「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年5/1分:黒坂真の巻)

http://blueribbonasiya.blogspot.com/2019/05/blog-post.html

「既に朝鮮民主主義人民共和国が報告書を提示しました。そこに拉致被害者のうち、生存者は見つからなかったとあります。
 それがいやならご自分で生存者がいることを証明してください。
 我々は答えを出しております。いくらわめいても無駄なのです。あなたはここで意地をはることしかできないのですか。」
 これは、東京朝鮮中高級学校美術部の皆さんが、twitterで少し前に発表した日本人拉致問題についての見解です。
 残念ながら、今は削除されています。

 まあここで黒坂が紹介する「東京朝鮮中高級学校美術部の皆さんのtwitter」とやらはある意味正論です。北朝鮮は「調べたが、生存者はいない」と報告してきた。であるなら「生存者がいると反論できる根拠」が今現在こちらになければ「将来的に生存者がいると反論できる証拠が出たときは反論する」としてもひとまずは受け入れるしかないでしょう。「受け入れない」としても何もどうにもならない。拉致の解決が遅れるだけです。
 黒坂は「拉致被害者家族がかわいそうだ」とお涙ちょうだいを始めますが「繰り返しますが」そんなことを言っても何もどうにもなりません。
 また黒坂は「こんな暴言は許せない→これが朝鮮学校関係者の総意か→無償化除外」なんて無茶苦茶な話を始めますが、仮にこれが暴言だとしても*1、そんなことは何ら無償化除外などという差別行為の正当化理由にはなりません。いやそもそも一個人のツイートに対し、「これが朝鮮学校関係者の総意か」とする黒坂の決めつけ自体何の根拠もないわけですが。
 例えばいかに黒坂が救う会関係者とはいえ、根拠もなしに奴の暴言を「救う会の総意」と見なしたらまずいでしょう。西岡力・会長、島田洋一・副会長などと違い、黒坂は特に役職にも就いてないようですし。

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。最近の日本共産党は、米国の日本に対する戦争犯罪を免罪するのですね。「破滅に突き進んでいった日本」という表現には、東京大空襲や原爆など非戦闘員に対する大量殺戮行為*2を米国が断行したという認識がない*3

 もちろん日本共産党は「昔も今も」米国の東京大空襲や原爆投下について批判的です。
 ここで吉岡氏が言ってるのは
1)開戦当時から国力的に日本が勝てるか疑問な、無謀な戦争を米国相手にやるべきではなかった*4
2)少なくとも東京大空襲(1945年3月)や沖縄戦(1945年4~6月)、原爆投下(1945年8月)の時点では
ミッドウェー海戦(1942年6月)での日本・連合艦隊崩壊*5
スターリングラードの戦い(1943年2月、対ソ連)、ノルマンディー上陸作戦(1944年7月、対米国)でのドイツ敗戦*6
サイパンの戦い(1944年7月)での日本軍玉砕*7」などで日本勝利の可能性は完全になくなっていたのだから早急に降伏すべきだった(しかし日本政府は敗戦を覚悟しながら国体護持が出来るか分からないとして、「中立国*8ソ連を仲介とした和平交渉」に期待をかけ、降伏を遅らせ、東京大空襲(1945年3月)や沖縄戦(1945年4~6月)、原爆投下(1945年8月)の悲劇を招きます)
つう意味であることは明白でしょうに。
 そしてこんなことを言う黒坂は、
1)東京大空襲の実行者であるカーチス・ルメイが「航空自衛隊設立の功労」で佐藤栄作政権から勲章をもらったこと、それについて当時の社会党共産党が抗議したこと
2)第一次安倍内閣の久間防衛相が「原爆投下はしょうがなかった」と発言し、批判をあび、辞任に追い込まれたこと
をどう理解しているのか。佐藤や久間、自民党を批判し、佐藤らを批判した共産党を評価するのか。

参考

カーチス・ルメイウィキペディア参照)
・1964年12月7日、入間基地で、勲一等旭日大綬章航空幕僚長からルメイに授与された。理由は日本の航空自衛隊育成に功績があったためである。推薦は佐藤*9内閣防衛庁長官小泉純也*10外務大臣椎名悦三郎*11の連名で行われた。
 ルメイが東京大空襲や原爆投下を行った部隊の指揮官だったことから授与に対し批判も大きく、日本社会党日本共産党原水爆禁止団体、被爆者などから国民感情として納得できないという声が上がった。国会でも叙勲に対し疑問視する声があった。こうした批判に対し佐藤首相は「今はアメリカと友好関係にあり、功績があるならば過去は過去として功に報いるのが当然」と答え、決定を変える意思はないと表明した。小泉防衛庁長官も「功績と戦時の事情は別個に考えるもの。防衛庁の調査でも当時ルメイは原爆投下の直接部隊の責任者ではなく、原爆投下はトルーマン大統領が直接指揮したものである」と説明している。

