今日の産経ニュース(2019年6月5日分)

錦織、86年ぶり4強ならず 全仏テニス、ナダルに完敗 - 産経ニュース
 相手が世界ランク2位で「全仏優勝11回(2005~2008、2010~14、2017、2018)*1」のナダルでは「予想の範囲内」ですが日本人としてやはり残念ですね。


【主張】元次官が長男殺害 悲劇は避けられたはずだ - 産経ニュース

【前半】
・引きこもりの相談窓口は厚生労働省が全国の都道府県や政令指定都市に設置する「ひきこもり地域支援センター」などにあるが、家族や本人からの申告がなければ支援を始めることができない。
 家庭内暴力はすでに犯罪であり警察や関係窓口に相談すべきだった。
【後半】
・疾患による他害の恐れがあれば、医療機関の診断を経て精神保健福祉法に基づく「措置入院」とすることも考えられた。
 措置入院は医療行為の枠内で運用されるため、犯罪抑止に資することができない。英独などで制度化されている犯罪予防的に司法が関与する「治療処分」の導入は「人権侵害」などの反発から検討が進まない。制度が事件の芽をつんだ可能性は、十分にあったのだ。

 前半「引きこもり相談」「最悪の場合警察に通報」云々は全く正しいですが、後半「措置入院」「治療処分」云々は「おいおい」ですね。
 「疾患」と見なす根拠がないのに、こんなことをいうことは「家庭内暴力(今回のようなケースだけでなく親の児童虐待や夫のDVなども含む)は精神疾患」「精神病者は暴力傾向がある」「ひきこもりは精神疾患」などの誤解を生みかねません(もちろんそういうケースもあるでしょうが全てがそうだなんて事はない)。
 そもそも「元事務次官のプライド」から「引きこもり相談すら出来なかった人間」に「息子を措置入院させれば良かったんじゃないか」ということは全く非現実的です。
 大体「措置入院」云々が想定し、予防しようとしている犯罪は「精神病者が犯罪を起こすケース」であって「精神病者家庭内暴力に耐え切れなくなった家族が精神病者を殺すケース」じゃないでしょうよ。

*1:先日のテレビ放送では「クレーコートの申し子(四大大会(全英、全米、全仏、全豪)のうち、全仏だけはクレーコートナダルは四大大会では優勝回数は全仏が一番多い)」と呼ばれてました。