「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年8/11分:島田洋一の巻)

島田洋一
 この社説が描くような大馬鹿者なら大統領に当選することはありえない。戦前の新聞もこうしてアメリカに関する無理解を広め、世論を(ボーガス注:対米開戦という?)誤った方向に導いた*1わけだろう。沖縄戦で命を落とした人々が浮かばれない*2
<社説>米大統領の差別発言 ヘイトクライム誘発する - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
 世界のトップリーダーとしての資質を欠いていると断じざるを得ない。人種差別的な発言を繰り返し分断をあおるトランプ米大統領のことだ。
 7月には民主党の非白人女性下院議員4人に対し「世界最悪の国から来て、米政府はどうすべきか語っている。国に帰り、まず立て直してはどうか」とツイッターで攻撃した。4人の議員はそれぞれ、元ソマリア難民、プエルトリコ系、パレスチナ系、黒人。昨年の中間選挙で初当選した新人だ。この間、舌鋒(ぜっぽう)鋭くトランプ政権を批判してきた。
 米下院は「人種差別だ」と非難する決議を賛成多数で可決している。多数を占める民主党だけでなく、共和党からも賛同する議員が出た。
 それでもトランプ氏の暴言は収まらない。黒人のカミングス下院監視・政府改革委員長(民主党)に矛先を向けた。東部メリーランド州ボルティモアの地元選挙区について「ネズミがはびこり、吐き気がするめちゃくちゃな場所だ」とツイッターでののしった。
 これが一般人なら実害は少ないのだろうが、世界最大の権力を持つ米国の大統領なのだから、問題は深刻だ。
 人種差別を容認するようなトランプ氏の態度は、白人至上主義者を勢いづけ、憎悪犯罪ヘイトクライム)を助長、誘発する恐れが強い。
 南部テキサス州エルパソの商業施設で3日、白人の男が銃を乱射し、22人の死者を出した。男が投稿したとみられるインターネット上の「犯行予告」には「この攻撃は、ヒスパニックのテキサス侵略に対する返答だ」「移民は米国の未来に有害なだけだ」といった主張が見られた。
 男はツイッターでトランプ氏を称賛していたようだ。反移民政策を取るトランプ氏の姿勢が、男の行動に影響を及ぼした可能性がある。
 来年の大統領選に向けた支持者集会でトランプ氏は非白人女性議員4人について「米国が好きでないなら、出て行ってもらったらいい」と述べた。会場からは「送り返せ」の大合唱が起きた。
 こうした人々に支えられた大統領の誕生は、人権を尊重する意識が社会の中で薄れ、倫理観が崩れつつあることを示していよう。重大な懸念を抱かざるを得ない。
 国民の分断を是正し差別のない社会を築くことは、国の指導者の務めだ。

 島田には「やれやれ」ですね。カーター*3クリントン*4オバマといった民主党の大統領に悪口してきた野郎がよくも「大馬鹿者なら大統領に当選することはありえない」などといえたもんです。
 そしてトランプ批判は別に「鬼畜米英」的な代物ではない。批判されてるのは「トランプと支持者の排外主義的な言動」であって「アメリカ全体ではなく」、アメリカにおいて、一方で「民主党を中心に」トランプ批判が存在することは琉球新報社説も指摘しています。

【参考:トランプの暴言】

トランプ氏、黒人下院委員長を激烈攻撃 人種問題再燃も - 産経ニュース
 トランプ米大統領は27日のツイッターで、政権への対決姿勢を強める黒人のカミングス下院監視・政府改革委員長(民主党)を激しく攻撃し、下院議員として選出された東部メリーランド州ボルティモアの選挙区も「ネズミがはびこり、吐き気がするめちゃくちゃな場所」と口汚く非難した。
 これに対しペロシ下院議長(民主党)が「われわれは人種差別主義者の攻撃を拒絶する」と批判するなど多くの議員やボルティモア市長が猛反発。新人女性議員4人に対し「国に帰れ」と攻撃した発言に続き、再び非白人議員を狙い撃ちした今回の発言をめぐり論争が再燃する可能性がある。
 下院監視・政府改革委員会は今年、トランプ氏の不倫問題や長女イバンカさん(ボーガス注:の大統領補佐官への)起用(ボーガス注:やイバンカさんの夫クシュナー氏の大統領上級顧問への起用)などの縁故主義ロシア疑惑、未公開の納税申告書などをめぐり政権に召喚状を出すなどして追及を続けている。

*1:そもそも戦前の日本政府自体が世論を反米に誘導したわけで、新聞だけに責任転嫁など島田の行為はふざけた話です。むしろ問題は新聞よりも、アメリカの国力を過小評価する一方で、日本の国力を過大評価し「アメリカと戦っても日露戦争のように勝てる」と思い込んだ昭和天皇以下当時の政府首脳部にあります。

*2:「早期降伏」を主張する近衛上奏文が1945年2月であることで分かるように、「沖縄戦(1945年4月)」以前に既に日本の敗戦は明白でした。にもかかわらず保身のために1945年2月時点では降伏しなかった昭和天皇の責任の方が新聞なんぞよりよほど「沖縄戦についての責任」は重いでしょう。まあ、島田らウヨは絶対に昭和天皇を批判しませんが。

*3:ジョージア州知事を経て大統領。2002年ノーベル平和賞受賞。

*4:アーカンソー州知事を経て大統領