今日の産経ニュース(8/25分)(追記・修正あり)

■【編集者のおすすめ】『日本語は哲学する言語である*1小浜逸郎*2
http://www.sankei.com/life/news/180825/lif1808250022-n1.html
 「哲学に向く言語、向かない言語なんてもんがあるのか?」と思いますね。
 そもそも「言語とは毎日変化しているもの」なのだから「哲学に向かなければ向くように作り直す」つう話もあるわけで本のタイトルが「何だかなあ」ですね。
 柳父章翻訳語成立事情』(1982年、岩波新書)、『「ゴッド」は神か上帝か』(2001年、岩波現代文庫)などを読むとわかることですが明治の近代化に当たっては、多くの外国語が翻訳されたし、その中には哲学用語もあるわけです。


■【太陽光発電は人を幸せにするか】(1)法の規制を受けず 反社会勢力、外国の土地買収…このままでいいのか
http://www.sankei.com/premium/news/180825/prm1808250003-n1.html

 北杜市*3小淵沢町に平成26年4月から移住している「北杜市太陽光発電を考える市民ネットワーク」共同代表の帆足興次さんは「全国平均の日照時間が年間2千時間弱といわれるなか、北杜市明野町では年2625時間と全国有数の日照時間があります。そこで大小様々な業者が続々とこの地に進出し、生活や自然環境に深刻な問題を及ぼしているのです」と話す。

 実際、北杜市において何がどうなっているのか知識がないので「北杜市の具体的な状況」についてコメントはしません。 
 しかし仮に北杜市において「野放図なソーラーパネル設置が弊害を生んでいる」のであれば誰もそんなものには賛成しないでしょう。そしてそれが法規制が緩いことが理由ならば早急に法規制すべきでしょう。
 「太陽光は火力と違いCO2を排出せず、また原子力発電と違い被曝の危険性もない」という限りにおいて太陽光発電は評価されてるわけです。
 「太陽光発電なら何やってもいい、何の問題も起きない」なんて話は最初から誰もしていない。
 そしてこの場合の太陽光発電での弊害は、「太陽光発電は人を不幸にする」つう話ではない。
 極端な話、太陽光発電だろうと、その他の発電(水力、風力、地熱、潮力など)だろうと、製鉄工場だろうと、霊園開発だろうと、アミューズメントパーク(例:ディズニーランド)建設だろうと何だろうと「野放図な開発」は弊害を与え人を不幸にするでしょう。
 しかしそれはたいていの場合「野放図な開発」が問題なのであって「製鉄工場は、霊園開発は人を不幸にする」という話ではない。帆足氏にしても太陽光発電それ自体に反対ではないでしょう。
 ただし原発について言えばその構造自体が「事故やウラン採掘などによる原発労働者や原発地域住民の被曝の危険性が高く」、適切な管理をすればなんとかなるという話ではないでしょう。脱原発原発廃止)が必要だと思いますね。

 中国や韓国、スペインなどの外国資本が、日本国内で大規模な太陽光発電所の建設に参入した。また、それまでの建設業、産業廃棄物処理業、不動産業、パチンコといった別業種からの参入も急増した。

 外国企業や異業種からの参入はそれ自体は別に悪ではないでしょう。産経が何を問題にしてるのかよくわかりません。
 異業種から参入するからずさんという話では必ずしもないでしょう。外国資本参入に至っては「まーた北海道が危ないとかいいだすのか」とうんざりします。


■産経【太陽光発電は人を幸せにするか】(2)土台がドラム缶の太陽光発電所 ぬりかべのように迫るパネル… 「地球にやさしいまち」はいま
http://www.sankei.com/premium/news/180820/prm1808200008-n1.html
 産経らしいお粗末な取材です。なぜなら「地域住民がソーラーパネルの乱立に不安を感じてる」つう情緒的な記述しかないからです。
 結果、「住民の皆様の誤解を解消するため全力を挙げたいと思います」つう業者側の主張を否定するに至ってない。ここで「こんな問題点がありました!」「住民の感情論じゃない!」という何かが出せればいいのですが、産経にそういうまともな取材能力はないようです。

