「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年6/21分:高世仁の巻)(追記あり)

香港 今回の運動の成功は団結と速度(チャン・ジーウン監督) - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 「雨傘運動」を描いたドキュメンタリー映画『乱世備忘 僕らの雨傘運動』が緊急再上映となったので、何とか時間を作って観に行く。
 2014年、大学生が中心になって「真の普通選挙」を求めデモ・集会を行なった。警官隊の催涙弾を雨傘で防いだことから雨傘運動と呼ばれるようになった。学生たちはテント村まで作って香港の中心街の路上を占拠したが、政治を動かすことができないまま占拠だけがつづく事態に市民からの批判も起き、最後は警察による排除で79日間の運動が終焉した。
(中略)
 会場から、「雨傘運動と今回の運動の違いは?」との質問。

 で雨傘運動と今回の違いですが単に「盛り上がりの違い」じゃないですかねえ。運動が発展したという面がないとは言いませんが「そこを過大評価する」のは違うんじゃないか。
 「真の普通選挙」といった場合「何が真なのか」つう難しい問題がある。そういう意味で人を集めにくい。今回は「条例改正案を撤回しろ」「現状のままでええやろ*1」ですからねえ。話はよりシンプルです。かつ条例改正案について「香港の政治活動家が軒並み中国本土に送られて長期の懲役刑を受けて、運動が壊滅状態になるのでは(実際そうなる可能性があるかどうかはひとまずおきます)」という危機意識がものすごかったんじゃないか。
 日本で例えれば「安倍政権で九条改憲がされたら、むやみやたらに米国の戦争に参戦し外交がズタボロになるのではないか」レベルの危機感でしょう。
 自民党支持層ですら、安倍の九条改憲にはあまり好意的でないが故に、安倍は改憲案が未だ出せませんし、歴代自民党政権改憲など出来ませんでした。
 それにしても俺的に特にコメントすることはあまりないですが最近の高世って本当に「香港ネタばかり」ですねえ。
 国内問題(年金2000万円問題)とか、「習主席の訪朝(北朝鮮ウオッチャーぶってたはずなのに?)」とか「近づいてきたG20」とかにはいつ触れるんですかねえ。


【追記その1】
香港議員、日本に協力求める 改正案「観光客にも関係」:朝日新聞デジタル

 刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐり、香港立法会(議会)の民主派議員が20日、即時撤回に向けて協力を求める書簡を日本政府に送ると発表した。今月下旬に大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議で議長国を務める日本を通じて、国際社会から香港政府や中国政府に圧力をかけるのが狙い。
 この議員は日本に留学歴がある区諾軒氏。書簡では「香港を訪れる日本のビジネスマンや観光客も中国本土に引き渡すことが可能になる」と指摘。改正案の即時撤回は日本にも利点が大きいと強調した。

 まあ安倍は何もしないでしょうね。この議員もそれは十分予想済みでしょう。安倍が応じるかどうかではなく「G20議長国の日本にそういう要請をした」というアピール効果が重要なわけです。
 そして現首相が民主党政権だの福田康夫政権だのなら「なぜ書簡の要望に応じないのか、中国に媚びるのか」と批判する産経も「安倍批判せずだんまり」でしょう。


【追記その2】
香港デモ象徴 加工写真が拡散 | 2019/6/20(木) 12:43 - Yahoo!ニュース

 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求める香港のデモの規模を象徴する写真としてSNSで広く拡散した大通りを埋め尽くす民衆の写真が、デモの規模を強調し写真を左右対称に見せるために画像編集ソフトで加工されたものであることが明らかになった。米CNNテレビ(電子版)が20日までに伝えた。写真は香港のヘネシーロードに面するビルの上階から撮影されたものだが、トリミングされた上に左右が対称になるよう修正されていた。また写真は、デモ参加者が1997年の香港返還以降で最多の「200万人近く」(主催者発表)になったとされた16日に撮影されたものとして拡散したが、実際は前週の9日のデモを撮ったものだった。
 写真はディーコン・ルイ氏と名乗る人物が11日に自らのインスタグラムにアップし丸カッコで加工している旨説明していたが、拡散する過程でそうした説明が抜け落ち、16日のデモのものであるかのように伝わったものとみられる。

 もちろんだからといってデモが無価値なわけでもないですが、こうなると高世のように「きれい事だけで話をする」のは適切ではないでしょう。

*1:ただし「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年6/18分:高世仁の巻)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで触れましたが「現状のままでいい」といえるかは非常に疑問です。「マジの刑事犯罪者が香港に逃げ込んできた場合」に「本当に条例改正しなくていいのか」「条例改正しない場合どうするのか。引き渡さないで、中国の捜査資料を基に香港で裁くのか。それとも今回のような一般的な条例を作るのではなく当面、個別に引き渡すかどうか決めるのか(明らかな刑事犯罪者は引き渡すが、政治犯の疑いが強い場合は引き渡さない)」といったことについてはおそらく何の結論も出ていません。最悪の場合「裁かないし引き渡さない、その結果、政治犯弾圧の危険性はないが、マジの刑事犯罪者が野放しになるかもしれない」恐れがあります。