今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ほか(2019年2月22、23日分)

2月23日(土) これ以上の基地建設を許さず辺野古の美ら海を守るために県民投票に行って「反対に〇を」付けよう:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログ
 五十嵐先生*1の主張に全く同感なので紹介しておきます。


トランプ氏、与党説得できず シリア撤収方針を撤回: 日本経済新聞
 このトランプの方針転換をどう評価すべきか無知なので「この方針についての個別具体的なコメント」はしません。
 一般論で言えば「間違った方針に固執するのは不適切」です。ただし一方で「いったん決めた方針をコロコロ変えられても困る」わけです。
 今回の方針変更が「シリア問題関係者(シリア・アサド政権、反アサド勢力、クルド勢力、アサドを支援するロシアやイラン、反アサド派を支援しているとされるトルコやサウジなど)に与える悪影響」はもちろん「今回の方針以外の別の方針についても、いつ変わるか分からないという不信感」を生んで政治がうまくいかない危険性がある。正直こういう「行き当たりばったり」にしか見えない方針転換は「二度とやらないでほしい」し、それが無理ならトランプには一期でやめてもらうほかはないでしょう。


■野党の追及で、やはり「モリカケと同一パターン(つまり安倍の指示)」の疑いが出てきた統計不祥事
赤旗官邸圧力で統計改変「疑惑が深刻に」/志位委員長
赤旗官邸と首相の関与浮き彫り/統計不正 笠井政策委員長が会見

 日本共産党志位和夫委員長は21日の記者会見で、毎月勤労統計をめぐって中江元哉元首相秘書官が厚生労働省関係者に“調査方法を変更すべき”と意見を伝えたことが発覚したことについて問われ、「官邸の圧力で統計が改変された疑惑が深刻になった」と述べました。

 まあ「安倍*2政権下」においては「予想の範囲内」ですけどね。何せモリカケ総理ですから。「自らやお仲間の利益のために部下(財務官僚)に支持して、A(モリカケ)という不祥事」をやらかした男・安倍の政権下において「安倍の部下(厚労官僚)が別の不祥事B(統計不祥事)をやらかした」「その不祥事は安倍にとって有利になる物だった」「安倍や周囲が統計データについての不満を口にしていた」という状況下において「また安倍の犯罪か」と思うのは自然の話です。
 「予想の範囲内だ」というあたりがなんともかんとも。それにしても「河野談話を否定したがるような歴史修正主義者」は「現在の歴史を修正しようとすること」にもやはり躊躇しないわけです。
 しかし「中国の統計は信用できない」とか抜かしてたウヨ連中のこの件での沈黙ぶり*3はこれまた「予想の範囲内」ですが実に恥知らずです。
 「大躍進でのデタラメ統計」など非常にわかりやすい例ですが、「統計の捏造」など容認できる話では全くありません。まだまだマスコミの批判も弱いですが、こんなことは放置していい話じゃありません。モリカケにせよ統計不祥事にせよ昔の日本(竹下*4政権下で発覚したリクルート疑惑など)なら、あるいは今でも「欧米あたりなら」確実に政権が崩壊してるレベルの不祥事です。
 繰り返しますが「竹下政権後の海部*5政権」のように「安倍政権後の石破*6政権*7」となっておかしくない話です。
 しかし「所詮、最大派閥・竹下派の雇われマダム」と揶揄されながらも「海部*8総理」を擁立した自民党は今の自民党よりは「まだマシだった」といえるでしょう。


【単刀直言】亀井静香元金融担当相 小沢氏は弁慶、玉木氏は頼朝たれ(1/3ページ) - 産経ニュース
 亀井*9という人間も勘違いが酷いとしか言い様がないですね。
 第一に玉木に首相になってほしい、て今そんな脳天気なことが言える状況なのか。まずは安倍の下野でしょう。
 第二に「首相云々」というなら政党支持率などから考えて一番あり得るのは、最大野党・立民代表の枝野*10でしょう。まあそれだって現時点では「あえて言えば」であってそれほど可能性は高くないですが。過去においても「選挙敗北による橋本*11首相辞任」などは必ずしも野党への政権交代をもたらしてはいません。
 第三に「自民党政調会長」「国民新党代表」時代ならともかく、今の亀井にはたいした政治力はないでしょう。「亀井は何様のつもりなのか?」と心底呆れます。


小泉元首相「安倍1強ではない」 自民党内の情勢 - 産経ニュース
 よほど今の安倍に対する不快感があるのでしょうが、彼が安倍を官房長官や幹事長にしなければこんなことにはならなかったわけです。おそらく安倍ではなく「福田*12官房長官か谷垣*13財務相」がポスト小泉*14の首相になっていたわけで、まずはそのことを謝罪してほしいもんですね。


【編集者のおすすめ】『2020年「習近平」の終焉』日高義樹著 - 産経ニュース
 タイトルだけで読む気をなくしますね。「どういう理解をすればそんな認識になれるのか?」「2020年に習近平*15政権が終焉*16しなかったらどう責任をとる気なのか」と聞きたくなりますが、この種のデマ屋には何を言っても無駄でしょう。


