今日の産経ニュースほか(2019年3月10日分)(追記あり)

安田純平さん、政府関与を否定 | ロイター

 内戦下のシリアで約3年4カ月拘束され、昨年10月に解放されたジャーナリストの安田純平さん(44)が9日、福岡市内で講演し、解放に向けて「日本政府が交渉したとか、金を払ったとか絶対あり得ないと思う」と身代金のやりとりを改めて否定し、政府の関与は全くなかったと強調した。

 もちろん「彼が知らない(知らされてない)=そう言う事実がない」ではないわけです。
 「日本政府の関与の有無はともかく*1」普通に考えて「身代金支払いなし*2で解放はない」でしょう。もし記事に書いてあるように断定的に「俺が知らないんだから、絶対に支払いはないと思う」なんていってたら、安田氏は「言葉を選ばず、言えば」ぶっちゃけバカですよね。
 とはいえ、まあ気持ち的には分からないでもない。
 「あんな奴に金を払うなんて仮に税金ならカネの無駄だ」なんつうことを言う奴が一部にいるのは彼もいやでしょう。まあ、そんなん無視してもいいんですが、その場合に「そもそも払ってないと思う」といいたくなるのは分からないでもない。ただ何度も言いますが、断定的にそう言ったらこれはただの嘘です。しかもその後「金の支払いが発覚」したら*3、彼は「アンチ安田からデマ屋として非難される恐れ」が強まるのだから愚行でもある。

 安田さんは、2004年にイラクで取材中に拘束された際、「(事実と異なり)人質と報道されたことが、今回の人質につながった」と指摘。当時、日本政府が身代金を払って解放されたとの誤った認識*4が広まり、今回も支払いを期待したブローカーらが政府に接触していたと説明した。

 「2004年云々」は全く関係ないでしょうね。「日本人ジャーナリストを身柄拘束すれば身代金が取れるんじゃないか」なんてのは誰でも思いつくことです。なんか「身柄拘束された自分の非」を認めたくない「狭量なくだらない人格」「ある意味、常岡の同類みたいなもん」なんでしょうか、彼。こういうのはアンチ安田の安田非難を助長してるようなもんだし、あの種のバッシングが大嫌いな俺ですら「おいおい、安田(呆)」ですね。いやもちろん何があろうとも不当な安田バッシングなんか、批判するだけであって支持も擁護もしませんが。
 正直「戦場ジャーナリスト廃業」を彼に勧告したくなってきました。


旅券返納巡り外相ら提訴へ フリー記者・常岡さん、取り消し求め - 産経ニュース
 2月の処分なのにいつまでたっても訴訟を起こすそぶりがないので「訴訟しねえのかよ?」「イエメン云々ってただの売名?」と思ってたら訴訟をやっと起こすようです。
 とはいえ、今後、常岡がまともに「訴訟報告するかどうか」、あるいはメディアが報告する訴訟経過の内容が「まともかどうか」ですね。
 このあたりが「怪しい」ならやはり「売名?」つう疑惑を俺は拭えません。

【追記その1】
 記事タイトルだけ見て「やっと訴状を出して提訴したのか」と思ったら違いました。イヤー記事はよく読まないといけないですね。

 常岡さんは10日、河野太郎外相と国を相手取り、命令の取り消しを求めて4月に東京地裁に提訴する方針を明らかにした。長崎市で同日開いた講演で語った。
 常岡さんによると、返納命令を受けたのは2月2日。

 おいおいですね。なんで2ヶ月間も提訴しないで放置プレイなのか(もちろん提訴準備はしてるのでしょうが)。2/2に処分なら「2月中に提訴しよう」つうのが普通の人間じゃないんですかね?。正直、「イエメン取材を今すぐしたくねえのかよ?」ですよねえ。仮に内戦が終了なんぞしたら裁判で勝訴しても意味がないし、そもそも「内戦が終わったから、原告、被告、どちらが勝訴しても、もはや意味がないから判断しない」つう扱い(結局、常岡の事実上の敗訴)なんてこともありうるわけです。
 4月まで引き延ばさないといけない理由が何かあるのか。今すぐ訴えて、その上で「取材時機を逸しないように」できる限りハイペースで訴訟してくれと裁判所に要求するのが普通じゃないのか。
 つうかいちいち講演で「4月に訴える予定です」とか言わなくていいんで、とっとと訴えろといいたい。いやそもそもなんで「講演会で」なのか。こういうのは「提訴直後あるいは提訴直前に」記者会見でも開くべき事であって「講演会に来た人にだけ伝える」話じゃないでしょうよ。結局、常岡は「訴訟をまともに考えてない」んじゃないか。
 提訴発表(まあ未だに「提訴しました」発表ではなく「提訴予定です」発表ですが)を「ファンサービス」だの「どういう訴訟方針ですかとか弁護士は誰ですかとか厳しい(?)質問、突っ込みをされたくないから発表はファン相手だけにしよう」だの意味不明な勘違いをしてるんじゃないか。

