「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年5/31分)(追記あり)

【2021年11/2(火)追記】
 新潟で、北朝鮮・拉致問題・北朝鮮への帰国(帰還)問題に関する映画の上映会がある(都合をつけて、行ってみようかと思う) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事を紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
【2019年6/25(火)追記】
 集会報告をしてほしいわけでは全くないのですが、「いつになったら6/22集会の報告するんだろうな」とは思います。
 4月20日開催の北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会「第26回総会」と特別講演会のご案内も2ヶ月経っても何の報告も掲載されないですからね。会の活動が明らかに停滞してるように思います。まあ、俺的には「むしろこんな右翼団体は衰退した方がいい、いっそ解散してほしい」ので一向にかまわないのですが。
【追記終わり】

日本人妻帰国運動の取組と同運動を振り返る映画上映会と特別講演会 2019/06/22(土)

 最早、帰国60年を経て、生存者はわずかとも言われているが、私たち「守る会」と「自由往来実現の会」は、そうした帰国同胞、その子、孫の帰国実現を目指します。

 「はあ?」ですね。「守る会」は「日朝国交正常化」にも「北朝鮮への駐在事務所設置」に反対していたと思うのですがね。
 それでどうやって「日本人妻の自由往来」が可能なのか。よくもまあ心にもないデタラメがほざけるもんです。
 つうか何も自由往来すべきなのは「日本人妻」に限らないんですけどね。ウンギョンさん(横田夫妻の孫)や寺越武志さんなんかもそうです。

◆日本人妻帰国運動を取り上げた『絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』*1の上映会。
監督:井上梅次。製作:池田文子。原作:池田文子。
キャスト:沖田浩之*2坂上味和*3藤巻潤*4萩尾みどりさん。

 井上梅次といえば、俺ちゃん的には『江戸川乱歩の美女シリーズ』の監督ですね。
 ちなみに井上監督は全国の劇場が上映拒否! 自民党議員が「スパイ防止法」のプロパガンダとして製作協力した【封印映画】とは? (2016年11月22日) - エキサイトニュースによれば、統一教会スポンサー映画『絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』(1985年)の他にも『暗号名 黒猫(コードネーム ブラックキャット)を追え!』(1987年)という別の統一教会スポンサー映画をとってるそうです。まあ、政治的にどうこうではなく*5「仕事を選ばない人」なんですかね*6。とはいえ「統一教会がスポンサーの映画なんか2本もとるなよ、しかも両方ともスパイ防止法制定運動盛り上げが目的って(呆&がっかり)」感は否定できません。彼の監督する美女シリーズは俺も好きなんですけどね。
 ただし最近は専門チャンネルファミリー劇場」かDVDボックスでないと美女シリーズを見る機会がなく、俺はDVDボックスもファミリー劇場もないので、最近は美女シリーズを見ていませんが。1990年代にテレ朝の再放送で見ています。2000年代に入るとテレ朝で再放送しないんですよねえ、さすがに。

江戸川乱歩の美女シリーズ(ウィキペディア参照)
・1977年から1994年までテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で放送されたテレビドラマシリーズ(1977~1985年が天知茂*7、1985~1990年が北大路欣也、1992~1994年が西郷輝彦)。
 第1作「氷柱の美女:江戸川乱歩の『吸血鬼』」(1977年)から第19作「湖底の美女:江戸川乱歩の『湖畔亭事件』」(1982年)*8まで井上梅次が監督を務め、井上の代表作となった。
・製作は松竹だが、監督の井上梅次明智役の天知茂が新東宝出身であり、新東宝独自の雰囲気が再現されているといわれる。
■エピソード
明智の変装
・シリーズのお約束である、クライマックスで明智天知茂)が変装を解いて謎ときをするシーンは、第一作『氷柱の美女:江戸川乱歩の『吸血鬼』』の脚本には書かれておらず、井上監督が現場で思いついて採用したアイディアであった。
 『氷柱の美女』の脚本におけるクライマックスでは、明智が簡単に犯人の前に現れて謎ときをするのだが、それでは面白くないと考えた井上監督が効果的な演出を考えた結果、現場で思いついて演出したのが「犯人が鏡に向って仮面をとると、その鏡の中に脱いだはずの吸血鬼の仮面が映る。びっくりして振向くと、もう一人の吸血鬼がゆっくり仮面をとり、明智探偵の顔が現れる」というシーンだった。この趣向は井上監督も大いに自信をもち、以降は明智が変装を解いて謎ときをするシーンがシリーズにおける定番として決まって取り入れられるようになった。
■入浴シーン
 井上監督はシリーズ名物の入浴シーンについて、二時間ドラマにおける時間の変わり目(放送開始1時間後など)で視聴者をつなぎとめる手段として「ヒッチコックの『サイコ』の浴室惨殺シーンからヒントを得て、必ずヌードを出すことにした。」と語っている。
 しかし女優のほとんど全員はヌードを了承することはなく、主演級の女優のヌードの多くは吹き替え*9である。