【編集者のおすすめ】『日米戦争を策謀したのは誰だ!』林千勝著 - 産経ニュース
 「策謀」と表現するかどうかはともかく、「米国との戦争は日本軍の真珠湾攻撃で始まった」のだから「計画し実行した」のはもちろん日本側です。
 「国家元首昭和天皇」や「東条英機首相」などが「策謀した」ということになりますがもちろん産経ですので「ハルノートを出した米国が悪い」などという居直りと責任転嫁が炸裂するわけです。しかも産経記事を信じれば単に「ハルノートが悪い、米国が悪い、ルーズベルト大統領やハル国務長官が悪い」ではなく「ハルノートのバックにはスターリンの謀略が」というデマまで炸裂だそうですから始末に負えません。
 まああえて言えば「謀略呼ばわりは不適切」ですが「日本に中国からの撤退を求める」ハルノートの背景にいたのはスターリンよりもむしろ蒋介石でしょう。

 林千勝さんの前著『近衛文麿 野望と挫折』は、JR東海名誉会長の葛西敬之さんによる書評(産経新聞、平成30年2月25日)でも取り上げられました。

 さすが安倍シンパと言うべきでしょうか。こういうデマ右翼本を公然と評価する葛西の馬鹿右翼ぶりには改めて呆れます。

 近衛文麿の下には、尾崎秀実(ほつみ)や風見章、牛場友彦など、怪しげな政治家や知識人が集まり、日本を日米戦争に引きずり込もうとしていきます。

 尾崎がソ連スパイであったことはもちろん事実ですが彼が「日本を日米戦争へ引きずり込もうと近衛に働きかけた事実*17」などはありません。彼は近衛ブレーンの一人とは言えそれほど近衛に対する影響力があったわけでもない。かつ彼やゾルゲに求められたのは「情報スパイ」であり、「スパイと感づかれる危険性の高い政治的働きかけ」は、「そういうことはすべきでない」というソ連側の指示もあり、彼らはほとんどしていないと俺は理解しています。
 「政治的働きかけ」ではなく、「情報スパイ」なら彼らの「世間向けの肩書き」がジャーナリストである*18以上、情報収集してもそれ自体が疑われる危険性は小さいわけです。ある程度は言い訳してごまかせる。
 風見*19や牛場について言えば、尾崎に対する物言い以上に無茶苦茶です。
 戦後、社会党代議士として活動したとは言え、戦前、戦中の風見は「立憲民政党自民党の前身の一つ)から出馬し政界入りした保守政治家」です。
 牛場友彦にいたっては『戦後は、日本輸出入銀行*20幹事、日本不動産銀行*21顧問を務めた』という財界の大物で、弟「牛場信彦」は「外務事務次官、駐米大使を歴任した大物外交官」です。
 そもそも「日米戦争主張者=ソ連の手先」なら対米開戦を主張し、ハルノートを「天佑」とまで呼んだ佐藤賢了*22陸軍省軍務局軍務課長、田中新一*23参謀本部第1部長ら、陸軍の反米タカ派*24ソ連の手先なのか。呆れて二の句が継げません。対米開戦派は単に「ドイツの快進撃(フランスを降伏させる)」に幻惑されて「アメリカと戦争しても、勝てないにしても、日露戦争時のように引き分けに持ち込める!。そうなれば米国はハルノートのような無茶苦茶な要求は撤回するだろう」「だからハルノートなんか飲めるか!」と都合のいい妄想をしていただけです。最終的には昭和天皇も「その妄想を容認し開戦を決定した」わけです。
 当時の日本政府がアホだったわけですが「ドイツがフランスを降伏させていなければ」感は否定できません。
 なお、尾崎については

武藤章 *25ウィキペディア参照)
 太平洋戦争開戦後は戦争の早期終結を主張し、東條英機 *26首相らと対立した。また、尾崎秀美やゾルゲを信頼し、かねてから陸軍省軍務局長の名で全面的な情報提供を命じていたこともあり、1942年(昭和17年)4月にゾルゲ事件の発覚等により軍務局長から更迭され、近衛師団長となる。

