今日の中国ニュース(2019年4月15日分)

台湾・与党、予備選混迷 蔡氏VS頼氏 深まる対立(1/2ページ) - 産経ニュース

・台湾の与党、民主進歩党で、2020年1月の総統選の候補者を選ぶ党内予備選が混迷を深めている。再選を目指す蔡英文*1総統(62)と頼清徳*2(らい・せいとく)前行政院長(首相に相当)=(59)=の対立が深まり、党の分裂を避けたい党執行部は予備選を今月下旬から5月22日以降に先送りした。話し合いによる候補者の一本化を目指すが、頼氏は反発しており先行きは見通せない。
・蔡氏は翌9日に総統府で臨時の記者会見を開き、「大切なのは誰が予備選に勝つかではなく、どうやって本選に勝つかだ」と主張。08年と12年の総統選は予備選の“後遺症”で敗れたとして、予備選実施に否定的な見方を示した。
 予備選は世論調査だけで行うため、現状で突入すれば蔡氏が敗れる可能性が高い。
・12日には延期に反発した蔡明憲(さい・めいけん)元国防部長(国防相)が離党を表明。

 蔡英文も随分と不人気になったもんです。


【第588回・特別版】「一帯一路」の地政学的リスク « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所

・米国のシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)は国務省の委託を受け、世界各地に広がる一帯一路の関連プロジェクト10件について国家主権侵害の有無など7項目の問題点を検証
・アルゼンチンの宇宙探査センターは、中国が総工費5000万ドルをかけて建設したもので、2018年3月に運用が始まった。中国人民解放軍の1部門によって運営されており、アルゼンチンを米中両国の宇宙軍事利用競争に巻き込む、と報告書は結論付けた。

 「ホンマかいな」ですね。アルゼンチンが中国による宇宙センターの軍事利用を認め、かつその軍事利用が「米国をターゲットにする」場合でない限り、そんなことはありえません。しかし、そんなことをすることにアルゼンチンに何の利益があるのか。どう見ても与太としか思えません。

 ジンバブエ政府は2018年3月、中国の人工知能企業と契約を結び、全土に監視カメラを設置して国民の顔情報を収集することにした。

 ジンバブエ政府のやってることが「日本や欧米などにある一般的な監視カメラとは言えず」人権侵害に該当し、かつ中国はそれを不当にもアシストしている、と仮定したところで
1)一番悪いのはジンバブエ政府
2)中国が監視カメラを売らなくても、ジンバブエは他の国から購入したろう
という意味では反中国ウヨが騒ぐほど中国の責任は重くはないでしょう。「主犯ジンバブエ、従犯中国」のわけですから。

 イスラエル政府は2015年、中国企業との間で、ハイファ港の新ターミナル建設と、完成から25年間、その運営を任せる契約を結んだ。ハイファ港は米第6艦隊の定期的な寄港先で、港の運営を中国に委ねることへの懸念を米政府が伝え、イスラエルは合意を見直し中という。

 イスラエルにとって最も重要な同盟国「アメリカ」が「ぐだぐだうるさい」から見直さざるを得なかっただけでしょう。良かれ悪しかれ、「アラブ諸国と軍事的に対立する」イスラエルは軍事的な問題には敏感でしょう。「中国がイスラエルの安全保障を脅かすかもしれない」なんて契約を結ぶほどイスラエルが鈍感とは思えない。

 南太平洋の島国バヌアツのルーガンビル港で中国が改修した埠頭は規模が大きく、中国空母の停泊も可能と米当局は見ている。中国の軍事利用が始まれば、バヌアツは中国と米豪両国が軍事的に張り合う舞台となる。

 いやだから普通に考えて「中国と米豪両国が軍事的に張り合う舞台」なんて厄介な事態をバヌアツは望んでないでしょう。反中国ウヨが言うような軍事利用がされるかどうかは非常に疑問符がつくでしょうね。


河野外務大臣臨時会見記録 | 外務省

■冒頭発言
【河野外務大臣
李克強*3国務院総理への表敬は非常になごやかな雰囲気で行われました。
・先方からは正常な軌道に戻った日中関係をさらに発展させるために具体的な実務協力を進めていくことが大事だということ,それから世界の主要経済体である日中両国の協力は世界経済の安定のためにも大事だということ,また両国の関係の持続的な発展のためには青少年の交流が不可欠であるということ,そんな話がありました。
・日中青少年交流推進年を通じて,若い世代の交流を後押ししていこうということで一致をすると同時に,その一環として修学旅行を通じた交流を今後強力に推進していこうということになりました。
■質疑応答
【記者】
 習近平国家主席の来日についてですが,「予定される」という表現を使われましたけれども,今日のところは中国側からG20に合わせて訪日するということが確定的に言われなかったのかという確認が一点と,その際のやりとりで,例えば日本側から訪日を求めて,中国側がこう答えてというやりとりは,どういうやりとりがあったのでしょうか。
【河野外務大臣
 G20習近平主席が参加されると我々は思っておりますし,歓迎するということは申し上げて参りました。先方のご発言をここで引用するのは差し控えたいと思いますが,我々の理解としては,習近平主席の出席が予定されていると申し上げたいと思います。