【参考:井上梅次『暗号名 黒猫(コードネーム ブラックキャット)を追え!』(1987年)&山本薩夫『スパイ』(1965年)について】

暗号名黒猫を追え! | シネマ、ジャズ、時々お仕事
(あらすじ:ネタバレあります)
 城南大ラグビー部OBの野々村(柴俊夫)は警視庁外事課警視で、主にB連邦および北方共和国*10向け防諜活動を担当している。目下のターゲットは「黒猫」というコードネームで暗号電信を送受している大物スパイだ。その頃、野々村(柴)のラグビー部仲間で平和運動家の太田黒(高岡健二)は、同じく部OBでライターの高松(国広富之)の伝手でB連邦から資金提供を受け、平和運動を積極化するが、そこにリンダと名乗る米人美女が接近してくる。野々村(柴)らはカメラ店主・島田(伊吹剛)をスパイとしてマークし、身辺調査を開始。伊吹の妻(音無真喜子*11)は高松(国広)の妹だった。2人の子供を儲けながら、なぜか入籍を渋る島田(伊吹)を高松(国広)は自宅で度々説得。その場に太田黒(高岡)が居合わせたことから、情報が筒抜けとなり、太田黒(高岡)には北方共和国からもスパイのアプローチが伸びた。それを知ったB連邦側の指令で、高松(国広)は太田黒(高岡)の暴露記事を掲載。B連邦スパイだったリンダも太田黒(高岡)の前から姿を消す。柴の父(久保明)が危篤に陥り、今わの際に父(久保)は、B連邦抑留時代の過酷な経験と祖国を裏切ってスパイとなった村井の思い出を語った。村井はその後、スパイ活動が露見して自殺したという。野々村(柴)と婚約者・くみ子(中島ゆたか*12)は父の枕元で愛を誓うが、兄(森次晃嗣)はつっけんどんな態度をとる。妹・京子(田中美佐子)は、兄(森次)もくみ子(中島)に思慕を抱いていたことを野々村(柴)に指摘。一方、京子(田中)と婚約していた野々村(柴)のラグビー仲間で商事会社重役の吉野(榎木孝明*13)は、野々村(柴)に婚約解消を告げる。監視中の島田(伊吹)が国外逃亡を図り、野々村(柴)らは巡視船とヘリで追跡するが、結局、逃げられてしまう。しかし、入手した新たな乱数表から黒猫が依然、国内に潜伏していることがわかる。その頃、B連邦スパイ・コルノフビッチ(ヴァン・ビューレン)が亡命し、同国のスパイ網の全容を自白。リストの付け合わせで村井と名乗る男が北との二重スパイであることがわかる。突き止めたアジトを野々村(柴)が急襲すると、そこには吉野(榎木)がいた。吉野(榎木)は自殺した村井の息子だった。B連邦向け商談に注力するあまり、罠にはまって同国のスパイとなり、次いで彼は金欲しさから北ともスパイ契約を結んでいたのだ。妻の病気で金詰りになった高松(国広)をスパイ活動に導いた経緯や、太田黒(高岡)を使ったスパイ工作の顛末を吉野(榎木)は淡々と野々村(柴)に語り、詳細は自ら警視庁に出頭して自白すると告げる。しかし、警視庁に向かった吉野(榎木)は、正体不明の暴走車にひき殺されてしまう。
(感想)
 題名は「コード・ネーム ブラック・キャットを追え!」と読みます(藁)。
 冒頭から、大映TVシリーズ麻倉未稀さんを彷彿とさせるような、肩に力の入った伊藤愛子の場違いなヴォーカルに驚かされますが、私の記憶が確かなら、この人、旧芸名を伊藤アイコといって60~70年代にかけ、洋楽のカヴァー中心に地味に活動していた人。唯一のヒット曲は「見え過ぎちゃって困るの~」というマスプロ・アンテナのCM曲ですかな。何でまたこんな古い人を引っ張ってきたんでしょうかね。音楽担当の都倉俊一の個人的趣味でしょうか(藁)。
 この映画は、以前ブログに書いた山本薩夫監督の「スパイ」と同様に、明確な政治的意図に基づいたプロパガンダ映画です。
 脚本の河田徹(井上監督の変名だそうですが)、かなり苦労して要求されたプロットを2時間弱の尺の中に詰め込んでいますが、その結果、全ての関係者が柴俊夫の半径10m以内に固まるという不自然な状況になってしまいました(爆)。追い詰められた(ボーガス注:スパイ役の)榎木孝明が最後に「世間は狭いもんだな」と自嘲気味に呟くシーンがありますが、この台詞は井上監督自身の自嘲のようにも聴こえます。まぁ、それでも、娯楽映画の巨匠・井上監督だけあって、外人女性は訳もなくシャワー・シーンで乳首を露出しますし、セットや調度品が見るからに安っぽい中でも、ちゃんと巡視船もどきを使った海上チェイスあり、さらにはヘリまで飛ばす大盤振る舞い! 井上監督は昔、田宮二郎の「黒の切り札」でも、低予算B級映画であるにも拘らず、無理してヘリを飛ばしていましたが、やはり、アクション映画の盛り上げにヘリは不可欠という哲学なのでしょう(藁)。しかし、このヘリ、やっと伊吹剛の乗る不審船に追い付いたと思ったら、「後5分で燃料切れです」って、一体、何の意味があったのでしょうか。まぁ、スパイ防止法制定のための広告宣伝映画ですから、制定前の防諜対策の不備を強調せよという指示があったことはわかりますが、あまりにも警察のお間抜けぶりが目立って、却って逆効果になったのではと心配です。それと、柴俊夫、(ボーガス注:榎木孝明国広富之高岡健二と)友人が全部スパイとは、公安担当者として無防備すぎます!
 というわけで、映画としての出来はイマイチですが、キャスティングの豪華さは目を見張るものがあります。柴俊夫*14シルバー仮面)、森次晃嗣*15ウルトラセブン)、三ツ木清隆光速エスパー)、荒木茂*16仮面ライダー・ストロンガー)、真夏竜*17(当時竜吾、ウルトラマンレオ)と変身ヒーローが勢ぞろい! 。刑事物からは伊吹剛(Gメン'75)に特捜(ボーガス注:最前線*18)の橘警部(本郷功次郎)。
 田中美佐子*19は製作当時20歳代後半だったと思われますが、今と全然、変わりませんねぇ。若い男の生き血をすすっているんでしょうか(藁)。もう一人、全然、変わらないのが冒頭で城南大ラグビー部主将として登場する内藤剛志*20。その点、現在の国広富之*21三ツ木清隆*22の見るも無残な変貌振りは慙愧の念に耐えません。

