赤旗
クロマグロ規制は死活問題、田村貴昭氏、漁業者の苦境示す、衆院農水委
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-10/2018061002_03_1.html
■新たなクロマグロ漁獲枠、漁業者「一方的だ」 国会内集会
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-12/2018061215_02_1.html
■まき網漁の制限を:クロマグロ激減 田村貴昭氏が追及
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-21/2018062104_02_1.html
■マグロ漁師の生活守れ、不当な漁獲枠見直しを 農水省前に650人
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-26/2018062601_03_1.html
■沿岸配分枠の拡大、クロマグロ共同行動の参加者、水産庁要求
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-26/2018062607_01_1.html
クロマグロ沿岸漁業者への漁獲枠の見直しを:紙・党農林漁民局長が談話
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-04/2018070404_02_1.html
■大間漁協と党が懇談、クロマグロ漁獲枠見直しを、青森
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-08/2018070804_01_1.html
クロマグロ 大型船優遇に怒り、資源と生活・将来も守れ、千葉・勝浦の沿岸漁民
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-24/2018072401_01_1.html


■暮らしの焦点『改正バリアフリー法と移動の権利 何が求められているか』(田中章治)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■移動の権利明記訴え、宮本岳志氏質問 法改正で参考人
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-20/2018042005_04_1.html
■「移動の権利」保障を、バリアフリー化で宮本氏
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-25/2018042505_03_1.html
■「移動の自由」明記を、山添氏 バリアフリー法改正案
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-12/2018051204_05_1.html
■駅無人化は法に逆行、山添氏 バリアフリーめぐり、参院国交委
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-26/2018052605_04_1.html


メディア時評
■テレビ『オウム報道への反省のなさ』(沢木啓三)
(内容紹介)
 オウム死刑囚の死刑執行について「彼らを死刑にすることの是非」「死刑執行された者の中に再審請求中のものがいたこと」などについてテレビ局が真摯に論じることはなくただセンセーショナルに取り上げて終わったことを批判。
 方向性が違うとは言え、オウム登場当初「風変わりな宗教」として「ジャーナリズム性皆無」で面白くおかしく取り上げたことと何が違うのかと酷評している。
 一方で日弁連EU諸国などから死刑執行について批判が出たことをせめてもの救いと評価している。
 また死刑執行日の前日に「安倍首相、上川法相」が「赤坂自民亭」で浮かれていたことを「人の命を奪うことを決定したであろう日に宴会で浮かれるとはそれでも人間なのか」「このような良識のかけらもない人間に国政を任せられない」と批判している。
 小生も同感でありまさに「安倍首相、上川法相」は「鬼畜」「人非人(人でなし)」「外道」などといっていいかと思われる。
 安倍らの振る舞いは「安倍=緒形拳」「上川=岩下志麻」「脚本=松本清張」「監督=野村芳太郎」で「鬼畜」というタイトルで映画化してもいいくらいだと思う(いつもの親父ギャグ)。

