高世仁に突っ込む(2019年8/2分)

ウイグルで何が起きているのか―メヒルグル・トゥルスンさんの証言3 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 高世仁に突っ込む(2019年8/1分) - bogus-simotukareのブログでコメントしたウイグルで何が起きているのか―メヒルグル・トゥルスンさんの証言2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きです。

 (つづく)

はないので今回で終了です。
 なお、ウイグル問題についての小生の考え「ウイグルの言い分が全てウソ、中国には全く問題はないと言うことはさすがにないだろう(ウイグルの主張に中国への憎悪による誇張やウソが一部あるにしても)。中国のウイグル統治に人権面で何らかの問題はあるのだろうし、中国への働きかけで改善が可能ならそうしたいが経済制裁など非現実的だし、現実問題難しい」はすでに高世仁に突っ込む(2019年7/30分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで述べており、それ以上付け加えることも「基本的には」特にありません。

 日本維新の会松井一郎代表は議員活動に介助費用を参院が負担することに反対した

 いつもながら「ゲスの極み」維新です。「維新の支持者に障害者って多分いないんだろうな」と改めて思います。

 尋問の際、「私の二人の子どもはエジプトの旅券を持っている」と告げると、すぐエジプト大使館に連絡したらしく、エジプト政府の人が面会に来て、子どもとエジプトに戻れることになった。
 4月28日、当局から2か月以内に中国に戻るよういわれ、子ども2人を連れて北京空港からエジプトに向け出国した。警察官に、「自分はなぜこんな目にあわせられるのか」と聞くと、答えは「簡単だ。お前がウイグル人だからだ」というものだった。

 「ホンマかいな?」ですね。いかに「戻らなければ家族かがどうなるか分からない」と恫喝したところで、エジプト出国を認めたら「戻ってこない可能性」もあるわけですからね(実際戻らなかった)。それでこんな悪口を吐くだろうか、つう疑問はあります。
 そこは「もちろん、お前にテロ容疑があるからだ」とかじゃないのか。

 もし中国に帰れば、私は死刑になり、子どもは孤児になる。

 さすがに死刑にはならないでしょう。もちろん「彼女の証言が概ね事実ならば」投獄される危険性はあるでしょうが。

 地区ごとに収容者の人数のノルマが与えられ、達成するために手当たり次第にウイグル人を捕まえている。

 本当にそんなノルマがあるんですかね?。本末転倒じゃないですか。

 女性がスカーフをかぶるのも禁止。

 スカーフと言ってももちろん首に巻く奴(マフラー、襟巻き)ではなく「ベールみたいな奴」です。

 女性は中国人(漢族)との結婚を促される。必ず中国人の男性とウイグル人女性の組み合わせで、逆はない。

 証言が事実だとして「え、なんで逆はないの?」ですね。男尊女卑的な話か。

 アメリカのクリニックで検査したら、「あなたがこの先子どもを産むことは90%できないだろう」と言われた。収容所で注射されたのは妊娠機能を阻害する薬だったのかもしれない。

 いやいやそう疑う正当な理由は「高世の文章を読む限り」何一つ提出されていませんよねえ。そもそも注射することで「妊娠機能を阻害する薬」なんてあるのか?。そしてクリニックは「90%できないだろう」の原因について何の詳しい説明もしなかったのか?。
 ということで「ホンマかいな、そうかいな?(引っ越しのサカイ風に)」と思う部分が結構ある証言でした。

 トゥルスンさんの証言を聞く限り、近代史上稀にみる非人道的な民族弾圧で、「ウイグル人を物理的にも消しさるつもり」という彼女の訴えに説得力を感じる。(ボーガス注:国際的にその名を?)知られた人権団体*1がいっせいに声を上げている。もはや「まさか」の段階ではなく、行動に出なければならない。

 トゥルスン証言を読めば意味は分かるとは思いますが「物理的に消し去る」とは「ホロコースト(皆殺し)」と言う意味ではなく「漢民族への同化(ウイグル族文化の否定、抹殺)」ですね。そういう意味では「ホロコースト?」という誤解を招きかねない「物理的に消し去る」ではなく「文化的に消し去る」などの表現の方がより適切ではあるでしょう。
 近代日本が行った「アイヌ朝鮮民族」の「日本民族への同化政策」みたいなもんです。
 しかし「行動に出なければならない」て高世はどんな行動に出るんですかね?。でかい口叩くのなら高世はそこまで書け、て話です。
 なお、俺は行動に出ませんね。「事実ならかわいそうだとは思いますが」、何か俺に出来ることがあるとも思えないし、興味もないので。
 俺的には「朝鮮学校無償化除外*2」「沖縄基地問題」など「日本国内の社会問題」ならまだしも「国外の問題」については「ウイグルに限らず」、基本的に「何か出来ると思えないし興味もない」です。
 ちなみにこの件についての阿部治平文章を最後に紹介しておきます。特にコメントはしません。