 ということで疑いの余地なく「ウヨ連中の反中国路線」など採用しない安倍政権です。どうみても「李克強首相(ナンバーツー)の訪日どまりで、習近平国家主席が来ないというのはいい加減勘弁してください」という泣きが入ってるようにしか見えません。


牛肉輸出再開へ前進 日中ハイレベル経済対話 (写真=共同) :日本経済新聞
日本産牛肉の輸出解禁へ一歩 日中が検疫協定で合意 - 産経ニュース
河野外務大臣臨時会見記録 | 外務省

牛肉輸出再開へ前進 日中ハイレベル経済対話 (写真=共同) :日本経済新聞
 日本政府が求めていた国産牛肉の輸出解禁*4について、動物衛生や検疫面に関する協定案がまとまった。日本側の議長を務めた河野太郎外相は14日、北京市内で記者団に「輸出解禁に向けた重要なステップだ」と話した。
 今後は協定の締結時期や輸出解禁に向けた実地調査の段取りなどを詰める。2001年に牛海綿状脳症BSE)の発生を受けて中国への牛肉輸出は止まっている。
 日本側は国産の農林水産物や食品の輸入規制を緩和するようにも求めた。原発事故の被害を受けた東北地方などの農産物について中国は輸入を規制している。結論は出ずに協議を続けることになった。

日本産牛肉の輸出解禁へ一歩 日中が検疫協定で合意 - 産経ニュース
 日中両政府は14日、閣僚級による「日中ハイレベル経済対話」を北京で開いた。日本産牛肉の中国への輸出解禁に向けた一条件となる「動物衛生検疫協定」について実質合意した。輸出が解禁されるまでには今後他の手続きが必要になるが、河野太郎外相は会議終了後、記者団に「解禁に向けた重要なステップだ」と語った。
 近年、日本を訪れる中国人旅行客の間で日本産牛肉への人気は高く、解禁されれば日本の畜産農家にとっては販路拡大の好機となりそうだ。

河野外務大臣臨時会見記録 | 外務省
【記者】
 牛肉の輸入規制について伺います。輸出の解禁に向けた協定の大筋合意ということですけれども,締結の時期ですとか,具体的に解禁される時期について目処は立ちましたでしょうか。
【河野外務大臣
 この動物衛生・検疫の協定がそのまま解禁に繋がるわけではありませんけども,解禁に向けた重要なステップであるということは間違いありません。実質合意いたしましたので,しっかりとここから先,畜産物の輸出解禁に向けてですね,繋げていきたいというふうに思っています。
【記者】
 締結は年内に。
【河野外務大臣
 なるべく早期に,というふうに考えております。
(中略)
【記者】
 先ほど輸入規制の話もありましたが,輸入規制については日本側から撤廃を求めたということですけれども,中国側からは求めたのに対して何か反応はありましたでしょうか。
【河野外務大臣
 今度の動物に関する検疫,あるいは動物衛生・検疫に関する協定について,大筋合意をしておりますので,なるべく速やかに発効できるよう連携していきたいということをこちらから申し上げ,また農作物について早期の撤廃,輸入規制の撤廃ということを申し上げました。これは引き続き政府間でしっかりフォローアップしていきたいと思います。
【記者】
 中国側としては,撤廃はまだかかりそうだ,という形でしょうか。
【河野外務大臣
 これからいろいろ,様々,詰めていきたいと思います。
(中略)
【記者】
 全体的な雰囲気になりますけれども,ハイレベル対話等,昨日からいろいろ参加されていますが,大臣来られて,中国のこの今の雰囲気というのは,関係改善というか,さらに進んでいくような雰囲気はありますでしょうか。
【河野外務大臣
 もう日中関係は正常化したと言ってよろしいというふうに思っています。

 ウヨ連中は認めたくないでしょうがこのように中国ビジネスが日本企業にとって重要なわけです。ちなみに「どうでもいいこと」ですが他の役所のホームページの文章だと読点は横書きでも「、」なんですが外務省の文章は横書きだとカンマ(,)なんですよね。日本語で横書きのカンマ文章はあまり見ませんが、たまに理数系の文章でそういう物を見る気がします。うろ覚えですが、本多勝一氏などは「横書きでもカンマにする必要はない」だったかと思います。

 習近平*5(シー・ジンピン)国家主席は6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて初めて来日し、安倍晋三首相と会談する見通し。

 一方で、G20での日韓首脳会談、見送り検討 安倍首相 - 産経ニュースという「G20で訪日する文在寅*6大統領とは会わない」というとんでもない報道が出ています。「文氏に首脳会談を申し入れたが断られた*7」のでない限り、「G20で訪日した習近平氏とは会っても文在寅氏とは会わない」なんてことを本気でやる気なら正気ではありません。
 それにしても「プーチン*8とは会う」んですかね。当初は「6月のG20で訪日するプーチンと首脳会談し、日露平和条約につなげる」なんて放言していた安倍政権ですが。

*1:陳水扁政権副首相などを経て総統

*2:台南市長、首相を歴任

*3:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*4:前後の文脈から「中国産牛肉を日本に輸出して下さい」ではないこと(ここでの国産は中国産ではないこと)はわかりますが「日本産牛肉の中国への輸出解禁、と書けばいいのに(そうすれば誤解の余地がないから)」とは思います。

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*7:おそらく断らないでしょうが。

*8:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領