今日の産経&中国ニュース(2019年6月10日分)

香港デモ「100万人」 容疑者引き渡し条例案へ反発拡大 - 産経ニュース

 主催者発表で103万人(警察発表は24万人)

 沖縄県民集会では主催者発表に散々因縁つけてたくせにこれです。まあいつもながらデタラメな産経です。なお、主催者発表は誇大に見積もり、警察発表は過小に見積もるつうのが一般的なので「24~103万の間の数字のどっか」と見るのが適切でしょうね。「どこの数字なのか」なんてことはわかりませんし24万人でも相当の数ですが。


首相 12日からイラン訪問 「建設的役割果たしたい」 - 産経ニュース
 浅井基文氏も批判していましたが、安倍に何か出来るとはとても思えませんね。下手なことをしてイランとの関係がまずくなったり、イランをなだめるために無茶苦茶な金のばらまきを約束したりということを危惧せざるを得ません。


「消えた年金」再現狙う立民 提案型の国民 追及野党に温度差 - 産経ニュース
 再現も何も年金問題で無責任な態度をとれば批判されるのは当たり前の話です。問題を「与党に有利かどうか」という政争的にしかとらえられず、「あるべき年金」という議論が出来ない産経にはいつもながら呆れます。いい加減「とにかく安倍万歳」はやめたらどうなのか。


【第600回・特別版】なぜ中国国防相を糾弾しないのか « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所

 6日、北方領土を戦争で取り戻す趣旨の発言をした丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名)に対する糾弾決議*1衆院で可決された。実際には、核兵器を持たない日本が核大国のロシアとの戦争で北方領土を取り戻せる可能性はゼロに等しい。

 「核兵器」云々て「アホか」ですね。ならば「核兵器を持たない韓国相手なら軍事力で竹島を奪還できるし奪還すべきなのか?、それが国基研の考えか?」「つまり国基研は日本の核保有を目指してるのか?」と疑われかねない発言がよく出来るもんです。

 シンガポールにおけるアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、中国の魏鳳和国防相が台湾独立の動きに対して「一戦を交えることも辞さない」と演説した。今年年頭に習近平中国国家主席も同様の発言をしており、こちらの実現性は高い。

 いや現実性は全然高くないですね。そもそも「台湾独立の動き」が低いからです。中国は「独立宣言しない限り、現状維持なら、独立とは認識しない」という態度ですから「現状維持」なら何の問題もないし、台湾世論の大多数は「現状維持支持」です。

 丸山議員に対する糾弾決議には「わが国の国益を大きく損ない」とある。台湾が中国の手に落ちた場合、わが国は海上交通路を脅かされ、日本から台湾を経てボルネオ島に至る第一列島線の要が失われるので、日本の国益を損ねること甚大である。日本の国会は何故、この魏国防相の発言を糾弾しないのか。

 馬鹿馬鹿しい。そんなもん当事者の台湾が抗議する話で日本に関係ないでしょう。で台湾においては「民進党」はともかく国民党などは「以前の中国の方針と変わりない」として特に批判してないようだし、民進党蔡英文にしても簡単な批判発言をしただけです。
 「台湾国会で中国非難決議可決しよう」なんて動きは民進党ですらない。そんな状況下で日本が国会で非難決議しても台湾もむしろ迷惑でしょう。まあ、日本もそんなことして日中関係を悪化させても何のメリットもないですが。

 魏国防相に会いに行くため、岩屋毅防衛相が年内にも訪中すると報じられた。
 尖閣諸島周辺では、中国人民解放軍の傘下に昨年入った海警局の船が、日本による同諸島国有化(2012年)以降、最長記録となる約60日間連続で接続水域に侵入し、日本を挑発している。この時期に何故訪中なのか、と思う。
 岩屋氏が訪中すれば、中国は「日本与くみし易し」と、なめてかかるであろう。
 アジア安全保障会議では、岩屋氏が鄭景斗韓国国防相とにこやかに握手をする場面が報じられた。昨年末に起きた海上自衛隊P1哨戒機に対する韓国駆逐艦の射撃管制用レーダー照射事件で、韓国は一切非を認めないばかりか、日本に謝罪を要求した。岩屋氏の友好的態度から、韓国は日本にどんなことをしても大丈夫だと思ったのではないか。

 ここまで岩屋氏に悪口しながら「彼を防衛相に任命した」安倍については何一つ批判しない当たり全くデタラメな連中です。
 大体、彼の訪中(予定)や訪韓(実施済み)について安倍の了承がないわけもないでしょうに。

 中国人が日本各地の土地を買い占めており、かつて総務相がこれを規制する法案を国会に提出しようとしたところ、全会一致が原則の自民党部会で「右傾化すれば票が減る*2」と主張してこの法案を潰したのが岩屋氏であった、と当時の総務相から直接聞いた。

 それが事実ならば「安倍が防衛相にするような人間」でも、岩屋氏は今の自民党では比較的にまともな人間なのでしょうね。「今ではなく昔の自民党(いわゆる三角大福中時代など)」では彼は「極右扱い」かもしれませんが。しかし国基研相手に岩屋氏を悪口する「当時の総務相」て一体誰でしょうか。「第二次安倍内閣総務相の新藤」か、はたまた、「第三次安倍内閣総務相高市」か。