【追記その2】

常岡浩介がリツイート
・北村肇
‏ 旅券返納命令は憲法違反であり、ジャーナリズムへの挑戦であり、断固許してはならない。マスメディアは、フリージャーナリストに対する「弾圧」についてはどこか他人事だが、自分たちの身にも降りかかってくる問題であることをしっかり認識すべきだ。
常岡さん、旅券返納巡り提訴へ 取り消し求める | 共同通信

 やれやれですね。常岡にも北村氏にもやれやれです。
 まず常岡。なんで自分の口で「提訴します」といえないのか。なんで「講演で提訴発表したと報じる共同通信の記事にリツイートした北村氏に常岡がリツイート」なんて回りくどいことをするのか。
 次に北村氏。「過去の西山記者事件(佐藤政権VS毎日新聞・西山記者)」「今の望月記者事件(安倍政権VS東京新聞・望月記者)」などでマスコミは「自分たちにも降りかかってくる事件」として佐藤や安倍の「西山氏、望月氏」への弾圧を批判していた(批判している)のか。そんな事実はないわけです。メディア所属だろうと、日本のマスコミは「その記者のため」に権力者批判をがんがんしたりはしない。さすがにどちらの場合も新聞労連は抗議していますし、望月氏の場合は、東京新聞も抗議していますが。
 大体、常岡の場合「他人事」になるのは常岡に本気さが感じられないからじゃないのか。2月の処分で4月に提訴ってどういうことなのか。そんなに提訴に時間がかかるほど準備が大変なのか。いやそもそもなんで「講演会で発表」なのか。講演会なんか行く人間は限られてるわけです。


IS妻出産の新生児死亡 帰国拒否の英内相に批判 - 産経ニュース
 ISに参加した行為が愚劣なのは当然ですが子どもには罪はないですからねえ。
 仮にこの「IS脱退&帰国希望」を表明した女性が「子どもをだしにして自らのIS参加、つまりISメンバー時代の犯罪行為をうやむやにしよう」つう思惑があったとしても*5「そうした思惑を許さず、犯罪行為を追求すること」は「子どもも含めて帰国拒否すること」とは違うでしょう。批判が出るのは当然かと思います。
 そりゃ「元IS構成員の身柄を拘束して調べる」のより「入国を認めない、以上」の方が楽だし、それを支持する英国民の方が「もしかしたら多い」のかもしれませんが、こういう問題は「国民大多数が元IS工作員なんて危ない人間はそもそも入国させるなといっています」ですむ話ではない。


自民、大阪知事選で辰巳琢郎氏に出馬要請 - 産経ニュース
 人気取りのタレント候補は勘弁してほしいと思う反面、「橋下一味(維新)以外なら誰でもいい」「あいつらほど酷いのも他にいないだろう」つう気持ちも正直あります。辰巳の人間性なんぞ知りませんし「出馬するかどうかも分かりません」が、出馬するとして、さすがに橋下よりはマシじゃないか。辰巳だってあまりにも無茶苦茶したら、世間の反発で芸能人生命が終わりかねないくらいのことはわかるでしょうし、まともな人間は「そもそも橋下レベルに無茶苦茶する気」にもなりません。
 なお、記事を読む限り「自民党の片思いに過ぎない(しかし速攻で断るのも無礼かと思い辰巳が即答は避けたのか)」のか、はたまた「辰巳も『勝利の可能性』『自らの政策を自民が受け入れる可能性』などを考えた上で出馬を真剣に検討してる」のかは不明です。

