今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年7月17日分)

日本の右翼解説委員「文在寅のクビを切るしかない」と暴言 : 日本•国際 : hankyoreh japan
 コメント欄でバルトフェルドさんが指摘していた「フジテレビ平井の暴言」がハンギョレ日本語版で紹介されていたのでここで紹介しておきます。非常識の極みですね。問題は「これは安倍の本心でもあるのではないか」ということです。


【正論】「西方世界」の資格問われる韓国 東洋学園大学教授・櫻田淳 - 産経ニュース
 「冷戦が終わったのに、今時、西方世界って何だよ」「それともこの場合の東方ってのは東側(共産圏)つう意味じゃなくて『遅れたアジア』つう意味ですか?(韓国が遅れたアジアとはとても言えないでしょうが)」ですが、まあそこは「国際社会」とでも読み替えておきましょう。
 「国際社会の一員の資格」が問われてるのはむしろ「WTO違反行為の疑いが強い行為」を実行した安倍の方でしょう。

 『格下の国』である日本が『格上の国』である韓国に楯(たて)突いて来るのは、許し難い

なんてことは勿論韓国は考えていません。そもそもいつ韓国が「俺の方が格上だ」といったのか。というか「侵略被害国(韓国)」に対し、加害国(日本)が「なめた態度」をとれば「日韓関係に限らず」反発が出るのは当たり前の話です。
 むしろ産経や安倍などウヨの方が

 『格下の国』である韓国が『格上の国』である日本に楯(たて)突いて来るのは、許し難い

と思い上がってるわけです。

 「ロシアのクリミア併合」並みの所業と説明されても佳(よ)いかもしれない。

というのが「WTO違反行為の疑い濃厚」な安倍の報復措置について言うならそうでしょうが「韓国がそうだ」と言うのだから呆れて二の句が継げません。

 先進7カ国(G7)首脳会議でも、議論の俎上(そじょう)に載せるのがふさわしい。

 そんなことをしたってどこの国も安倍に賛同などしないでしょう。
 まあ「日本との関係を考えて」、「韓国の主張が正しい」というような露骨な安倍批判はしないかもしれない。しかし「早急に円満な解決を目指してほしい」「日韓の対立は望ましくない」という「婉曲な形での安倍批判(批判というのは言い過ぎかもしれませんが)」はするでしょう。当然ながらこんな道理の通らないことで安倍擁護しても韓国の反発を買うだけでメリットがないからです。


西村副長官「検査実施」と韓国に反論 北朝鮮石炭入港問題 - 産経ニュース

 西村康稔官房副長官は17日の記者会見で、北朝鮮産石炭を積むなどして国連安全保障理事会の制裁決議に違反した疑いのある船舶に対し、日本側が適切な措置を取らなかったと韓国側が批判していることについて「入港した際に立ち入り検査を実施している。これまで北朝鮮産石炭の運搬や国内法令に違反する事実は確認していない」と反論した。韓国の情報機関、国家情報院は16日、疑いのある船舶が最近まで日本の港に入港したなどと国会に報告した。

 真偽は今後明らかになるでしょうが、もし韓国側の指摘が事実ならこれほど滑稽な話もありません。
 まあ、仮にこれが事実として韓国側も安倍があんな無法をしなければ「やんわりと指摘」で済ませて安倍のメンツを潰すことはしなかったでしょうが。
 まあ、輸出規制についての「北朝鮮への密輸ガー」という安倍の主張が事実ならこうして「北朝鮮密輸疑惑のいろいろな話が表に出ること」は決して「安倍にとって必ずしも悪いことではない」でしょうが、まあ「事実ではないから」、安倍は「韓国が俺のメンツを潰した」「余計なことするな」と逆ギレでしょう。

 西村氏は船舶に関し「昨年8月に韓国政府が入港禁止措置*1を講じた船舶の一部が、過去に日本に入港したことは把握している」と説明した。

 問題は
「把握したのはいつなのか。入港当時既に把握していたのか、既に日本から船が立ち去った後に把握したのか、韓国から指摘があって把握したのか(その場合いつ韓国から指摘があったのか)など」
「仮に入港時把握していたのなら、なぜ韓国と違った措置(つまり入港許可)を執ったのか、韓国の措置が間違ってると言うことなのか」
「船が日本を去った後、把握したのなら、『入港当時把握した』のなら韓国同様に入港拒否したと言うことか。もしそうなら、それは日本の落ち度と言うことか。落ち度だとして再発防止策はとったのか」という話でしょうが、その当たりは産経記事を読んでもさっぱり分かりません。まさか「政府から説明もなかったし、日本マスコミも質問しなかった」のか。
 正直産経が「安保理制裁の抜け穴を封じて北朝鮮を締め上げたい!」つう「真面目な(?)アンチ北朝鮮」ならその当たり聞かずにはいられないと思うんですが。産経にとって「安保理制裁の抜け穴封じなんてややこしい話はどうでもいい」のか。