 「人と地球にやさしいまちづくり」。
 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)の「全国新エネ100選」に山梨県北杜市の「北杜サイトメガソーラー〜北杜市太陽エネルギープロジェクト」が選ばれている。
 NEDOのホームページ(HP)には、新エネ100選を「全国の新エネルギー等利用の取り組みを評価し、経済産業省NEDO技術開発機構が47都道府県からもれなく先進的、先導的な事例を選定したものです」とある。
 平成21年秋に選定された自治体にはNEDOから認定証が授与された。北杜市は全国有数の日射量を利用し、「太陽光発電」の華々しい先進地に躍り出たのだ

 ここでまともなメディアなら「NEDO北杜市」に「一部住民の不安をどう思いますか」と聞くでしょうが産経なので聞きません。


■【太陽光発電は人を幸せにするか】(4)3メートル以上の高さのパイプに太陽光パネル 豪雨、強風に耐えられるのか
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020003-n1.html
 こういうタイトルでも「もちろん取材能力ゼロの産経」なので「3メートルの高さのパイプが豪雨や強風に耐えられるのか、僕は疑問に思うなあ。耐えられないでぶっ壊れてけが人が出たりしないか不安だ。『不安に思う具体的根拠は何なのか、専門家に話でも聞いたのか?』ねえ。いや明確な根拠はないんだけどね。耐えられると断言できる根拠は君の方だってないだろ?」レベルの「そんなんで記事書くな、専門家に取材しろ」といいたくなる代物です。

 発電事業主は、近隣の山梨県韮崎市の内藤久夫*4市長(64)のいとこが社長を務める「内藤ハウス」だ。太陽光発電を推進した白倉政司*5北杜市長(69)は、平成27年10月、同社の未公開株を取得していたことが発覚。北杜市庁舎建設や、同市肝いりだったNEDO発注の施設整備を同社が受注していたこともあって「業者との距離感」が議会内外で問題視されたこともあった。

 もちろんこうした「利権や癒着の疑惑」は「原子力」「火力」「水力」「風力」「地熱」「潮力」など他の発電方法でもあり得ることで「太陽光だから」という話では全くありません。


■【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】太陽光発電の悪しき制度「49kWの罠」
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030007-n1.html

 伊豆高原では、韓国資本*6の「ハンファエナジージャパン」が104ヘクタール(東京ドーム約20個分)に相当する緑の高原を買い取り、その約半分の森林を伐採し、12万枚のギラギラのソーラーパネルを建設する大規模計画が進行中だ。伊豆高原の緑豊かな景観は一変するだろう。静岡県伊東市、住民がこぞって反対するゆえんだが、業者は8月10日、森林伐採に着手してしまった。

 よしこは自らのコラムにおいて

静岡県伊東市、住民がこぞって反対

と書きましたが

https://www.sankei.com/region/news/180901/rgn1809010006-n1.html
 伊東市の小野達也*7市長は2月、計画そのものには反対しながらも「許可要件を満たしている」として宅地造成等規制法に基づく事業許可を出した。また、川勝平太*8知事は7月、条件付きで森林法に基づく林地開発許可を与えた。

ですからねえ。「いや明らかに県知事や市長反対してへんやん、どこが反対なの?」「気軽に認可したら反対派に非難されて慌てて言い訳してるだけと違うのか?」ですね。
 なお、既に書きましたがもちろん「CO2を排出しない点で火力より評価でき、被曝の恐れがない点で原子力より評価できる」つう話で太陽光発電は推進されてるだけです。
 よしこらが批判する事業に問題があるかどうかはともかく、個別に問題があればそれは是正、批判されて当たり前です。「太陽光はエコだから何やってもかまわない、反対する奴は反エコロジー原発推進派」なんてバカはまともな太陽光推進派なら誰も言わない。
 つうか

