「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年2/5分:高世仁の巻)

再びジャーナリストに旅券返納命令(その2) - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 常岡*1にせよ高世にせよ、ジャーナリストの渡航禁止処分で「ジャーナリストに限らず、そもそも、国が渡航禁止とかおかしい」つう連中には「朝鮮総連幹部が北朝鮮に事実上行けないことをどう思いますか?(再入国禁止処分されかねないから)」と聞きたくなります。俺から言わせれば「朝鮮総連幹部の事実上の渡航禁止」に反対しない奴が「国が渡航禁止とか」云々と本当に言わないでほしい。そんなんはインチキです。
 それならまだ「朝鮮総連幹部の北朝鮮渡航禁止は国益に合致するが、常岡らライターの渡航禁止は国益に反する」とでも言った方が論理一貫性があるでしょう。
 まあ、俺はそんなん間違った考えだと思うので支持しませんけどね。そもそも朝鮮総連幹部が北朝鮮渡航したからって何か弊害があるわけでもなく、ただの嫌がらせでしょう。
 まあ、それはともかく高世の文章にコメントしていきます。

 きのうも旧知のフリーランス*2から電話があり、憤懣やるかたない口ぶりで「先進国でこんな国ないよ」と嘆いていた。
 「ある国で社会問題の取材に突っ込んでいって、その国の政府の逆鱗に触れた結果、オレが入国禁止になるかもしれない。そういうとき、日本の政府は日本人ジャーナリストを支えるのが筋じゃないのか。どっかの国で入国禁止されたからと日本国の旅券を取り上げるなんて、シリアスな取材は一切するなということだよ」。
 最後に、「これを見過ごすと商売上がったりになるから、闘わなくては」と強い危機感を持っていた。
 常岡さんの場合、オマーンで入国禁止になっているから、旅券法の文言上は旅券返納命令が出されてもおかしくない。では、常岡さんはなぜオマーンに入国できなかったのか。
 実は常岡さんは、オマーンの入管に友人がいて、入国拒否のウラを聞かされたという。
(中略)
 常岡さんの情報が正しいとすると、入国拒否はオマーン政府が独自に決めたのではなく、日本側から働きかけた結果ということになる。

 「西谷文和氏との裁判」でわかるように、常岡は「裁判所公認の嘘つき」です。まあ、西谷氏との裁判結果は和解(常岡が賠償金を払った)であって裁判判決ではないですが、「裁判で勝てない」と思ったから和解に至ったのでしょう。常岡のことを「裁判所公認の嘘つき」といっても別に問題はないのではないかと俺は思います。
 そんな嘘つきが「入国拒否の裏をオマーン入管の知人から聞いた」といっても説得力はないですね。
 「常岡が戦地で武装勢力に身柄拘束されたら政府が政治責任を追及される恐れがある。安田純平氏事件みたいな厄介なのは嫌だ」と日本政府が「オマーン政府に働きかけた」なんて可能性は俺ですら思いつく話です。

 気に入らないジャーナリストの立ち寄り先の国に、この人物を入国させないよう要請

 すでに書いたことを繰り返しますが「それは違うだろ」ですね。日本政府は常岡のことが「気に入らないかもしれない」。しかしこの件に話を限れば「気に入らないから嫌がらせでイエメン行きを阻止した」のではなく「イエメンに行って人質にでもなられたら困るから」でしょう。
 高世だってそんなことはわかってるでしょうに、「気にくわないジャーナリストへの取材妨害」呼ばわりとはそんなに常岡を「権力ににらまれるスーパージャーナリスト」扱いしたいんでしょうか。デマカセにもほどがありますね。

