今日の産経ニュース(2019年7月1日分)

【産経抄】7月1日 - 産経ニュース

 最近は、冗談の一つもなかなか言えないご時世になった。平成の半ばごろまでは、ある種の髪形の人を「おい、●●(小心のため伏せ字にした)」と呼びかけていたのを悔い改め、令和の御代(みよ)では「そちらの、髪の毛の密度が比較的薄いお方」と言い換えている。

 おいおいですね。頭の薄い人間に向かって「ハゲ」なんてことが許されるのはよほど気心の知れた相手だけでしょう。いや気心の知れた相手でもそんなことは避けた方がよろしい。これは「ハゲ」だけでなく「ブス」「チビ」「デブ」「出っ歯」などでも同じです。身体的特徴を揶揄するような発言は一般的に言って適切ではない。

 大阪で開かれたG20首脳会議(サミット)夕食会での安倍晋三首相のスピーチが、物議を醸している。首相は、太閤・豊臣秀吉がつくった大阪城が約90年前に再建された、と紹介し「しかし一つだけ、大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました」と付け加えた。
 ▼この一言に「五体不満足」が大ベストセラーとなった作家の乙武洋匡さん*1 が、「朝から、とっても悲しい気持ちになる」とツイッターでつぶやけば、朝日新聞も識者に「あまりにひどい」と言わせるお得意の手法で、「首相発言 バリアフリー軽視と指摘」と攻撃した。

 実際、安倍の発言は「バリアフリー軽視」以外の何物でもないのに「朝日ガー」の産経です。どこまで安倍信者なのか。

*1:著書『五体不満足』(2001年、講談社文庫)、『だから、僕は学校へ行く!』(2010年、講談社文庫)、『自分を愛する力』(2013年、講談社現代新書)など