今日の産経&中国ニュース(2019年6月12日分)

「見せ場」作りたい野党は党首討論よりも予算委 - 産経ニュース

 首相を質問攻めにできる予算委員会を優先したい野党側

 やれやれですね。まともな首相なら「こちらが返り討ちにしてやる」でしょうが、安倍はまともでないので、外遊などを口実に「予算委員会に出ない」で逃げ続けるわけです。そしてそんな安倍をかばう産経。全くどれほど恥知らずなのか。


自民・岸田氏「男系天皇は歴史、伝統の大きな重み」 - 産経ニュース
 なんでこうトンチンカンなんですかね。本心なら論外だし、安倍に媚びてる場合も別の意味で論外です。


【政界徒然草】自民・石破氏誘う国民民主党の窮状 野党の首領に「今は無理でも将来は」(1/4ページ) - 産経ニュース
 記事が事実なら「国民民主党執行部ってずれてるな」ですね。
 石破は今安倍に干されてるとは言え「小泉*1内閣防衛庁長官」「福田*2内閣防衛相」「麻生*3内閣農水相」「自民党政調会長(谷垣*4総裁時代)」「自民党幹事長(第二次安倍*5総裁時代)」を歴任した自民党の幹部です。
 そんな人間に秋波を送る。「野党共闘をなんだと思ってるのか」「過去の自民党批判は何だったのか」という批判は当然出るでしょう。
 むしろそうした秋波を送らない立憲民主や共産の方が国民民主よりも支持率は高いわけです。
 一方石破にとって「落ち目の国民民主党」に協力することに何のメリットもない。石破がこんなラブコールに応じるわけがないでしょう。
 まあ、石破としても「邪険に扱うのも何だから、話くらいはする」わけですが。


70歳まで働いてやろう
 働きたければ何歳まで働いてもいいのですが、産経や安倍自民の場合「労働力が不足するから」「年金財政が厳しいから」「だから70歳まで働いてくれ」というのだからふざけるにもほどがあります。定年退職後、働くことは権利であって義務ではない。そもそも「高齢化で元気な労働者が増えてきた」とはいえ全ての高齢者が働けるだけの健康を維持してるわけでもないでしょう。
 しかも「労働力が不足するから」「年金財政が厳しいから」という認識だから「70歳の人がそれなりの賃金で働けるような環境整備を整えるわけでもない」。ただ「働け」というだけです。「とにかく労働力不足と年金財政の危機が回避できればいい。企業が高齢者にいくら払おうが知ったことか。高齢者の生活がどうなろうと知らない」とはそれが政治家のとるべき態度なのか。


海自「いずも」と米空母「ロナルド・レーガン」が南シナ海で共同訓練 - 産経ニュース
 「安倍政権が中国封じ込めを」と喜ぶ産経ですが、私見では実はそんなには喜べない話です。
 というのも

 海上自衛隊護衛艦「いずも」と米原子力空母「ロナルド・レーガン」が10日から南シナ海で共同訓練を行っていることが分かった。複数の政府関係者が11日、明らかにした。

だからです。
 まず第一に「発表は事前ではなく事後」でした。第二に「複数の政府関係者」と情報ソースが曖昧です。
 つまりは「防衛省の公式発表」など、公的な形で発表ではなく「非公式なリーク」なのでしょう。それが何を意味するかと言えば「G20に習主席を招くに当たり、中国の反発を買いたくない」ということでしょう。ただし一方で「訓練不参加」や「訓練を全く発表しないこと」で「共同訓練を求めるトランプ」を怒らせたくもないし、「最近、安倍は中国に媚びてる」と怒るウヨ支持層をなだめる必要もある、つうことでこうなるのでしょう。