 たぶん榎木にとってこんな作品に出たことは黒歴史なんでしょうねえ(当時はまだ仕事が選べるような立場じゃないでしょうが)。
 さて上の記事で出てきた井上映画「黒の切り札」、山本映画「スパイ」てのはこんな映画だそうです(ちなみにただの偶然ですがどちらも田宮二郎主演)。

■日本映画の感想文■黒シリーズ 黒の切り札
 根来恭平(田宮二郎)は、やくざの郷田(北城寿太郎)に恨みを持つちんぴらの健(待田京介)、かつて郷田の黒幕である深沢(内田朝雄)に父親の会社を潰された哲也(山下洵一郎)を仲間に、三人で共通の敵である深沢を社会的に抹殺しようとする。身元を隠して郷田に取り入った根来は、大学の法科で同期だった検事の大崎(宇津井健)に、深沢の手下で一連の汚職の鍵を握る宇部(村上不二夫)の事務所から奪った裏帳簿を送ったが、深沢と郷田に裏をかかれて証人となる宇部と公団の課長を暗殺されてしまう。
 最後の対決をすべく深沢の別荘に向かった根来、健、哲也の三人は郷田に先回りされてしまい、ダイナマイトと心中させられそうになる。
 とかなんとか字面だけ追っていくとハラハラドキドキなアクション大活劇のような気がするんだけど、ああ、やっぱ田宮さんが調子こいてる映画ってどうも、その、見てるこっちが赤面するっていうか、クサイっていうか。派手でわかりやすいんだけど演出が過剰っていうか、東洋人がこなすにはあまりにもバタ臭いっていうか、ともかくミスマッチ感覚ありすぎの井上梅次の監督による「黒」シリーズ最終作品*23
 産業スパイや公団汚職っていう社会派のネタは初期の作品から踏襲されてるんだけど、田宮さんが酷い目に遭う「黒の試走車*24」や「黒の超特急*25*26にあった緊張感がなくなって、ただの娯楽活劇になってるもんだから、あとはどういうアイデアで客をびっくりさせるかっていうことでしょ?そんでロープウエイ(劇中ではケーブルカーって言うんだけど、あれ、どう見てもロープウエイなんだけどなあ、、)の大爆発とか、車に火をつけて崖から落とすとかの特撮(ジオラマ)がなかなかよく出来てて大映特撮チームってやるなあ、ってそういうところ見る映画じゃないと思うんだけど、そこしかないんだもん、見どころが。
 あと、田宮さんのインチキくさいサックス演奏?。違うよなあ。
 宇津井健のフィアンセが当時、田宮さんとラブラブだった藤由紀子*27ってのは今から見ると、あ!田宮さん見てるときと宇津井さん見てるときとじゃあ瞳の潤み具合が違うじゃーん?なんて邪道な見方が出来てそれなりに面白いかも。ちなみに愛息の柴田光太郎って目のところがお母さんソックリなのがよくわかる、ファンはよおく見ておくように。
 悪役チームは(中略)北城寿太郎は迫力あるんだけど脇がねえ、内田朝雄の貫禄十分なのはヨシとしても、手下の藤山浩二も今一つ目立たないし、悪役がよっぽど手強くないと二枚目って立たないのよね、キャラクターが。バカみたいじゃん?。弱いものイジメしてるように見えちゃうじゃない?。一歩間違えるとさ。
 根来が深沢を恨む経緯の説明が薄いのが致命傷。それで廃人同様になったお父さんってのにもうちょっと大きい名前の俳優さん使うとかで、ぐっと盛りあがって気の毒の度合いが高ければそれなり、だったんだけどなあ。路線としては(ボーガス注:黒澤明監督、三船敏郎主演の)「悪い奴ほどよく眠る」だけど結果は雲散霧消でちっちゃすぎ、ただヘリコに縄梯子で登るところだけ、皆さんご苦労様って感じで、全然いただけなかったな、この映画。
 のんびりしたロープウエイからダイナマイトの雨ってのはちょっと画面が間抜けで面白かったけど、別に車で行ったほうがピンチになりにくいってことくらい最初からわかって欲しかったなあ、インテリなんだからさあ田宮さんは(宇津井さんと違って、って見た目よあくまでも、ファンの人ゴメン)、と真面目に言ってもしかたないけど、さ。
 郷田の愛人で結局、根来のテクで落ちる美人ホステスに新東宝難民の万里昌代*28、いつ見ても姿勢がいいねえ、さすが柔道家(実家)の娘。

