今日の産経ニュースほか(2019年5月9日分)

北海道以北「領土外」の検定意見取り消し要望 小学教科書で「つくる会」 - 産経ニュース

 つくる会では(1)北海道庁作成のパンフレットによれば、すでに7世紀から日本国家の支配が北海道に及んでいた(2)北方領土を「固有の領土」とする学習指導要領の趣旨にも反する-などと指摘。

 (1)についていえば「七世紀に支配」って。明らかに事実誤認でしょうよ。(2)についていえば、柴山ですら認めるように「現在固有の領土」は「江戸時代初期に固有の領土」を意味しません。


北海道全域を「領土外」とする文科省検定の錯誤 藤岡信勝(新しい歴史教科書をつくる会副会長) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 前も書きましたが、江戸時代初期なら北海道は日本領とはまだ言えないでしょう。検定には何も問題はないと思いますね。

 4月16日、柴山昌彦文科大臣は記者会見でこの検定意見にふれ、「地図は現在の日本の領土を示すものではなく、江戸時代初期の江戸幕府の支配領域をあらわしたもの」であると釈明した。

 責任ある地位につくとあまり暴論もはけないと言うことでしょうか。「教育勅語」柴山*1が「江戸時代なら問題ないと思いますが」「今現在の北海道はもちろん日本領です」と釈明してることが実に興味深い。

【参考】

柴山昌彦文部科学大臣記者会見録(平成31年4月16日):文部科学省
記者)
 小学校の教科教書検定において、江戸時代初期の対外貿易を示す地図の中で、赤色だった日本列島のうち、北海道と北方領土を白くする修正が行われました。これに対してですね、北海道が日本でないかのような誤解を児童に与えかねないとする指摘がありますが、大臣はどのように思われるんでしょうか。
大臣)
 今、指摘をしてくださったとおり、この教科書の記述はですね、現在の日本の北方領土に対する法的な見解とは全く矛盾するものではありません。一部誤解がありますけれども、それはまず強調させていただきたいと思います。先日、公表された小学校用教科書の検定において、申請図書では、江戸時代初期の日本町のあったところを示した地図が掲載され、日本列島全体が塗色されていたところであります。図書の構成上、当該地図は現在の日本の領土を示すものではなく、当該時代、すなわち江戸時代初期の江戸幕府の支配領域を表したものでありまして、江戸時代初期における江戸幕府の支配は、北海道全体には及んでおらず、誤解するおそれがあるということから、教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見を付し修正を求め、北海道南部の一部を塗色するという修正がなされたものと伺っております。
記者)
 今おっしゃった江戸幕府の支配ということなんですけれども、その場合の支配というのは、これは定義は交易権ではなく、コメの徴税権のみをもって支配とするというふうに聞こえるんですけれども、例えば北海道ですと厚岸町などでは、寛永年間、ちょうどその地図の前後ですね、運上屋を松前藩が設けたとか、色んな見方があると思うんですけれども、ちょっとやっぱりその教科書記述のみをもってしては説明不足ではないかなと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
大臣)
 先ほど申し上げたとおりですね、この判断は教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的な審議でございますので、大臣としてその判断に必ずしもコメントするべきではないかと思いますけれども、江戸時代初期においては、松前藩は北海道全体を支配していたということではなく、江戸時代前半を通じて徐々に北海道の統治を確立していったということが、学会での支配的な理解であるというように承知をしております。
 一般的には、松前藩による北海道の支配については、江戸時代前期までは松前周辺の北海道南部を拠点としてアイヌとの独占交易権を有し、交易をおこなっていましたが、その後、徐々に北海道全域への支配を広げていったというように考えられていると伺っております。

 この件では柴山がまともなので「記者(多分産経)」の異常性が際立っていますね。
【参考終わり】

 北海道は日本固有の領土ではなくどこからか(さしずめアイヌから?)奪い取ったものだという歴史解釈になりかねない。

 「アイヌから奪った」で正しいんじゃないですかね。とはいえ「アイヌの権利をいかに重視しようとも」今更「アイヌの皆さんに北海道をお返しします、日本人は本土に帰ります」とはならないわけです。当たり前ですが。「ネイティブアメリカンアメリカ先住民、インディアン)の権利をいかに重視しようとも」米国で「ネイティブアメリカンの皆さんに米国をお返しします、私たち白人や黒人は、ヨーロッパやアフリカに帰ります」とならないのと同じです。既成事実は今更変えられない。
 まあ「完全に話が脱線しますが」仮に北方領土が日本に戻ってきても「今すんでるロシア人」は受け入れざるを得ないでしょうし、仮にチベットが独立しても「漢民族は皆出て行け」とはならないでしょう。既成事実とはそういうもんです。

 これを放置すると、いま北海道の土地を爆買いしつつある中国の領土的野心に口実を与えかねない。

 アホかとしか言い様がないですね。「江戸時代の北海道は日本領ではなくアイヌの支配する土地だった」と「中国ガー」と何の関係があるのか。アイヌ民族が中国人だとでも言うのか。

 国会が学問的根拠もなくアイヌを「先住民族」と規定するアイヌ新法を制定したことも不吉な予感を助長する。

 国連もアイヌ先住民族と評価してるし、「学問的根拠」はあるでしょうよ。つうか「安倍政権が提出した法案で、維新など一部を除きほぼ与野党全会一致で成立した法律」にここまで悪口とは日本ウヨとは全くまともではありません。


「『令和の御代』は憲法になじまない」 共産・志位氏 - 産経ニュース

 志位氏は、賀詞に「令和の御代」という言葉が使われていることについて「『御代』は天皇の治世という意味になり、日本国憲法国民主権の原則になじまない」とも語った。

 そう思うのならば賀詞には賛成すべきではなかったでしょう。小生も一支持者としてこれ以上はあえて何も言いませんが。もちろんこの件では「納得がいかない点」は失礼ながらありますが「地方首長選挙で相乗り常習の立民や国民民主」よりはマシだと思うので共産支持は当面変わりません。


【主張】「徴用工」売却申請 厳しい措置で撤回を迫れ - 産経ニュース
 いつもながらアホの産経です。申請したのは原告なのに「文在寅政権」に撤回を求めてどうするのか。文在寅政権に「原告を弾圧しろ」とでもいうのか。
 そして以前も指摘しましたがこうした産経発言は光華寮訴訟での「裁判判決について政府は何も出来ない」という自民党の主張と明らかに矛盾します。
 産経は光華寮訴訟で政府が公然と政治介入すべきだったとでも言うのか。