今日の韓国・北朝鮮ニュース(2019年2/17分)

北朝鮮拉致被害者、帰国実現なら国交正常化反対せず - 社会 : 日刊スポーツ
 もちろん救う会、家族会連中は北朝鮮が何人拉致被害者を帰国させようが「根拠レス」で「まだ拉致被害者がいるはずだと因縁をつける」でしょうから、これは口から出任せです。当然、北朝鮮もこんな主張は何一つ信用してないでしょう。しかし口から出任せとはいえ、家族会、救う会連中もこう言わざるを得ないところに追い詰められてるわけです。


対北融和は負の歴史 拉致被害者家族会「安易な譲歩は禁物」(1/2ページ) - 産経ニュース
拉致被害者家族会・救う会 金正恩氏へのメッセージ全文(1/2ページ) - 産経ニュース
 やれやれですね。むしろ「制裁」の方がよほど「負の歴史」でしょう。制裁したことによって拉致解決という意味で何のメリットがあったのか。いずれにせよ米国も韓国もこんな主張は無視するでしょう。米国や韓国にとって当事者でない日本人拉致問題などぶっちゃけどうでもいい話だからです。


【主張】「南北」とIOC 政治宣伝に手を貸すのか - 産経ニュース
 北朝鮮の「南北合同チーム」での東京五輪参加の何が問題だかさっぱり分かりません。「すでに似たようなことを平昌五輪でやってるのに」ですが、産経的には「平昌五輪の合同チーム」も不満だったわけです。

 しかも、南北共催での32年夏季五輪招致の申し入れに、IOCのバッハ会長は歓迎の意向を示した。

 これまた共催の申し入れにもバッハ発言にも何の問題もないでしょう。もちろん開催地は投票で決まるし、バッハ氏は「それはいい考えだと思う」といっただけなので2032年夏季五輪の開催場所がどうなるかはまだ分かりません。いずれにせよ産経のように「北朝鮮で大会を開催する能力があるのか」などと因縁つけるのは全く非建設的です。

 昨年の平昌五輪やジャカルタアジア大会などでも認められた合同チームが何を残したか、IOCは考えてほしい。

 南北友好の「大変いい成果だった」と思いますが?

 北朝鮮は、国連の制裁下にありながら非核化の約束をいまだ履行していない。横田めぐみさんら罪のない同胞を拉致し、返そうとしない犯罪国家だ。国際社会を危険にさらすこれらの問題に解決の兆しすら見えない中での友好ムードの醸成は、制裁にあえぐ金正恩体制を利するだけだ。

 「そういう問題はスポーツに関係ないだろ」「つうかそう言う問題を解決するための対話ムード醸成のためもあって合同チームなんじゃねえか?。お前対話以外にどうやって拉致や核問題解決する気なの?」て話です。


【主張】日韓外相会談 対抗措置取り無法を正せ - 産経ニュース
 「徴用工問題」での韓国政府の言動「原告と被告でまずは話し合ってほしい(政府が口を出すのは適切ではない)」が無法だと俺は思いませんが、対抗措置って一体何をどうしろというのか。まさか「大使召還」「経済制裁」とでも言う気か。

 訴訟の原告側弁護士は15日、差し押さえた新日鉄住金の資産を売却し現金化する手続きに着手すると表明した。到底許されない。

 何がどう許されないのかさっぱり分かりません。違法行為じゃないし。
 弁護士もいきなり差し押さえたわけではなく「ひとまず新日鐵住金の責任者と問題解決に向けた対話がしたい」「対話意思がないなら、差し押さえせざるを得ない」「1月某日までに対話したいという連絡がなければ対話の意思がないと見なす」と12月中に通告してました。差し押さえ後も、すぐに現金化したわけではなく、確か「今からでも対話に応じるなら現金化はしない(ただし対話しないなら現金化せざるをえない)」とも言っていたと思います(確か、不誠実な「なんちゃって対話」でも困るので「差し押さえ自体は解除しない」つう話だったかと思いますが)。それで何一つ対話の意思を見せない、「現金化したければすればいい」的なつっけんどんな対応をした新日鐵住金の自業自得でしょう。
 普通は「のらりくらりの不誠実な対応」ではあっても「ここまで事前通告されたら」対話「それ自体」はするもんなんですけどね。

