今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ニュースほか(2019年2月9日分)

「 脆くも崩れ去りかねない日露外交 河井発言は軽率のそしりを免れない 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 この一言で元々脆い日露交渉が積木崩しのようになっていくかもしれない。そう感じたのが自民党総裁外交特別補佐、河井克行氏の発言だ。
 氏は1月8日、米ワシントンの政策研究機関で「中国に対抗するため」日露平和条約が必要で、同条約締結に米国の理解を求める旨、語ったという。
 安倍晋三首相は、米国の対中包囲とでもいうべき厳しい外交の前で、日中関係の改善を目指している。従って安倍氏の外交戦略目標が河井氏の言う中国封じ込めにあるかどうかはわからない。仮にそうだとしても、戦略とは黙って遂行するのが常道だろう。世界の政治の中心地で、安倍氏の特別補佐が講演すれば、発言は首相の考えを示すものとして瞬時に世界を駆け巡る。(ボーガス注:勝手に反中国包囲網の仲間にされ、中国に恨まれかねない)ロシアと(ボーガス注:公然と敵視された)中国の怒りは如何程か。河井発言は軽率のそしりを免れない。

 「えー、お前は河井発言以上の無茶苦茶なことを中国相手に言ってるのにそういうこという?。お前、中教審委員(当時)になっても河井発言以上に酷かったじゃん?」と思うのは俺だけではないでしょう。
 むしろよしこなら「よく言った、河井!」かと思ったんですがねえ。そしてこんなことをいうよしこは「安倍の対中国外交を容認するつもり」なんでしょうか?


【ここから赤旗です】
赤旗「北方領土は日本固有の領土か」/政府「答え控える」/答弁書閣議決定
北方四島は固有領土か 「答え差し控える」 政府答弁書 | NHKニュース

「北方領土は日本固有の領土か」/政府「答え控える」/答弁書閣議決定
 政府は8日の閣議で、安倍政権が「北方領土」を「日本固有の領土」と考えるかについて「ロシアとの今後の交渉に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい」とする答弁書を決定しました。
 無所属の小西洋之参院議員が質問主意書で、島根県竹島を政府が日本固有の領土と明言していることにふれ「なぜ、北方四島についてはそのように明言しないのか」とただしたのに答えました。

 これが「質問者が自民で答弁者が菅首相」あたりなら悪口するであろう産経など右翼連中も「質問者が野党系(元民進党)で、答弁者が自民」では完全無視するのだから恐れ入ります。俺がググった限りでは産経はこれについてネットに記事掲載していません。


【ここから産経です】
【産経抄】2月9日 - 産経ニュース
 統計不祥事について言えば問題はもちろん「なぜ起こったのか(故意なのか過失なのか、など)」「再発防止をどうするか」「統計不祥事による実害はないのか、あるならばどうリカバリーするか」でしょう。
 ところが「野党は消えた年金問題の様に倒閣につなげたい様だが、今のところ支持率に影響がない様でほっととした(俺の要約)」と公言するのだからいつもながら産経には呆れて物が言えません。安倍ですらこんなことは公言しないでしょう。


「北方領土」で露大使に再反論 本紙・斎藤論説顧問「降伏後の占領は国家犯罪」(1/4ページ) - 産経ニュース

≪ガルージン大使の反論≫
 1月25日付産経新聞に掲載された斎藤勉論説委員(実際は論説顧問=本社注)によるロシアに関する不快な記事に対して、断固として反論する。
 あなたは1945年に対日参戦したソ連を非難するのか。完全に合法的に行われた南クリール獲得を「犯罪」と呼ぶのか。あなたには歴史の教科書を開き、注意深く最後まで読むことをすすめたい。
 そうすれば、第二次世界大戦時に日本がナチスドイツの同盟国であったことを思い出していただけるだろう。そう、日本は最も罪深い犯罪者であるヒトラー政権と同盟していたのだ。

 さてこれに対し「日本がヒトラードイツの共犯者だったことと、スターリンによる北方領土侵攻の是非と関係ないやろ(産経)」というのは間違いではありません。しかしそれですまないところが産経です。産経らしいでたらめな文章を書いてどや顔です。ある種の才能と言えるでしょう。