・別に「太陽光」でなくても「森林地帯」に発電設備を作ろうとするには森林伐採が不可避
・いやそもそも「発電設備」でなくても工場でもテーマパークでも霊園開発でも、何でも「森林地帯」に何かつくろうとするには森林伐採が不可避

ですから、これは、この森林伐採を環境破壊として批判する場合でも「太陽光だから生じてる問題」では全くありません。まあよしこがこういう話を騒ぎ立てるのは「こうした場所での太陽光発電反対派」が「必ずしもよしこのような原発推進派やウヨではなく」「原発反対派や非ウヨもいるので」政治利用しやすいと思ってるからでしょうねえ。「伊東市のソーラー反対派は皆原発推進派のウヨです」では政治的に共感されづらい。
 後はよしこらウヨが騒ぐ理由は

・「太陽光発電推進」に大きく舵を切ったのがよしこらウヨが大嫌いな菅首相(当時)
・どこまで本心かはともかく、川勝静岡県知事や小野伊東市長がソーラー反対派に一定の理解と共感を示してるから

だからか。
 ただし「こうした場所での太陽光発電反対派」はあくまでも「野放図な太陽光発電」を批判してるだけで太陽光発電そのものを否定してる人間も少ないでしょうが。

 世界の再生エネルギーの現場では、最先端を走る中国もドイツも太陽光発電から離れつつある。中国は猛烈な勢いで原子力発電に傾斜*9し、ドイツはFITを打ち切った。

 いかに原発推進を褒め称え太陽光をおとしめたいとは、あのよしこが「ドイツはともかく」、中国相手に

世界の再生エネルギーの現場では、最先端を走る中国やドイツ

だそうです(苦笑)。
 こういうのを「問うに落ちず語るに落ちる」というべきなのでしょう。「中国の科学技術力なんぞ恐るるに足らず」とかよしこらウヨが抜かしてるのは要するに嘘なのでしょう。よしこらは本心では「中国の科学技術力が怖い」と思ってる。
 なお、「ドイツはFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を打ち切った」としかよしこが書かないあたり、この問題には全くの素人の俺ですが「ああ、多分詐欺的な書き方なんだろうな」とは思います(能力がないので詳しく調べてよしこの詐術を批判したりはしませんが)。
 「FITの打ち切り」が事実だとしても、もちろん、それは必ずしも「太陽光発電の推進の打ち切り」を意味しないわけです。「太陽光発電推進=FIT、この道しかない」つう話ではないですから。
 またよしこは中国については「原発建設」と書きますがドイツについては書きませんので「FITの打ち切り」があろうとも「ドイツが脱原発してること」には変わりはないのでしょう。

 伊東市の住民らは8月31日、建設工事の差し止めを求める仮処分を静岡地裁沼津支部に申し立てた。太陽光発電が私たちを幸せにしてくれるのかどうか。日本の未来を守る闘いはこれからだ。

 よしこの紹介する訴訟について
■産経『伊東住民ら、メガソーラー建設差し止め仮処分申し立て 洪水や土砂崩れ懸念』
https://www.sankei.com/region/news/180901/rgn1809010006-n1.html
を紹介しておきます。
 まあ、「個別の太陽光発電」はともかく「太陽光発電それ自体」は有力な発電方法として「幸せにしてくれる」と思いますね。
 無茶苦茶な開発をしたら不幸がもたらされるのは何も太陽光限定じゃない。他の発電方法だって、工場だって、テーマパークだって、霊園開発だって同じことです。だからといって個別の霊園開発はともかく、誰も「霊園は我々に幸せをもたらしてくれるのか」とか「そもそも霊園なんかいらない(海や山に散骨?)」なんて言わない。
 なお、この裁判がどうなるかはわかりません。ただし仮に原告勝訴判決が出たとしてもそれは「この伊東市での太陽光発電に問題があった」という個別の話でしかありません。まあ、よしこらウヨはそんなこと無視して太陽光発電否定にいそしむのでしょうが。