 徴用も含む一切の請求権問題は1965年の日韓国交正常化に伴う協定で解決済みだ。

 すでに日本共産党などが指摘していますが「国家の請求権」はその通りですが「個人の請求権」については「あの協定では棚上げにされた(何一つ決まってない)」と見るのが「日韓両国政府見解」です。実はそうした見解は「歴代自民党政権の見解」であり、安倍ですら公式にはその見解を撤回できていません。いずれにせよ三権分立なんだから「判決」について文政権に何か出来る話じゃない(なお、ああした訴訟を文政権は別に支援はしていません)。
 「光華寮訴訟・台湾勝訴判決(ただし最高裁では台湾が逆転敗訴)」で「あの判決は日中平和友好条約に反する」と中国政府に抗議された日本政府が「たとえそうでも三権分立だから何も出来ない」と答えたのと同じ話です。

 河野氏は会談で、文喜相韓国国会議長が天皇陛下を「戦争犯罪の主犯の息子」と評するなどした発言について、重ねて謝罪と撤回を求めた。康氏から反応はなかったという。
 日本の立憲君主*1であり、日本国と国民統合の象徴である昭和天皇天皇陛下に対して、これほどひどい暴言はない。韓国には礼節という言葉はないのか。

 「事実を指摘しただけ」なのに何がどう無礼なのか。「昭和天皇は戦犯」でしょう。彼が起訴されなかったのは「天皇は国民の崇敬を集めており政治的に利用できる」と考えた米国による政治的忖度に過ぎません。「日本国民が天皇への憎悪を示していれば」逆に天皇は訴追されていたでしょう。
 ただし、実際には国民は長年の洗脳教育のために「悪いのは陸軍、天皇陛下はむしろ被害者」と認識し、その結果、東京裁判では、板垣征四郎*2陸軍大臣木村兵太郎*3元陸軍次官、土肥原賢二*4奉天特務機関長、東条英機*5陸軍大臣武藤章*6陸軍省軍務局長ら陸軍軍人ばかりが訴追されます。
 むしろ「慰安婦は合法」などとデマ記事書く産経の方がよほど無礼です。
 大体、発言者は国会議長の文喜相氏、河野が抗議したという康京和氏は外相で、別人格です。そして国会議長は外相の部下じゃない。
1)自民党政権でこの種の話があった場合、中韓相手に大抵「イヤー、あの人と私は別人格だから」「あの発言を支持はしませんけど批判するのはいろいろしがらみがあるので勘弁して下さい。言論の自由もあるし」で済ませようとすること
2)それを産経が支持することと
ここでの「国会議長発言を理由にした康外相批判」とどう整合性があるのか。
 そもそもこんなことで康外相を非難*7したら今後「自民党幹部」の暴言で河野外相が中韓などに非難されたら、河野は「俺はあの人とは別人格だ」つう言い訳が出来なくなります。擁護するか非難するか、どっちかの対応しか出来なくなりますがそこまで産経は考えてるのか?。たぶん考えてないでしょう。そういう事態が起こったら産経は恥知らずにも「河野氏は別人格だから関係ない」と言い出すでしょうねえ。

 米議会の超党派議員が「建設的で前向きの日韓関係」の重要性を強調する決議案を上下両院に提出した。日本に敵対的な韓国の振る舞いを見かねた動きだ。

 普通に考えて「日韓はお互い話し合えよ」でしょうね。一方的に韓国を非難するようなことはしてないでしょう。むしろ産経のような態度にこそ、米議会は「手前、いい加減にしろよ」と激怒してるでしょう。