スパイ | シネマ、ジャズ、時々お仕事
(あらすじ:ネタバレ)
 密入国した韓国人学生・李起春(山本學)が長崎大村の出入国管理事務所から失踪した。中央新聞社会部記者・須川田宮二郎)はそのベタ記事に興味を持ち現地へ。李(山本學)が失踪直線に面会した警視庁の鵜崎警部は実在しないことがわかり、須川(田宮)は国際的なスパイ組織の活動を疑う。その頃、李(山本學)はアメリカ2世・ピーター(高橋昌也)の指揮する組織に拉致され、スパイ戦士・井村(中谷一郎*29)の拷問を受けていた。須川(田宮)は偶然、知り合ったホステス・則子(小川真由美*30)と逢瀬を重ねるうち、幼馴染の井村(中谷)と久々の再会をする。則子(小川)は井村(中谷)の子を妊娠していた。井村(中谷)は須川(田宮)に情報取引を持ちかけ、須川(田宮)は不審を抱く。井村(中谷)は李(山本學)の洗脳に成功、北鮮籍の焼肉店主・金(東野英治郎*31)の伝手で北朝鮮工作員として送り込む算段だ。しかし、李(山本學)は金(東野)に事態をカミングアウト。金(東野)の指示で大阪の朝鮮居留民施設に向かう寸前、中谷は李(山本學)を拉致し、替え玉を大阪へ送る。しかしその場を定時制高校生(山本圭)に目撃される。須川(田宮)はカメラマン(福田豊土)の協力で井村(中谷)の写真撮影に成功し、面通しで鵜崎警部が井村(中谷)の変装であったことを知る。その頃、日本海北朝鮮スパイと見られる死体が漂着。顔は整形手術で変えられていたが、指紋照合の結果、李(山本學)であることが判明。事態を察した須川(田宮)は金(東野)と協力して、北朝鮮向け帰還船に乗船寸前の替え玉を抑えるが、その男は護送中に飛び降り自殺する。則子(小川)を使って須川(田宮)をおびき出した井村(中谷)は、須川(田宮)を消そうとするが、誤って則子(小川)を射殺。井村(中谷)も窓から飛び降りる。関係者は全て死亡し、国際スパイ網解明の手がかりは全て失われてしまった。だが、須川(田宮)は今後もスパイ組織の解明をあきらめないと誓う。
(感想)
 (ボーガス注:共産党員の山本薩夫が監督で、米国スパイによる北朝鮮へのスパイ工作を描いた)こうした映画が、親韓派の自民党政治家と近かった(この映画でも岸信介*32を暗揄するような大物政治家として三島雅夫が出てきます)永田雅一オーナーの大映で撮られたことは興味深いですね。

 なお、「永田の大映」では山本薩夫は他にも『忍びの者*33』(1962年)、『続・忍びの者』(1963年)、『氷点』、『白い巨塔』(以上、1966年)、『金環蝕』(1975年)を制作しています(ウィキペディア山本薩夫』参照)。
 しかし「金環食なんか良く映画化できたな」と思いますね。
 ネタは「池田勇人*34が総裁選資金を作るため、鹿島建設九頭竜川ダム工事が落ちるように政治工作した疑惑(その見返りとして鹿島から池田にカネが渡る)」ですからねえ(いわゆる九頭竜川ダム疑惑(1964年))。映画や原作小説(石川達三、1966年*35サンデー毎日に連載)においては「池田勇人(映画では寺田正臣。久米明*36が演じた)」「鹿島建設(映画では竹田建設)」「九頭竜川ダム(映画では福流川ダム)」という実名は使われないとは言え、知ってる人が見れば分かるわけです。今でいえば「森友・加計疑惑の映画化」みたいなもんですから。
 なお、永田が自民党と親しいことについては

永田雅一1906年~1985年:ウィキペディア参照)
 戦後、河野一郎*37岸信介との交流から、一時政界のフィクサーと呼ばれていた時期があった。特に警職法改正や安保改定で政権が揺れていた時に当時の岸首相が大野伴睦*38に対して行ったとする政権禅譲の密約(ただし岸は反故にし、後継首相は池田勇人)を交わした際に萩原吉太郎北海道炭礦汽船(北炭)社長)、右翼・児玉誉士夫とともに立会人になったとされている。

を紹介しておきます。

山本薩夫監督・大映映画「スパイ」を久々に観る | フリーライター Sakamoto Norio ブログ
 1965年公開の大映映画。
 ベトナム戦争の激化、日韓条約問題など緊迫した
 政治状況を背景に韓国のスパイ活動を暴露した珍しい作品。
■あらすじ
 社会部記者の須川田宮二郎*39)は密入国者収容所から脱走した韓国青年・李(山本學*40)の事件を追って長崎県大村市へやってきた。
 すると、脱走当日に謎の警部が訪れていたことを知る。
 警察庁にその名前の人物はいないのだ。
 疑惑を深めた須川は謀略事件ではないかとにらむ。
 その頃、山谷のドヤ街では日韓会談反対のデモに参加すれば日当を払うというビラが。
 さらに京都の朝鮮国籍の青年に韓国から徴兵通知が届く。
 須川はこれらの出来事と李の事件に繋がりがあるとにらむ。
 なじみのバーで須川は友人の井村(中谷一郎)と出会う。
 井村はホステス茂子(小川真由美)と懇ろになっていた。
 そのことを知った須川は、茂子を犠牲にしてまで緊迫した情勢の情報を知ろうとする井村をスパイではないかと疑う。
 李の足取りが一向につかめない中、須川は男が車で拉致されたという情報を掴む。
 顔はよく見えなかったが男は李に間違いない。主犯は井村と疑う須川は、同僚とともに命がけで井村の写真を撮る。
 これがきっかけで拉致事件の時、車に乗っていた男と長崎に現れた謎の偽警部が同一人物であることがわかる。
 数日後、男の漂流死体が新潟であがる。
 指紋を調べた結果、李と判明。
 しかし、李の父の友人・金(東野英治郎)はそれを否定。
 果たして真相はどこにあるのか。
 そして、須川と井村の友情、茂子を含めた人間関係の行方は――。 
■感想
 昔シネ・ヌーヴォで観て以来久々の鑑賞。
 なんだろねえ、それなりに面白いんだけど話が小さいというか狙いがよくわからない感じはせんでもない。
 最後も消化不良といえば消化不良。
 しかしまあ、この手の話はこういう終わり方しかないのかも。そんな超人的な話にもできませんわなあ。
 それにしても日本はスパイ天国と言われとるわけで。その割にはスパイ映画なんてのはあんまりないのよねえ。そんだけ身近な話として取られてないのかもしれんが。

