「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年2/18分:黒坂真の巻)

■黒坂のアホツイートに突っ込む

黒坂真
 吉岡正史さん。残念ですが、憲法9条があれば金正恩の核ミサイル攻撃や中国共産党尖閣侵攻を防げると盲信している方がいるのですね。

 吉岡氏が紹介する

憲法ができた時、僕は非常に喜んで、これで日本は戦争をしない文化国家になるんだねと父に言いました。父は『ばか者。日本は10年おきに戦争してきたんだ』。でもこうして73年間、日本は平和だった。どうだ、おやじ。これからだって続くよ、と言いたい」(半藤一利*1・作家)

という半藤の発言も、半藤の父親の発言も「日本から仕掛ける戦争」であることを意味することは明白でしょう。
 なお、半藤は「週刊文春編集長、月刊文春編集長、文春専務」を歴任した保守派であり、左派ではありません。また護憲派ではありますが「専守防衛としての自衛隊」を彼は否定していません。
 黒坂のくだらない言いがかりには怒りを禁じ得ません。なお、この吉岡ツイートには「ベトナム戦争イラク戦争などの後方支援があることを忘れてはいけない」「在日米軍基地がある限り、日本は米軍の戦争に何らかの形で加担することになる」つう批判ツイートがついています。この批判ツイートは黒坂の言いがかりと違い一理あると思いますが、それでも「イラク戦争に参戦した米国、英国」のように公然と自衛隊が戦争をしてこなかったことは一定の評価に値すると思います。

黒坂真
‏ 吉岡正史さん。日本共産党最高幹部は中国で著作を出版するとき、印税をもらうそうですね。日本共産党幹部だけではないでしょうけれど。私見では、中国共産党は日本の政治家や知識人の親中化工作を行っている。中国で何冊も著作を翻訳、出版している日本共産党大幹部は、相当な印税を中国から得ている。

 「日本共産党企業献金をもらっていないことを党員として誇りに思ってる」つう吉岡氏へのくだらない因縁です。「印税もらってるから逆らえない」てその理屈だと小学館講談社集英社、文春、新潮社など大手出版社から本を出してる作家は「大手出版社の奴隷」なんでしょうか?。
 テレビ、ラジオに出演するタレントは「放送局の奴隷」なのか。
 呆れて二の句が継げませんね。
 大体、「相当な印税」と黒坂が言う根拠は何なのか。本なら志位氏らはもちろん国内でも出してます*2し、普通に考えて国内の印税の方が多いんじゃないか。
 大体、志位氏らが「海外で本を出してる」のは中国だけじゃない。そして「印税ビジネス」つうなら志位氏なんぞより「小学館の中国でのドラえもんビジネス」など大手出版社のビジネスの方がでかいわけです。最近も「中国や台湾、韓国で東野圭吾など日本人作家が人気」なんて記事がネットにありましたが、これは黒坂の手にかかると「東野ら日本人作家も、彼らの本を海外で出す出版社も中国に逆らえない」ことになるのか。まあ、おそらくそうはならないのでしょうが。

黒坂真
 北朝鮮との対話を主張する政治家、左翼人は北朝鮮政治犯収容所や公開処刑などの凄惨な人権抑圧を批判できない。志位和夫氏は、その一人です。

 2017年4月の黒坂ツイートですが志位氏は例えば
北朝鮮、張氏を処刑/あまりに異常かつ残忍/志位委員長が談話ですので黒坂の物言いは完全なデマです。そもそも「対話を主張する事」は「北朝鮮を批判しないこと」とは違います。まあ対話の障害になりかねないので批判する場合もくそみそな批判は避けるでしょうが。
 その場合にしても「くそみそな批判を避ける」のは「対話の障害になるから」であって「体制を支持してるから」ではありません。
 「北朝鮮に限らず」対話相手をくそみそに罵る人は通常いません。