■【産経の本】『マスコミと官僚の小ウソが日本を滅ぼす』 文科省の体質を隠す小ウソ
http://www.sankei.com/life/news/180825/lif1808250020-n1.html

 (ボーガス注:安倍御用マスコミ産経など一部を除き)マスコミは天下りに関して、当初は前川氏を批判したが、後に(ボーガス注:是々非々の立場から加計告発については)「勇気ある告発者」と持ち上げた。

 そりゃ加計告発に限れば「勇気ある告発者」ですからねえ。こういうのは是々非々です。そこで「天下り引責辞任ガー」なんていうのは見当違いも甚だしい。それについては既に次官辞任で責任をとってる*10。まあこういうことを言う高橋洋一*11ら安倍万歳芸人にとっては前川告発がよほど不愉快だったんでしょうが。
 ならば高橋も「銭湯の窃盗犯*12ごときが偉そうに他人批判してるんじゃねえよ。窃盗で東洋大を懲戒免職されたのはどこの誰だよ、お前だろ!」といわれても文句は言えないでしょう。
 「それとこれとは話が違う!」「東洋大免職で責任をとった(高橋)」つうならそれこそ、前川氏だって同じことです。
 あるいは金賢姫についても「死刑囚が調子こいてんじゃねえよ。北朝鮮批判なんかさせなくていいから、とっとと死刑を執行しろ」とも言えてしまう。
 つうかこんなに安倍を詭弁でかばう高橋って「自民党ブレーン」とか「安倍ブレーン」とか何らかのつながりで安倍や自民党から金でももらってるんでしょうか?。あるいは高橋の所属大学である嘉悦大が安倍から不当な便宜を受けてるとか拓殖並みのウヨ大学だとか。
 ちなみにさすがに「例の文春報道(出会い系バーでの援助交際などなかった)」後は「文春報道に反論できなかったため」に、もはや「出会い系バーが」とは言えないようです。なお、前川氏次官辞任後の「佐野高等教育局長、川端国際統括官逮捕」についていえば、前川氏在任中からそうした不正があったというならともかくそうでないなら彼に責任はないでしょう。
 つうかここで

・佐野局長や川端国際統括官*13への贈賄で逮捕された業者・谷口容疑者をあるコネで紹介され、酒席をともにした*14という戸谷*15文科事務次官や蒲原*16厚労事務次官(現在は厚労省顧問)

の名前が出ないで今のところそうした酒席話が何一つでてない前川氏について、「前川ガー」つうのも実に変な話です。完全に言いがかりですよね。
 つまりは「安倍様に刃向かう前川はたたくが、安倍様に忠実な戸谷や蒲原はかばう。しかし前川のように造反したら容赦なくたたく」つう話でしょう。全くふざけています。
 なお、小生も週刊誌の知識しかないわけですが、前川氏が引責辞任した天下り斡旋について言えば摘発されたのは旧文部省関係で旧科技庁は関係なく、一方、今回の贈収賄は旧科技庁関係で旧文部省は全くノータッチのようです(前川氏は旧文部省出身で、一方、戸谷次官、佐野局長、川端統括官は旧科技庁出身)。
 それがいいとは言いませんが未だにそういう「区分け」があるようです。
 ちなみにウィキペディアを見ればわかりますが文科省誕生後の事務次官人事は