 スパイ天国なんてのはウヨが勝手にいってるだけで事実じゃないでしょうが。
 まああえて言えばスパイ映画としては篠田正浩スパイ・ゾルゲ』(2003年)てのがありますね。一般的なスパイ映画じゃないですけど。日本で一番有名なスパイつうとやはり「ゾルゲと尾崎秀実」になるんですかね。
 まあ彼らの場合「ジャーナリストとして有能だった人物」が情報スパイにスカウトされたつう「特殊ケース」ですが。尾崎なんか非常にわかりやすいですが、彼は別に「スパイが正体を隠して朝日新聞記者(その後、退社しフリーの評論家)になった」わけじゃないわけです。

■日本映画の感想文■暗号名 黒猫を追え!
 (ボーガス注:映画関係者が統一教会の)金に目がくらんだという気がしないでもない。これに味をしめた東映は1994年にまたまた「ノストラダムス戦慄の啓示」なる某宗教団体*41の宣伝映画を製作するのである。

全国の劇場が上映拒否! 自民党議員が「スパイ防止法」のプロパガンダとして製作協力した【封印映画】とは? (2016年11月22日) - エキサイトニュース
 「スパイ防止法」の制定を立案した自民党議員たちの後押しで、1987年に製作されたという『暗号名 黒猫(コードネーム ブラックキャット)を追え!』は、出版・言論・報道の自由を侵害する「スパイ防止法」のプロパガンダ映画であるとして、各地で上映反対運動が起きた。
 さらに製作費の資金源が、法外な値段の壺や印鑑などを売りさばく「霊感商法」で社会問題化していた統一教会世界基督教統一神霊協会)系の反共産主義政治団体国際勝共連合」だったことから、全国の劇場が上映を拒否。作品が商業ベースに乗ることは叶わず、「スパイ防止法」も廃案に終わった。
 だが、キャスティングにはビッグネームがずらりと並び、監督も巨匠だ。お蔵入りを惜しむ多くの映画マニアが反応し、公開に向けて映画関係者が動いた。2008年に東京渋谷のシネマヴェーラが企画した「カルト映画特集」で初公開が実現したのだ。
 監督・脚本は、売り出し中の石原裕次郎が主演の『嵐を呼ぶ男』(57年)、三島由紀夫原作戯曲*42『黒蜥蜴』(62年)から、「必殺シリーズ」「ハングマンシリーズ」といった長寿テレビ番組まで、多作で知られる井上梅次
 また、夫人で宝塚出身の大女優・月丘夢路ジャニー喜多川と親交があったため、近藤真彦主演で『嵐を呼ぶ男』(83年)をリメイクするなど、1980年代のジャニーズアイドルによる主演映画をいくつか演出した。一方、夫人が統一協会系の商品「一和高麗人参茶」のテレビCMに出演していたため、その関係が取り沙汰されたが、月丘本人は「ローマカトリック信者です」と否定している。ちなみに、『暗号名 黒猫を追え!』には月丘夢路実妹・月丘千秋が出演している。
 音楽は、山口百恵ピンク・レディーのほとんどのヒット曲から、アニメソングとしては名曲の誉れ高い『デビルマン』のエンディング「今日もどこかでデビルマン」に至るまで、主に1970年代にヒットを連発した名作曲家・都倉俊一。わかりやすいモチーフのメロディによる劇伴(BGM)が作品を盛り上げた。
 警視庁外事課の野々村警視(柴俊夫)は、ソ連に限りなく似たB連邦と、北朝鮮に限りなく似た北方共和国の防諜活動を任務とし、「黒猫」というコードネームのスパイを追っていた。一方、野々村の大学ラグビー部時代のチームメイト・大田黒(高岡健二)は、同じラグビー部OBのジャーナリスト・高松(国広富之)のコネで、ボランティアで参加している平和運動の資金提供をB連邦から受けていた。ちなみにラグビー部の主将役は内藤剛志
 野々村はカメラ店主・島田(伊吹剛)をマークするが、その妻・みどり(音無真喜子)は高松の妹だった。やがて監視中の島田が国外逃亡を図り、野々村らは巡視船とヘリで追跡するが逃げられてしまう。そこへB連邦スパイ・コルノフビッチが亡命*43し、同国のスパイ機密を暴露する。その情報を元に野々村がアジトに踏み込むと、そこにいたのは……。

 まあその後も、『プライド』(1998年、南京事件否定論東条英機A級戦犯美化、主演・津川雅彦)、『ムルデカ』(2001年、インドネシア独立は日本のおかげだと主張、主演・津川雅彦)、『宣戦布告』(2002年、北朝鮮ネタ)、『俺は君のためにこそ死にに行く』(2007年、神風特攻美化、石原慎太郎監督)とウヨ映画は作られ続け、最新版が『空母いぶき』なんでしょうか。