参考

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232909
日刊ゲンダイ『安倍首相と法相が オウム死刑執行前夜の“乾杯”に批判噴出』
 写真では、上川法相の隣で破顔一笑の安倍首相。とても、死刑執行前夜とは思えない。
 さすがに、片山議員のツイッターには、〈どういう神経でどんちゃん騒ぎができるのか〉〈普通は気が沈んで口が重くなる〉〈ゾッとする〉と批判の声が寄せられている。
 安倍首相と上川法相は一体、どんな気分だったのか。翌日、7人を処刑するのに酒を片手に笑顔、笑顔とは。この2人、人としておかしい。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232908
日刊ゲンダイ『オウム死刑執行を「公開処刑ショー」にしたTVの人権意識』
 さながら「公開処刑ショー」のようだった。6日行われた麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚ら元オウム真理教幹部7人の死刑執行。テレビは午前中から特番に番組内容を変更。東京拘置所からの中継に切り替えるなどして報じていたが、その様子に嫌悪感を抱いた視聴者は少なくなかっただろう。
「今、死刑が執行されました」
 死刑の速報テロップと同時に、女性アナウンサーが「執行」と印刷されたシールを麻原ら死刑囚の顔写真の上にペタペタと貼っていく。
 オウム真理教による事件が与えた被害の甚大さや社会に与えた影響、遺族感情を考えれば、国民の間で早期の死刑執行を望む声があったのは理解できる。だが、だからといって、死刑囚に対してテレビが選挙報道の「当確」のような演出をして許されるはずがない。理由はどうであれ、人間の生死に関わる内容なのだ。
 大体、今回の死刑執行報道は初めから違和感があった。これまでの死刑執行は、執行後に氏名などが淡々と公表されるだけだったからだ。それが、「手続き」段階からバンバン報じられ、NHKに至っては早朝に東京拘置所に入る検察関係者の姿もバッチリと撮影していた。NHKは明らかに事前に死刑執行の情報を得ていたとしか思えない。つまり、死刑執行を当日朝に教えられる死刑囚よりも情報を早く入手していた疑いがあるのだ。
 服部孝章立教大名誉教授(メディア法)がこう言う。
「国家的殺人とも言われる死刑を1日で7人も同時執行し、その様子をテレビがイベントのように扱い、リアルタイムで報道する。こんな国は先進国で日本だけでしょう。世界も唖然としたと思います」
 安倍政権下で「人権意識」がどんどんマヒしている。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-08/2018070802_06_1.html
赤旗『オウム死刑囚執行の前夜、安倍首相、上川法相らが宴会、「楽しい」と投稿』
 松本智津夫麻原彰晃)死刑囚ら旧オウム真理教元幹部計7人の死刑執行(6日)の前日の5日夜、自民党の国会議員ら30人近くが衆院赤坂議員宿舎内の会議室でパーティーを開いて飲食に興じていたことが、同党の片山さつき*9参院議員のツイッターへの投稿で明らかになりました。
 投稿によれば、「若手議員との交流の場」だという「赤坂自民亭」と称するパーティーは今回が27回目で、安倍晋三首相が初参加したほか、死刑執行を命じた上川陽子法相も参加。記念撮影の画像には、安倍氏の右隣に上川法相が座り、全員で親指を立てるポーズをとっている姿も。小野寺五典防衛相や岸田文雄*10政調会長も参加していました。
 片山議員は、パーティーの写真とともに、「安倍総理初のご参加で大変な盛り上がり!」「若手と総理とのお写真撮ったり忙しく楽しい!」などと投稿しています。
 上川法相は6日の死刑執行直後の記者会見で、3日に執行命令書に署名したと説明しており、パーティー当時には翌日の執行を当然知っていたことになります。また、パーティー当日の夜には、西日本を中心に豪雨被害が出始めていました。
 ツイッター上では、豪雨被災中、死刑執行前夜のパーティーに興じた安倍、上川両氏らの行動に、「おぞましい」「『危機管理』が聞いてあきれる」などの批判が相次ぎました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-07/2018070714_01_1.html
赤旗『幕引きにならない:宗教ジャーナリスト 柿田睦夫さん*11
 死刑執行で幕引きにはならないということです。オウム真理教家族の会(旧被害者の会)や日本脱カルト協会が、松本智津夫死刑囚を除く*1212人の死刑執行を猶予するよう求めていました。命乞いではなく、彼らにはもっと真実を語らせなくてはいけないからです。
 なぜ、彼らが、自分の頭で考えることを放棄し、教祖のいうがままに動く人間に変わっていったのか。いまも絶えないマインドコントロール被害を防ぐための教訓にしないといけないと思います。
 オウム事件には多くの謎が残っています。1989年の坂本弁護士一家殺害事件では、当初からオウムの関わりが指摘されていました。もし警察がもう一歩踏み込んでいれば、その後の事件はなかったはずです。松本サリン事件では捜査がオウムに向かわず、(ボーガス注:第一発見者の河野義行*13を犯人扱いする)誤認捜査をしました。警察が地下鉄サリン事件まで、なぜオウムの捜査に及び腰だったのか、まったく解明されていません。
 被害者の家族たちがオウムを宗教法人として認証しないよう求めたのに、(ボーガス注:ダライ・ラマ*14のお墨付きのせいか)東京都は89年に認証しました。山梨県もオウム施設の違法建築について通報があったのに、有効な動きはしませんでした。
 「宗教団体だから」「信教の自由がある」は言い訳にはなりません。オウムの犯罪は、宗教法人であるかは関係ないのです。にもかかわらず警察も行政も、地下鉄サリン事件が起きるまで動かなかった。これらの謎が解明されるまで幕引きにはなりません。