原爆投下「しょうがない」/久間防衛相が暴言
 久間章生*12防衛相は三十日、千葉県柏市麗澤大学で講演し、米国の広島、長崎への原子爆弾投下について「しょうがないなと思っている。米国を恨むつもりはない」と述べました。被爆国の現職閣僚が原爆投下を容認したのは、閣僚の資格にもかかわる重大問題であり、被爆者、平和団体などからいっせいに強い抗議の声が上がっています。
 久間氏は被爆地・長崎県出身で衆院長崎2区選出です。講演の中で久間氏は、当時の戦況について「(米国は)日本が負けると分かっているのに、あえて原子爆弾を広島と長崎に落とした。そこまでやったら日本も降参し、ソ連の参戦を止めることができるということだった」と説明。原爆投下が日本の無条件降伏につながり、ソ連の北海道侵略・占領を防いだという認識を示しました。
 その上で「(原爆で)本当に無数の人が悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今しょうがないなと思っている」と述べました。
 講演後、記者団の質問に久間氏は、「『しょうがない』という言葉が、アメリカの原爆を落とすのをしょうがなかったんだと是認したように受け取られた」などと弁解しました。
被爆者ら一斉に抗議
 広島、長崎の被爆者はじめ市民団体は強い抗議の声をあげています。
 日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳事務局長は「広島・長崎の地獄を体験した被爆者として言葉がない。無残にも命を奪われた数十万の死者のことを思うと絶対に許せない。核兵器はどんなことがあっても使用してはならないもの。現役の防衛相が核兵器を容認する発言をしたことはその資格が問われる」と話します。
 広島県原爆被害者団体協議会の金子一士理事長は「日本が憲法を改悪して、アメリカとともにたたかうときに備えて、核兵器使用は『やむを得ない』と知らせようとしているように聞こえる」といいます。
 原水爆禁止日本協議会の高草木博事務局長は「広島・長崎への原爆投下は当時、二十一万の市民の命を奪っただけでなく、いまなお二十六万にのぼる生存被爆者を心身にわたって苦しめつづけている残虐行為です。世界で唯一、惨状を経験した国の閣僚として久間氏の発言はあまりに非常識としか言いようがない」として発言の撤回を求めました。

久間防衛相が辞任/“選挙に配慮” 暴言に反省なし
 広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言し批判を浴びていた久間章生防衛相は三日、「不用意な発言が安倍首相の改革姿勢のマイナスにならないように身を引く」などとして、「選挙への配慮」を理由に辞任する考えを表明しました。同日、首相官邸を訪ね辞意を伝え、安倍晋三*13首相も了承しました。後任は小池百合子*14首相補佐官日本共産党志位和夫委員長は「辞任は当然だが、かばい続けた首相の責任は極めて重い」とのべ、首相の任命責任を指摘しました。

*1:上で書いたように俺は暴言とは思いませんが。

*2:なお「非戦闘員に対する大量殺戮行為」なら日本の方も南京事件731部隊・細菌戦生体実験、沖縄戦での集団自決強制などをやらかしてるのですが、日本の戦争犯罪には無反省なのが黒坂らウヨです。

*3:で、こんなことを言う黒坂が「米軍の戦争犯罪東京大空襲や原爆投下」を常日頃から厳しく批判してるかと言ったらもちろんそんなことはなく単に吉岡氏に因縁つけてるだけだから呆れます。

*4:正直結果的には米国が油断していたが故に、真珠湾攻撃は成功を収めますが、米国がハワイ攻撃を予想して準備万端待ち構えていたら、国力が全然違いますから、開戦時点で日本惨敗、戦争終了でしょう(その後の悲惨な日本の被害を考えると開戦で惨敗の方が良かった気もします)。ぶっちゃけあの攻撃はかなりリスキーだと思います。

*5:太平洋戦争での初めての日本の惨敗。国力が米国に劣る日本はこのダメージを挽回することが出来ず、これ以降、敗戦を重ねていく

*6:これ以降ドイツは敗北の一途をたどります。

*7:サイパンが陥落したことで、サイパンから米軍航空機が頻繁に日本に空襲にやってくるようになります。またサイパン陥落により、戦局の悪化が露呈されたことで東条英機が事実上の首相引責辞任に追い込まれます。

*8:実際にはヤルタ密約で対日参戦を約束していたわけですが

*9:元運輸次官。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*10:池田、佐藤内閣で防衛庁長官

*11:戦前、商工次官。戦後、政界入りし、岸内閣官房長官、池田内閣外相、通産相、佐藤内閣外相、通産相自民党副総裁(田中総裁時代)など歴任

*12:橋本内閣防衛庁長官自民党総務会長(小泉総裁時代)、第一次安倍内閣防衛相など歴任

*13:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*14:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事