【主張】老後「2千万円」 厳しい現実に目背けるな - 産経ニュース
 週刊文春週刊現代などのオヤジ週刊誌が「年金だけではやっていかない、定年退職後は2000万貯蓄が必要だ」という記事を掲載するならまだしも、政府が「年金だけではやっていけない、2000万貯蓄が必要」という報告書を発表するなんて「ふざけるな」という話です。
 何のための年金制度なのか。2000万も貯金できる経済力があるなら年金なんかいらないでしょう。小泉政権時に「100年安心年金」といっていたのは何だったのか。もし今の年金制度に問題があるなら「是正すべき」であって「2000万貯蓄しろ」と「居丈高に要求する」など論外です。そしていずれにせよ、まずは「今のままでは改革しないとそのような代物に年金はなってしまいました。申し訳ありません」とわびるのが筋ではないのか。
 大体ワーキングプアがどうやって2000万も貯蓄するのか。2000万貯蓄できるのは「大企業正社員」など恵まれた階層でしかないでしょう。
 五十嵐仁*6・法政大名誉教授(全国革新懇代表世話人)が

6月11日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログ
 多くの国民は、日々の暮らしに精いっぱいで、(ボーガス注:政府の統計に寄れば)貯蓄ゼロ世帯は30%を超えている。2000万円も貯めるなど、どだい無理な話です。(ボーガス注:政府の統計に寄れば)年収300万円以下の労働者は40%もいる。年収300万円でどうやって2000万円も貯めるのか。

と批判するとおりです。
 国民をなめてそんな報告を出したあげく、批判が起こったら「金融官僚が勝手にやったことで我々政治家は知らない話」と金融庁トップの金融担当相・麻生が居直り、二階*7自民党幹事長や山口公明党代表ら政府与党幹部まで麻生に同調して麻生をかばう。どんだけ無責任で恥知らずなのか。
 そうした野党やマスコミの批判を「2000万必要という現実を指摘しただけなのに」といって安倍をかばうとは産経もいつもながら「論外の新聞」です。
 よほど参院選への影響を恐れてるのでしょうが。
 「2000万必要」なんてのは明らかな年金失政じゃないですか。それを「2000万必要なので改革が必要だ。こうすれば2000万必要じゃなくなる」と釈明するわけでもなければ「2000万必要で年金失政ですみません」とわびるわけでもない。そんなことを「週刊文春週刊現代などの第三者」ならまだしも年金失政の当事者がやるなんて常識外れにもほどがあります。これでも安倍政権を支持する人間がいるのだろうかと思うとげんなりですね。まあ「2000万貯蓄できる階層」ならこんなことはどうでもいいのかもしれませんが、「安倍自民支持層が全てそうだ」ということもないと思うのですが。
 しかし「トランプとの密約」については「参院選後発表」とした安倍もこの件ではなぜか「参院選前でも発表OK」という判断をしたわけです。
 そして批判されたらうろたえて醜態をさらす。
 年金問題に対する認識が酷すぎると言うべきでしょう。


【矢板明夫の中国点描】日中友好人士の「退場」を惜しむ - 産経ニュース

 日中青少年交流協会の会長を長年つとめ、3月末に胃がんのため75歳で死去した平野仁氏のお別れ会が9日、横浜駅前の中華料理の老舗、崎陽軒本店で開かれた。友人、教え子、日中関係者ら約160人が駆けつけ、故人との別れを惜しんだ。
 参列した前神奈川県知事の松沢成文氏は「若い時に何度もかばん持ちとして平野先生と一緒に訪中した。中国側と交渉する現場を間近に見せていただき、政治家としてのいろはを学んだ」とあいさつした。

 有料記事なのでこれ以上は読めませんが「???」ですね。
 松沢といえば、「日本を代表する極右・反中国政治家」だと思っていましたが「日中青少年交流協会の会長」から「かばん持ちとして政治家としてのいろはを学んだ」だそうです。ということはこの平野氏とは「政治家」なんですかね?。ググってもいい記事がヒットせずどういう人かよくわからないのですが。

*1:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*2:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*3:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*4:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*5:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:著書『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など

*7:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長