 日本の民主主義は相当に危ないところに来ていると言わざるを得ない。

 むしろ昨今「日本の民主主義も相当やばい」と俺が思うのは「統計不祥事」の方ですけどね。常岡の件は「安倍内閣でなくても他の自民党内閣でもやった可能性が高い」でしょう。「政権の意向を受けて統計データを捏造したんじゃないか」なんてのは「安倍政権でないと考えられない不祥事」です。
 かつ、不祥事発覚後の対応も「野党の厚労官僚参考人招致or証人喚問要求を現時点では拒絶」という安倍政権らしい不誠実さ。高世はもう少し自ブログで統計不祥事についてコメントしたらどうなんですかね。まあ、未だに「金儲けのためにか、細々とではあれ今も関係を持ってるらしい常岡」の方が高世にとっては大事なんでしょうけど。こう言うときに常岡の件を騒ぐことによって高世も金儲けを考えてるんでしょう。
 とはいえ「過去にも同様の旅券返納命令事件があったというインパクト(?)の弱さ」「安倍自民を恐れるマスコミの政府批判の弱さ」「日本におけるフリーランスの立場の弱さ」「常岡のライターとしての実績のなさ、無能さ」「統計不祥事という大きな不祥事の発覚」といった様々な要素によって、常岡の件はあまり騒がれてないわけですが。
【2/10追記】
 2/7日付で高世がこの記事を書いてから「2/8~10」と高世のブログ記事でもツイッターでもこの件について、続報なしです。まあ、「水面下では高世が動いてる」のかもしれません。また高世もこの件ばかりやってるわけでもなければ、この件についてリアルタイムですべて報じる必要もない。
 とはいえ

再びジャーナリストに旅券返納命令 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
知り合いの弁護士と善後策を相談

と書いていた「その善後策はどうなったんだ」とは思います。今「講じてるところ」なのか。はたまた、「私がやるから高世さんは心配しないで下さい(常岡)」ということで結局、高世はこの件から離れたのか。そのくらいは書いてもいいでしょうに。
【追記終わり】


再びジャーナリストに旅券返納命令 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 ご存じの方もいるでしょうが、常岡のことです。長い間常岡について、ブログでもツイッターでも全く言及してこなかった高世が久しぶりに常岡に言及です。

 2日(土曜)の夜、10時半、帰宅途中の電車の中で携帯が鳴った。ジャーナリストの常岡浩介さんからで、「いま羽田空港から出国しようとしたら、旅券を返納しろと言われて足留めされています」という。
 知り合いの弁護士と善後策を相談していると、常岡さんから、旅券返納命令がFAXの書面で示されたと連絡が入る。

 常岡と高世は完全に縁が切れたのかと思いきやそうでもないんですかね。しかしなんで高世が「善後策を相談」するのかわけがわかりません。いかに知人でも「ただの知人」はそういうことをしないでしょう。「今日はココイチのカレーや吉野家の牛丼くらいだったら俺がおごるよ」みたいな軽い話じゃない。高世にとって手間も金もかかるし、下手なことをすれば常岡が高世によって迷惑を被る話です。
 今常岡は「高世がプロモート活動を請け負ってるタレントみたいな存在」なのか。そして「常岡がその場にいない」のにどうやって善後策を相談するのか。「まずは常岡君、君が説明に来なさい。FAXとか携帯とかじゃらちがあかない」じゃないのか。そのあたりのことを高世も説明してもいいでしょうに。

 常岡さん、入国拒否にあったり(https://takase.hatenablog.jp/entry/20151228)、「拘束」されたり(https://takase.hatenablog.jp/archive/2016/10/31)、国を訴えたり(https://takase.hatenablog.jp/entry/20171102)何かとお騒がせな人なのだが、旅券返納命令とは尋常ではない。どうなるのか。

 「お騒がせ」に「裁判を西谷文和氏*3に起こされて賠償金を払ったり」がないのが興味深い。高世にとってあの話はやはり「なかったことにしたい」ようです。
 なお「お騒がせ」つうのが高世の常岡に対する本心を露呈してますね。裁判提訴はともかく「身柄拘束」なんて「無様なお騒がせ行為」でしかないわけです。しかしそれでも高世はなぜか縁を完全には切らず、一方の常岡も高世を頼ると。完全な腐れ縁と言っていいでしょうか?

