「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年4/14分:黒坂真の巻)

黒坂真
‏ 林潤議員。金丸*1訪朝の後、日本共産党では立木洋*2が談話を発表しています。(ボーガス注:植民地支配について)北朝鮮への謝罪と償いが必要だ、というような中身で、日本人拉致問題については言及していません。

 「アホか?」ですね。金丸訪朝の目的の一つが「北朝鮮に身柄拘束された第18富士山丸船長解放」であること、そのことを考えれば「拉致問題など持ち出す現実性に乏しいこと*3(当時はおそらく持ち出せるだけの証拠もなかったでしょうが)」を考慮し「拉致問題云々と言っても金丸氏への言いがかりにしかならない」と思って触れなかっただけでしょうよ。一方で「北朝鮮への謝罪と償い」についてはいわゆる金丸訪朝三党*4合意で触れられてるわけです。

黒坂真
 林潤議員。日本共産党北朝鮮に拉致された日本人を救出するために何か政策を考えていますか。不破氏*5はかつて、緒方靖夫氏*6との対談で拉致は疑惑の段階にすぎないと断言し、日本政府が朝鮮労働党に、拉致した日本人を返せと要求することに反対しました。

 完全なデマですね。不破氏は「疑惑の段階」では「これこれこういう疑惑があると思うが、何か反論があるか(まともな反論があれば納得するがなければ納得できない)」などの形でしか提起できない、疑惑の段階で「絶対に拉致被害者がいるはずだから返せ」と決めつけるのは「拉致でないことが明らかになる場合がありうる」のでリスキーすぎるといったに過ぎません。
 つまりは「堀江ガセネタメール」のようなことになるとまずいから「慎重に物事は進めるべきだ」つう話です。
 つうか、日本共産党にくだらない因縁つける前にたとえば「竹下*7内閣国家公安委員長自治相」として橋本敦・共産党参院議員の質問に「北朝鮮の拉致の疑い」を答弁した梶山静六氏がその後拉致問題でどう動いたかでも黒坂は考えたらどうなんですかね?
 梶山氏はその後も「宇野*8内閣通産相」「海部*9内閣法相」「自民党国対委員長、幹事長(宮沢*10総裁時代)」「橋本*11内閣官房長官」と政府・党の要職を歴任します。
 最大野党でもない共産党より「政府・与党最高幹部である梶山氏」や「彼を党・政府の要職に就けた自民党」の方が責任が重いことは言うまでもないでしょう。まあ俺個人もいくら「アンチ自民の共産支持者」とはいえ、梶山氏(既に故人で息子が地盤を引き継いでる)や自民党をこの件で必要以上に悪口雑言し、つるし上げる気もないですが。ただし「責任の重さ」から言えば、共産のような野党ではなく、彼ら(梶山氏ら自民党幹部)が一番重いことは確かです。


【参考:拉致問題と梶山氏】
■竹下内閣国家公安委員長自治相時代

1988年3月26日/参議院予算委員会での橋本敦議員の質問(抜粋)
◆橋本敦君 
 捜査を預かっていらっしゃる国家公安委員長として、こういう家族の今の苦しみや思いをお聞きになりながらどんなふうにお考えでしょうか。
国務大臣梶山静六君) 
 昭和五十三年以来の一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます。解明が大変困難ではございますけれども、事態の重大性にかんがみ、今後とも真相究明のために全力を尽くしていかなければならないと考えておりますし、本人はもちろんでございますが、御家族の皆さん方に深い御同情を申し上げる次第であります。

■橋本内閣官房長官時代

1997年6月5日/参議院法務委員会での橋本敦議員の質問(抜粋)
◆橋本敦君
 いわゆる日本人拉致事件の問題でありますが、私はもう十年も前にこの問題について予算委員会で質問をさせていただきました。当時の国家公安委員長、今の梶山官房長官は、昭和五十三年以来一連のアベック行方不明事件、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます、解明が大変困難ではあっても、事態の重大性にかんがみて、今後とも真相究明に全力を尽くしますとおっしゃっていただきました。

*1:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*2:参院議員。元日本共産党副委員長

*3:もちろん下手にそんなもん持ち出せば船長解放が困難になります。

*4:自民党日本社会党朝鮮労働党のこと

*5:日本共産党書記局長、委員長、議長を歴任。元衆院議員。

*6:参院議員。現在、日本共産党副委員長(国際局長兼務)

*7:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*8:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*9:福田、中曽根内閣文相などを経て首相

*10:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*11:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相