【参考:「インチョン!」について】
 ちなみに『仁川!』は

■『仁川!』(ウィキペディア参照)
■監督
テレンス・ヤング
 007シリーズ第1作『ドクター・ノオ』(1962年)、第2作『ロシアより愛をこめて』(1963年)、第4作『サンダーボール作戦』(1965年)やオードリー・ヘプバーン*44主演映画『暗くなるまで待って』(1967年)、『華麗なる相続人』(1979年)、アラン・ドロンチャールズ・ブロンソン三船敏郎出演の西部劇『レッドサン』(1971年)などの監督
■音楽
ジェリー・ゴールドスミス 
 生涯において170作品を超える映画を手がけ、アカデミー作曲賞に18回ノミネートされ、うち『オーメン』(1976年公開)で受賞。またエミー賞を5回受賞しているほか、ゴールデングローブ賞英国アカデミー賞にそれぞれ4回ずつノミネートされた。
■キャスト
■ローレンス・オリビエ
 映画『ハムレット』で1948年度のアカデミー主演男優賞を受賞。アカデミー賞には、俳優として10回(主演賞9回、助演賞1回)ノミネートされ、特に主演賞9回ノミネートは、スペンサー・トレイシー*45と並んで歴代1位である。また、1947年と1979年にはアカデミー特別賞を受賞した。
三船敏郎
 1950年(昭和25年)、『羅生門』を主演。この映画でヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞。
 1961年(昭和36年)、『用心棒』を主演。この映画でヴェネチア映画祭主演男優賞を受賞。
 1965年(昭和40年)、『赤ひげ』を主演。この映画で2度目のヴェネチア映画祭主演男優賞受賞。
 晩年は山田洋次監督の『男はつらいよ 知床慕情』(1987年)で頑固者の老獣医師を演じてブルーリボン賞助演男優賞を受賞するなど、渋い演技を見せた。1986年(昭和61年)、紫綬褒章を受章。1995年(平成7年)には京マチ子*46山田五十鈴*47市川右太衛門*48日本アカデミー賞会長特別賞を受賞。
■デビッド・ジャンセン
 テレビシリーズ「逃亡者」(1963~1967年)でリチャード・キンブル医師を演じて一躍有名になった。

などと一見すごそうですが、興行的には惨敗し、『ゴールデンラズベリー賞の最低作品賞と最低監督賞、最低脚本賞、最低主演男優賞(なお、主演男優はダグラス・マッカーサーを演じたローレンス・オリビエ)の4部門を受賞』と駄作扱いされました(ウィキペディア『インチョン!』参照)。まあ、三船らにとっては完全に黒歴史ですね。
 ちなみに

■『仁川!』(ウィキペディア参照)
 この映画には当初アメリカ国防総省が1500人の軍人をエキストラとして出演させるなど協力したが、韓国側のスポンサーに統一教会文鮮明がおり、特別アドバイザー(映画の立案・企画など)として関与していたために、後に映画に対する支持を取り下げた。なお、ビデオ化もDVD化もアメリカでは公式にされておらず、今後もその予定は無いという。現在は統一教会所有のCATVなどで放映されているほか、YouTubeなどの動画投稿サイトでも閲覧可能である。

だそうです。ぶっちゃけ「いやーわしら国防総省は知らなかったんすよ。知ってたら協力なんかせえへんかった」なんてことは絶対にあり得ないでしょう。まあ当時は「ソ連は悪の帝国」発言のレーガンが大統領*49ですからね。

統一教会と「仁川!」 : 井上靜 網誌
 監督は『007』シリーズなどのテレンス゠ヤング、脚本は『グリーンベレー』のロビン゠ムーア、音楽は『パットン大戦車軍団』『トラ!トラ!トラ!』などのジェリー゠ゴールドスミス、出演はマッカーサーシェイクスピア役者の代表格で映画出演も多いローレンス゠オリビエ、他にベン゠ギャザラ、ジャクリーン゠ビセット、デビッド゠ジャンセン、三船敏郎
 この人たちは、途中で統一教会がらみと知って騒ぎだし、ちゃんとギャラがもらえるのかと危惧*50。オリビエは日払いでないと辞めると脅してそのとおりにさせたらしい。日本の撮影所を使おうとしたら、労働組合はもちろん山田洋次監督や黒澤明監督も、そんな映画に手を貸すなと声明した。
 出来た映画は、やはり脚本がジョン゠ウエイン*51の戦意高揚オバカ映画『グリーンベレー』のムーアによるものだからまったく駄目。観た人たちはみな退屈すぎると酷評した。
 また、マッカーサーは何かにつけては「ああ神よ」と手を合わせて祈る。戦いの前には「神よ、どうか北朝鮮に勝てますように」、勝利して凱旋将軍として歓呼に迎えられた後も手を合わせ「神よ、ありがとうございます。おかげで北朝鮮に勝てました*52」で、神とはもちろんキリストの再来とされる文鮮明教祖である。
 まったく戦記をオカルトにしてしまったわけで、これでは、マッカーサーを英雄として描いているけど、もし観たらマッカーサーは絶対に怒ってしまうだろう。

 左派の山田洋次が反対声明に加わるのは予想の範囲内です。多分まだ存命だった山本薩夫今井正(いずれも左派)も声明に参加したでしょうね。
 黒澤明というのが少し意外です。もしかしたら「婉曲な形での三船への苦言」でしょうか。

*1:ウィキペディア絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』に寄れば1985年の映画。「統一教会」がバックにおり「中曽根内閣が当時、制定を目指していたいわゆるスパイ防止法案成立の気運を高める」「そもそも原作者の池田文子自体が統一協会員」という「非常に問題のある代物」だったらしい。そういえば『仁川』(統一教会がバックにいた朝鮮戦争をネタにした反北朝鮮映画)ができたのも1982年でしたね。