【追記】
辰巳琢郎氏、大阪府知事選出馬を固辞 - 産経ニュース
 ということで結局出馬はなくなったわけです。


【正論4月号】独占リポート 中国人に乗っ取られた“移民団地” 産経新聞論説副委員長 佐々木類(1/2ページ) - 産経ニュース
 「過去にこの団地は新聞や雑誌などですでに取り上げられてる」ので、記事タイトルだけで、すぐにどこのことだか分かった方も居るでしょう。そう、埼玉県川口市芝園団地です。
 産経は過去に芝園については

【現場×記者】中国人の友達作りに川口芝園団地へ 異文化交流、楽しさと難しさ体感 - 産経ニュース
「川口に中国人がたくさん住んでいる団地があるから、中国人の友達を作ってこい」。
 デスクに命じられて、1年生記者の私はマンモス団地「川口芝園団地」へと向かった。住んでいる約5千人のうち半数が外国人で、その大半が中国人だという。果たして友達はできるのか。(宮野佳幸)
 団地自治会などのつてを頼り、元住民らが市内の公民館で中国の正月「春節」を祝うギョーザパーティーに参加させてもらった。
 ところで、なぜ多くの中国人がこの団地に集まるのだろうか。5年ほど団地に住んでいた楊さんは「交通の便の良さと、中国人同士のつながりができるからだ」という。蕨駅から東京駅までは約30分で、同郷者がいるため「悩みを共有でき、ストレス解消にもなる」。ただ、結びつきの強さは日本人との軋轢(あつれき)も生んだ。
 「中国人帰れ」。
 共有スペースの机にそんな落書きも珍しくなかった。
 ここで日中交流促進に尽力したのが、町作り研究家で団地に1年暮らした岡崎広樹さん(34)と、多文化共生を目指し活動する学生団体「芝園かけはしプロジェクト」だった。両者とも将来の高齢化と外国人増加に伴う問題解決のモデルケースを作るのが目標で、自治会、商店会、UR都市機構なども関わっている。
 商店会主催の催しに中国人住民らにも出店してもらうほか、昨年4月には差別的落書きがある設備を塗り直し、上から日中友好を祈り手形を押す活動などを続けている。自治会の活動は平成27年度の「あしたのまち・くらしづくり活動賞」で総務大臣賞を受賞するなど評価された。
 ただ、団地内での日中交流が不十分なことも現実だ。言葉の壁が大きく、平光四郎自治会長(88)は「中国人に自治会へ加入してもらい、その人から伝えるようにしたい」と今後の方針を話す。また、かけはしプロジェクトの副代表、品川純平さん(22)は「日本人住民の交流も希薄だ」と指摘。外国人との交流を図る前段階として、昨年11月から「芝園サロン」と称し日本人高齢者を対象とした交流会を月1回開催しているという。
 パーティーで水ギョーザをいただきながら、家族や友達が集まって料理を楽しむ様子に、実家で餅つきをしていたときのような懐かしい感じがした。ギョーザ(餃子)の餃は食に交わると書く。食を通じた異文化交流で、人生初の1年で2度目の正月を堪能できた。
 文化の違いはある。しかし、水ギョーザを一緒に楽しんだ、それだけでも中国の印象が変わったことを感じる。知り合った人々を「友達」と呼べるかどうかは、これからの課題だ。

というまともな記事を書いてるのにねえ。佐々木があまりにもゲス過ぎて二の句が継げませんね。これが論説副委員長なのだから産経も気が狂っています。もちろん芝園をこのようにグロテスクに描く差別者は佐々木のような一部のキチガイだけです。現実問題として佐々木が描き出すようなグロテスクな問題は何一つ起こっていない。
 そもそも佐々木は何がしたいのか。「どんな手を使ってでも芝園から中国人を追い出す」とでも思ってるのか?。芝園団地住民がいつそんなことを希望したのか?*6
 佐々木の文章は読んでも不愉快なだけなので積極的には読むことをお薦めしません。

*1:個人的にはこれも「あった」と思いますが。さすがに「なかったらまずい」し、「いくら安倍が首相でも」、それでいいと思うほど日本政府がいくら何でもキチガイではないと思いたいところです。

*2:仮に支払いなしでも「身代金にかわる何らかのお土産」は出たでしょう。

*3:しない保証はありません。

*4:実際に「誤った認識かどうか」は疑問符がつきますが。

*5:あるかどうか知りませんが。

*6:希望すれば追い出していい訳ではないですが、そもそも希望してないでしょう。