 ヒトラーは「最も罪深い犯罪者」だが、スターリンは違うと言いたいのか。「同盟国」ゆえに日本もナチスと同じ犯罪者*1だというのか。逆にお聞きしたい。日本はいつ、どこで、いかなる「ホロコースト」をしたというのか。

 ガルージン大使は「日本はナチスの共犯者だった」とはいっていますが、「ホロコーストに日本が直接加担した」だの「日本はホロコースト日中戦争や太平洋戦争で実行した」とはいってないので意味不明な反論です。そもそもナチの犯罪は「ホロコーストユダヤ人虐殺)」だけではありません。
 なお、ホロコーストの定義にもよるでしょうが、「ホロコースト=特定民族(ナチの場合はユダヤ人)の絶滅計画の実行」と考えれば確かに日本はホロコーストをしていません。一方、単に「大量虐殺」と考えれば日本は「南京事件」など、ホロコーストをしています。どっちにしろ「スターリンの侵攻」を戦争犯罪とまでいうなら「日本のアジア侵略」も戦争犯罪と認めるべきです。そして、戦前日本は「ホロコースト=民族絶滅計画の実行」してないと言ってどや顔出来る話でもない。ホロコーストはしてなくても戦争犯罪ならしてるわけですから。
 産経の詭弁は「俺は泥棒だが義賊だ。殺人、強姦、放火はしないし金持ちからしか盗まない(鼠小僧や怪人20面相、ルパン三世など?)」「俺は殺し屋だが悪人しか殺してない(藤枝梅庵や中村主水)」レベルですらない。

 第二次大戦中、ロシア西部でポーランド将校ら2万人余が虐殺される「カチンの森事件」が起きた。スターリンは一貫して「ナチスドイツの仕業」と世界に大ウソをつき続けたが、ポーランド政府の粘り強い真相解明の国際的訴えかけでゴルバチョフ時代、ついに「スターリンの犯罪」と認めさせた。

 で今になってプーチン*2政権が「ゴルビーは間違ってた、あれはやはりナチスの仕業だ」といった*3らどうなるか。ポーランド国民がプーチンロシアに「馬鹿にするな」「絶対に許さない」と憤慨するでしょう。
 「河野談話は間違ってた、慰安婦には何ら問題などない」というデマを産経が主張するのはそれと同じです。


首相、北方領土返還要求大会で日露交渉に決意 アピールで「不法占拠」消える - 産経ニュース
 「不法占拠消える」に産経の不満が読み取れますが、「安倍政権の対ロシア外交を許さない」とは結局言わないのだから、まあおとなしいもんです。これがたとえば菅*4政権だったらくそみそでしょうに。


宮腰沖北相「北方領土問題解決へ世論啓発に全力」 - 産経ニュース
 拉致(北朝鮮人権侵害問題啓発週間)もそうですが外交で解決すべき問題で「世論啓発」を云々するのはやめてほしいですね。世論のせいで解決しないと責任転嫁したいのか。


涙の静岡副知事、異例の「不出馬会見」(1/4ページ) - 産経ニュース
1)辞任を認めることで現職静岡市長に「県知事が俺を潰そうとしてる」と思われるのは「選挙で副知事が勝てる保証がない」ので避けたい(勝てるのなら正直、『応援はしない』までも、市長と親密な関係でもないので、勝手に出馬すればいいと思うが)
2)一方の副知事も県知事の反対を押し切ってまで辞めることに「それで勝てるのか」つう不安があって取りやめた
つう「だけ」の話のようです。
 まあ、選挙民不在の話としか言い様がないと思いますね。

*1:まあ普通に考えてナチスと同盟したらそう言われても仕方がないでしょう。ただし「別にナチスと同盟してなくても」、「731細菌戦部隊」「南京事件」「バターン死の行進(捕虜の虐待、殺害)」「慰安婦」などの戦争犯罪を日本はやっていますが。だからこそその一部が戦後の戦犯裁判で裁かれた。

*2:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*3:さすがにそんなことは言いませんが。

*4:社民連副代表、新党さきがけ政調会長鳩山内閣副総理・財務相、首相など歴任