北朝鮮への車輸出「一切知らず」=大阪企業、民間報告書に反論:時事ドットコム

 米シンクタンク、高等国防研究センター(C4ADS)が報告書で、ドイツ製高級車が中国・大連や大阪、韓国、ロシアを経由し北朝鮮に輸出された可能性を指摘したことについて、大阪から韓国への車両輸送への関与を指摘された美濃物流(本社・大阪市)代表の徐正健氏は17日、メール取材に「北朝鮮へ行く車とは一切知らなかった」と述べ、北朝鮮への輸出に関与したことを否定した。
 徐氏によると、美濃物流は中国・大連の物流会社からの依頼を受け、中国から到着した貨物を日本への輸入手続きを経ずにそのまま韓国に送る「積み戻し」の申告を手配しただけという。「北朝鮮との貿易は絶対にない」と強調した。

 まあこれだけではなんとも言えませんね。もちろんこうした指摘がある以上、「そうした疑惑はある」のでしょうが、うかつなことを言えば美濃物流に対する営業妨害になりかねませんし、当面は模様眺めでしょう。今後いろいろと分かることがあるかもしれませんが。


北朝鮮、日本車など800台超密輸か 米研究機関報告書 (写真=ロイター) :日本経済新聞
大阪経由で北朝鮮へ密輸か=決議違反のドイツ高級車-シンクタンク報告:時事ドットコム
 どうやってそんなことが可能なのか、不思議に思いますが

大阪経由で北朝鮮へ密輸か=決議違反のドイツ高級車-シンクタンク報告:時事ドットコム
 米シンクタンク、高等国防研究センター(C4ADS)は16日、1台50万ドル(約5400万円)以上のドイツ製高級車2台がオランダから日本の大阪などを経由しながら北朝鮮に密輸された可能性を指摘する報告書を公表した。
 大阪には9月18日に到着し、同27日に出港。記録では日本側の荷受人は不明だが、日本から韓国への荷送り人は「美濃物流」(本社・大阪市)とされていた。
 大連での荷受人や韓国からロシアへの荷送り人はいずれも日本に登記のある貿易会社「瑞祥」。瑞祥の登録住所は兵庫県尼崎市とみられ、美濃物流の執行役員の住所と同じという。

が事実なら安倍は偉そうに「韓国から北朝鮮に密輸ガー」なんて言える立場じゃないでしょう。
 しかも指摘してるのは「米国のシンクタンク」ですから真偽はともかく安倍に因縁を付けられてる「韓国の立場をよくするための行為」でないことは確かです。


韓国与野党、反日で結束 文氏、18日に5党代表と会合(1/2ページ) - 産経ニュース
 安倍の報復措置こそが「反韓国」であり、韓国の対応は「当然の防衛措置」でしかないのですが、そういう常識は勿論産経にはありません。

 経済・外交分野で失政を重ねていると非難されてきた文政権が、今回の苦境は日本に一方的に責任があるといわばスケープゴートとし、世論の収斂(しゅうれん)を図ろうとする意図がうかがえる。

 おいおいですね。安倍の行為は無法でしかないし、それに対し文氏が「無法行為の撤回」を求めるのは当たり前です。むしろ安倍の方こそが「韓国に一方的に責任があるといわばスケープゴートとし、世論の収斂(しゅうれん)を図ろうとする意図がうかがえる」わけです。

 そもそも今回の問題は、昨年10月にいわゆる徴用工訴訟で日韓が両国関係の基盤としてきた1965年の請求権協定の趣旨を覆し、日本企業に賠償を命じる判決を最高裁が下したにもかかわらず、文氏が「司法に介入できない」の一点張りで半ば状況を放置してきたことに端を発している。