黒坂真
 増子典男さん。治安維持法の適用には行き過ぎもありましたが、当時の日本共産党員を逮捕しなければ実際に内乱を起こされて犠牲者が続出していたでしょう。

 ばかばかしい。当時の日本共産党に内乱を起こす力なんかあるわけないでしょう。むしろ戦前において「実際に内乱を起こし、死人も出した」のは「西南戦争西郷隆盛*3」や「226事件青年将校(斎藤*4内大臣、高橋*5蔵相、渡辺*6陸軍教育総監を暗殺)」といったウヨ連中だったわけです。
 大体「犯罪者相手には何してもいい」つうなら「麻薬の売人を射殺して何が悪い」と放言するフィリピンのドゥテルテ*7と何が違うのか。
 黒坂はドゥテルテを支持するのか?。と聞いたら本気か「居直りか」はともかくマジで「支持します」といいそうなのが黒坂ですが。
 大体、治安維持法は「共産党が弾圧で壊滅状態になっても」、企画院事件、横浜事件と言ったでっち上げえん罪を引き起こしたり、「大本、PL教団創価学会」といった共産主義と関係ない宗教団体に適用されたのに何を馬鹿なことを言っているのか。

*1:著書『聖断:天皇鈴木貫太郎』(1988年、文春文庫→2006年、PHP文庫)、『戦士の遺書:太平洋戦争に散った勇者たちの叫び』(1997年、文春文庫)、『漱石俳句を愉しむ』(1997年、PHP新書)、『一茶俳句と遊ぶ』(1999年、PHP新書)、『日本海軍の興亡』(1999年、PHP文庫)、『手紙のなかの日本人』(2000年、文春新書)、『永井荷風の昭和』(2000年、文春文庫)、『幕末辰五郎伝』(2001年、ちくま文庫)、『レイテ沖海戦』(2001年、PHP文庫)、『ノモンハンの夏』(2001年、文春文庫)、『ソ連満洲に侵攻した夏』(2002年、文春文庫)、『“真珠湾”の日』(2003年、文春文庫)、『清張さんと司馬さん』(2005年、文春文庫)、『遠い島 ガダルカナル』(2005年、PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(2006年、文春文庫)、『昭和史残日録 戦後篇』(2007年、ちくま文庫)、『大相撲人間おもしろ画鑑』(2008年、小学館文庫)、『日本国憲法の二〇〇日』(2008年、文春文庫)、『それからの海舟』(2008年、ちくま文庫)、『荷風さんの戦後』、『山県有朋』(以上、2009年、ちくま文庫)、『昭和史:1926~1945』、『昭和史戦後篇』(以上、2009年、平凡社ライブラリー)、『15歳の東京大空襲』(2010年、ちくまプリマー新書)、『日本史はこんなに面白い』(2010年、文春文庫)、『名言で楽しむ日本史』(2010年、平凡社ライブラリー)、『墨子よみがえる』(2011年、平凡社新書) 、『漱石俳句探偵帖』(2011年、文春文庫)、『幕末史』(2012年、新潮文庫)、『日本型リーダーはなぜ失敗するのか』(2012年、文春新書)、『あの戦争と日本人』(2013年、文春文庫)、『安吾さんの太平洋戦争』(2013年、PHP文庫)、『隅田川の向う側:私の昭和史』(2013年、ちくま文庫)、『若い読者のための日本近代史:私が読んできた本』(2014年、PHP文庫)、『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(2014年、文春文庫)、『「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦』(2015年、岩波ブックレット)、『日露戦争史1、2』(2016年、平凡社ライブラリー)、『歴史に「何を」学ぶのか』(2017年、ちくまプリマー新書)、『其角と楽しむ江戸俳句』(2017年、平凡社ライブラリー)、『歴史と戦争』(2018年、幻冬舎新書)、『なぜ必敗の戦争を始めたのか:陸軍エリート将校反省会議』(編著、2019年、文春新書)、『B面昭和史:1926-1945』(2019年、平凡社ライブラリー)など

*2:というか海外での本は国内で出した本の翻訳ですが。

*3:参議、陸軍大将、近衛都督を歴任

*4:第一次西園寺、第二次桂、第二次西園寺、第三次桂、第一次山本5内閣海軍大臣朝鮮総督、首相、内大臣を歴任

*5:日銀総裁、第一次山本、原、田中義一、犬養、斎藤、岡田内閣蔵相、首相など歴任

*6:台湾軍司令官、陸軍教育総監など歴任

*7:ダバオ市長を経て大統領