*2:1963~1999年。TBS系列のテレビドラマ『3年B組金八先生』第2シリーズ(1980年)の松浦悟役で出演し、人気を博した。1999年3月27日に自宅で首吊り自殺、享年36歳。その理由は不明である(ウィキペディア沖田浩之』参照)。

*3:1977年、テレビドラマ『うさぎ飛ぶ海』で16歳でデビュー。1981年、TBSテレビドラマ『刑事犬カール2』に主演。また、同年、歌手としてシングル「明日に向かって走れ」をリリースする(「刑事犬カール2」の オープニング主題歌)。1986年3月に、1984年のTBSテレビドラマ『花さくらんぼ』で共演した俳優の三ツ木清隆と結婚し、芸能界を引退。1991年5月に離婚(ウィキペディア坂上味和』参照)。

*4:テレビドラマではTBS『ザ・ガードマン』(1965~1971年)などのアクション系作品で活躍。1975年の東映映画『けんか空手 極真無頼拳』では極真カラテを修行した経験を活かし、同じく極真カラテの黒帯である千葉真一が扮する大山倍達と戦う空手家を演じている。アクションができたことから殺陣の代役も多く務めている(ウィキペディア藤巻潤』参照)。

*5:とはいえ、今井正山田洋次山本薩夫などといったメンツ(左派)はこんな映画の監督はしませんが。

*6:追記:コメント欄で「晩年は仕事がなかったから飛びついたのではないか」という指摘を頂きました。

*7:ちなみに、ウィキペディア天知茂」によれば、『1968年(昭和43年)には、天知の演技力を高く評価する三島由紀夫の依頼により、美輪明宏主演舞台『黒蜥蜴』(原作は江戸川乱歩、脚色は三島、三輪は明智と対決する黒蜥蜴役)で明智小五郎役を演じ、人気を博した』ということで美女シリーズ(1977~1985年)以前に既に天知は明智小五郎を演じています。

*8:5年で19作ですから「年3本ペースで制作」という人気作品の訳です。

*9:ただし第16作「白い乳房の美女:江戸川乱歩の『地獄の道化師』」(1981年)の片桐夕子(まあ彼女は日活ロマンポルノ出身という特殊事情がありますが)のように主演級なのに吹き替えでないというケースも一部あります(なお、美女シリーズで脱ぐ女優はやはり片桐のような「日活ロマンポルノ出身」など以前から脱いでる人が多いかと思います)。

*10:「B連邦=ソ連」「北方共和国=北朝鮮」であることはモロバレです。

*11:1958年生まれ。1977年、TBSドラマポーラテレビ小説「おゆき」でデビュー。なお、今もテレビドラマに出演する姉・音無美紀子(1949年生まれ)と違い、ウィキペディア「音無真喜子」には最近の活動歴が書いてないので「事実上の引退」かもしれません。

*12:1952年生まれ。1971年のミス・パシフィック日本代表に選ばれ、同年の世界大会で第2位入賞。その後はファッションモデルをしていたが、1972年、『飛び出せ!青春』第18話「俺に出来ないこともある!」のカメオ出演でテレビドラマに出演後、東映山口和彦監督に勧められ、1973年東映入社。女優に転向し、1975年の『トラック野郎 御意見無用』では初代マドンナに扮した。

*13:1956年生まれ。1984年、NHK連続テレビ小説『ロマンス』で主役デビュー。

*14:1947年生まれ。1971年、TBSの特撮ドラマ『シルバー仮面』で主演。

*15:1943年生まれ。1967年にTBS『ウルトラセブン』の主役モロボシ・ダンを演じ人気を博した。1974年にはTBS『ウルトラマンレオ』で再びダン役でレギュラー出演。

*16:1949年生まれ。玉川大学在学中の1968年にカレッジフォークグループフォー・セインツのドラムスとしてデビュー。1973年のグループ解散後は、俳優に転向。1975年、『仮面ライダーストロンガー』に「城茂」役で主演。

*17:1950年生まれ。1974年にはTBS『ウルトラマンレオ』の主人公を演じた。

*18:1978~1987年までテレビ朝日で放送された刑事ドラマ

*19:ウィキペディアに寄れば1959年生まれ

*20:ウィキペディアに寄れば1955年生まれ

*21:ウィキペディアに寄れば1953年生まれ

*22:ウィキペディアに寄れば1953年生まれ。1967年に日本テレビの特撮ドラマ『光速エスパー』の主役としてデビュー。

*23:ウィキペディア「黒シリーズ」によれば最終作(第11作)は「黒の超特急」で、この「黒の切り札」は第10作ですのでここは誤記ですね。

*24:これについては黒の試走車(1962) | 日本映画ブログー日本映画と時代の大切な記憶のためにを紹介しておきます。

*25:これについては黒の超特急(1964) | 日本映画ブログー日本映画と時代の大切な記憶のためにを紹介しておきます。

*26:「黒の試走車」、「黒の超特急」、どちらの映画も原作は梶山季之。梶山の著書は『黒の試走車』、『族譜・李朝残影』(以上、岩波現代文庫)、『せどり男爵数奇譚』(ちくま文庫)など。

*27:1961年に木下惠介監督「永遠の人」で、主演の高峰秀子の娘役に抜擢される。エレガントな美貌で注目されたが、テレビドラマの出演を巡って会社と対立したことから1962年、松竹を退社。1962年12月に再デビューの形で大映に入社。大映でも大型新人として売り出され、特に企業間競争をテーマにしたサスペンス「黒シリーズ」では全11作中6本に出演、主演の田宮二郎と息の合ったコンビを見せた。1965年5月、同じ大映の田宮と結婚し、映画界を去った。田宮との間には二子をもうけている(長男は柴田光太郎、次男は田宮五郎)(ウィキペディア「藤由紀子」参照)。

