今日の産経ニュースほか(2019年4月18日分)

「北の国から'92巣立ち」 - 日々雑感っ(気概だけ…)

「あんたはとにかくすっ飛んできた。それもあんたの誠意なんだろう。想像してくれ。その蛍さんがどっかの不良にひっかけられて孕まされた。あんたそん時どう思うね。本気になって想像してみてくれ、タマコの父親は鹿児島にいる。警察官だが、底抜けの善人だ。俺は兄貴がこのことを聞いた時、どんなふうに思うか何日も想像した。だからあんたも想像してくれ。あんたのその、蛍さんか、蛍さんが誰にも相談できずに恥を忍んで産婦人科を調べてひとりで診察台に乗る。その時のことを本気で想像しろ」
文太さんの名セリフ
「あんたはさっきから誠意と言っている。あんたにとってこうやっていることが精一杯の誠意かもしれんが、こっちの側からは誠意にとれん。誠意って何かね?」
 要は、相手が求めていることをちゃんと理解してるかどうかが大切だってことです。

 慰安婦問題や沖縄問題などで「心にもない誠意を口にし、かえって相手を憤激させる不誠実な男・安倍」とそんな安倍をトップに据える自民党、および自民党支持者に是非贈りたい言葉ですね。まあ連中にまともな常識があるとはとても思えませんが。


「 福澤諭吉論に見る、皇室と国民の関係 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 明治15(1882)年5月に、福澤諭吉が上梓した『帝室論』が多くを教えてくれる。冒頭で福澤は「帝室は政治社外のものなり」と説いている。
 政治と皇室を結びつけてはならないということだが、これは現代の日本人にとっては当然の心得だ。

 無知なので福沢の皇室認識については「原則として」コメントしません。以下は主として、よしこへの突っ込みです。
 「はあ?。よしこもよくもまあ心にもないことを良く言うぜ。恥知らずにもほどがあるな(呆)」ですね。米長の例の発言が一番わかりやすいですが、さんざん皇室を政治利用しようとしてきた「ウヨの一員」の分際で良くもこんなことが言えたもんです。
 あるいは「天皇陛下靖国参拝してほしい」というよしこらの主張は「政治と皇室を結びつけていること」ではないのか。
 全くどこまで恥知らずなのか。

 皇室は政治の外にあったからこそ、「我が日本国においては、古来今に至るまで真実の乱臣賊子なし」だったのである。
 福澤は、少なくとも鎌倉時代以降、日本人は「北条や足利のような反乱分子と見られるもの」でさえ、皇室に敵対しなかった、彼らは皇室に奉ずる方法について争ったにすぎないという。

 「反乱分子」とは、北条氏については承久の乱を鎮圧して乱を起こした後鳥羽上皇流罪にしたこと、倒幕を画策した後醍醐天皇流罪にしたこと、足利氏はもちろん南朝後醍醐天皇ら)に対抗して北朝を立てたことですね。
 しかし、北条氏はともかく「足利氏は皇室に敵対しなかった。北朝には忠義を尽くしたのだから」つうのは相当無理のある認識でしょう。
 よしこの福沢紹介が正しいという前提ですが、「日本国民は昔から皇室に忠義を誓った」「皇室は昔から政治の枠外の存在だった」という主張を正当化するための福沢の詭弁でしかない。

 政治も宗教も社会問題の解決や摩擦解消の力にはなり得ない。それは皇室にしか果たせない役割だと結論づけるが、そんなオールマイティーな力は、皇室のどこから生まれてくるのか。皇室の「統べる力」の源泉は何か。
 福澤は「一国の帝王は一家の父母の如し」と説く。良家の父母は子供に「このようにしなさい」と諭すが、「このようにしなければ鞭で打つぞ」とは言わない。言わないだけでなく実際に手に鞭を持つことはしない。よき両親は慎むのである。
 日本の皇室と国民の関係も同じである。

 よしこの福沢紹介が正しいという前提ですがこれは「福沢にとってのあるべき天皇制」にすぎません。はっきりいって事実ではない。
 皇室が「鞭で打つこと」はもちろんありました。たとえば天皇制廃止を唱える日本共産党を「そんなことはやめなさい」と諭すなんてことはしないわけです。容赦なく治安維持法という鞭で打つ(自分で書いてて馬鹿馬鹿しくなってきましたが)。
 いずれにせよ福沢の生きた明治時代ならまだしも、今の日本において「天皇制」は「政治も宗教も社会問題の解決や摩擦解消の力にはなり得ない。それは皇室にしか果たせない役割」「そんなオールマイティーな力は皇室にしかない」なんて時代ではもはやありません(そんな時代錯誤な時代であっては困りますが)。共産党のような天皇制廃止の立場はもちろん、天皇制支持者ですらそんな人間はよしこのような極右くらいでしょう。
 それはともかく「社会問題の解決や摩擦解消の力=天皇制」ならそれは「政治社外」ではありえません。「政治社内」を「政治社外」と強弁してるだけです。よしこの紹介する福沢の発言は徹頭徹尾詭弁ですね。
 雁屋哲*1や安川寿之輔氏*2の福沢批判も一理あると言うことでしょうか?