 

■スポーツ最前線『W杯フランス優勝のもう一つの意味 再び「多人種統合の象徴」へ』(和泉民郎)
(内容紹介)
 まあタイトルだけでも言いたいことはわかるでしょう。フランス代表にはアフリカ系などいろいろな民族、人種の選手がおり「多人種統合の象徴」になったという話です。
 もちろんフランスにもルペン支持者がいるので「よかった」で終わる話でもないのも一方では事実です。


■文化の話題
【美術:縄文が問いかける日本文化とは何か】(武居利史)
(内容紹介)
 東京国立博物館で開催中の特別展「縄文−1万年の美の鼓動」の紹介(公式サイト:http://jomon-kodo.jp/)。

参考

https://digital.asahi.com/articles/DA3S13587110.html
■朝日『岡本太郎が見いだした情熱の芸術 「縄文――1万年の美の鼓動」』
 東京・上野の東京国立博物館で開催中の特別展「縄文――1万年の美の鼓動」では、「縄文の美」をテーマに、各地から集められた土器や土偶、石器や装身具が並ぶ。縄文の出土品が最初に国宝に指定されたのは、実は1995年と比較的最近だ。その40年以上前、芸術的な価値を見いだして縄文を「再発見」したのが、芸術家・岡本太郎*15(1911〜96)だった。
■驚いた。こんな日本があったのか。
 「縄文との出会いは、岡本太郎にとって、進むべき道を決定づけた運命の出会いだった」
 岡本太郎記念館(東京都港区)の平野暁臣*16(あきおみ)館長は、そう語る。
 18歳から11年間をパリで過ごした岡本太郎は、帰国後、京都や奈良を訪れるなど、日本の原点を探った。だが、「わび・さび」といった日本の文化は弱々しく、仏教美術は大陸文化の模倣のように感じられ、絶望した。そんな時に出会ったのが縄文土器だった。
 同館の石井匠*17客員研究員によると、1951年11月、40歳の岡本太郎は現在の東京国立博物館で開かれていた特別展「日本古代文化展」を訪れ、展示の一角に縄文土器を見つけた。荒々しい、不協和な形態、紋様。
 そこには、幻滅していた「日本の伝統」とは正反対の「原始的たくましさ、純粋さ、人間における根源的情熱」があった。後に「驚いた。こんな日本があったのか。いや、これこそが日本なんだ。身体(からだ)中の血が熱くわきたち、燃えあがる」と記した。
「太郎はパリで学んだ民族学を背景に、土器の造形を通して、狩猟生活を送っていた縄文人の、自然を敬う精神性や呪術性を読み解いていった」と平野さんは話す。
 翌52年には、美術誌「みづゑ」に「縄文土器論」を発表。美術史家で岡本太郎研究でも知られる山下裕二明治学院大学教授は「縄文は考古学の研究対象ではあったが、美術品として評価されていなかった。日本美術史を塗り替える発見だったが、考古学者や美術史家に浸透するのはずっと後のことだった」と話す。
 岡本太郎はさらに、縄文に通じる原始の日本を求めて、東北や沖縄を巡り、作風もより呪術性を帯びたものへと変化していく。
 70年の大阪万博ではテーマ展示プロデューサーに就任。万博のテーマは「人類の進歩と調和」だったが、岡本太郎自身は「人類は進歩なんかしていない。縄文土器のすごさを見ろ」と話していたという。万博が打ち出す「進歩」に相反する「ベラボーなものを作る」と意図して、太陽の塔のデザインを手掛けた。
 塔の地下展示には、仮面や神像を展示して、呪術的な空間を作った。塔の外観にも、土偶の影響があるとする見方もある。「太郎は太陽の塔を通して、日本人に『自然と溶け合いながら誇らかに生きた縄文の精神を取り戻せ』と訴えたかった」と平野さんは話す。
 縄文は、現代のアーティストも魅了する。縄文をキーワードに掲げる造形や、関連する展覧会も少なくない。
 数多くの商品デザインやアートディレクションで知られるグラフィックデザイナーの佐藤卓さんは、縄文に関する本を読んで魅力に引き込まれ、2012年に上野の国立科学博物館で開かれた「縄文人展」の企画・展示に関わった。「縄文の土器は驚くほど豊かな造形で、モダンデザインの枠組みではとらえきれないユニークな進化を遂げている。『デザインとはこういうもの』という概念をことごとく覆してくれる」と話している。
■太郎が撮った土器や柳宗悦が愛した岩偶
 岡本太郎東京国立博物館が所蔵する深鉢形土器などを実際に見て、これに肉薄するような写真を撮影した。岡本太郎による写真と実物を展示したコーナーは、来場者による写真撮影が可能だ。
 ほかにも、民藝(みんげい)運動を提唱した柳宗悦*18(やなぎむねよし)や染色家芹沢けい介(せりざわけいすけ)が愛蔵した土偶などを展示。柳が専用の収納箱まで作らせて大切にした岩手県岩泉町出土の岩偶は、これを譲り受ける際、柳が「(初代館長を務めた)日本民藝館の所蔵品すべてと交換してもよい」と絶賛したというエピソードが残されている。