*28:高校卒業後の1956年に、新東宝の四期スターレットとして入社。同期に北沢典子、三ツ矢歌子、原知佐子らがいる。1961年8月に新東宝が倒産したため、9月に大映へ移籍。1980年以降の動静は不明である(ウィキペディア「万里昌代」参照)。

*29:俺的にはTBS時代劇『水戸黄門』の「風車の弥七」です。

*30:役にのめりこんだエピソードが豊富で、映画『食卓のない家』で精神を病む母親を演じ、金魚を食べてしまうシーンを演じた際、本当に金魚を噛み砕き、共演の岩下志麻からは「卒倒しそうになりました」とコメントされた。また、高部知子によると共演したドラマ『積木くずし 〜親と子の200日戦争〜』で高部が初めて小川の楽屋に挨拶しに行ったところ小川から「ドラマの役柄上、不良娘役のあなたが母親役の私のこと憎んでくれなきゃ困るの。だから、もう挨拶しにこなくていいから」と言われたという(ウィキペディア小川真由美」参照)。

*31:俺的にはTBS時代劇『水戸黄門』の「初代・水戸黄門」です。

*32:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*33:原作は赤旗日曜版に1960年11月~1962年5月に連載された村山知義の小説。主演は市川雷蔵

*34:元大蔵次官。吉田内閣蔵相、建設相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*35:なお、池田は1965年に病気(末期の喉頭癌だがそのことは公式発表どころか本人にも告知されなかった)を理由に総理・総裁を退任し、病死している。

*36:顔立ちが池田勇人によく似ていたことから、映画『金環蝕』『不毛地帯』(共に山本薩夫監督)では、池田がモデルとなっている首相や通産相を演じ、更にNHK特集『日本の戦後』シリーズでは池田本人の役も演じている。

*37:自民党河野派総帥。鳩山内閣農林相、岸内閣経済企画庁長官、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣農林相、建設相など歴任。中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任した河野洋平は息子。

*38:自民党大野派総帥。吉田内閣北海道開発庁長官、自民党副総裁(岸、池田総裁時代)など歴任。

*39:山本薩夫映画『白い巨塔』(1966年)の主人公・財前五郎教授役で知られる(なお、フジテレビドラマ『白い巨塔』(1978~1979年)でも財前を演じた)。1978年に猟銃自殺(田宮が大蔵官僚役で出演した山本薩夫映画『華麗なる一族』(1974年)で主人公(仲代達矢が演じた)が猟銃自殺することが影響しているのではないかと言われている)。享年43歳。

*40:山本学もその後、安倍支持を公言するようなクズになったんだねえ、おじさん(山本薩夫)も本当にかわいそうだと思うとなんともかんとも。俺の知る限り、弟の山本圭山本亘はそこまで酷くないんですが。

*41:幸福の科学のこと。

*42:確かに「戯曲原作は三島」ですが江戸川乱歩小説「黒蜥蜴(明智と女盗賊・黒蜥蜴が対決する)」を三島が戯曲化したので三島オリジナルではありません。1962年の井上映画では明智小五郎大木実)、黒蜥蜴(京マチ子)。後の美女シリーズ(井上監督)『悪魔のような美女:江戸川乱歩の「黒蜥蜴」』(1979年)では明智小五郎(もちろん天知茂)、黒蜥蜴(小川真由美)です。

*43:レフチェンコ事件がモデルでしょうか。彼が亡命したのは米国ですけど。

*44:1953年に『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を受賞

*45:1937年の『我は海の子』と1938年の『少年の町』で2年続けてアカデミー主演男優賞を受賞。この2年連続受賞の快挙はこの57年後に『フィラデルフィア』(1994年)と『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1995年)でトム・ハンクスが主演男優賞を2年連続受賞するまで唯一の記録だった。これを機に一躍人気スターとなる(ウィキペディアスペンサー・トレイシー」参照)。

*46:黒澤明監督作品『羅生門』(1950年)、衣笠貞之助監督作品『地獄門』(1953年)、溝口健二監督作品『雨月物語』(1953年)など、海外の映画祭で主演作が次々と受賞し一時は「グランプリ女優」と呼ばれた。

*47:豊田四郎監督の『猫と庄造と二人のをんな』(1956年)、成瀬巳喜男監督の『流れる』(1956年)、小津安二郎監督の『東京暮色』(1957年)、黒澤明監督の『蜘蛛巣城』『どん底』(1957年)など、幅広い作品に出演。ブルーリボン賞主演女優賞・助演女優賞毎日映画コンクール主演女優賞、キネマ旬報ベスト・テン女優賞を受賞し、名実ともに映画界を代表する大女優となった。2000年(平成12年)に女優として初めての文化勲章を受章した(ただし、受章辞退者を含めれば杉村春子が初)。

*48:旗本退屈男』の早乙女主水之介役で知られる時代劇スター

*49:追記:コメント欄で「撮影時はカーター政権ではないか?」という指摘を頂きました。うーん、そうするとカーターがこれを容認したんでしょうか?

*50:「心配するの、そこかよ!」ですよね。むしろ「自分の芸歴に傷がつくことを心配しろよ」て話です。

*51:1969年の『勇気ある追跡』でアカデミー主演男優賞を受賞

*52:これを演じさせられたオリビエには屈辱はなかったんでしょうか?。完全に文鮮明礼賛じゃないですか。