 おいおいですね。「北朝鮮への密輸ガー」「安全保障ガー」じゃなかったのか。いや「北朝鮮への密輸ガー」は「韓国のWTO提訴&日本敗訴を恐れて」の「モロバレのウソ」ですが、よくもまあこう整合性のないことが言えたもんです。
 そしてその産経の物言いなら光華寮訴訟中国敗訴判決(高裁段階)への中国の抗議「日中平和友好条約に反する。日本政府は適切な対応をすべし」に対して、当時の自民党政権が「三権分立だから司法に介入できない」の一点張りで、当時、産経も「三権分立を中国は無視するのか」と自民党政権を擁護したことはどうなるのか。およそ整合性がとれていません。
 光華寮訴訟中国敗訴判決(高裁段階)での自民党の対応が正しいなら文氏の対応も正しいし、文氏の対応が間違いなら、自民党の対応も間違いです。
 そもそも産経は何をどうしてほしいのか。判決をどうこうすることなんか三権分立上できやしません。
 仮に文政権がこの件で何かやるとしたら「裁判原告・徴用工も、裁判被告・日本製鉄も、日韓両国民も(そして安倍政権も?)納得する解決策」でしょうが、そもそも安倍が「俺たちが正しいんだ、原告なんか間違ってるんだ」「日本製鉄は和解に応じるな」と言う態度では文政権には出来ることは何もない。
 ここで「安倍の言いなりになって原告を切り捨てること」を安倍や産経は希望してるのでしょうが「無茶言うな」ですね。
 そんなことをしたところで原告や場合によっては韓国民の「日本政府批判」が高まるだけです。
 「高まってもかまわない、とにかく文政権が俺たちの側に立って原告を押さえつければいいんだ」つうなら「バカか」と呆れるだけです。
 「是非以前に*2」そんなことが文政権に出来るわけがないでしょう。文政権支持層はそんなことは望んでないでしょうから。そしてそれはもちろん反日という話ではない。

 韓国紙、朝鮮日報は15日付社説で「政府が『三権分立』を理由に8カ月間、手をこまねいていたことで問題が拡大した」と指摘した。

 朝鮮日報は文政権を敵視する「韓国の産経」「日刊・自由韓国党」みたいなもんですからねえ。はっきりいって朝鮮日報の主張の方が間違ってるでしょう。「原告・徴用工と被告・日本製鉄が話し合って和解すれば済む話」であってそれ以上でもそれ以下でもない。
 あの裁判において日韓両国政府はどちらも原告でも被告でもない。原告や被告として日韓両国政府が関わってこない話で、安倍や産経がここまでヒートアップするのがおかしい。それは結局「日本政府が被告でなかろうと徴用工の非を何一つ認めたくない」つう、ある意味くだらない話でしかないわけです。
 そして「無策だ」という朝鮮日報ですら「ならば原告も被告も日韓国民も納得する解決策とは朝鮮日報にとって何なのか」という問いには答えられないわけです。さすがに「安倍の言いなりになれ」とは朝鮮日報も公言できない。そして安倍のような男にとっては「韓国が間違ってる、俺が正しい」だから韓国にとって交渉の余地なんかどこにもないわけです。

 文氏の発言は、徴用工問題を「歴史問題ではなく、国際法上の国と国の約束を守るのかということだ」(安倍晋三首相)

 意味不明ですね。その理屈なら光華寮訴訟中国敗訴判決(高裁段階)への中国の抗議も「日本政府が国際法上の国と国の約束(田中内閣の日中共同声明福田内閣の日中平和友好条約)を守るのかということだby中国*3」と言うことで中国の言い分が正しくなるのか。「三権分立だから司法に介入できない」「裁判判決を日本政府は支持はしていない(司法への圧力になりかねないので、批判もしてないが)」といった当時の自民党政権は間違いで「自民党の態度は、日本の約束違反」だったのか。
 自民党は「中国敗訴判決を『日中平和友好条約に反する』と公然と批判する」なり「光華寮訴訟原告(台湾側)に訴訟取り下げを働きかける*4」なり何か中国のためにすべきだったのか。
 自民党は中国に対し「何らかの対応」をすることを約束すべきだったのか?*5
 おそらく安倍や産経に「光華寮訴訟中国敗訴判決(高裁段階)での日本政府の対応」との整合性を聞いてもまともに答えられないでしょう。そもそも「光華寮訴訟中国敗訴判決(高裁段階)での日本政府の対応」が念頭にないかもしれない。