【写真:農民写真家・写真集『隣の田圃』出版】(関次男)
(内容紹介)
 久保村厚氏の写真集『隣の田圃』(2018年、日本リアリズム写真集団出版部)の紹介。


【映画:実在の外交官と「沖縄返還」の闘いを描く】(伴毅)
(内容紹介)
 映画『返還交渉人:いつか、沖縄を取り戻す』の紹介(公式サイト:http://www.henkan-movie.com/)。まあ千葉を過大評価するのもどうかと思いますが比較的にまともな人間ではあったのでしょう。

参考

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-03/2018070301_06_0.html
赤旗『きょうの潮流』
 今は亡き官僚の存在が大きな感動を呼んでいます。東京・中野で上映中の映画「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」。昨年放送のNHK番組を再編集。主人公は、外務省北米第一課長として沖縄返還交渉を担当した実在の外交官・千葉一夫氏です。
▼「諦めたら負けだ」と、「核抜き本土並み」を求めてアメリカと何度も交渉。“密約”を示唆する駐米大使には、「国民を欺けば必ず将来に禍根を残す」と反対。大きな力を前に挫折を余儀なくされますが、歴史に対する責任、官僚としての矜持(きょうじ)が、公文書改ざんで信用を失墜した現代の官僚を鋭く照らし出します。
▼全国の米軍専用施設面積に占める沖縄県の割合は復帰後、さらに拡大。千葉が上司に迫った「日本政府はいつまで沖縄を捨て石にするつもりなのか」の言葉は、半世紀近くたった今もまったく新しい。
米朝首脳会談でトランプ米大統領は「戦争ゲームはもうやめる。莫大(ばくだい)な経費が節約できる」と述べました。民放番組「報道特集」で、在沖縄米軍のニコルソン四軍調整官が「北朝鮮については大きな希望を持っている。世界も楽観的」と話していたのにも注目しました。
▼一方、朝鮮半島情勢が平和に向かって激動しているにもかかわらず、そこから目をそらすかのような日本政府。何のための辺野古新基地建設か。何のための日米安保条約か。いま一度、まっさらのところから考えるべきでしょう。
▼「理想を求めずして何の外交でしょうか」。井浦新さん演じる千葉のせりふが重く響きます。

