「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年4/5分:荒木和博の巻)

嵐その後【調査会NEWS2958】(31.4.5): 荒木和博BLOG

 1月27日付2914号で「嵐」の活動休止のニュースが何でトップニュースになるのかと書きました。その後大手広告代理店に勤める友人と話したとき、友人はこれを読んでいてくいれて、「でもやはり、拉致のニュースより嵐のニュースの方が一般には関心があるんだよ」と言われました。

 嵐解散のニュースがトップニュースになることは馬鹿げてると思います。どんなビッグタレントでも「芸能ニュース」なんかトップニュースにすべきではないと俺は思うし、嵐解散なんて「ビートルズ解散」などの世界的ニュースどころか、日本国内限定でもたいしたニュースじゃないでしょう(例えばSMAP解散に比べたらたいしたニュースじゃない)。
 「嵐のファンじゃない」俺のようなおっさんにとって嵐解散なんか何の興味もない。何せ、俺は、「同じジャニーズ所属」ということで嵐とTOKIOとV6がごちゃごちゃになってるような人間ですから。
 「父親が元総務事務次官都知事選出馬が取り沙汰された桜井某が居るのって嵐だっけ?」「イーストウッド監督映画『硫黄島からの手紙』に出演して話題になった二宮某が居るのって嵐だっけ」「女子高生に飲酒させて山口某というメンバーが処分されたのって嵐だっけ?」レベルが俺です(ちなみに桜井、二宮がいるのが嵐で、山口がいたのがTOKIOです)。
 しかも「正式解散は1年後」ですからねえ。
 もっと社会的意義のある報道、たとえば政府批判(例:モリカケ)とか企業批判とかやったらどうなのか。
 しかし拉致がニュースにならないのは当然です。なぜなら何ら進展が、動きがないからです。「救う会が、家族会が何かしました」と報じたところでそれは何ら拉致問題解決の進展ではない。それでは「ニュースとして報じる社会的意義、価値はない」のはもちろん、視聴率や部数だってとれはしません。
 おまけに家族会や救う会は「勘違いが酷く」、自分の気に入らない報道ならマスコミに悪口雑言するのだから、「視聴率や部数がとれなければ」、『あんなふざけた奴らと誰が付き合えるか!』『俺たちはあいつらの奴隷じゃない!』という反発がマスコミに出てくるのは当然です。
 売れてる頃は、タレントがどんなに図に乗った態度をとってもちやほやしてくれたマスコミも、売れなくなるや、手のひら返しで見捨てるのと似たようなもんです。たとえて言えば「やすきよ」で一世を風靡したものの、西川きよしの国会議員出馬でコンビが休業となるや、「自らに相談もなくそうした行為をしたきよしとそれを応援した吉本への反感」から精神的にあれまくり、暴力事件などを起こしついに吉本を首になった横山やすし*1みたいなもんでしょうか(まあ例は何でもいいですが)。

 今までやっていない、もっと様々な方向、視点からこの問題に取り組むことはできないか、自分と全く違う立場の人に協力してもらうことはできないだろうかと考えている次第です。

 といったところで荒木が「蓮池透氏」「田中均氏(元外務省アジア大洋州局長)」「和田春樹氏(東大名誉教授)」「共産党の志位委員長」「社民党の福島副党首」「前川喜平氏(元文科事務次官)」「本田圭佑朝鮮学校を訪問して生徒を励ましたプロサッカー選手)」などといった「自分と全く違う立場の人」と連携することはないわけです。
 彼らの主張する「日朝対話路線(制裁解除)」「朝鮮学校無償化除外批判」などに悪口しているのが荒木です。
 奴が付き合うのは「西岡力」「島田洋一」などといったいつものウヨ仲間です。
 まあ、心にもない嘘がよくも言えたもんです。