公園の孔子廟「土地無償提供は違憲」福岡高裁那覇支部 - 産経ニュース
 「津地鎮祭訴訟」「首相靖国参拝訴訟(中曽根*3、小泉*4、安倍*5)」「自衛官護国神社合祀訴訟」「愛媛玉串料訴訟」「大嘗祭違憲訴訟」など神道がネタになることが多い政教分離訴訟としては「孔子廟儒教?)」とは珍しい事件ですね。中曽根、小泉、安倍の靖国参拝などと違い少なくとも翁長氏*6の主観的には「特定の宗教」を支援する気はなく、ただの観光政策に過ぎないでしょうしね。


【産経抄】4月18日 - 産経ニュース

 名探偵ホームズの生みの親、コナン・ドイルは、実は歴史小説家として世に出たかった。それほど思い入れがなかった証拠に、作品のなかで一度ホームズを殺している。
「この先何百年も、わたしがホームズを創り出した男としてのみ人に知られるようなら、わたしの人生は失敗だったといっていい」。
 ドイルはこんな言葉も残している(『世界でいちばん面白い英米文学講義』)。
 ただ今も世界中で衰えないホームズ人気を知れば、考えも変わるかもしれない。昨日訃報が届いたパンチさんは、ルパン三世の生みの親として歴史に名を残すことに、十分満足しているはずだ。

 ウィキペディアコナン・ドイル」の記述を紹介しておきます。

コナン・ドイル(1859~1930年:ウィキペディア参照)
・1891年から『ストランド・マガジン』で読み切りのホームズ短編小説の連載を始め、爆発的な人気を獲得した。しかし彼は歴史小説を自分の本分と考えていたのでホームズシリーズが著名になり過ぎると、ホームズを嫌うようになり、1893年発表の『最後の事件』においてホームズをライヘンバッハの滝に落として死亡させた。ホームズを死なせたドイルは、1894年からナポレオン戦争時代を描いた『ジェラール准将』シリーズの執筆を開始した。最初の8編は1896年に『ジェラール准将の功績』として単行本化され、続く8編は1903年に『ジェラールの冒険』として単行本化されている。ジェラール准将シリーズ*7もかなりの人気作品になったが、世間では依然ホームズシリーズの再開を求める声が強かった。
・1901年には久々のホームズ作品である長編小説『バスカヴィル家の犬』を発表した。この作品の事件の発生年は『最後の事件』より以前に設定され、死亡したと設定されたホームズの復活ではなかった。しかし、ホームズ復活への熱望がますます高まる中、とうとうドイルもホームズを復活させる決意を固め、『ストランド・マガジン1903年10月号から新連載された読み切りホームズ短編シリーズの第一作『空家の冒険』の中で、ホームズは「バリツ(柔術の一種?)」なる日本武術を使ってモリアーティ教授と戦い死なずに済んだ(滝に転落したのはモリアーティ)と設定した。この新連載13編は1905年に『シャーロック・ホームズの生還』として単行本化されている。
・1912年にはチャレンジャー教授シリーズの第1作である『失われた世界』(邦訳は光文社古典新訳文庫、創元SF文庫、ハヤカワSF文庫)、その翌年には第2作『毒ガス帯』(邦訳は創元SF文庫)を発表し、SF小説にも進出した。
・ドイル当人にとっては「どちらかといえば程度の低い作品」であったシャーロック・ホームズシリーズ(邦訳は河出文庫、角川文庫、光文社文庫新潮文庫創元推理文庫)の知名度がドイル作品の中では群を抜いている。『ストランド・マガジン』のホームズ担当編集員だったグリーンハウ・スミスは「シャーロック・ホームズとワトスン博士の名前はみんなにおなじみの名前であり、この二人の名は今や普通名詞化しています」「これはどんな作者でも誇りに思うような偉業です。シャーロック・ホームズは間違いなく、英語で書かれた小説の中で最もなじみのある、最も広く知られた登場人物なのです」と語っている。一方ホームズ以外の作品の知名度は低いと言わざるを得ない。

*1:著書 『さようなら! 福沢諭吉:日本の「近代」と「戦後民主主義」の問い直し』(安川氏らとの共著、2016年、花伝社)、『さようなら! 福沢諭吉 Part 2:なぜ、いま福沢が問題なのか? 』(安川氏らとの共著、2017年、花伝社)など

*2:著書『福沢諭吉のアジア認識』(2000年、高文研)、『福沢諭吉戦争論天皇制論』(2006年、高文研)、『福沢諭吉の教育論と女性論』(2013年、高文研)、『福沢諭吉丸山眞男(増補改訂版)』(2016年、高文研)など

*3:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*4:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*5:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*7:邦訳は『勇将ジェラールの回想』、『勇将ジェラールの冒険』(創元推理文庫