http://www.henkan-movie.com/intro.php
 2010年の外務省の"密約問題"調査により、今までは見ることのできなかった返還当時の外交資料がほぼ全て公開された。資料を読み解くと、対米交渉・対沖縄折衝の両面で1人の外交官が大きな役割を担ってきたことが初めて判った。本作は、アメリカの理不尽な圧政に"怒り"、沖縄の現状に"泣いた"、黒衣の外交官である千葉の存在を非公開資料や遺族への丹念な取材から掘り起こした、宮川徹志の『僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫』*19を原案にして、沖縄返還交渉の裏面史を骨太に描いたNHKドラマに、新たな映像を加え再編集した劇場版として上映が実現しました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2017120302000181.html
東京新聞【書評】『僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫』宮川徹志
[評者]渡瀬夏彦*20=ノンフィクションライター
 いわゆる「沖縄返還交渉」で中心的な役割を果たした千葉一夫・外務省北米第一課長(当時)について、これまであまり詳しく報じられることはなかった。本書は、関係者の証言と文献発掘によって、その功績と人生の軌跡を追ったノンフィクションの労作だ。
 が、それにしても、タイトルには驚きと違和感を禁じえなかった。沖縄の「祖国復帰」に尽力した、どれほど有能で気骨ある外交官を描いた作品でも、やはりこのタイトル(当然作品の本質が表れる)には問題がある。
 当時も今も続く、不遜な日本人の典型的な沖縄観(=沖縄を意のままに利用できるものと捉える植民地支配者的意思)の表れとして、強い憤りを沖縄県民の間に呼び起こしかねない。
(中略)
 千葉一夫は本書において、他の外交官・政府関係者の誰より「沖縄思い」の人物として描かれている。それだけに、もしこの人物がいなかったらいったいどれだけひどい条件で「沖縄返還」がなされていたことか、と一層深い悲しみと憤りに、移住者県民としての評者でさえさいなまれてしまう。戦後七十二年、復帰後四十五年を経てもなお、沖縄は、米軍と日本政府が勝手気ままに使える「占領の島」である。
岩波書店・2592円)
<みやがわ・てつじ> 1970年生まれ。 NHKチーフ・ディレクター。
◆もう1冊
 阿部岳著『ルポ沖縄 国家の暴力』(朝日新聞出版)。米軍ヘリパッド建設現場で市民の抗議を排除する政府の暴力。沖縄の今を映す。

http://www.henkan-movie.com/cast.php
登場人物(キャスト)
■千葉一夫(井浦新*21
 大正14年(1925)生まれ。外務省北米第一課長として沖縄返還交渉の実務を指揮した。
■千葉恵子(戸田菜穂
 昭和3年(1928)生まれ。戦後、千葉一夫と運命的な出会いをし、共に米国へ留学。その後結婚した。
■西條公彦*22佐野史郎
 沖縄返還交渉時の外務省北米局長。
■石野文男*23尾美としのり
 西條の後に北米局長となる。局長就任前は、駐米公使として植田大使を支えていた。現実的な思考をするタイプで、理想を追う千葉とはそりが合わない。
■植田啓三*24大杉漣
 沖縄返還交渉時の駐米大使。強国である米国の論理に従うのは当然だ、という思考回路を持ち外交官としての職務を全うしてきたタイプ。外務省を退官後、最高裁の判事となる。
屋良朝苗石橋蓮司
 1902年(明治35)生まれ。沖縄返還交渉時の琉球政府の行政主席(今の知事にあたる)。昭和43年(1968)、初めての公選による行政主席となり、沖縄の本土復帰に力を尽くした。復帰後も沖縄県知事を2期務めた。

