常岡浩介&黒井文太郎に突っ込む(2019年3月24日分)

■ツイートに突っ込む

黒井文太郎*1
 それにしても、シリアの人々に寄り添いたいという若者たちに嫌がらせする陰湿な連中には感心せんな。
 おまえら、俺んとこにかかって来いよ! 。ん?、ビビってんのか?。ヘタレどもめ、情けねえ奴らだ。なんちゅうかね、異論があるなら言論で来いや。

 まあ善意に理解すればこれで分かる人間には分かるのかもしれませんが、「シリアの人々に寄り添いたいという若者たち」や「嫌がらせする陰湿な連中」が一体誰のことを意味するのか、はっきりと名前なり何なり出したらどうか。嫌がらせつうのも具体的に何なんですかね?。ネット上での悪口雑言?


「あと5分で……」羽田空港で“旅券返納命令”を手渡されて――常岡浩介インタビュー | 文春オンライン
 常岡*2がツイートで「週刊文春の取材があった」と自慢していたので気づいた記事です。

■インタビュアー
 外務省がどういう意図で今回の旅券返納命令を出したと考えますか?
■常岡
 やはり日本政府としては、紛争地域に行って、例えば人質になったりあるいはテロや戦火に巻き込まれて負傷したり、最悪のケースとして死亡した場合、政府に対する批判が高まったり予期せぬ仕事が増えるのを避けようとしているということなのではないかと思います。「世間から批判されること」を最も恐れているのではないでしょうか。
■インタビュアー
 昨年10月、内戦下のシリアで拘束され約3年4カ月ぶりに解放されたジャーナリストの安田純平さん*3のことで、紛争地への渡航に対する外務省の姿勢は、一層かたくなになったという印象でしょうか。
■常岡
 エスカレートしているのかな、という印象はあります。安田純平さんのことよりは、昨年の杉本祐一さんの裁判で政府側が全面勝訴したために、返納命令を出すことに躊躇がなくなってきているようにも見えますね。

 俺は実は「笑い上戸」なのでこの部分を読んで、馬鹿馬鹿しくて吹き出しました。
 というのも常岡はツイッターではさんざん「返納命令は俺個人への嫌がらせじゃないか?」「(東京新聞の望月*4記者のように)何らかの理由で日本政府や外務省が俺を嫌って取材妨害してるんじゃないか?」と言う趣旨のツイートをしていたからです。
 ところが週刊文春の記者相手には「返納命令の理由が何だと思うか」と聞かれると「日本人記者が武装勢力の人質になって最悪の場合殺されでもしたら嫌だと思ってるんじゃないか?」「杉本祐一さんのケースと同じだと思います」と全く違うことを言い「常岡個人への嫌がらせ説」を否定し「常岡以外がイエメン渡航しようとした場合でも返納命令が出たと思う」というのだから「やれやれ(あきれ顔)」です。 
 さすがの常岡も週刊文春記者のような「お友達ではない第三者」相手には「常岡個人への嫌がらせ」云々と「あまりにもデタラメなことを言ったらまずい」という理性が働くようです。ただこれは常岡がツイッターで常岡信者相手に「デタラメを放言していた」と自白してるのも同然の行為ですが(苦笑)。
 しかし「常岡がツイートで自慢していた記事」で「常岡のデタラメ」が分かるのだから滑稽です。

■常岡
 日本政府が支払ったケースにキルギス日本人誘拐事件がありますが、これはJICAの職員*5でしたから、派遣した外務省に責任がありますので支払うべきだと思います。それ以外のケースで(ボーガス注:日本政府が)支払わないということも正しいと思います。

 いやいや「国の職員」「民間人だが国が事業委託したケース」以外のケース(一般民間人)だって支払うべきでしょうよ。つうかそれ以外のケースって、やはり「安田氏のケース」も入るんですかね。未だにこの男は「安田救出のために身代金を払う必要はない」と強弁する気のようです。正気じゃないですね。「安田氏も良くこんな男と対談できるもんだ」と思いましたがそういえば、安田氏は未だに「身代金は払われてない」と強弁してるから「一応、安田氏は筋は通ってる」んですかね。
 まあ、「払われてない」なんてことは常識で考えてありませんが。

■インタビュアー
 では、どういうケースであれば、旅券返納命令を出すべきだと?
■常岡
 私は、すでに行われている犯罪を防ぐ、あるいは本当の意味で「公共の福祉」を守るため*6であれば、渡航制限をかけることは理にかなっていると思うんです。ISへ戦いに行こうとした北海道大学の学生などのケースですね。しかし、この学生に返納命令は出されていません。

