今日放送のテレ朝『題名のない音楽会』でアストル・ピアソラを取り上げていてなかなか興味深い内容だったので、ネットで見つけた、それ関係の記事をいくつか紹介しておきます。
https://www.tv-asahi.co.jp/reading/daimei-blog/2888/
■題名のない音楽会ブログ『絶滅危惧楽器 バンドネオンの音楽会』飯尾洋一*1(音楽ジャーナリスト)
バンドネオンという楽器、みなさんはご存知でしたか。バンドネオンが日本で知られるようになったのは、90年代にアストル・ピアソラの音楽がブームになったことが大きいと思います。アルゼンチンのバンドネオン奏者であり作曲家でもあるピアソラは、タンゴをベースにジャズやクラシックなどさまざまな音楽のスタイルを融合させて、まったく独自の音楽を生み出しました。
ピアソラ本人は1992年に亡くなりますが、ピアソラが作曲した名曲はジャンルを超越した広がりを見せます。世界最高峰のヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルがピアソラのアルバムをリリースしたこともあって、ピアソラの作品はクラシック音楽界でも一気に広まることになりました。もともとピアソラはパリで名教師ナディア・ブーランジェに師事して、アカデミックなクラシック音楽の教育を受けようとした時期もあったのですが、そのブーランジェがピアソラにタンゴの可能性を気づかせてくれたといいます。
そんなピアソラ・ブームとともにバンドネオンの音色は日本の音楽ファンにも親しまれるようになりました。しかし(ボーガス注:番組内でのバンドネオン奏者)小松亮太さん*2の説明にあったように、この楽器はボタン配列に規則性がなく、しかも蛇腹を引いたときと押したときで違う音が出るなど、習得は容易ではありません。おまけに楽器自体が稀少なのですから、これほど入門しづらい楽器もないでしょう。
そんな珍しい楽器のバンドネオンですが、今回は6人ものバンドネオン奏者が一堂に会して「ラ・クンパルシータ」を演奏してくれました。日本でここまでバンドネオンが活発に演奏されているのは、いち早く活動を始めた小松亮太さんの功績あってこそ。ドイツで生まれたバンドネオンが、アルゼンチンに渡ってピアソラと出会い、今は日本で若い奏者たちに演奏されている。楽器の運命って、わからないものですね。
https://www.arban-mag.com/article/23479
■タンゴの革命児・アストル・ピアソラのドキュメンタリー映画が(ボーガス注:2018年)12月に全国劇場公開
タンゴ界の革命児、アストル・ピアソラのドキュメンタリー映画『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』が、12月1日(土)より「Bunkamuraル・シネマ」他にて全国公開されることが決定した。
本作は、日本で唯一のクラシック音楽専門テレビ・チャンネル「クラシカ・ジャパン」の開局20周年と、ピアソラの没後25周年を記念してフランス/アルゼンチンと2017年に共同製作された作品。
名曲「リベルタンゴ」などでも知られ、バンドネオン奏者として活動しながら、伝統的なタンゴにジャズやクラシックなどの音楽を取り入れ「ヌエヴォ・タンゴ(新しいタンゴ)」というスタイルを確立したピアソラ。
本作では、ピアソラ自身が“自己最高の音楽形態”とふり返る「ニュー・タンゴ・クインテット」時代の音楽をふんだんに使用し、“踊りのための伴奏音楽”といわれたタンゴを、伴奏から主奏へと昇華させたピアソラの想像力の源と魅力に迫った内容となっている。