http://www.henkan-movie.com/comment.php
コメント
仲代達矢(ナレーター)
 私は戦時中、軍国少年として育てられ、敗戦の時、中学1年でした。そして、岡本喜八監督の『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971年 東宝)に(ボーガス注:八原博通*25・第32軍高級参謀役で)出演し、何度も沖縄へ足を運びました。いろいろな考え方があると思いますが、私は、沖縄は(ボーガス注:1945年の終戦から)この72年間、置きざりにされ、アメリカにとっての前線基地となってきたと感じています。日本の盾のようになってきた沖縄を、早く解放する道はないのか。再び、愚かな戦争を起こさないために、日本はこれから、どうしていけばいいのか。そのような思いを抱きながら、この作品に参加させていただきました。
木内みどり(俳優)
 立派な外交官がいたのですね。
 辺野古ゲート前で排除されてもされても坐りこみ続けている沖縄県民の方々。県民を守らず米軍を守って立ちはだかる機動隊員。こんなことがいつまで続くのと悲しい。
 この国のトップは嘘つきで恥知らずが多く、毎日のニュースが辛い。そんな中で、権力や圧力に抗った外交官・千葉一夫さんを知りました。
 「諦めたら負けだ」との彼の言葉に勇気づけられます。
 それにしても、俳優・井浦新さんの見事なこと!
 映画にしてくれた西脇順一郎プロデューサーと柳川強監督に拍手を贈りたいです。
三上智恵*26(映画監督)
 「いつになったらアメリカと対等に物が言える国になるのか」
 千葉一夫はそう呻きながら、得意の英語と鋼の信念で沖縄の返還交渉に体当たりで臨む。今、冷徹な態度で政府に突き放され続けている沖縄から見れば、彼のような外交官の存在を知るだけで胸が熱くなる。しかし戦後、優に千人を超える日本の外交官たちがみな千葉一夫のように「アメリカと対等」を揺るがぬ信念として国を牽引してくれていたら、千葉はヒーローとして描かれることはなかったのだ。千葉の発掘は、千葉のような外交官の不在がこの国に長らく続いていることを照射している。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-760925.html
琉球新報柳川強*27監督「沖縄の今描くため歴史描く」 劇場版「返還交渉人」への思い』
 沖縄返還の日米交渉に携わった千葉一夫外交官を描いたNHKのスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の劇場版が7日から、那覇市桜坂劇場で公開されている。柳川剛監督に沖縄公開初日の7日、作品や沖縄への思いを聞いた。(聞き手 伊佐尚記)
■記者
 印象に残る場面は。
■柳川
 石橋蓮司さん演じる屋良朝苗*28主席が、千葉にうちなーぐちで「本土の人間は私たちを小さな人間だと見ている」と言う場面だ。
■記者
 今後、興味ある題材は。
■柳川
 琉球処分だ。この映画を作る中でいろいろ知ったので、その原点を見つめたい。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-725657.html
琉球新報『「返還交渉人」公開へ 来月末に東京 NHKドラマ映画化 吉田妙子、平良進ら出演』
・1972年の沖縄返還に向けた日米交渉に携わった外交官千葉一夫氏を描いたNHKのスペシャルドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」の劇場版が完成し、6月30日から東京都内のポレポレ東中野で公開される。沖縄でも7月7日から那覇市桜坂劇場で上映されるほか、全国でも順次公開される。
・千葉さん役には俳優の井浦新、妻恵子さん役には戸田菜穂がキャストされている。県内からも吉田妙子、平良進津波信一らが出演している。
 テレビドラマは昨年8月の放送。映画版は、テレビ版にある時間の制約にとらわれず、使用しなかった映像も多数盛り込まれており、ラストカットも変わっている「ディレクターズカット版」となっている。

*1:著書『イラク湾岸戦争の子どもたち:劣化ウラン弾は何をもたらしたか』(2002年、高文研)、『イラク 占領と核汚染』(2005年、高文研)、『沖縄戦「集団自決」を生きる』(2009年、高文研)、『楽園に降った死の灰マーシャル諸島共和国』(2009年、新日本出版社)、『新版・セミパラチンスク:草原の民・核の爪痕』(2011年、高文研)、『福島第一原発風下の村』(2011年、扶桑社)、『沖縄戦・最後の証言:おじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由』(2016年、新日本出版社)など

*2:著書『ぼくが遺骨を掘る人「ガマフヤー」になったわけ。:サトウキビの島は戦場だった』(2012年、合同出版)