 常岡さんは以前からイエメン取材を計画していた。

 別記事でも書きましたが

常岡浩介ほかに突っ込む(2019年2月4日以降分:常岡出国禁止処分にあう、の巻) - bogus-simotukareのブログ
【そう思う理由その1】
■日本人ジャーナリストが旅券返納命令後初のシリア取材 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
■フリーを恫喝した旅券返納命令 それでも行く - 高世仁の「諸悪莫作」日記
でわかるようにイエメンではありませんが「内戦状態シリア」ですでにこうした処分が実施済みです。常岡の場合も「イエメンが内戦状態にあること」からこうした禁止処分は十分予想できました。
【そう思う理由その2】
 常岡のツイートはこのニュースが報じられて以降「この話ばっかり」です。しかも「国に酷い目に遭わされた!」「違法行為じゃないのか!」ばかりで「なぜイエメン取材したいのか?(WHY)」「どんな取材を考えていたのか?(HOW)」「いつからイエメン取材を計画していたのか?(WHEN)」といった「取材に関する具体的な話(5W1H)」について何もツイートしないのだから怪しいことこの上ありません。
【そう思う理由その3】
・常岡の過去ツイート見れば分かることですが、この男はイエメン関係のツイートなんざほとんどしてません。
 大抵ロシア関係ですね。
・また、常岡の過去の著書だって『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2012年、アスキー新書)、『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社)でイエメンは関係ありません

という事実を考えるに俺は「本当はイエメン取材などする気はなく最初からただの売名」と疑っています。
 常岡が「以前からイエメン取材を計画していた」というなら「なぜイエメン取材したいのか?(WHY)」「どんな取材を考えていたのか?(HOW)」「いつからイエメン取材を計画していたのか?(WHEN)」といった「取材に関する具体的な話(5W1H)」について少しは説明してほしいもんです。
 つうか頼まれなくても普通、そう言う説明を自分からすると思うんですけどね。

 ジャーナリストでは、2015年、シリア取材を予定していたフリーカメラマンの杉本祐一さんが旅券返納命令を受けている。杉本さんの場合は、旅券法第13条の「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」が根拠とされた。つまり、表向きの理由は、シリアが危ないから本人の安全を慮って、というものだった。
 杉本さんは裁判に訴えたが、最高裁まで争って敗訴が確定した。となると、常岡さんも裁判ではおそらく勝ち目がないだろう。

 もちろん「勝てる可能性が高い」とは俺も言いません。しかし「不当な行政処分」というなら訴訟を起こすべきではないのか?
 「常岡の事案」と「過去の事案」はもちろん違う(シリアとイエメンは違います)ので「建前上」「法律上」は「常岡が負ける」とは言い切れないわけです(まあ今の最高裁は自民の下僕化してる疑いが濃厚ですが)。
 常岡が訴訟を起こさない言い訳を今から高世はやってるのか?。こんな言い訳をしてまで訴訟をしないこと自体「戦うとかでかい口たたいてるけど、本当に戦う気があるのか?」ですね。
 まあ、訴訟以外にも「日弁連や法務局への申し立て」「国連やG7諸国、国際的人権団体(アムネスティなど)などへ国際社会のアピール」などいろいろ考えられますが、それらが「訴訟よりも有効である」とはいえないでしょうしね。