・アンチ日本軍のために国共合作した中国国民党中国共産党(日本軍という共通の敵が居なくなった時点で内戦再開ですが)
・事実上、毛沢東路線を否定し、改革開放に踏み切ったトウ小平
グラスノスチペレストロイカという新政策に踏み出したゴルバチョフソ連書記長(結局、ソ連は崩壊しましたが)
KCIA元長官・金鍾泌(朴チョンヒ大統領の元側近)を自らの政権において一時、首相に任命した金大中大統領
太陽政策という斬新な外交に打って出た金大中大統領
・「アンチ大阪維新」で自民党と手を組むことを覚悟した共産党(ただし大阪以外では対立することがほとんどですが)
・イラン核合意、キューバとの国交正常化に乗り出したオバマ大統領(残念ながらトランプがぶち壊しつつありますが)

などと比較すれば、荒木ら救う会の「代わり映えのなさ」は今更ながら呆れます。
 「抗日戦争になんともしても勝ちたい(中国国民党中国共産党)」「中国の近代化をなんとしても実現したい(トウ小平)」「大阪都構想をなんともしても阻止したい(自民党日本共産党)」など、「目指したいことがある人々」と「拉致なんか解決しなくていい。俺たちはウヨ仲間と一緒に楽しく北朝鮮バッシングが出来ればそれでいい(荒木ら救う会)」の違いでしょう。
 あるいは「日本軍を倒すためなら出来ることは何でもしろ!(大多数の中国国民)」「中国の近代化のためなら(以下略)(大多数の中国国民)」「維新を倒すためなら(以下略)(反維新の大阪住民)(大阪の自民、共産支持層の大多数)」と「救う会の言うことが正しいのでいつも従います。小泉訪朝から何年たっても拉致が解決しない?。それは救う会の方針が間違ってることを意味しません。とにかく救う会は正しいんです(家族会)」の違いでしょう。「国共合作しろ」「自民と組んででも維新を倒せ」という支持者が多ければ、そういう方向に動かざるを得ません。
 「救う会のいいなりで何が悪いのか!(家族会)」では救う会・荒木一味に運動方針を変える動機はありません。「蓮池氏の救う会、家族会批判」「いつまでたっても拉致が進展しないこと」もあり、救う会、家族会に対する世間の共感、同情は薄れ、拉致は風化しているとは言え、従来の方針で今まで甘い汁を吸ってきたし、今更、新方針を打ち出せるほどの能力も荒木ら救う会にはないし。

 漫画だろうと落語だろうとプロレスだろうとグルメだろうと、あるいは遺伝子工学だろうと、ともかくこれまで拉致問題にあまり接点がなかった新たな層に理解を広めていけないか

 問題は「広報方法ではなく広報内容」なのですが(もちろん広報方法にしてもいつも「産経新聞、フジテレビなどのウヨメディア」という能のなさですが)。「極右の立場から、ただただ対北朝鮮経済制裁を叫ぶだけ」というお粗末な内容では広報方法を変えたところでどうにもなりません。
 つうか「マンガ」ならすでに集英社小学館講談社と比べれば、「二流雑誌」とはいえ、双葉社漫画アクションで、そして、「ゴルゴ13さいとうたかを」、「シマコー・弘兼」などと比べたら売れてない「二流漫画家」とはいえ、本そういちがやっています。
 そして「接点がなかった層に働きかけ」云々なら、荒木ら救う会よりも、例えば「赤旗日曜版」なんぞの方がよほど「漫画だろうと落語だろうとプロレスだろうとグルメだろうと、あるいは遺伝子工学だろうと」様々な形で記事として紙面に取り入れてきたでしょう。
 まあ、本気で荒木が「支持層を増やしたければ」、『拉致解決には九条改憲が必要』などのデマはやめるべきでしょう。
 世界最強の軍事大国・米国ですらワームビア君救出は外交だったと言う意味で事実じゃないし、こうした物言いは確実に「俺のような護憲派」を荒木らから遠ざけます。とはいえ荒木らがそうしたデマをやめることはないでしょうが。

*1:当初寝ぼけていて「西川きよし」と間違って書いていましたが、コメ欄の指摘で訂正しました。