という記述で分かるように尾崎やゾルゲの偽装があまりにも完璧であったが故に彼らの逮捕は多くの人間にとってまさに青天の霹靂でした。


震度6弱地震を「人災」 鳩山由紀夫元首相のツイッター、道警がデマ認定 - 産経ニュース
 「やはり鳩山氏*27が嫌いらしい黒井文太郎(まあ辺野古への基地移設反対運動を「普天間が今のままでいいのか」とオール沖縄を誹謗中傷する男*28ですからね)」「なぜか鳩山氏が嫌いらしい常岡浩介(黒井のダチ*29だから?)」がリツイートしていたので気づきました。「科学音痴」の小生はこういう件については無知なので評価が難しいのですが、どうも「鳩山氏の誤認識」のようです。そう言う話で小生も無理に鳩山氏をかばう気もない。正直こういうあたりは「鳩山氏の脇の甘さ」かと思います。
 とはいえ今の鳩山氏は「元総理」とはいえ政治家を引退してますし、大して影響もないでしょう。
1)現職国会議員の安倍が菅*30総理相手にやらかした「福島原発事故がらみのデマ(首相退任後に菅氏が民事提訴)」や
2)現職総理の安倍が国会でやらかしたニッキョーソヤジなどとは訳が違います。
 そうした代物を「わざわざ道警がデマ認定」したあげく、産経が大げさに報道(産経以外はろくに報じてないようですがまあ当然でしょう)。「また安倍の指示かよ?」「読売の前川バー通い報道*31みたいなもんだろ?」感が否定できません。


【産経抄】2月25日 - 産経ニュース

 トランプ米大統領も狙っているノーベル平和賞は、とても無理だとあきらめたのか、物理学賞を本気で狙っているのだろう。あの鳩山由紀夫元首相が、北海道で起きた最大震度6弱地震を「人災だ」と断定した。

 上にも書きましたが「鳩山発言が仮に事実誤認」だとしてもすでに彼は政界を引退しており、大きな政治的影響力があるわけでもありません。彼の発言が何らかの実害を生んだわけでもない。
 こんなことは少なくとも「全国紙の1面コラムのネタ」にするような話ではありません。いつもながら産経の馬鹿さには呆れます。
 北海道地震をコラムネタにするなら、そんなことよりも「どう災害復旧していくか」などまともな意義あることを書いたらどうなのか。

*1:法政大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など

*2:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*3:ただ将来的には沈黙できず、モリカケの時のように「総理は無実だ、官僚が勝手にやったこと」の大合唱が予想されます。

*4:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相

*5:福田、中曽根内閣文相を経て首相

*6:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*7:まあ石破でなくて石原伸晃でも岸田でもいいですが

*8:宮沢蔵相、安倍幹事長、渡辺政調会長など、幹部レベルが軒並みリクルート疑惑議員だったため、傍流の海部氏に首相ポストが回ってきたわけです。

*9:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、菅内閣金融担当相など歴任

*10:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*11:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*12:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*13:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*14:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*15:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家副主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*16:もちろんどう見てもここでの終焉とは「トランプ政権の圧力による失脚」ですね。

*17:そもそも開戦時の首相が東条であることを考えれば、近衛ばかりを非難するのも変な話です。

*18:というか、尾崎やゾルゲの場合、スパイがジャーナリストを偽装してるのではなく、「腕利きジャーナリストをソ連がスパイにスカウトした」ので彼らのジャーナリスト活動は決して「ただの偽装」ではありません。ソ連が彼らをスカウトし、それに彼らが応じなければ彼らはジャーナリストとして一生を終えたでしょう。

*19:第1次近衛内閣内閣書記官長、第2次近衛内閣司法大臣を歴任

*20:現在は国際協力銀行

*21:日本債権信用銀行を経て、現在はあおぞら銀行

*22:支那方面軍参謀副長、陸軍省軍務局軍務課長、陸軍省軍務局長、支那派遣軍総参謀副長など歴任。戦後、A級戦犯として終身刑判決を受けるが1956年に仮釈放。その後、東急管財(現・東急ファシリティサービス)社長を務めた。

*23:陸軍省軍務局軍務課長、参謀本部第1部長、ビルマ方面軍参謀長など歴任

*24:これについては例えばhttp://www.geocities.jp/yu77799/worldwar2/nitibeikaisen/kaisen3.html参照

*25:支那方面軍参謀副長、北支那方面軍参謀副長、陸軍省軍務局長、近衛師団長、第14方面軍(フィリピン)参謀長など歴任。太平洋戦争開戦当時の陸軍省軍務局長であったことなどから、戦後、A級戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀。

*26:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相など歴任。太平洋戦争開戦当時の首相であったことなどから、戦後、A級戦犯として死刑判決。後に靖国に合祀。

*27:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長などを経て首相

*28:「首相時代にその立場を貫いてほしかった」という不満はありますが、「沖縄の基地反対運動を敵視する安倍政権はおかしい。」と主張しているのが今の鳩山氏です。「沖縄の基地反対運動を敵視するウヨ」黒井のような輩には鳩山氏には敵意しかないでしょう。「鳩山氏をたたけそうなネタがあればたたく」つう黒井の生き方は「大変わかりやすい」。断言していいと思いますがこの件、「発言者が鳩山氏でなければ」黒井も何も言わないでしょう。

*29:黒井が「常岡ツイートを」、そして常岡が「黒井ツイートを」お互い「リツイートしてる姿」を見るにどうみても「黒井=常岡のダチ」でしょう。

*30:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*31:読売の例の報道は「完全なデマ(読売の劣化がよく分かる事件でした)」、今回は残念ながら、鳩山氏の主張に問題があることは事実らしい、つう違いはありますが。