小野元之氏
 旧文部省出身。 文化庁次長、文部省官房長、文部事務次官を経て初代文部科学事務次官。第一次安倍内閣教育再生会議で委員を務めた(当時の役職は日本学術振興会理事長)。
・御手洗康氏
 旧文部省出身。初等中等教育局長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官
・結城章夫氏
 旧科技庁出身。山形県出身。2001年、科学技術庁と文部省が統合して文部科学省が発足すると、初代大臣官房長に就任。その後、文部科学審議官を経て文部科学事務次官。退官後の一時期、山形大学学長を務めた。
・銭谷真美氏
 旧文部省出身。文化庁次長、生涯学習政策局長、初等中等教育局長などを経て文部科学事務次官。現在、東京国立博物館館長。
・坂田東一氏
 旧科技庁出身。理化学研究所理事、文部科学大臣官房長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官。退官後の一時期、駐ウクライナ兼駐モルドバ大使を務めた。
清水潔
 旧文部省出身。 文部科学省研究振興局長、高等教育局長、生涯学習政策局長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官
・森口泰孝氏
 旧科技庁出身。 文部科学省研究開発局長、科学技術・学術政策局長、大臣官房長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官
・山中伸一氏
 旧文部省出身。スポーツ・青少年局長、大臣官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官文部科学省退官後は駐ブルガリア大使(2016〜2017年)、ドワンゴ取締役(2018年〜)を歴任。
・土屋定之氏
 旧科技庁出身。大臣官房長、科学技術・学術政策局長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官。2018年1月29日から駐ペルー大使。
・前川喜平氏
 旧文部省出身。大臣官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官などを経て文部科学事務次官
・戸谷一夫氏:
 旧科技庁出身。日本原子力研究開発機構理事、文部科学省研究開発局長、大臣官房長、文部科学審議官などを経て現在、文部科学事務次官

という「合併後の企業でよくある」いわゆる「たすき掛け人事」になっていますこの傾向だと次の事務次官は旧文部出身でしょう。事務次官就任直近の局長名も「旧文部(初等中等教育局長やスポーツ・青少年局長)と旧科技(研究開発局長)」では明らかに傾向が違います。当面はこうした傾向は変わらないのでしょうね。
 なお、「文部省大臣官房長時代に、リクルートから高石文部事務次官(後に起訴され有罪判決)とともに過剰接待を受けていたため引責辞任せざるををえなくなった加戸」について何一つ批判しないでそれどころか、「加計問題での不当な言いがかり(?)を批判する英雄であるかのように描き出す」のがいつもの産経です。


参考
■リテラ『逮捕された文科省局長は安倍政権に近い官僚だった! 裏口入学の交換条件の支援事業に加計学園も選定』
http://lite-ra.com/2018/07/post-4110.html