*3:衆院議員、日本共産党沖縄県委員長

*4:著書『もっと知りたい!本当の沖縄』(2008年、岩波ブックレット)、『沖縄と米軍基地』(2011年、角川oneテーマ21)など

*5:著書『日米行政協定の政治史』(1999年、法政大学出版局)、『沖縄基地問題の歴史』(2008年、みすず書房)、『日米地位協定』(2017年、みすず書房)など

*6:衆院議員、日本共産党国対委員長

*7:著書『消費税が日本をダメにする』(2012年、新日本出版社

*8:著書『天皇制国家の教育論(新版):教学刷新評議会の研究』(2006年、芙蓉書房出版)、『軍隊教育と国民教育:帝国陸海軍軍学校の研究』(2010年、つなん出版)

*9:小泉内閣経産大臣政務官、第二次安倍内閣総務大臣政務官など歴任

*10:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方党担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*11:著書『統一協会』(1992年、かもがわブックレット)、『自己啓発セミナー』(1999年、新日本新書)、『現代葬儀考』(2006年、新日本出版社)、『悩み解決!これからの「お墓」選び』(2013年、新日本出版社)、『創価学会の“変貌”』(2018年、新日本出版社)など

*12:個人的には「除く必要はない」と思いますが、まあ死刑万歳よりはマシです。

*13:著書『「疑惑」は晴れようとも:松本サリン事件の犯人とされた私』(2001年、文春文庫)など

*14:改めてダライのバカに殺意がわいてきます。ダライのバカは早く死ねばいいのに。

*15:著書『沖縄文化論:忘れられた日本』(1996年、中公文庫)、『今日の芸術』(1999年、光文社知恵の森文庫)、『青春ピカソ』(2000年、新潮文庫)、『美の呪力』(2004年、新潮文庫)、『日本の伝統』(2005年、光文社知恵の森文庫)、『日本再発見 芸術風土記』(2015年、角川ソフィア文庫)など

*16:著書『岡本太郎』(2009年、PHP新書)、『「太陽の塔岡本太郎と7人の男たち』(2018年、青春出版社

*17:著書『謎解き太陽の塔』(2010年、幻冬舎新書

*18:著書『民藝とは何か』、『手仕事の日本』(講談社学術文庫)など

*19:2017年、岩波書店

*20:著書『銀の夢:オグリキャップに賭けた人々』(1996年、講談社文庫)

*21:過去の出演作として映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年、若松孝二監督、坂口弘役)、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012年、若松孝二監督、三島由紀夫役)、『止められるか、俺たちを』(2018年、白石和彌監督、若松孝二役)など(ウィキペ『井浦新』参照)

*22:東郷文彦氏(後に外務事務次官、駐米大使。東郷茂徳外相(東条、鈴木内閣)の義理の息子)がモデルと思われる。

*23:吉野文六氏がモデルと思われる。

*24:「駐米大使、最高裁判事」という経歴から、下田武三氏のことと思われる。

*25:1950年に警察予備隊が創設された際には、旧軍高級軍人であった八原にも入隊の誘いがあったが「もう二度と他人に死を強制する仕事はしたくない」と断っている。沖縄戦において自決することなく米軍捕虜となった八原は旧軍人から「沖縄を見捨てた卑怯者」呼ばわりされ、葬式に参列した旧軍関係者はたった3人だったといわれる(ウィキペ『八原博通』参照)

*26:「沖縄と戦争」をライフワークとしている。代表作『標的の村』(2013年)、『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』(2015年)、『標的の島 風(かじ)かたか』(2017年)

*27:NHKディレクター。代表作としてNHKドラマ『鬼太郎が見た玉砕:水木しげるの戦争』(2007年)、『最後の戦犯』(2008年)、『気骨の判決』(2009年)、『負けて、勝つ:戦後を創った男・吉田茂』(2012年)、『百合子さんの絵本:陸軍武官・小野寺夫婦の戦争』(2016年)、『返還交渉人:いつか、沖縄を取り戻す』(2017年)

*28:琉球政府行政主席(1968〜1972年)、沖縄県知事(1972〜1976年)を歴任