今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ニュースほか(2019年4月11日分)

マレーシア、中国との鉄道計画を一転継続へ=12日にも合意:時事ドットコム

 マレーシア政府が中国の政府系企業と共同で進めていた「東海岸鉄道計画」について、両国が新たな合意文書に署名することが11日、分かった。マレーシアは当初、財政難を理由に計画を中止する方針だったが、中国側が事業費の大幅削減に同意したため、計画を継続する見通し。

ということで「予想の範囲内」でしたが別にマレーシアは産経の言うような反中国などではないわけです。


「 穏やかさと優しさの新元号「令和」 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 中西氏によると『万葉集』の歌の約半分は作者未詳である。氏の説明だ。
「無名歌を残したような人々が『万葉集』の根幹を構成する人々である。(中略)多数の人々の歌を、歌として認定し、その中に有名歌人の作も交えるのが『万葉集』である」
 日本が一人一人の人間を大事にして、国造りを進めてきたことの証のひとつが『万葉集』であろう。

 よしこらしい珍論です。安倍ですらこんなことは言ってないでしょう。「日中戦争、太平洋戦争の悲劇(インパール作戦の失敗、中国残留日本人孤児、沖縄での集団自決強要など)」一つ考えても「日本が一人一人の人間を大事にして、国造りを進めてきた」なんて事実はありません。

 『万葉集』から新元号が選ばれ、日本の長い元号の歴史で初めて漢籍から離れたことは、きっと日本の歴史への深い興味をもう一度、呼び起こすことだろう。
 聖徳太子は中国を尊びながらも、わが国を勝手に属国と見做す中国に、607年、日本は中国と対等の国だと宣言した*1
 その誇りと気概は受け継がれ、女帝、斉明天皇朝鮮半島に兵を出し、唐と新羅の連合軍と戦う決断をした。日本は唐・新羅連合に敗れはしたが、唐に和睦を乞わなかった*2。女帝の皇子たち、天智天皇天武天皇は撤退したものの、唐の脅威に果敢に立ち向かった。

 「日本の歴史への深い興味をもう一度、呼び起こす」とは、よしこですら本気で言ってるわけではないでしょう。それにしても令和からこんなウヨ話を始めるとはさすがウヨのよしこです。もちろん褒めてません。


イスラエル選挙、ネタニヤフ首相が続投へ連立協議 野党が敗北宣言 - 産経ニュース
 「有能なたたき上げ」という点を除けば「汚職疑惑」「極右排外主義」とまさに「イスラエル安倍晋三」と呼んでいいクズが首相続投だそうです。げんなりします。「ゴラン高原での極右路線」が受けたのだとすれば呆れざるを得ません。これこそが民主主義の欠点、欠陥であり「独裁がいいとはもちろん言いませんが」、国民がまともでなければ民主主義はまともに機能しません。英国のEU離脱騒動しかり、安倍日本しかりでしょう。


【産経抄】4月11日 - 産経ニュース

 なんとも納得しがたい判決である。愛知県内で平成29年、当時19歳の実の娘と性交したとして、準強制性交罪に問われた父親に対し、名古屋地裁岡崎支部は無罪の判決を言い渡した。
▼裁判長が、娘に対する長年の性的虐待と意に反する性交だった、と認めているにもかかわらず、である。
 刑法改正により準強姦(ごうかん)罪から名前が変わった準強制性交罪は、人の心神喪失や抵抗できないことを要件とし、ハードルが高い。裁判官は、以前に回避できた経験もあったとして、「抵抗不能状態だったとは認められない」と判断した。
▼常識はずれの判決といえば、認知症の男性が徘徊(はいかい)中に電車事故で死亡した事故をめぐる裁判を思い出す。鉄道会社が介護していた家族に、損害賠償を求めて訴訟を起こした。1審、2審の判決は家族に賠償を命じ、認知症の高齢者を抱える家族から、反発の声が上がったものだ。最高裁でようやく、賠償責任なしの判断が下された。
▼名古屋地検岡崎支部は、判決を不服とし名古屋高裁に控訴した。改正刑法がまだ実態に適応していない問題も含めて、注目すべき裁判である。メディアももっと大きく扱っていい。

 「長年の性虐待と同意のない性交と認めながら、『抵抗が可能だった疑いがある』として無罪というこんな被害者に冷酷な判決でいいのか。上級審が有罪判決を下すべきでないか」「法解釈上、こんな判決しか出せない刑法なら再改正すべきでないか」「メディアもこの問題をもっと報じるべきだ」と珍しく産経がまともです。
 これについては以下の記事も紹介しておきます。日本共産党と似たようなことを産経が言うとは珍しいこともあるもんです。
 なお、小生は「岡村勲一味のような自称・被害者支援者(ただの死刑愛好家)」には憤りと反感しかないですが、こうした件では社会が大いに被害者を支援すべきだと思います。まずは上級審で有罪判決が下ってほしい。

【参考】

性犯罪・性暴力被害者を守る仕組みを 辰巳孝太郎議員の国会質問 - 日本共産党 個人の尊厳とジェンダー平等のための JCP With You
 日本共産党の辰巳孝太郎議員は3月26日の参院予算委員会で、性暴力被害の問題を質問しました。辰巳氏は、(ボーガス注:最近の名古屋地裁岡崎支部判決など)日本の裁判所で性犯罪について理不尽な判決が相次ぐのは、強制性交等罪の構成要件に「暴行・脅迫」があるからではないかと問い、要件撤廃を求めました。「衝撃的な質問」「国会で取り上げてくれてありがとう」「俄然たつみコータローさんを応援する気になった」など、SNSでも大きな反響がありました。