韓国、中国から代替調達か 日本が輸出管理のフッ化水素 - 産経ニュース
 報道元が「上海電子報」と言う中国の新聞ですので、「中国びいきで話を盛ってる」つう可能性は無論あります。
 産経が紹介する「上海電子報」記事だと、「使ってみてダメだったら契約は打ち切る」という試験的契約であるにせよ「正式に契約締結しフッ化水素を購入する」かのようですが、もしかしたら、「交渉中にすぎない」のかもしれない。
 もちろん全くのウソ記事と言うことはさすがにないでしょうが、浜化集団側の「かなり盛った話」を上海電子報が裏取りを十分せずに流したという可能性はあるでしょう。
 現時点では「他社の報道待ち」というところでしょう。同様の報道が、中国メディア以外の「ロイター」「NYタイムズ」だのから「上海電子報の孫引き」ではなく「自ら責任を持つ報道」として出てくれば、あるいは「購入先の韓国企業が記者発表すれば」まず間違いないでしょうが。
 いずれにせよ、安倍の行為に対して「こうした対処が出てくるであろうこと」はわかりきったことです。
 おそらく「日本製でなければどうしてもダメ」ということはないでしょう。
 せいぜい「日本製が一番性能、コストなど総合面で望ましい」程度の話でしかない。ならば「当面は多少コストが跳ね上がったり、不良品の発生率が高くなったとしても代替品を都合しよう」となるに決まっています。浜化集団から購入するかどうかはともかく、また、韓国国内メーカーか、中国やロシア、欧米などの海外メーカーはともかく、「日本以外のメーカーから購入」はするでしょう。
 そしていったんそうなれば、安倍が「早期に報復措置を撤回し、二度とこんなことはないと韓国メーカーが思わない限り」、韓国半導体メーカーのそうした「フッ化水素など半導体材料での日本メーカー離れ」はどうにもならないでしょう。勿論それは反日という話ではない。
 「日本が喜んで売ってくれるのにあえて買わない」のではなく「日本が売ってくれないから買いたくても買えない*6」わけですから。
 いったん契約してしまえば、仮に今後安倍が報復措置を撤回したとしても「人情として」、『日本メーカー製品が使えそうだから、やっぱ切り替えたい』とは言いづらい。
 ましてや安倍政権が続く限り、「いったん報復措置が撤回されても」いつ同じことがまた起きるか分からないのだから、なおさら言いづらいわけです。
 「安倍が二度とこんなことはしない」と韓国メーカーが思わない限りは日本メーカーに戻ることは多分ない。そして残念ながら今の安倍では「二度とこんなことはしない」と韓国側に思わせることは到底ありそうにない。結果「韓国半導体メーカー」という「日本のフッ化水素メーカーのお得意様」が減るわけです。
 どう見ても日本にメリットはないのですが、それでも世論調査に寄れば、安倍の報復措置を批判しない日本人が多いらしいと言うのだから絶句しますね。
 残念ながら「韓国に対する不当な差別感情がある」「戦前日本に対するまともな反省がない」としか思えません。

*1:まあこの措置の是非はともかく当然ながらこうした措置を執る文政権はその北朝鮮外交をどう評価するにせよ産経などが誹謗するような「北朝鮮シンパ」ではありえません。

*2:勿論俺の立場は非ですが。

*3:当時の中国の主張は「中国がどこまで本気だったのか(本気で日本政府に何かしてほしかったのか、それとも単なる『一つの中国に反する行為はいかなるものでも絶対に認めない』という政治アピールに過ぎなかったのか)」はともかくそういう話だろうと思います。

*4:まあ取り下げないでしょうが。

*5:ただし光華寮訴訟のその後の不可解な流れ(高裁判決(1987年)から最高裁判決(2007年)を出すまで、20年も放置したあげく、最高裁で「台湾勝訴の高裁判決を破棄し、地裁に差し戻し(2019年の今も訴訟中?)」という事実上の中国勝訴判決)を考えると裏で日本政府が中国に「善処」を約束し、最高裁もそれを忖度した疑いが否定できません(なお、これは「最高裁判決が法解釈として間違ってる」と言う話ではありません。不当な政治的忖度があっても「法解釈としては判決は正しい」と言うことは当然あり得ます)。なお「最高裁の台湾敗訴判決」については「最高裁を批判しながらも」さすがに「台湾政府は勿論」、産経らウヨも「自民党政権はなんとかしろ」「何もしないのでは日台友好に反する」とは言いませんでした。

*6:正確には「売らない」わけではなく「規制してる」だけですが、安倍の態度から見て「確認手続きを口実に徹底的に輸出許可を遅らせる」つもりでしょうから、「売らない」に近いもんになるかと思います。ならば「日本ないし韓国の裁判所で韓国メーカーが日本政府(つまり安倍政権)相手に仮に訴訟を起こすにしても」、あるいは「文政権がWTO提訴するにしても」すぐに勝訴判決が出るわけではないのだから「もっと簡単に買えそうな所」を探すのは全く自然です。