【視点】堺市長選の維新勝利、イコール都構想の承認ではない - 産経ニュース
 「選挙で自民が勝ったんだ」で安倍政治を正当化して恥じない産経ですが、大阪都構想については否定的なためにこのようなことを書くのでしょう。勿論正論ですが。選挙において維新候補は「都構想について曖昧な態度をとり続けた」のだから当然の話です。
 しかも当選の永藤氏「全身全霊傾ける」 僅差に笑顔なく 堺市長選 - 産経ニュースであり圧勝したわけではないのだからなおさらです。


【正論7月号】天安門事件から三十年 《反共鼎談》民主化は不可能だ 中国人はチャンス失った 評論家・石平/静岡大学教授・楊海英/産経新聞外信部次長・矢板明夫(1/5ページ) - 産経ニュース
 もちろん「民主化は可能」でしょう。つうか「光州事件による弾圧」とか「民主化運動での逆流」なんてもんはどこの国でもあります。
 つうか「民主化は不可能」といってどうするのか、つう話ですし、何も独裁的国家は中国だけでもない。
 しかし楊も完全に劣化しましたね。こうなると奴が司馬遼太郎賞もらって、有名になったのも果たしてよかったのかどうか。
 そしてこうなると岩波や講談社、ちくま、中央公論(いずれも非ウヨ系の出版社)なども「ウヨと野合して変なこと言っていても、学術的著書自体は価値があるから」なんて判断で、『日本陸軍とモンゴル』(2015年、中公新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録(上)(下)』(2018年、岩波現代文庫)、『最後の馬賊 :「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)なんて楊の本は出すのはやめたらどうかという気がします。
 なお、楊は少なくとも『狂暴国家 中国の正体』(2014年、扶桑社新書)なんて本を出した時点で「内モンゴルペマ・ギャルポ」に転落しています。
 しかし「岩波から本を出しながら岩波を誹謗するウヨ連中と付き合って恥じない」とは楊も全く恩知らず、恥知らずのゲス野郎です。


 石平さんがおられた北京大学にもよく顔を出して、少数民族出身の学生に会って、民主化が実現したら少数民族はどうするのか、我々のところはどうするのか、ということを議論していました。

 前も書きましたがアメリカだってインディアンの問題が認識されるのは比較的最近だし、日本だってアイヌについては差別が続いてきた。
 「民主活動家」だろうが多数派民族が少数民族について関心が低いのは古今東西よくある話です。


 たしかに民主化運動の限界だったと思います。民主化運動に参加していた人間は当時も今も、中華思想*3については中国共産党とそんなに立場が違いません。というのも、例えば民主主義は主張しても、台湾独立は絶対反対なんですね。

 おいおいですね。ならば明治時代の自由民権活動家は「琉球処分」「北海道でのアイヌ同化」を批判していたのか。繰り返しますが、「民主活動家」だろうが多数派民族が少数民族について関心が低いのは古今東西よくある話です。それが「中国共産党と変わらない」つうなら「自由民権活動家も明治政府と変わらない」つう話になる。


 そして89年の天安門事件では、本当の意味での民主化要求はそんなにありませんでした。訴えの中心は反腐敗と、自分たちの行動は愛国行動であることを認めてほしい、ということだったのです。象徴的な出来事は、学生たちが人民大会堂に行って共産党に対して跪いて請願したことでした。中国3千年の伝統で結局、民主化運動といっても政府に対するお願いだったわけです。

 明治の自由民権活動家だって「国会開設の請願」をしてるわけです。「請願したから民主化としてダメだ」つうなら自由民権運動もダメなのか。現実問題「打倒中国共産党」なんて現実的じゃないわけです。

矢板
 共産党一党独裁である限り、中国は大きく変わることはないでしょう。

 全くもって「評価しようがない曖昧な表現」ですね。「大きく変わる」とはどういう意味なのか。経済的には明らかに大きく変わってるわけです。
 政治的にも、「大きく変わる」の定義にも寄るでしょうが昔と今とでは違うでしょうし、「一党独裁のままだとしても」今後も変わっていくでしょう。

矢板
 学生リーダーだった王丹さんとはつき合いが長いのですが、彼は天安門事件の後、しばらく刑務所に入って、98年に米国へ亡命しました。私は当時、ある雑誌の仕事で米国に着いた直後の彼にインタビューしたのですが「あなたが一番、尊敬する人は誰ですか」と聞いたら「周恩来です」と答えたのです。私はビックリしました。共産党の刑務所から出てきたばかりなのに、ですよ。やっぱり洗脳はすごいと思いました。さすがに王丹も洗脳が解けたようで今はそうは思っていないようですが。

 矢板も分かった上で言ってるでしょうがこれは洗脳ではなく「王なりの計算した発言」ですよねえ。
 周恩来という人は中国において「清廉潔白な政治家の典型」扱いされてるわけです。であるならば「私は周恩来を理想に政治改革を目指してるのであって反共ではない」とアピールするのは一つの考えとしてありうるでしょう。今そういう発言をしていないにしてもそれは洗脳が解けたのではなく単に「政治的計算、判断が変わっただけ」です。

矢板
 ●(=登におおざと)小平が改革開放を行って経済が良くなり、しばらく激しい権力闘争はありませんでしたが、習近平の登場でまた雲行きが怪しくなっています。

 いやいや「文革レベルの権力闘争」なんてどこにあるのか。

*1:議員辞職勧告決議にならなかった点は少々残念です。

*2:まあ得票だけの問題ではなく「中国、韓国などとのビジネスに犠牲が出る恐れ」もありますが。

*3:台湾独立反対は別に中華思想ではないでしょう