強制性交罪要件ただす/辰巳議員 「暴行脅迫」撤廃を/参院予算委
日本共産党の辰巳孝太郎議員は26日の参院予算委員会で、強制性交等罪の成立要件の「暴行脅迫要件」を撤廃し、世界潮流となっている、性的行為への同意の有無を要件とすべきだと主張しました。
・辰巳氏は「激しく抵抗できなければ暴行脅迫要件が適用されず、途切れ途切れに抵抗すると心神喪失も抗拒不能(抵抗が著しく困難な状態)も認められない。相手との同意がないのにレイプとされない」と批判しました。
 国連の「女性に対する暴力に関する立法ハンドブック」(2009年)は「明確な自発的な合意」がない場合は、性犯罪が成立するとしており、「暴行脅迫要件は撤廃すべきだ」と主張。山下貴司法相は「性犯罪被害の実情の把握等を着実にすすめたい」と述べるにとどめました。
 辰巳氏は「同意していない性交は性的自己決定権への侵害なのだから、同意そのものが問われるべきだ」と強調しました。

実娘への準強制性交無罪判決に控訴 名古屋地検岡崎支部:社会:中日新聞(CHUNICHI Web)
 2017年に愛知県内で当時10代の実娘と性交したとして、準強制性交罪に問われた男性被告を無罪とした名古屋地裁岡崎支部判決に対し、名古屋地検岡崎支部は8日、名古屋高裁に控訴した。
 判決は「性交は実娘の意に反するものであったと認められる一方、特段の抵抗をした様子は見受けられない」と指摘。同罪の成立要件とする「抗拒不能(抵抗が著しく困難)の状態」だったと断定するには合理的な疑いが残るとした。
 公判で検察側は「中学2年のころから性的虐待行為や暴力を受け、進学に際して金銭的負担をさせたことに負い目を感じ抵抗が著しく困難な状態だった」と主張。弁護側は「抗拒不能の状態になく、性交に同意していた」などと反論していた。

娘と性交した父親に無罪判決 「同意ないだけでは罪にならない」法の問題点も | ハフポスト
 今回、無罪判決を下した日本の刑法について、寺町東子弁護士は次のように説明する。
 「日本の刑法では、不同意のセックスが処罰対象ではなく、暴行脅迫を用いてあるいは抵抗不能の状態に乗じて性交等を行った場合に罪になる。被害者が同意していなかったということだけでは罪にならない。家庭内の虐待だと、それまでの積み重ねの中で『抵抗しても無駄』と刷り込まれてしまっていたり、抵抗することで暴力を振るわれた経験があったり、もっと強く抵抗した場合に何をされるかわからないという恐怖があったり、支配と従属関係というのができていることが多く、さらに抵抗がしにくい状況がある」
 2017年の刑法改正では、親から子どもなどへの性的虐待を処罰する「監護者性交等罪」も導入されたが、寺町弁護士によると娘である被害者が当時19歳だったということがひとつのポイントだという。
「18歳未満の者に対し、監護者の影響力に乗じて性交等を行った場合、暴行脅迫がなくても罪になる。(今回の被害者は)18歳未満ではないので該当しない」
 一方で、20歳未満は“未成年”として扱われ、親権者の同意がなければ法律行為はできない。家の契約も携帯電話の契約も、親の同意が必要だ。寺町弁護士は「18歳、19歳のお子さんが被害にあっていて『逃げたい』と思っても、家でお父さんからの被害を我慢するのと家出して路上でもっと危険な目にあうのとを突きつけられて、(暴行被害を)我慢してしまうと『受け入れていた』と認定されてしまう。18歳、19歳の子どもたちにとっては過酷な法的状況だと思う」と警鐘を鳴らした。

実の娘への準強制性交を訴えられた父親に無罪判決で非難轟々 「絶望した」の声も|ニフティニュース
 父親からの性暴力を訴えた女性に、あまりにも無慈悲な判決が下された。
 実の娘への準強制性交罪に問われていた父親に無罪判決が言い渡されたことが報道され、非難轟々の状態となっている。
 裁判長は、性的虐待があったとした上で「性交は意に反するものだった」ことなどを認定。
 その後、娘が置かれていた状況、2人の関係性などから、娘が本当に抵抗不能な状況であったかどうかが検討されることに。
 その結果、「被害者が抵抗不能な状態だったと認定することはできない」として、先月26日の公判で父親に無罪判決が言い渡されたという。
■「絶望しかない」「狂ってる…」
 父親からの性的虐待を認めた上でのあまりにも無慈悲な判決に、インターネット上では激しい怒りの声や、司法に対する失望を訴えるツイートが相次いでいる。
「父親から娘へ長年に渡る性虐待を認めた上で『抵抗できたはず』と父親が無罪。到底納得出来ない。この娘さんは父親と司法に二度魂を殺された」

*1:しかし全く相手にされず、結局、その後の遣隋使、遣唐使は「中国に日本が朝貢すること」で実施されました。

*2:しかしずっと唐と敵対したわけではなく後に遣唐使を送るわけです。