 このニュースにヒートアップしているのが安倍応援団やネトウヨたちだ。
「前川は出会い系バー通いで佐野は裏口入学文科省はクズばかり」「前川さん、文科省の局長が行政を歪めてますよーw」などと、ここぞとばかりに前川氏をバッシングしているのだ。
 さらに、そうした流れのなかで、安倍応援団である上念司氏も前川・文科省叩きを展開。昨日出演した『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)では、「佐野さんは前川の直系らしいっすね」「文科省は(前川に)乗っ取られている感じ」だと述べ、前川氏と佐野容疑者の関係に言及している。
 一方、この不正入学問題に対しては、リベラル派からも疑義の声が上がっている。「これは加計問題での文科省の反乱に対する、特捜部を使った官邸の意趣返しではないか」という見方だ。
 だが、結論から言うと、これらの指摘はすべて的外れだ。そもそも、「佐野は前川の直系」でもなんでもなく、逆に対立派閥に属していた。文科省関係者もこう一笑に付す。
「佐野はたしかに前川氏が官房長時代にも官房政策課長、総務課長などを歴任しているが、『前川の直系』なんて関係ではない。むしろ、関係が悪かったという話もあるほどだ。というのも、(ボーガス注:旧文部省入省組の前川氏に対し)佐野は科学技術庁入庁組で、文科省内の旧科技庁グループ、 “旧科技庁のドン”とも呼ばれていた沖村憲樹氏*17の一派だった」
 沖村氏は国立研究開発法人・科学技術振興機構特別顧問に天下りしているが、高村正彦*18自民党副総裁に極めて近く、官邸や自民党大物議員にも顔が利く人物。実際、沖村氏が仕切る旧科技庁グループは前川氏が引責辞任した文科省天下り問題でも、まったく扱いが違っていた。
 そもそも、政権が率先して不正を明らかにしたこの文科省への天下り調査は、加計学園認可に反対していた文科省幹部への報復、狙い撃ちだったという噂もあり、事実、官邸が文科省天下り問題調査でターゲットにした吉田大輔高等教育局長(ボーガス注:天下り斡旋問題が表面化した時点では退官し、早稲田大学教授)は、獣医学部新設に強硬に反対していたと報じられている。
 ところが、同じ文科省でも旧科技庁グループ、沖村派の天下り問題は一切表に出てこなかった。当時、会員制情報誌「FACTA」(2017年3月号)が、文科省天下りは沖村氏が仕切る科学技術庁グループのほうがひどいのに、政権与党との関係からか、不問に付されているということを指摘。国会でも追及がおこなわれた。
 そして、沖村氏の利権を暴いた「FACTA」の続報(2017年8月号)では、今回、逮捕された佐野容疑者が〈「沖村派」の中核メンバー〉として名指しされていた。
 つまり、佐野容疑者は、前川氏の直系どころか、安倍政権に極めて近い派閥に属する官僚だったのだ。実際、佐野容疑者は加計問題で官房長として内部調査や大臣答弁などにかかわってきたが、完全に官邸の言いなりだった。
「『総理のご意向』文書が出てきたときなんて典型でしょう。あのとき菅義偉官房長官が『怪文書』呼ばわりしましたが、文科省も完全に歩調を合わせていた。調査すると言いながら担当部局の共有ファイルを調査して7人にヒアリングしただけ。当時の松野博一*19文科相がそこで何も出てこず、証言も得られなかったとして『調査目的は達成した』と断言した。これらを仕切ったのは、官房長の佐野さんですからね」(全国紙社会部記者)
 前川氏の直系どころか、安倍政権に近かった佐野容疑者。じつは、佐野容疑者の今回の大胆な不正入学収賄の背景にあるのは、「安倍首相が招いたモラルハザードではないか」という見方も流れている。
 これは、無理やり話を結びつけようとしているのではない。もっと具体的な話だ。今回、佐野容疑者が東京医大関係者からの依頼を受けて同大を選定した「私立大学研究ブランディング事業」をめぐっては、“アベ友”である加計学園も選ばれているのだ。
 東京医科大には補助金として3500万円が交付されたが、加計グループに対して交付された補助金は、千葉科学大が3752万円、岡山理科大が4121万円と、東京医大を上回っている。
 「総理案件」である大学が、しかも2校もねじ込まれている実態を知る立場にあれば、「(ボーガス注:自分が東京医科大をねじ込んでも)それぐらいは許される」という見込みが佐野容疑者にはあったのではないか。そう勘繰らずにはいられないのだ。
 安倍首相が血税をお友だちに流し、その実態が暴かれても平気な顔をして総理の座に座っている。その親玉のモラルのなさが、霞が関にも伝染しつつある。
 「最大のガン」が幅を利かせるかぎり、こうした問題が後を絶たなくなるのは間違いない。そして、不正入学問題への捜査と同時に、今回クローズアップされた加計2校の選定についても、そのプロセスを明らかにするべきだろう。

 「天下り斡旋問題追及が吉田元局長に対する安倍の報復かどうか」、「沖村グループの不正が高村自民党副総裁の政治力で不問に付されたかどうか」、「加計への大学ブランディング事業補助金給付が安倍の政治介入による不正なものかどうか」はともかく、まあ、旧科技庁系汚職である今回の汚職には前川氏は関係ないでしょうね。いずれにせよ「真偽はともかく」こういう不正話がもっともらしく出てくるのはまさに「安倍と高村の人徳のなさ」「まさに安倍と高村は類友」であり「そんな奴らを最高幹部にしてる自民党の愚劣さ」でしょう。
 しかしこのリテラ記事での「佐野局長が不正にいたる心境の分析」が正しいとするならば「安倍に近い官僚」である佐野氏は「何かあっても俺は官邸から、UR疑惑・甘利*20のように守ってもらえるはずだ」「俺の行為なんて安倍のモリカケや甘利のURに比べればたいした話じゃない」と思い上がって暴走し、あげく切って捨てられたんですかね。