 政府が、気に入らないフリージャーナリストの自由な取材活動を妨害するために、かくも露骨な手段に出たのかと驚きを禁じ得ない。

 「それは違うだろ」ですね。日本政府は常岡のことが「気に入らないかもしれない」。しかしこの件に話を限れば「気に入らないから嫌がらせでイエメン行きを阻止した」のではなく「イエメンに行って人質にでもなられたら困るから」でしょう。
 実際、安田氏*4とは違い、すぐに釈放されたとはいえ、常岡には「パキスタンパキスタン秘密警察)やイラククルド自治区クルド武装勢力)」で一時、身柄拘束された「輝かしい実績」があるわけです(ウィキペディア「常岡浩介」参照)。
 常岡の渡航先が「戦地でない欧米や韓国、台湾」などであれば今回の様なことにはならなかったでしょう。取材妨害が目的ではないからです。
 イラク邦人人質事件の時に「自己責任論で居直った」とはいえあれは自民党だって「詭弁であると自覚しており出来ればしたくないこと」だったでしょう。
 とはいえ「常岡が人質になった時」に救出できる保証もない。そこで「政治問題化させないためにはそもそも渡航させなければいいんだ!」と考えるのは法的、政治的、道義的是非はともかく「あり得る考え」です。
 「常岡以外」の過去の旅券返納命令もすべて「嫌がらせではなく、人質化の阻止」でしょう(なお、「だから常岡の渡航禁止はOK」という話ではなく単なる事実の指摘です)。
 むしろ「嫌がらせ」にあたるのは「朝鮮総連幹部の事実上の渡航禁止」でしょう。
 高世だってそんなことはわかってるでしょうに、「気にくわないジャーナリストへの取材妨害」呼ばわりとはそんなに常岡を「権力ににらまれるスーパージャーナリスト」扱いしたいんでしょうか。デマカセにもほどがありますね。たとえば、記者会見で果敢に菅官房長官に批判的質問をする「望月衣塑子*5東京新聞社会部記者」などのほうが常岡なんぞよりもよほど「政権に敵視されてる」でしょう。
 最近も望月氏に対しては

赤旗『官邸、特定記者排除へ圧力、質問を敵視 記者会に「申し入れ」』
 菅義偉官房長官の記者会見で東京新聞記者の質問を事実上封じるような申し入れを、上村秀紀総理大臣官邸報道室長名で内閣記者会あてに行っていたことが6日までにわかりました。「当該記者による度重なる問題行為」とのべ、同記者会に「問題意識の共有」を求めています。権力の中枢である官邸が、記者を特定し、排除するような申し入れを行うことは、極めて異常です。
 昨年12月28日付の申し入れ文書が「事実に反する質問」としているのは、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設のための土砂投入で赤土が広がっているなどの質問。「内外の幅広い層の視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねず、官房長官記者会見の意義が損なわれることを懸念いたします」と表明。「東京新聞の当該記者による度重なる問題行為」は「深刻なものと捉えて」いるとして、「このような問題意識の共有をお願い申し上げる」としています。
 辺野古新基地建設のための土砂投入での赤土混入は沖縄県も問題視しており、記者が事実関係をただすのは当然です。
新聞労連が抗議声明
 日本新聞労働組合連合新聞労連)は5日、首相官邸が官邸報道室長名で内閣記者会に申し入れたことに抗議する南彰委員長の声明を発表しました。「官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは、明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認することはできません。厳重に抗議します」と表明しています。

なんて無茶苦茶な対応を安倍はとっています。高世は今回の望月氏一件には果たして触れるんですかね?。まあ触れなくても何ら驚きませんが。

*1:著書『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2012年、アスキー新書)、『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社

*2:「旧知のフリーランス」の名前を高世が挙げない理由は何でしょうか?。「出すな」ていわれたから?

*3:著書『後藤さんを救えなかったか』(2015年、第三書館)、『戦争のリアルと安保法制のウソ』(2015年、日本機関紙出版センター)『「テロとの戦い」を疑え』(2017年、かもがわ出版)、『戦争はウソから始まる』(2018年、日本機関紙出版センター)、『西谷流地球の歩き方〈上〉』(2019年、かもがわ出版)など

*4:著書『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書)、『シリア拘束 安田純平の40か月』(2018年、扶桑社)

*5:著書『武器輸出大国ニッポンでいいのか』(池内了氏らとの共著、2016年、あけび書房)、『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書) 、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(森ゆう子氏との共著、2018年、光文社新書)、『権力と新聞の大問題』(マーティン・ファクラー氏との共著、2018年、集英社新書) 、『安倍政治 100のファクトチェック』(南彰氏との共著、2018年、集英社新書