 いやいや「あまりにも危険過ぎて渡航させるべきでない」つう場合において俺は渡航制限していいと思いますね。まあ、何でもかんでも危険視して「安易に制限をかけない」という条件においてですが。何でもかんでも渡航制限をかけたら取材活動が成り立ちませんので。
 まあそのあたり「どう適切な制限をかけるか」は難問ですが「難問だから、自由侵害を避けるために常に制限はかけない」つうのもまずいし、逆に「難問だから制限が過剰になっても我慢しろ。政府は善意でやってるんだから素直に従え」つうのもまずいでしょう。
 俺も素人なので具体的な案があるわけではなく恐縮ですが、「適切な制限」を考えていく必要があるかと思います。
 「死ぬ危険性が極めて高い」のに「自己責任だ」で送り出すのはまずいでしょうよ。
 ちなみに常岡には「北朝鮮関係での渡航制限はどう思いますか?」と聞きたいところですね。常岡理論なら明らかに今の「北朝鮮関係での渡航制限」は違法不当ですよね(反北朝鮮&ウヨの文春記者にはそう言う質問をする動機がないのでしょうが)。まあ、俺も「北朝鮮関係での渡航制限」は違法不当だと思います。そもそも「制裁の一環」であって「日本国民の安全のため」にやってるわけじゃないですし。特に朝鮮総連関係者の渡航制限なんかそうでしょう。

■インタビュアー
 今後の展開は、どう考えていますか。
■常岡
 弁護士と相談して、提訴を検討しています。先ほどお話しした杉本さんのケースが判例として使われるだろうと考え、裁判は無意味かとも思っていたのですが、弁護士によれば「使われている法律の条文が異なるので、これは裁判をやる意義がある」と。

 「2月に処分なのにいつになったら提訴するんだよ。もう3月も終わるぞ」「ぶっちゃけ取材なんか受けなくていいから、とっとと提訴しろよ。それで、提訴直前に記者会見すればいいだろ。お前本当に裁判やる気あるのか。そもそも本当に弁護士に相談してるのか?」ですね。
 なお、「条文が違うかどうか」は無知なので知りませんが、何も問題になるのは条文だけじゃない。
 杉本氏と常岡では、事案(取材場所や取材時期など)は違うわけですからね。したがって「条文が同じだから無意味」つうことには「少なくとも建前上はなりません」。
 条文が同じでも、事案は違うわけですから、裁判において「杉本と俺は取材時期も取材場所も違うからきちんと別の事件として審理しろ。政府の言い分をノーチェックで容認するようなことはするな」と常岡が裁判において主張することは決して無意味ではないでしょう。

*1:著書『イスラムのテロリスト』(2001年、講談社プラスアルファ新書)、『北朝鮮に備える軍事学』(2006年、講談社プラスアルファ新書)、『日本の情報機関』(2007年、講談社プラスアルファ新書)、『ビンラディン抹殺指令』(2011年、洋泉社新書y)、『イスラム国の正体』(2014年、ベスト新書)、『イスラム国「世界同時テロ」』(2016年、ベスト新書)など

*2:著書『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2008年、アスキー新書)、『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社

*3:著書『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書)、『シリア拘束:安田純平の40か月』(2018年、扶桑社)

*4:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『THE独裁者:国難を呼ぶ男! 安倍晋三』(共著、2018年、ベストセラーズ)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(共著、2018年、光文社新書)、『権力と新聞の大問題』、『安倍政治 100のファクトチェック』(以上、共著、2018年、集英社新書)、『望月衣塑子の安倍晋三の研究』(2019年、ベストセラーズ)など

*5:揚げ足取りすれば「JICAの職員」ではなく「JICAから事業委託を受けた民間企業(海外鉱物資源開発や三井金属資源開発)社員」のようです(ウィキペディアキルギス日本人誘拐事件」参照)。

*6:過去の個別具体的な旅券返納命令(杉本氏、常岡など)の是非はともかく、もちろん「渡航した人間が死ぬ危険性を避ける」つう理由での返納命令も「出国を認めた場合、死ぬ危険性が極めて高い」のならば、立派な「公共の福祉」「理にかなった行為」です。「渡航した人間が死ぬ危険性を避ける」つう理由は「公共の福祉に合致しない」「理にかなってない」と常岡が言うのであればその方がおかしい。