*1:2018年、徳間書店

*2:著書『日本の七大思想家:丸山眞男/吉本隆明/時枝誠記/大森荘蔵/小林秀雄/和辻哲郎/福澤諭吉』(2012年、幻冬舎新書)、『福澤諭吉』(2018年、PHP新書)など

*3:小淵沢町、長坂町、高根町大泉村、白州町、武川村須玉町明野村の8町村が合併して生まれた市。これによって北巨摩郡は消滅した。

*4:父親は1978年から4期16年韮崎市長を務めた内藤登。2014年11月の市長選で初当選(無投票)し、現在1期目(ウィキペディア「内藤久夫」参照)。

*5:旧・高根町長を経て北杜市長(市長を3期12年)

*6:この話で「韓国資本」と「書く必要もないことを書く」のはどうみても「よしこらウヨの排外主義の現れ」としか思えません。大体この事業の直接の実行者は「ハンファエナジージャパン」ではなく「ハンファも出資する伊豆メガソーラーパーク合同会社」です。

*7:静岡県議を経て伊東市

*8:石川嘉延静岡県知事のブレーン。静岡文化芸術大学学長を経て静岡県知事

*9:そもそも核兵器すら保有してる国が「原発に力を入れてる」からといってそれ評価できることなんでしょうか?。つうかよしこらウヨって「中国の原発は事故りそうで怖い」とか言ってなかったか?

*10:仮に「とってない」とした場合「どうすればとったことになるのか」議論する必要があるし、その場合「前川氏に現在の処分をしたのは安倍政権なのだから」不適切な処分をした安倍政権は批判対象になります。しかし、もちろん、高橋も産経も安倍をかばうために前川氏の告発を不当におとしめたいだけに過ぎません。

*11:著書『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』(2008年、文春新書)、『この金融政策が日本経済を救う』(2011年、光文社新書)、『儲かる五輪:訪れる巨大なビジネスチャンス』(2016年、角川新書)、『数字・データ・統計的に正しい日本の針路』(2016年、講談社プラスアルファ新書)、『朝鮮半島終焉の舞台裏』(2017年、扶桑社新書)、『財務省を解体せよ!』(2018年、宝島社新書)など。しかし北朝鮮専門家ではない高橋が『朝鮮半島終焉の舞台裏』ですか。呆れて二の句が継げません。まあ高橋が以前放言していた「霞ヶ関埋蔵金」に至っては明らかなデマでしたが。

*12:しかしあの事件はどう見ても「金に詰まってた」というよりは窃盗癖という病気でしょうね。東洋大免職後に拾ってもらった嘉悦大を免職になってないと言うことは病気が治ったんでしょうか?

*13:ただし逮捕容疑はJAXA理事時代の行為

*14:ただし贈収賄のような不適切な行為はなかったとして、今のところ彼らを処分しないと安倍政権はしている。

*15:「とや」ではなく「とたに」と読むようです。

*16:「かんばら」ではなく「かもはら」と読むようです。

*17:科学技術庁研究開発局長、科学技術政策研究所長、科学技術振興局長、長官官房長、科学審議官、独立行政法人科学技術振興機構理事長など歴任

*18:村山内閣経済企画庁長官、小渕内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相、福田内閣外相などを経て現在、自民党副総裁

*19:第一次安倍内閣厚労大臣政務官、福田、麻生内閣文科副大臣、第三次安倍内閣文科相など歴任

*20:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相などを歴任