「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年5/6分:島田洋一&荒木和博の巻)

島田洋一
 さて日本の反核左翼*1はどう反応するのか。
中国、米ロとの核軍縮「不参加」:時事ドットコム

 いろいろな意味で「島田はアホか」ですね。どう反応するってそりゃ「中国の発言がいかなる形でも核軍縮に参加しないという意味なら批判する」「中国はいかなる核軍縮を考えてるのか表明すべきだ」以外に何があるのか。
 今時「左派は中国批判できない」と本気で思ってるならただのバカです。

島田洋一
 筆者は朝日の記者とのことだが、冷静な記事
生きていた民社党、保守運動をオルグする - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

 現時点では藤生氏は淡々と事実を書いてるだけとは言え、彼のスタンスが旧民社評価の訳もないのですがねえ。「冷静な記事」ねえ(苦笑)。

荒木和博
‏ 筆者の藤生明*2朝日新聞編集委員からは私も取材を受けました。外部の人の目というのも面白いです。
生きていた民社党、保守運動をオルグする - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

生きていた民社党、保守運動をオルグする - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
・田久保氏*3は1956年に時事通信社に入社。ワシントン支局長、外信部長を務め、84年に杏林大学に転じた国際政治学者だ。文化人、労組幹部らが集った「民主社会主義研究会議」(民社研)の中枢で活動し、平成のはじめ、民社党新綱領づくりにも携わった。それからしばらくして、民社研が現在の「政策研究フォーラム」(理事長=谷藤悦史*4早大教授)に改称・組織がえした直後には常務理事に就任。機関誌『改革者』の誌面を刷新、編集・発行人を務めたこともあった。
・社思研*5、民社研、政策研究フォーラムのいずれもで活動した田久保氏は、まごうことなき旧民社系言論人と言える。
・(ボーガス注:戦前は明治節だった「文化の日」を戦前のように「明治の日」にしようと主張する右翼団体)「明治の日推進協議会」。
 会長は塚本三郎・元民社党委員長が務める。協議会を取り仕切る高池勝彦・事務総長は「新しい歴史教科書をつくる会」会長で、旧同盟系の労働弁護士として広く知られている。
 その高池氏もまた、田久保氏と同じく早大法学部時代からの社思研メンバー。研究会には同じ頃、のちに産経新聞社社長に就く住田良能氏、河合栄治郎の評伝*6などがある湯浅博*7・元産経新聞論説委員やロシア政治の木村汎*8・北大名誉教授、民社党中央執行委員になる梅澤昇平*9尚美学園大名誉教授らがいた。補足するなら、この人々にもう一点、ほぼ共通するのが櫻井よしこ理事長の国家基本問題研究所(国基研)との深い関わりだ。国基研は櫻井氏が構想し、田久保・高池両氏が設立時から賛同者集めなどに深く関わった政策集団。現在、両氏は副理事長、梅澤氏は評議員長の任にある。
・今年1月中旬、東京・芝の友愛会館民社党OB会・結党60年を祝う集いがあり、前出の特定失踪者問題調査会代表、荒木和博・拓殖大学教授も姿をみせた。荒木氏は慶大法学部を卒業、民社党職員になった人物。ゼミの指導教授は、民社研の主要メンバー、政治学者の中村菊男氏だった。

 ということで「荒木が元事務局長の救う会」「田久保が会長の日本会議」「田久保が副理事長の国基研」などの形で旧民社党・右翼人脈(荒木や田久保など)が政治的影響力を一定程度保持してるという内容の記事です。
 藤生氏の記事は「今のところ事実を淡々と書いてるだけ」とはいえ、この記事において旧民社は「英国労働党やドイツ社民党のような社民政党」ではなく「右翼運動のワンオブゼム」という扱いしかされていません。
 それでもなんとも思わない、荒木ら旧民社党一派が「ガチの反動極右」であることは今更言うまでもないでしょう。だからこそ政党としては消滅したわけですが。
 「民社党」という「社民政党チックな名称」でありながら「英国労働党やドイツ社民党」とは似ても似つかない「自民党よりも反動極右の政党」なんぞ支持したがる人間もあまりいないでしょう。
 そして皮肉にもこれこそが「日本共産党が日本において一定の政治力を今も保有してる理由の一つ」のわけです。相対的に言えば、「自民党よりも右の」旧民社よりもよほど共産党の方が「英国労働党やドイツ社民党に近い政党だった」わけです。
 そして皮肉にも社会党に「親ソ連社会主義協会」が存在し、長く一定の力を保有し、一方、「プラハの春問題」をきっかけに共産党ソ連批判を強めたため、「共産党でありながら、日本社会党に比べて必ずしも左寄り(?)ではない」という奇妙な立ち位置に日本共産党はありました。相対的に言えば、社会党よりもよほど共産党の方が「英国労働党やドイツ社民党に近い政党だった」わけです。
 日本において「旧民社が英国労働党やドイツ社民党のような政党になり得なかった理由」「社会党よりも共産党の方がより英国労働党やドイツ社民党に近い政党だった理由」は気になるところです。

*1:もちろん日本保守全てが「核廃絶に否定的」という事実はないので「反核左翼」つう表現自体が不適切です。

*2:著書『ドキュメント 日本会議』(2017年、ちくま新書)、『徹底検証 神社本庁』(2018年、ちくま新書

*3:日本会議会長、国家基本問題研究所副理事長という右翼活動家。

*4:著書『赤いバラは散らない:英国労働党の興亡』(2016年、一藝社)

*5:河合栄治郎(1891—1944)の門下生集団「社会思想研究会」の略称

*6:湯浅『全体主義と闘った男 河合栄治郎』(2019年、産経NF文庫)のこと

*7:著書『歴史に消えた参謀 吉田茂の軍事顧問 辰巳栄一』(2013年、文春文庫)、『中国が支配する世界:パクス・シニカへの未来年表』(2018年、飛鳥新社

*8:著書『新版 日露国境交渉史:北方領土返還への道』(2005年、角川選書)、『プーチン〔人間的考察〕』(2015年、藤原書店)、『プーチン〔内政的考察〕』(2016年、藤原書店)、『プーチン〔外交的考察〕』(2018年、藤原書店)、『プーチンとロシア人』(2018年、産経新聞出版)、『対ロ交渉学〔歴史・比較・展望〕』(2019年6月刊行予定、藤原書店)など

*9:著書『皇室を戴く社会主義』(2013年、展転社)、『ドキュメント民社党』(2014年、ココデ出版)、『安部磯雄と西尾末廣』(2016年、桜町選書)、『“革新”と国防:民社党防衛論争史』(2017年、桜町書院)