【朝鮮半島を読む】金正恩氏が示す非核化の本気度(1/2ページ) - 産経ニュース編集委員 水沼啓子*8

 最近、北朝鮮情勢を分析している複数の専門家からよく耳にするのが、「米国から攻撃されないという確証があれば核を手放す」「核を保有するプライオリティー(優先度)が下がった」「経済成長させるために制裁解除は必要だから非核化に乗る」といった北朝鮮の非核化の本気度を示す話だ。
(中略)
 「新年の辞」では、金委員長が「これ以上、核兵器を製造も実験もせず、使用も拡散もしない」とも言明。これまで示されていた核兵器の「実験」「使用」「拡散」をしないという方針からさらに踏み込み、核兵器の「製造」もしないと表明している。
 また、昨年9月の南北首脳会談で発表された「平壌共同宣言」には、米国の「相応の措置」を条件に、寧辺の核施設の「永久廃棄」も明記されている。
■米国次第で核を完全に手放す
 こうした非核化に対する北朝鮮側の姿勢から、礒崎敦仁*9・慶応大准教授は「米国の条件次第では、核を完全に手放す覚悟もあるのではないか」とみている。
 また、昨年4月の党中央委員会総会で核開発との経済建設を同時に進める「並進路線」から経済建設に集中する方針が打ち出されているが、経済集中路線は、今年の「新年の辞」にも反映され、「経済」というキーワードが38回も登場。ラヂオプレスによると、金正恩体制になって発表された「新年の辞」の中で最多という。
 礒崎氏は「金委員長はベトナムラオスキューバ*10のように一党独裁体制を維持しながら、北朝鮮なりの経済発展をしたいという思いが強いようだ」とも話した。

 まあ小生も「米国から攻撃されないという確証があれば核を手放す」とは思います。ただしそれは裏返せば「確証がなければ手放さない(放棄、廃棄しない)」ということです。
 産経が

「核放棄後に崩壊したリビアカダフィ政権の二の舞を演じるはずがない」

と書くとおりです。
 そこから「だから核廃棄は絶対にしない」と言い出す産経と違い、小生は「簡単には核廃棄しないが、米国の態度によっては廃棄は十分あり得る」つう考えですが(とはいえこの水沼記事は磯崎氏の意見『核廃棄は十分あり得る』を『専門家の一つの意見』として長く紹介するだけ、まともな記事です。酷い記事になると産経は荒木和博や島田洋一西岡力を専門家で登場させますからね)。
 なおカダフィ政権の崩壊の直接の原因は「反体制派の政権転覆」で、米軍の侵攻で転覆された「イラクフセイン政権やアフガン・タリバン政権」とは違いますが「武器支援などを行い、米国が反体制派を支援していた(カダフィ政権転覆の立場だった)」のは「公然の秘密」です。
 どうすれば「確証があった」と北朝鮮は評価するのか。終戦宣言か、終戦協定か、国交正常化か、在韓米軍撤退か。
 そして米国に「それができるのか」という問題ですね。

*1:「象徴」を「立憲君主」と呼んでいいかについては実は学説の争いがあります。ウィキペディア象徴天皇制」によれば「芦部信喜(東大名誉教授、故人)は、「君主の要件には実質的な行政権の一部を有する事が必要」という理解から「天皇は「国政に関する権能を有しない」(憲法第4条)ため君主に当たらない」と主張しています。

*2:関東軍高級参謀として満州事変を実行。その後も関東軍参謀長、第一次近衛、平沼内閣陸軍大臣朝鮮軍司令官、第7方面軍(シンガポール)司令官など歴任。戦後、戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀

*3:関東軍参謀長、陸軍次官、ビルマ方面軍司令官など歴任。戦後、戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀

*4:天津特務機関長、奉天特務機関長、第7方面軍(シンガポール)司令官、陸軍教育総監など歴任。戦後、戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀

*5:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、第二次、第三次近衛内閣閣陸軍大臣、首相など歴任。戦後、戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀

*6:支那方面軍参謀副長、北支那方面軍参謀副長、陸軍省軍務局長、近衛師団長、第14方面軍(フィリピン)参謀長など歴任。戦後、戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀

*7:つうか「日本政府による文喜相氏非難への同調」「文発言への遺憾の意表明」の要求ならまだしも「謝罪と撤回」とは意味不明です。与党幹部議員とは言え、何で他人がした行為について康氏に「撤回と謝罪」なんか求めるのか。それを求めるべきは発言者の文氏でしょうに。

*8:著書『大和撫子はなぜ韓流にハマるのか?:現代韓国原論』(2011年、双葉新書

*9:『新版 北朝鮮入門:金正恩体制の政治・経済・社会・国際関係』(共著、2017年、東洋経済新報社

*10:何で中国が出てこないんでしょうか?