リベラル21 新疆ウイグル地区を旅してきた―絶滅危惧民族のいま
・初めて中国新疆ウイグル自治区を友人たちと訪れた。
・出発直前、「週刊金曜日(7月5日)」に、「中国・習近平政権下で急速に進む弾圧、在日ウイグル人を救え」と題するM谷N子氏*3の調査報告が載った。在日ウイグル人組織には右翼勢力の影響が強いこともあって、この手の報道は通常少ないのだが、M谷記事には、在日留学生らが新疆にいる家族と音信不通になるなど、悲惨な状況に置かれていることが綴られていた。
・私たちの旅行は総勢8人だった。新疆ウイグル自治区の政府所在地ウルムチの空港に到着して以後は、戒厳令下さながらに検査された。警備当局は、鉄道駅やバスターミナル、高速道路の途中などで、わが団体の名簿とパスポートを要求し、いちいち顔認証技術によって点検をした。ウルムチからマイクロバスでトルファンに向かった時は、行きに3回、帰り1回の検査を受けた。
・7月は、新疆政府にとって緊張の月である。
 10年前の2009年7月5日に200人近い死者を出したウルムチ暴動があったからである。さらに5年前の2014年7月28日にも、タリム盆地のヤルカンドでウイグル人が地元政府庁舎などを襲撃して漢族を主とする死者37人を出し、対する当局は「テロリスト*4」59人を射殺し、容疑者215人を拘束した。7月30日には、カシュガル市にあるエイティガール・モスクのイマーム(導師)ジュメ・タヒルが朝の礼拝後に刺殺された。同モスクでは1996年にもイマームのアルンハン・ハジ暗殺未遂事件が起きている。この二人は中国政府寄りの高位の人物だった。
 検査のあまりの煩わしさに私が不満を漏らすと、同行中国人が「この5年ほどの間に、警備強化によってウルムチは中国で最も安全な都市に変わったといわれている。警戒は緩やかになり、以前のように『菜刀』まで登録するという厳しさはなくなった」といった。菜刀とは料理用刃物である。これは過去のテロにおいて民族主義勢力がナイフを使った経緯があるからである。
・一人として頬ひげ・あごひげを生やしたものはいなかった。またウイグルやカザフの女性で頭髪から首までを隠して顔を出す「リチェク」をかぶったものもいなかった。
・男性のひげ、女性のスカーフなど、ムスリムの象徴とされるものは一切禁止されているのである*5。観光客らしい女性の中にはスカーフを被った人がいたから、これは新疆のムスリムに限った禁令なのであろう。
 ウルムチでは、モスクは3ヶ所しか見なかった。市内最大のモスクは商店になっていた。そこで金曜礼拝が許されているかどうかはわからなかった。私が5,6年住んだ青海省西寧市*6内には10ヶ所ほどのモスクがあったのだから、ムスリム社会としては異様な風景だった。
・北部では思いがけなく、アルタイ地方へ行くことができた。
 アルタイ地方は冷涼で比較的湿潤、高山と湖、草原と森林に富む風光明媚の地である。このため近年、新興観光地として開放されたらしい。
 観光スポットはどこも漢人を中心とする観光客で溢れかえっていた。
アルタイ地方の観光地への途上、ヨーグルトを売って学費を稼いでいるカザフ人の小中学生と出会った。彼らはきれいな漢語を話した。聞くところによると、学校では教師が使う言葉も生徒同士の会話も、漢語以外の民族語を使うことはできない。使うと処罰されるとのことであった。
 少数民族地域には普通学校と民族学校がある。民族学校では現地の民族語が原則であるが、近年モンゴル人・チベット人地域でも、政府は抵抗を排除して民族学校での漢語による教育を強行している。私たちが会ったカザフ人の少年らは、カザフ文字は小学校の低学年で学習しただけだと言った。
 人懐っこいカザフ少年と同行者の会話を聞きながら、私は今年5月にNHKテレビが放送した四川省チベット人地域のルポを思い出した。そこでは、現地テレビ局のチベット人女性幹部が「漢族になること、これがチベット人にとっての進歩です」と語っていた。中国政府が望む少数民族像そのものであった。
 こうして少数民族の文化と歴史は継承される術を失ってゆく。少年らが成人した時、カザフ民族は(中略)事実上は「消された民族」になり、中国人がいつも持つことを要求されている「身分証明書」の民族籍欄にのみその名を残すことになるだろう。
 というわけで初めての新疆旅行で、私は「民族抑圧がある」という対中国非難を否定する積極的材料を発見することはできなかった。むしろ「抑圧があるから抵抗がある」という印象をさらに強くしたのである。

*1:アムネスティとか?

*2:まあこれだって裁判闘争支援などしている方に比べれば、俺などブログ記事執筆ぐらいでほとんど何もしてないに等しく恥ずかしい限りですが

*3:以前彼女とトラブったことがあるので伏せ字にしました。

*4:阿部がカギ括弧を付ける意味が分かりません。死亡者には「テロリストでない人間もいる」つう話か。それとも「まさかとは思いますが」、正当な抗議行動だから政府庁舎を襲撃してもテロじゃないとか言うのか。

*5:これが「そのように阿部が個人的に判断したにすぎないのか」、「そのような証言が現地人からあったのか」が明確でない当たり「何だかなあ」ですね。どうも前者のような気がしますが。

*6:青海省省都